会社の資産を売却して資金調達したい?メリットや方法を徹底解説

会社の経営にあたっては、消費税増などの外的な影響も考慮しなければなりません。場合によっては、急な資金調達が必要となることもあるでしょう。

会社に不良資産や遊休資産があるならば、売却して資金調達することも可能です。

この資金調達手法にはメリットとともに、デメリットも存在します。

資産を売却するならば、適切な手順と方法を用いて、最適なタイミングで実施することが肝要です。

この記事では資金調達のメリット・デメリットと、手順や方法について解説します。

参考記事>>>【完全ガイド】資金調達方法39種類のメリット・デメリットを一挙紹介
参考記事>>>アセットファイナンスとは?その意味やメリット・デメリット

目次

資産を売却すれば資金繰りの助けになる

資産を資金化するイメージ
結論からいえば、会社の不要な資産を売却すれば、運転資金に充てることができます。

そもそも資産とは、会社が保有する全財産だと考えれば良いのです。例えば、

  • キャッシュ(現金)や預貯金
  • 株式
  • 受取手形や未収金
  • 原材料
  • 商品
  • 機械設備
  • 備品類
  • 土地
  • 建物
  • 配送車・送迎車
  • 営業権
  • 借地権
  • 投資有価証券

ほか、さまざまな形態の資産が会社には存在しています。

通常資産とは3種類に大別されます。

  1. 1年以内に現金化が可能と見なされる「流動資産
  2. 現金化に1年超を要すると見なされる「固定資産
  3. 繰延資産

の3種類です。

繰延資産は本来、費用であるにも関わらず、一度資産計上されたあとに数年間をかけて償却される費用となります。

開業費や社債発行費が代表的ですが、言わずもがな資産売却の対象にはなり得ません。

資金調達のために資産を売却する5つのメリット

グッドボタン
運転資金の調達目的で会社の資産を売却することで、さまざまなメリットが得られます。

経営判断上の大切な部分なので、きちんと理解しておきましょう。

ここではまず、資金調達のために資産を売却するメリット、下記5つを紹介します。

  1. キャッシュ(現金)を調達して一時的に資金繰りを改善
  2. キャッシュアウトを継続的に減らすことが可能
  3. 自己資本比率(株主資本比率)の改善
  4. 総資本経常利益率(ROA)の改善
  5. 固定資産の売却で節税効果

1.  キャッシュ(現金)を調達して一時的に資金繰りを改善できる

資産を売却するということは、相手方に資産とキャッシュ(現金)を交換してもらうということです。

それなりに市場価値のある資産を売却可能であれば、会社には臨時で相当な金額の運転資金が入ってくることになります。

例えば、所有する事務所や土地など不動産の売却であれば、小さくても数千万円程度にはなるでしょう。

一時的な資金繰りの悪化であれば、十分に乗り切ることができる金額です。

2. キャッシュアウトを継続的に減らすことが可能になる

会社が資産を保有しているということは、同時に維持するためのコストを会社は負担しています。

仮に送迎車があるならば、車検費用や燃料代のほか、運転手の人件費や駐車場代、税金などのコスト負担があり、その分キャッシュアウトになっている状態です。

資産を売却して手放せば、その分のコスト負担は自ずと不要になり、継続的にキャッシュアウトを減らせることになります。

まとまった金額が継続的にキャッシュアウトすると、会社の資金繰りを圧迫します。

資産の売却は運転資金を一時的に増やしたり、損益計算書を改善したりするのみならず、運転資金を継続的に増やすことにもつながります。

3. 自己資本比率(株主資本比率)の改善が期待できる

自己資本比率(株主資本比率)とは、会社の安全性を帳簿上から測るための指標です。

自己資本比率÷総資本(自己資本+他人資本)

という計算式を使って算出されます。

自己資本比率が高いということは、すなわち自己資本が潤沢で、返済義務のない資産を豊富に所有していることを意味します。

銀行やVC(ベンチャーキャピタル)などの金融機関から見れば、中長期的に見て倒産し難い会社であるという評価が可能になりますから、融資や投資を実行しやすくなるのです。

この自己資本比率を高めるためには、計算式の分母である総資本を圧縮するか、もしくは分子である純資産を拡大するか、いずれかの手法を採ることになります。

不良資産や遊休資産を売却して、そのうえで運転資金も小さくできれば、会計上総資本の圧縮が可能です。

これにより自己資本比率を、自力のみで改善できることになります。

もちろん経営者であれば、単純に増資により純資産を拡大する手法や、もしくは事業の収益性を高めて内部留保を確保し、蓄積されてきた利益剰余金を膨らませることで純資産を拡大する手法を思い付くかも知れません。

ところが増資には出資してくれる株主が必要ですし、事業の収益性を高めて内部留保を確保するためには、顧客や従業員の協力も必要になります。

いずれにせよ自力のみではどうにもならず、相応の時間も要しますから、純資産を拡大する手法を採って自己資本比率を改善することは、現実的には難易度が高いのです。

4. 総資本経常利益率(ROA)の改善が期待可能

総資本経常利益率(ROA)とは、Return On Assetsの略で会社の総資産を活用し利益を出せているかを見るための指標となるものです。

「総資本経常利益率=経常利益÷総資本×100」の計算式が用いられ、この数値が大きいほど投下資本を効率的に活用して事業の運営ができている、という証左です。

銀行やVCであれば、こちらも必ず注目してくる数値になります。

この総資本経常利益率を高めることは、計算式の分母である総資本を圧縮するか、もしくは分子である経常利益を拡大するか、いずれかの手法により可能です。

結論からいえば、自己資本比率の改善時と同様、前者の総資本を圧縮する手法の方が容易に実行できます。

不良資産や遊休資産を売却するだけで良いからです。

後者の経常利益を拡大する手法を採るのであれば、売上を増加させるか、経費を削減するかどちらかになります。

短期間に自力のみで売上を大きく増やすことは至難の業ですが、経費削減であれば比較的容易に実現可能です。

ここでも不良資産や遊休資産を売却することで、維持するために必要だったコスト負担が自ずとなくなります。

5. 固定資産の売却で節税効果が期待できる

保有する土地など不動産や、株式など投資有価証券の価格が下がることは、会社にとっての損失です。

含み損が生じたこれらの固定資産を売却することによって、損金(売却損)の計上が可能になりますから、節税効果が期待できます。

ちなみに含み損が生じた固定資産とは、売却価格が帳簿価額よりも低くなってしまった固定資産のことです。

含み損が生じている固定資産を保有していないか、固定資産台帳を今一度チェックしてみましょう。

資金調達のために資産売却をする3つのデメリット

悪天候
次に資金調達のために資産売却をするデメリットを下記、3つ紹介します。

メリットばかりに気を取られがちですが、デメリットにもきちんと目を向けることが適切な資金調達絵をおこなううえで大切です。

  1. 使用中の資産を売却すると別途コストが発生
  2. 資産を希望の金額で売却できない可能性がある
  3. 資産を売却できるまでに時間を要する

1.  使用中の資産を売却すると別途コストが発生する

使用していない遊休資産の売却であれば問題ないですが、使用中の資産を売却するのであれば、当該の事業活動自体を休止するか、もしくはコストを投じて代替品を借りるか、いずれかを決断する必要が出てきます。

例えば、配送車を売却するならば、代替車をリース契約して確保するか、配送業務をアウトソーシングするか、事業活動継続にはいずれかの必要性が生じるでしょう。

それでも資産を売却して、それを維持するために要していたコスト負担がなくなれば、新たに生じるコストとある程度は相殺可能かも知れません。

2. 資産を希望の金額で売却できない可能性がある

保有資産を希望する金額で売却できない可能性は、決して少なくありません。

買い手も、運転資金に窮する会社の足下(あしもと)を見てくるのが常であり、時間的な猶予が少ないほど、売り手の交渉力は下がるものです。

仮に10億円で購入した本社ビルを10億円以上で売却しようとしても、経年劣化の程度や立地条件などによっては、最高7億円をオファーする買い手しか現れないといったことも十分あり得ます。

それでも含み損が生じた固定資産の売却であれば、損金(売却損)計上ができますので、節税効果によりマイナス分を相殺すれば良い、という考え方も可能です。

3.資産を売却できるまでに時間を要する可能性がある

いくら資産を売却したくても、買い手が見付からなければどうしようもありません。

具体例を挙げれば、株式市場で売買できる上場企業の株式や、相場よりも低価格での社員寮の売却などであれば、程なく買い手が現れるでしょう。

他方、業績が芳しくない会社の未公開株や、陳腐化した機能・デザインの備品、市況よりも高い価格での役員送迎車の売却などであれば、買い手を見付けるまでに相当な時間を要します。

最終的に買い手が付かないことすら、十分あり得る話しです。

資産売却を行う際の4つの手順と方法

歯車を仕組み化する人たち
次に実際に資産を売却するための適切な手順と、その方法について説明しましょう。

納得する結果を得るためには、ここは必ず押さえておくべきポイントです。

1.売却対象の資産を選定する

最初にどの保有資産を売却するのかを決定する必要があります。

どのくらい運転資金が必要なのかを試算したあと、売却しても事業継続に決定的な影響を与えない資産を洗い出してください。

さらに売却対象の資産が実際どのくらいの価格で売れるのか、推測しておく必要があります。

買い取ってもらえる価格の推測方法は、買取業者や買取サイトから相見積もりを取る、もしくは類似物件・商品が取引されている市況を調べるなどです。

留意すべきは、類似物件・商品の販売価格よりも買取価格は遥かに安価になるということでしょう。

なぜならば業者が利益を乗せるからで、実際の買取価格は販売価格の最高でも8割程度と考えてください。

2.売却方法をリサーチする

選定した資産に合わせて、可能性がある複数の売却方法をリサーチします。

例えば、売買サイトやオークションサイトへの出品、専門業者への買取依頼などのほか、事業展開に勢いがある競合他社や取引先への買取依頼なども考えられるでしょう。

資産を早く、高く買い取ってくれる売却方法ほど理想的です。

ちなみに不特定多種類の物品を取り扱うリサイクル業者などは、比較的低めの買取価格をオファーしてくる傾向が強いため、原則外してください。

3.複数の売却方法を同時並行で活用する

売却方法をひとつに絞るよりも、複数の売却方法を同時平行で使って、最も高い金額をオファーしてきた買い手に売却するというやり方が上策になります。

また複数の売却方法を同時平行で走らせることにより、早期の売却の可能性が高まるものです。

仮に単一の売却方法を採るにしても、複数業者を利用する方が高く買い取ってもらいやすいですし、早く売却できるチャンスも広がります。

4.買い手と売買契約を締結して資産を売却する

買い手が現れたら、売買契約書を取り交わして、当該資産を売却しましょう。

売買契約書には買取金額や支払期限、手付金の有無・金額などを具体的に記載します。

加えて買い手の資金力や信用力についても、最低限のチェックはしておくべきです。

契約締結したにも関わらず、期日までに入金してくれないようなことになると、余計な回収コストや訴訟コストを負担することになりかねません。

資産売却に適したタイミングはケースバイケース

カレンダーと時計
売却に適したタイミングというのは、資産の種類によって異なっており、まさにケースバイケースだといえます。

とりわけ土地や建物など不動産の売却においては、税制や会社の業績などもタイミングに影響するものです。

ちなみに法人の場合は個人とは異なり、不動産売却の利益をその他の所得と合算したうえで、総額に対しての課税となります。

また法人が不動産を売却した際に負担する税金は3種類あり、法人税と法人住民税、そして法人事業税です。

消費税の課税事業者となっている場合、不動産の売却によって消費税が発生するケースもなかにはあります。

運転資金補填のために資産を売却したのに、十分な利益が確保できない結果になっては元も子もありません。

一般的に土地や建物などは、購入後5年を超えての長期譲渡で売却することが節税の観点から望ましいなどと広くいわれています。

ところが実際にはケースバイケースであり、購入後5年未満の短期譲渡であっても、十分な利益の確保が可能になるケースもあるのです。

適切なタイミングで売却すれば利益が最大化できる資産も確実にありますから、資産の売却を検討する際には、税理士や公認会計士の先生方と前広に相談されてください。


資金調達を丸投げして、資金も気持ちも楽になる!!

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ここまで運転資金の確保目的で、会社の資産を売却する際のメリット・デメリットや適切な売却手順・方法、売却タイミングの考え方などについて解説しました。

会社は社員のためにも顧客のためにも、事業の継続こそが何よりも大切です。

一時的な資金繰りの悪化を資産の売却で乗り切ることは、経営上の有効な選択肢のひとつになります。

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