経営改善計画書の費用相場と依頼先を選ぶ基準を財務のプロ解説

経営改善計画書の費用は「誰に頼むか」で決まる。経営改善計画書の費用|相場と依頼先を丸投げせず選ぶ基準

「経営改善計画書の作成に、いったいいくらかかるんだろう…」

「コンサルに頼む余裕がないから相談しているのに、その計画書の作成にまた費用がかかるのか…」

「そもそも自分で作れる気がしない。でも“おいくらですか”と聞くのが、正直こわい」

リスケジュール(返済猶予)や条件変更、赤字決算後の追加融資を銀行に申し出る局面で、多くの経営者が最初にぶつかるのが「経営改善計画書の作成」の壁です。

自分で作るのは無理だ…と思った経営者の方はまず、「外注すると、いくらかかるのかな?」と気になって手が止まる。ここが本音ではないでしょうか。しかも「付き合いのある銀行にリスケをお願いすることが、怖い」という声も、現場では本当に多いものです。

先に結論をお伝えします。

  • 経営改善計画書の費用は「誰に頼むか」で決まる。
  • 自分で作れば費用は0円。ただし、銀行に評価される精度の高い計画書を作るのは簡単ではない
  • 計画書の作成依頼は、「安さ」だけで選ぶと、計画書が通らずに“作り直し費用”が二重にかかることがある
  • 判断軸は金額ではなく「銀行が納得する計画を作れる相手か」に置く

費用の全体像さえ先に押さえてしまえば、「自分で作る」「税理士に相談する」「プロに任せる」のどれを選ぶかは、判断できます。

筆者は「御社の財務責任者」という、10年以上のベテラン金融機関出身のコンサルタントが集まる、財務コンサルティング会社を経営しています。月額7万円〜で「財務の右腕」を持ちたい中小企業の経営者に選ばれています。資金繰り・財務・金融機関との取引に、金融機関出身のコンサルタントが継続で並走するサービスです。

筆者「岡島光太郎」のプロフィール
岡島光太郎_株式会社融資代行プロ 代表取締役

これまでの支援実績
創業前後の個人/法人中堅企業
調達額「200万円」〜「9.5億円」
多業界の資金調達 / 財務コンサル実績

なお、経営改善計画書そのものの「書き方・記入項目・テンプレート」を先に知りたい方は、経営改善計画書の作り方とテンプレート3選を先にご覧ください。本記事は“作り方”ではなく、あくまで「費用・依頼先・費用対効果」に絞って解説します。

金融機関の内側を知るその知見を、経営改善計画書づくりや資金繰りの立て直しにも活かしています。融資と財務の現場で培ったリアルで濃い内容なので、「🔖ブックマーク」して、あとから何度も読み返すことをオススメします

財務戦略〜財務改善は、知識・経験もなく「何となく」で進めると必ず失敗します財務には幅広い知識と経験が必要であり、CFOの存在が欠かせません。

財務コンサル “御社の財務責任者” は、月7万円(税抜)~で「財務・資金繰りの不安」から経営者を解放するサービスです。これまで、あらゆる業界の「ベンチャー中堅企業」のご支援実績がございます。

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目次

経営改善計画書の費用は“誰に頼むか”で決まる(自分で作れば0円)

まず全体像です。経営改善計画書の費用でつまずく人の多くは、「相場はいくらか」を探しています。ですが、この書類には全国一律の定価がありません。理由はシンプルで、費用は“書類の枚数”ではなく“誰が・どこまで作るか”で決まるからです。

同じ「経営改善計画書」でも、自分でテンプレートを埋めれば費用は0円です。一方、金融機関出身のプロに数値計画から一緒に組み立ててもらえば、当然その分の費用がかかります。つまり探すべきは「相場」ではなく、「自分はどの作り方を選ぶか」なのです。

依頼先ごとの費用構造を、ざっくり一枚にするとこうなります。

依頼先費用の目安(構造)銀行が納得する精度向いている状況
自分で作る0円
(時間コストのみ)
内容次第
(自力では出しにくい)
時間が十分にあり、
数値計画に自信がある
顧問税理士顧問料内
or
スポット費用
決算数値は強いが
計画の説得力は差が出る
顧問税理士がいる
認定支援機関経由公的制度で費用一部が補助
(される場合あり)
形式は担保されやすい補助制度を使いながら進めたい
財務・融資コンサル報酬体系に幅
(成果報酬型もある)
金融機関ロジックに沿った
計画を作りやすい
追加融資・リスケ後の
資金調達まで見据えたい

金額の幅が大きく見えて、かえって不安になったかもしれません。ですが逆です。0円という選択肢が常に手元にあるのが、経営改善計画書の費用の特徴です。あとは「自分で作った計画で銀行が動くか」を冷静に見極め、足りない部分にだけお金を使えばいい。ここから、依頼先ごとに費用構造を分解していきます。

経営改善計画書の依頼先は4種類|それぞれの費用構造を比較

経営改善計画書を「誰に頼むか」の選択肢は、以下のように大きく4つに分かれます。費用がまったく違うので、まずは自分がどの型に近いかを見つけてください。

経営改善計画書の依頼先4種と費用構造・銀行が納得する精度を比較した表形式の図解

▼経営改善計画書の依頼先4種と費用構造

それぞれの費用構造を、詳しく解説していきます。

依頼先1. 自分で作る(費用0円・ただし時間と精度のコスト)

一番安いのは、言うまでもなく自分で作る方法です。現金として出ていく費用は0円。中小企業庁をはじめとした公的機関が、計画づくりに使えるひな形を無料で公開しているので、様式代もかかりません。

ただし「0円」には見えないコストが隠れています。

まず計画書を作成する時間です。売上・利益・資金繰りの5カ年計画を数字の根拠つきで組むのは、初めてなら数十時間かかることも珍しくありません。自分の会社の経営をしながら、数十時間を捻出するのは至難の業です。

そして計画書の精度です。形式上の空欄は埋められても、銀行が本当に見るのは「その売上予測に根拠があるか」「本当に返済原資が生まれるか」という中身。ここで詰めが甘いと、提出しても差し戻され、結局やり直しになります。

筆者の体感ですが、費用を気にする経営者の方ほど、”作り直しの手間”、”経営者の時間の浪費”いう別のコストを見落としがちです。時間に余裕があり、数値計画に自信があるなら、まず自分で作ってみる価値は十分にあります。

経営改善計画書の具体的な書き方は「経営改善計画書の作り方とテンプレート3選」にまとめました。

依頼先2. 顧問税理士に依頼する(顧問料内かスポット費用か)

次に多いのが、決算を任せている顧問税理士の先生に相談する方法です。

費用は「顧問料の範囲で対応してくれるか」「別途スポット費用がかかるか」で大きく変わります。顧問契約の中に含まれるのかを、まず確認するところから始めてください。ここを確かめずに進めると、あとから「これは別料金です」と追加費用のトラブルになりがちです。

税理士の先生に頼む強みは、自社の決算数値を誰よりも熟知している点です。過去の業績推移や損益の実態は、正確に反映してくれます。

多くの経営者の方は、「数字のことは税理士に任せておけばいい」というスタンスの方も多いのですが、実は、税理士の本業は税務です。一方で、経営改善計画書は「経営」と「財務」の領域です。

決算書を正確に作る力と、銀行に評価される未来の改善ストーリーを精緻な数字で作り込む語る力は、全く別のスキルなのです。

だからこそ、金融機関向けの計画書まで踏み込める税理士は限られます。筆者の経験上、税理士の先生自身が「これは自分の専門ではない」と内心困っている、というケースも少なくありません。

つまり、顧問税理士の先生に頼めるかどうかより、その税理士の先生が“銀行が納得する計画”まで踏み込めるかが費用対効果の分かれ目です。金融機関対応に強い税理士の先生なら心強いですが、そうでなければ、決算数値の裏づけは税理士の先生に、計画の見せ方は別の専門家に、と役割を分けるのも一つの手です。

依頼先3. 認定支援機関を通す(公的制度で費用の一部補助)

「費用は抑えたいが、自力では不安」という方に知っておいてほしいのが、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)を通す方法です。認定支援機関とは、中小企業等経営強化法にもとづいて国の認定を受けた税理士・金融機関・コンサルなどを指します。相談先が認定を受けているかどうかは、その相手に個別に確認してください。

ここを通すメリットは、公的な補助の枠組みを使える場合があることです。国には「経営改善計画策定支援事業(通称405事業)」や「早期経営改善計画策定支援事業」といった制度があり、計画の策定にかかった費用の一部が補助される仕組みが用意されています。うまく使えば、専門家の力を借りながら自己負担を抑えられます。

ただし、制度名・補助率・上限額・対象要件は年度によって変わり、申請の手順も決まっています。しかも、この補助金は先に支払って、後から補給されるタイプの補助事業です。そのため、手元に資金を準備しておく必要があるのです。

最新の情報は、中小企業庁や最寄りの認定支援機関、取引金融機関の最新の公式情報で必ず確認してください。

しかも、資金繰りが切迫した急ぎの局面では、制度の申請が間に合わず使えないことも多いのが実情です。「使えればラッキー」くらいの温度感で、選択肢の一つとして頭に入れておくのが現実的でしょう。

現場でご支援をしている筆者の経験上、「405事業を使うこと」を目的にしてはいけない、ということは伝えたいです。

「認定支援機関だから安心」と考えずに、本当に大事なのは、精度の高い計画書を作れて金融機関と良い関係を保ちながら経営を安定させるところまで導いてくれる専門家を選ぶことが重要です。

制度が使えるかどうかを入り口にして依頼先を決め、肝心の中身を見落とす。そんな経営者を、筆者は多く見てきました。補助が使えなくても、通る計画を作れる相手を選ぶことが重要です。

依頼先4. 財務・融資コンサルに依頼する(報酬体系で幅が出る)

最後が、財務や融資に強い民間のコンサルタントに依頼する方法です。

着手金型・顧問型・成果報酬型など、会社によって報酬体系がまったく違います。だからこそ、金額の前に「どの報酬体系か」を必ず確認しておきましょう。

コンサルに頼む価値は、金融機関のロジックを内側から知っている点にあります。ここは強調しておきたいのですが、銀行目線の経営改善計画書を本当に書けるのは、元金融機関出身者です。銀行がどこを見て、どんな根拠なら納得するのか。審査する側にいた人間だからこそ分かる勘所を踏まえて計画を組めるかどうかで、同じ書類でも銀行の反応は変わります。だから、選ぶ基準は「安さ」ではなく「効果」に置いてください。

たとえば、筆者が運営する「御社の財務責任者」では、月額7万円〜で、10年以上のベテラン金融機関出身者が経営改善計画書をみっちり並走しながら作り上げます。金融機関出身者だからこそ、相手の金融機関の知りたいこと、気になることを詰め込んだ計画書が作れます。

また、顧問型であるために計画書を作った後の金融機関との折衝や、会社の財務状態の改善まで、計画書提出後までしっかりと並走していきます。

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経営改善計画書の費用が上下する5つの要因

同じ「プロに依頼する」でも、提示される費用は会社ごとにかなり違います。見積もりを見て「高い」「安い」と感じる前に、何が金額を動かしているのかを知っておくと、交渉も比較もぐっと楽になります。

経営改善計画書の費用が上下する5つの要因(会社の規模と決算/計画の難易度/取引銀行の数/どこまで任せるか/残された時間)をチェックリストでまとめた図解

▼経営改善計画書の費用が変わる5つの要因

それぞれの要因を、詳しく見ていきます。

要因1. 会社の規模と決算の状態

売上規模が大きく、部門や事業が複数にまたがるほど、計画に落とし込む数字は増えます。子会社や関連会社があればなおさらです。扱う数字が多いほど作成の手間が増え、費用も上がりやすいというシンプルな関係です。

決算の状態も効いてきます。数期連続の赤字や債務超過があると、「なぜそうなったのか」「どう抜け出すのか」の分析に深さが求められます。銀行が見ているのは、債務超過に至った理由と、それでも返済を続けられる見通しがあるかどうか。現状がシンプルな会社と、こじれた会社では、同じ計画書でも中身の重さがまるで違う。ここが費用に反映されます。

要因2. 計画の難易度(リスケか追加融資か・債務超過の深さ)

同じ経営改善計画書でも、目的によって求められる水準が大きく変わります。返済を一時的に止めるリスケジュール(返済猶予)を申し出るのか、赤字決算のうえで追加融資を引き出したいのか。ここで費用も難易度も変わってきます。

ただ、ここで押さえておきたい本質があります。リスケでも追加融資でも、経営改善計画書で示すべきことは同じだという点です。どちらも「この資金のおかげで今の苦境が改善し、半年から1年をめどに通常の返済へ戻せる事業に立て直せる」ことを、緻密な根拠で示すのが計画書の役目。ここを“目標”として説得力ある数字で描けるかどうかが、難易度を決めます。

リスケは、言い換えれば「返済を止めた分の資金調達」です。たとえば毎月100万円の返済を止められれば、その100万円がそのまま経営改善の原資になる。その資金でどう立て直すかの道筋を示すのが、リスケの計画書です。追加融資も理屈は同じで、追加で調達した資金なら抜本的に立て直せる可能性が高い、と示せるからこそ調達できます。

筆者の経験上、リスケは運転資金を確保して着実に改善していくケースが多く、追加融資は設備資金のような大きな資金をテコに一気に立て直すケースが多い。どちらの型が自社に合うかは、状況によって変わります。加えて、浅い債務超過を数年で解消する計画と、深い債務超過を長期で立て直す計画では、必要な精緻さがまるで違う。難しい局面ほど、この見立てと数字の作り込みに専門家の関与時間が増え、費用に跳ね返ると考えてください。だからこそ、自己判断で走り出す前に、融資に強い専門家へ「自社ならどのパターンが妥当か」を相談しておくと、遠回りせずに済みます。

要因3. 取引している銀行の数

取引金融機関が複数ある場合、返済条件の見直しでは各行への説明や資料の準備が増えがちです。そのため、銀行の数が多いほど、金融機関別の取引推移表や返済計画の作り込みが増えます。1行だけの会社と、5行と付き合う会社では、整える資料の量が違うわけです。

しかも、銀行によって見るところが少しずつ違います。金融機関出身者の視点で言えば、地方銀行は損益(PL)が良ければ前向きになりやすい一方、メガバンクは自己資本比率など貸借対照表(BS)まで踏み込んで判断する傾向があるとされます。取引先が多いほど、各行の重視点に合わせて説明を調整する必要が出てくる。ここで一つ誤解を解いておくと、取引銀行が多い=有利、ではありません。むしろ調整の手間が増え、費用が上がりやすい方向に働きます。この点を知っておくと、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。

要因4. どこまで任せるか(レビューだけか、ゼロから策定支援か)

依頼の“深さ”は、費用を左右する最大の変数のひとつです。自分で作った草案を専門家に見てもらう「レビューだけ」なのか、数値計画から一緒に組み立てる「ゼロからの策定支援」なのか。任せる範囲が広いほど費用は上がります

ここは費用を抑える余地でもあります。骨格は自分で作り、銀行が突いてきそうな弱点のチェックだけプロに頼む、という分業ならコストを抑えられる。全部を丸投げする前に、「自分でできる部分」と「プロに任せたい部分」を切り分けてみてください。

要因5. 期限までに残された時間

見落とされがちですが、時間も費用に効きます。銀行への提出期限が目前に迫っていると、短期間で仕上げる負荷がかかり、費用が上がることがあります。資金繰りがぎりぎりになってからの駆け込みは、金額の面でも不利なのです。

早めに動くほど、選べる依頼先も、使える公的制度も、費用を抑える工夫も広がります。「まだ大丈夫」と先送りにするほど、時間の余裕という一番安く手に入る味方を失っていきます。

費用を払う価値があるのはどんな時か|自分で作るべきケースとの分かれ道

ここまで読んで、「結局、費用をかけるべきなのか、自分でやるべきなのか」を知りたいはずです。費用対効果の分かれ道を、2つのケースに整理します。

経営改善計画書に費用をかけるべきケースと自分で作ってよいケースを2カラムで対比した図解

▼経営改善計画書に費用をかけるかの判断2ケース

自社がどちらに近いか、当てはめながら読んでください。

ケース1. 費用をかけてでもプロに頼むべき状況

「この計画書で銀行が動くかどうかが、会社の命運を分ける」局面では、費用をかける価値があります。具体的には、赤字決算のうえで追加融資を取りにいく、複数行のリスケジュールをまとめて申し出る、債務超過からの再建を描く、といったケースです。

理由は明確です。ここで銀行に「実現性なし」と判断されると、リスケは否決され、資金繰りは一気に悪化します。しかも一度「この計画は甘い」と見られると、その後の交渉で信頼を取り戻すのは容易ではありません。だからこそ、最初の一本を銀行が納得しやすい計画に仕上げることに費用をかけるほうが、作り直しや否決のダメージよりずっと安く済みます。もちろん、費用をかければ必ず承認されるわけではありません。それでも「銀行が判断しやすい計画かどうか」で反応が変わるのは確かで、ここは声を大にして言いたいところです。

もう一つ、この局面で大事なのは「リスケか追加融資か」を自己判断で決め打ちしないことです(両者で銀行に示す本質が同じ理由は、前章の要因2で触れた通りです)。どちらの型が妥当かは会社の状況で変わるので、まずは融資に強い専門家に「自社ならどのパターンが妥当か」を相談してから動くと、判断を誤りにくい。安さだけで依頼先を決めて通らず、結局プロに頼み直す。そんな相談を、筆者は何度も受けてきました。この局面でこそ、金額ではなく効果で選ぶ判断が効いてきます。

ケース2. まず自分で作ってみてよい状況

一方で、いきなり費用をかけなくてよい状況もあります。時間に余裕があり、数字を扱うことに苦手意識がなく、まだ資金繰りに一定の余力があるなら、まずは自分でテンプレートを使って作ってみるのが合理的です。

自分で一度作る効用は、費用の節約だけではありません。自社の数字と正面から向き合うことで、課題と改善の道筋が腹落ちします。銀行との面談で数字の根拠を自分の言葉で語れるようになる、という副産物も大きい。

ただし、ひとつだけ釘を刺しておきます。自分で作る場合でも、「銀行がこの計画のどこを見るか」という視点だけは外さないでください。ここが抜けたまま欄を埋めても、時間をかけた割に精度は上がりません。銀行が本当に評価するのは、見栄えのいい数字ではなく「達成できる計画」です。背伸びした上振れ計画は、未達に終わった瞬間に信用を失います。まず草案を作り、この視点で弱点だけ専門家にチェックしてもらう。全部を任せるか、全部を自力でやるかの二択ではありません。そこから相談するのが、費用を抑えつつ精度を上げる最短ルートだと筆者は考えます。

銀行が納得する経営改善計画書を作れる依頼先の選び方3つの視点

費用をかけると決めたら、次は「どこに頼むか」です。安さや知名度で選ぶと外します。見るべきは金額ではなく、“銀行に通る計画を作れる相手か”。3つの視点で見極めてください。

銀行に通る経営改善計画書を作れる依頼先を見極める3つの視点(金融機関のロジック/費用体系が明朗で成果連動/リスケ後や追加融資まで見据える)を中央の問いから放射状に示した図解

▼銀行が納得する計画を作れる依頼先を見極める3視点

それぞれの視点を、詳しく解説します。

視点1. 金融機関側のロジックを知っているか

もっとも大事なのがこれです。銀行が経営改善計画書のどこを見て、どんな根拠なら「支援したい」と判断するのか。この勘所を内側から知っている相手かどうかで、同じ会社の計画でも銀行の反応は変わります

見極め方はシンプルです。「銀行はこの計画のどこを突いてきますか?」と一度聞いてみてください。金融機関のロジックを知っている相手なら、想定される質問や弱点をその場で挙げられます。逆に、一般的な解説でよく見かける「まずは税理士や公的機関にご相談を」で話が止まってしまう相手なら、銀行目線までは踏み込めていないサインです。

筆者の経験上、銀行に通る会社の計画書は、数字と説明がぴたりと一致しています。損益だけでなく、資金繰りや貸借対照表(BS)まで一本の線でつながっている。逆に落ちる会社は、説明と決算がズレていたり、根拠のない試算表をただ差し出すだけだったりします。この差を作れるのは、審査する側を経験した人ならではの視点です。融資代行プロのコンサルタントは元金融機関出身者が中心で、ここが強み。費用より優先して確認したいポイントです。

視点2. 費用体系が明朗で、成果と連動しているか

次に費用体系です。着手金型・月額型・成果報酬型のどれで、いつ・いくら発生するのかが、契約前に明確に説明されるかを必ず確認してください。ここが曖昧な相手は、あとで「思っていたより高い」というトラブルになりがちです。

成果とどう連動しているかも見てください。たとえば融資が実行されて初めて費用が発生する成果報酬型なら、会社側のリスクは小さくなります。逆に、着手金を先に取って結果が出なくても返らない体系なら、その分だけ慎重な見極めが要る。費用の“額”だけでなく“発生の仕方”を見るのが、損をしないコツです。

視点3. リスケ後や追加融資まで見据えているか

経営改善計画書は、出して終わりではありません。リスケなら承認後の運用が、追加融資なら実行後の資金繰りが、本当の勝負です。計画書の作成だけで終わる相手か、その先の資金調達まで見据えて設計してくれる相手かで、価値は大きく変わります。

ここで意識したいのは、選ぶべきは「計画書を書ける人」ではなく、経営が安定するところまで伴走できる専門家だという点です。リスケも追加融資も、めざすゴールは同じ。通常の返済に戻せる状態まで、会社を立て直すことです。そこまでの道筋を一緒に描き、金融機関と良い関係を保ちながら支えてくれる相手かどうか。目先の金額より、この視野の広さのほうが、結局はずっと安く済みます。

費用で損しないための注意点|“安さ”だけで選ぶと作り直しになる

最後に、都合のいい話だけでなく、耳の痛い注意点も正直にお伝えします。経営改善計画書の費用でつまずく人には、共通する“落とし穴”があります。

「安さ」だけで依頼先を選ぶと銀行に通らず作り直しになり二重の費用がかかる流れを3ステップの因果フローで示した図解

▼経営改善計画書の費用でやりがちな3つの落とし穴

それぞれ、詳しく解説します。

注意点1. “安さ”だけで選び、通らずに二重の費用がかかる

一番多い失敗が、費用の安さだけで依頼先を決めることです。安く作れても、銀行に通らなければ意味がありません。通らずに作り直しになれば、最初の費用に加えて二度目の費用と時間がかかり、結果的に高くつきます。「安いところに頼んだけれど通らず、結局プロに頼み直した」。こういう相談は、現場で本当に多いのが実情です。

さらに怖いのが、金融機関には記録が残るという点です。一度出した計画や、その評価は、次回以降の判断にも影響しうると考えておいたほうがいい。二度目に立派な計画を出しても、担当者の見る目が厳しくなっていることは十分あります。安さで選ぶのは、この“信頼のやり直しコスト”を見落としているのです。

とはいえ、ここで不安になりすぎる必要はありません。最初から「効果」で選べば、二重の費用はそもそも避けられます。判断の目安はシンプルで、金融機関のロジックを知っている相手か、費用体系が契約前に明朗に説明されるか。この二つを確かめれば大きく外しません。「いくらかかるか怖くて聞けない」という段階でも、相談してみる価値は十分にあります。そして最後に依頼先を決めるのは、経営者自身です。全部を丸ごと任せる必要はなく、どこまで頼むかも含めて、自分の判断で選べばいい。

注意点2. 丸投げして、中身を自分で説明できなくなる

やってしまいがちなのが、専門家に完全に任せきりにして、社長自身が計画の中身を説明できなくなることです。これは税理士に任せきる場合も同じで、「数字のことは任せておけばいい」と丸投げした結果、社長が自社の数字を自分の言葉で語れない、という場面は珍しくありません。銀行との面談やリスケの申し出は、社長本人が最前線に立つのが基本です。作った本人が数字の根拠を語れないと、どんなに整った書類でも説得力を失います。

だからこそ、依頼するとしても“丸投げ”ではなく“伴走”を選んでください。専門家と一緒に作りながら、社長自身が「なぜこの数字なのか」を語れる状態にしておく。費用を払う相手は、書類を書いてくれる人ではなく、経営者が自分の言葉で銀行に説明できるよう支えてくれる人であるべきです。

注意点3. 「見えないコスト」を計算に入れていない

最後に、費用の比較でよく抜け落ちるのが「見えないコスト」です。自分で作る場合の数十時間、作り直しになった場合の再費用、判断が遅れて資金繰りが悪化する機会損失。現金として払う金額だけを見ると、比較を誤ります

「0円だから自作」「高いからやめる」と金額だけで判断せず、時間・精度・スピードまで含めた“総コスト”で考えてください。経営改善計画書は、資金繰りという会社の生命線に直結する書類です。ここでの数万円〜数十万円の判断が、その後の数百万円・数千万円の資金調達を左右する。そう考えれば、見るべきは目先の費用ではないと分かるはずです。

▼あわせて読みたい関連記事

経営改善計画書の費用についてよくある質問(Q&A)

本章では、経営改善計画書の費用について、筆者がよく聞かれる質問をまとめました。

経営改善計画書の作成費用は補助金でまかなえますか?

一定の要件を満たせば、費用の一部を国の制度で補助できる場合があります。

認定経営革新等支援機関(認定支援機関)を通じて計画を作る場合、国の「405事業(経営改善計画策定支援事業)」や早期経営改善計画策定支援の枠組みを使える可能性があります。ただし、補助の割合や上限、対象になる条件は年度ごとに見直されます。申請の前に、公式情報で最新の内容を必ずご確認ください。

また以下の点にも注意しましょう。

  1. 補助はあくまで費用の一部で、全額がまかなえるわけではない
  2. 支払った後に、資金が補給されるため、先に数百万円ほどの支払いが発生する

経営改善計画書の費用は税理士の顧問料に含まれますか?

顧問契約の内容によります。顧問料の範囲で対応してくれる場合もあれば、別途スポット費用がかかる場合もあります。

まずは顧問税理士に「経営改善計画書の作成は顧問料に含まれますか」と率直に確認するのが早道です。あわせて、その税理士の先生が過去に「金融機関への経営改善計画書の作成をしたことがあるか」「その改善計画書の評価はどうだったのか」を、できる限り確認しておくべきでしょう。

費用をかけずに自分で経営改善計画書を作ることはできますか?

できます。無料で使えるテンプレートが公的機関から公開されており、現金の費用をかけずに作成できます。具体的な作り方は経営改善計画書の作り方とテンプレート3選にまとめています。

ただし、銀行が納得する数値根拠まで自力で仕上げるのは簡単ではありません。まず自分で草案を作り、弱点だけ専門家にチェックしてもらう進め方が、費用を抑えつつ精度を上げるコツです。

御社の財務責任者」に経営改善計画書の費用を相談するといくらかかりますか?

まず、初回のご相談は無料です。

そのうえで費用は「何を頼むか」で変動します。基本は月額7万円〜(税別)となっていますが、ご依頼されるレベルや範囲によって多少の変動はしていきます。そのため、まずは無料相談で「自分のケースなら何をどこまで頼めて、費用はどう発生するのか」の見立てを聞くのが、一番損のない進め方です。「いくらかかるか怖くて聞けない」という方こそ、最初に全体像を確認するところから始めてください。

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経営改善計画書の費用は“金額”より“銀行に通る計画か”で選ぶ

経営改善計画書の費用は、探すべき「相場」があるわけではありません。誰に・どこまで頼むかで、自分で作れば0円、依頼する範囲しだいで大きく変わるのが実態です。

  • 費用は「誰に頼むか」で決まる。自分で作れば0円、プロに任せれば相応の費用がかかる
  • 依頼先は4種類(①自分②顧問税理士③認定支援機関経由④財務/融資コンサル)で費用構造が違う
  • 認定支援機関の活用で、策定費用の一部に公的な支援制度を使える場合がある(最新は公式で要確認)
  • 費用は会社規模・計画の難易度・銀行数・任せる範囲・残り時間で上下する
  • 命運を分ける局面では費用をかける価値がある。余力と時間があるならまず自作から
  • “安さ”や”補助金”だけで選ぶと、通らずに作り直し費用が二重にかかる
  • 選ぶ基準は金額ではなく、金融機関のロジックを知り、費用体系が明朗で、その先の資金調達まで見据えられる相手

経営改善計画書の作成を専門家に依頼する場合は、金額そのものより「銀行が納得する計画を作れる相手か」で選ぶことが、結局いちばん損をしない判断になります。

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