介護フランチャイズ本部の融資|2500万円調達事例

介護フランチャイズ本部が施設整備とSV体制の資金として日本政策金融公庫から2,500万円を調達した成功事例のアイキャッチ

介護フランチャイズの本部として加盟を増やすべく融資で資金調達を進めている方は、以下のような悩みや課題をお持ちではないでしょうか?

「介護は公費の事業だから安定しているはずなのに、なぜか銀行の反応が鈍い…」
「『社会福祉は補助金や行政頼みでしょう』という前提で見られて、話が前に進まない…」
「研修施設を作ってSV体制を整えれば加盟施設はもっと伸びる。でも資金が動かないと、せっかくの拡大局面を逃してしまう…」

介護フランチャイズ本部の資金調達は、一般的な介護施設の融資とも、加盟オーナーの開業融資とも、まったく勝手が違います。本部には本部特有の「銀行に伝わりにくい収益構造」があり、しかも介護という業種には「補助金・行政頼み」という根強い先入観がつきまとうからです。

筆者は、「融資代行プロ」という着手金なしの完全成果報酬1%~で融資コンサルティングを行うサービスを運営しており、これまで数多くの介護事業者の融資をご支援をしてきました。

本記事はその現場経験をもとにしています。

筆者「岡島光太郎」のプロフィール
岡島光太郎_株式会社融資代行プロ 代表取締役

これまでの支援実績
創業前後の個人/法人中堅企業
調達額「200万円」〜「9.5億円」
多業界の資金調達 / 財務コンサル実績

本記事では、「介護=行政頼み」という銀行の見立てを理由に融資を渋られた介護フランチャイズ本部が、日本政策金融公庫から2,500万円を調達した事例をもとに、介護フランチャイズ本部が融資審査で評価されやすくするための整理の考え方を、融資の現場で培ったリアルで濃い内容で解説します。

同じ立場の経営者の方は、🔖ブックマークして何度も読み返すことをオススメします

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融資代行プロは、10年以上の金融機関経験のあるコンサルタントが「成果報酬型1%~」で融資コンサル/代行するサービスです。これまで6,500社以上の融資相談を受け「200万円〜9.5億円の融資の成功実績を挙げてきました。

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目次

この事例の概要|介護フランチャイズ本部が2,500万円を公庫で調達

まず、本記事で扱う事例の全体像を整理します。

※なお、個社が特定されないよう、社名・地域・代表者などの情報は伏せ、一部を一般化して記載しています。

この事例の主役は、訪問介護と居宅介護支援を展開する介護フランチャイズ本部です。

本部スタッフ8名、直営施設2カ所、加盟施設14カ所という体制で運営していました。加盟施設が急増する中で、各施設の運営をサポートするスーパーバイザー(SV)の体制整備と、新規加盟者向けの研修施設の開設が必要になり、そこに2,000万円の資金が必要という状況でした。

「SV(スーパーバイザー)」は、複数の加盟施設を巡回し、サービス品質や人員配置、行政への対応などを指導・支援する本部側の専門職で、介護フランチャイズでは、このSVの存在がサービス品質と加盟施設の定着率を大きく左右します。

調達2,500万円(公庫・施設整備1,500万円+運転1,000万円)・加盟施設14カ所・相談から実行まで3ヶ月というこの事例の数値概要図

ところが、「社会福祉の事業は補助金や行政の制度頼みではないか」という先入観から、銀行が融資に消極的で、なかなか話が前に進まずという状態。安定した介護報酬収入があるにもかかわらず、それが評価につながらない、もどかしい状態でした。

項目内容
立場介護フランチャイズ本部
(訪問介護・居宅介護支援)
体制本部スタッフ8名・直営施設2カ所・加盟施設14カ所
当初の必要資金2,000万円
(SV体制の整備・研修施設の開設)
つまずき「介護=補助金・行政頼み」の先入観で銀行が融資に消極的
調達結果日本政策金融公庫2,500万円
内訳施設整備1,500万円+運転資金1,000万円
支援期間相談から融資実行まで3ヶ月
融資後の変化研修施設を開設・SV体制を強化・加盟施設14カ所→20カ所へ拡大

弊社「融資代行プロ」がご支援した結果、当初想定の2,000万円を上回る2,500万円を調達できました。ここから先は、なぜ最初は渋られ、なぜ公庫で評価されたのか、その仕組みを順番に解き明かしていきます。

なぜ介護フランチャイズ本部は銀行で融資を渋られやすいのか

介護フランチャイズ本部が融資でつまずくのには、明確な理由があります。それは「介護=行政頼み」という業種イメージと、「本部の収益構造の見えにくさ」が、金融機関の見立てとズレているからです。

介護本部が融資を渋られやすい3つの壁(補助金・行政頼みという先入観・定員と人員基準で収入の上限が読まれる・本部のロイヤリティ収入が見えにくい)を示す図

▼介護フランチャイズ本部が融資を渋られやすい3つの理由

それぞれの理由について、詳しく解説していきます。

理由1. 「介護は補助金・行政頼み」という先入観で見られる

介護や福祉という言葉を聞くと、多くの金融機関の担当者は「行政の補助金や助成金で回っている事業」というイメージを抱きます。利益を追う民間ビジネスというより、公的な制度の枠内で運営される事業だと捉えられがちなのです。

この先入観があると、「制度が変われば収入が不安定になるのでは」「そもそも民間金融機関が出る幕なのか」という方向で話が進み、融資に消極的になってしまいます。

しかし、これは実態と大きくズレています。

介護事業の収入の柱は、補助金ではなく介護報酬です。介護報酬とは、利用者に介護サービスを提供した対価として支払われる公定価格の報酬で、その約9割は利用者の自己負担分を除いた保険給付分として、国保連(国民健康保険団体連合会)を通じて公的に支払われます。つまり、利用者の自己負担分を除いた保険給付分として、国保連を通じて公的に支払われる、極めて回収の確実な収入なのです。

正直、この「補助金頼み」と「介護報酬」の違いを、金融機関の担当者が正確に区別できていないケースは少なくありません。ここを数字と仕組みで丁寧に説明できるかどうかが、最初の分かれ目になります。

理由2. 定員・人員基準による「収入の上限」を読まれる

介護事業には、サービスごとに人員配置基準や設備基準が法律で定められています。たとえば訪問介護なら必要なヘルパーやサービス提供責任者の人数、通所介護なら定員数といった具合です。

金融機関の目線で見ると、これは「収入に上限がある事業」と映ります。介護事業の収入は、おおまかに言えば「利用者数 × サービス単価」で決まり、定員や人員の制約を超えて売上を伸ばすことはできません。さらに介護報酬は3年に一度改定されるため、「報酬改定で単価が下がったら収入が減るのでは」という懸念も持たれます。

ここで多くの本部経営者が、「うちは1施設ではなく、本部として複数施設を展開している」という強みをうまく伝えられずにいます。1施設あたりの収入には上限があっても、加盟施設が増えれば本部の収入は積み上がっていく。この、フランチャイズ本部ならではのスケール構造を金融機関に理解してもらえないと、「収入の頭打ちが見えている事業」という評価で止まってしまうのです。

理由3. 本部の「ロイヤリティ収入」が決算書から読み取りにくい

介護フランチャイズ本部の収益の柱は、加盟施設から毎月入ってくるロイヤリティ収入です。これは契約が続く限り安定して入ってくる、いわゆるストック型の収入。本来、金融機関に重視されやすい「読める収益」のはずです。

ところが、決算書をぱっと見ただけでは、このストック収入の存在と安定性が伝わりません。売上高の中に、直営施設の介護報酬収入も、加盟施設からのロイヤリティ収入も、新規加盟金も混ざって計上されていると、「どれが安定収入で、どれが一過性の収入か」が分からないのです。

しかも介護フランチャイズ本部の場合、この問題が二重に効いてきます。ひとつは「介護=行政頼み」という業種イメージの壁、もうひとつは「本部のストック収入が見えない」という構造の壁です。この2つが重なることで、実態以上に評価が低く出てしまう。

要するに、本部には公的な保険給付に裏打ちされた強い収益基盤があるのに、その強みが金融機関に「見えていない」。この情報のギャップこそが、介護フランチャイズ本部の融資が通りにくい大きな要因の一つです。そして、ここを埋めることが、融資代行プロのような融資コンサルティングの中心的な仕事になります。

日本政策金融公庫は、この介護フランチャイズ事業のどこを評価したのか

最初は渋られた事業が、なぜ公庫で2,500万円まで評価されたのか。ポイントは「『介護=行政頼み』という先入観を、国保連を通じて公的に支払われる、回収の確実な収入という事実で覆した」ことにあります。

公庫が評価した3点(介護報酬の回収安定性を数値で示した・加盟施設14カ所への拡大実績・施設整備と運転の使途と回収を明確に)を示す図

この事例で実際に評価につながった要素を、3つに整理して解説します。

▼日本政策金融公庫が評価した3つのポイント

それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。

評価1. 介護報酬の「回収の確実さ」を金融機関の言葉に翻訳した

有力な材料の一つになったのが、「介護報酬は約9割が国保連を通じて公的に支払われる」という事実を、回収リスクの観点から仕組みとして示したことです。

金融機関が融資判断で重視しやすいのは、「貸したお金が、ちゃんと返ってくる事業か」という回収の確実性です。

一般の事業では、売掛金が回収できない貸し倒れリスクが常につきまといます。ところが介護事業では、サービスを提供した報酬の大半が国保連という公的機関から支払われるため、取引先の倒産による貸し倒れがほぼ起こりません。

そこで事業計画書では、決算書の売上高に埋もれていた介護報酬収入を切り出し、「収入の大半は国保連を通じて公的に支払われ、確実に入金される構造である」ことを明示しました。さらに、報酬が請求から実際の入金まで一定の期間を要する点も踏まえ、その間の運転資金がなぜ必要かまで丁寧に説明しています。

こうして整理すると、金融機関の見え方が変わってきます。「制度頼みで不安定な福祉事業」ではなく、「公的な保険給付に裏打ちされた、回収の確実性が高い事業」として評価されやすくなります。

同じ介護事業でも、『行政頼み』と捉えるか『国保連を通じた安定回収』と捉えるかで、評価が大きく変わることがある。これが介護フランチャイズ本部の融資における重要なポイントの一つです。

評価2. 加盟施設14カ所への拡大実績を「成長の裏付け」として示した

介護報酬の回収が安定しているという話は、それだけだと「現状維持の事業」に見えかねません。金融機関が成長企業として評価するには、「これから加盟施設が増えていく」という蓋然性を示す必要があります。

この点で強力な材料になったのが、すでに加盟施設を14カ所まで広げてきた実績でした。ゼロから加盟施設を14カ所まで増やせたという事実は、「この本部には、加盟者を開拓し、立ち上げを支援し、運営を定着させる力がある」という何よりの証拠になります。

事業計画書では、これまでの加盟施設の増加ペースと、新たな研修施設・SV体制への投資を結びつけ、「この投資が、加盟施設の立ち上げ品質とサービス品質を高め、さらなる加盟施設の増加につながる」というストーリーを描きました。

過去の実績と将来計画が一本の線でつながると、金融機関は安心します。逆に、実績の裏付けがないまま「これから増やします」とだけ言っても、絵に描いた餅と見なされてしまう。14カ所という積み上げの実績は、何よりの説得材料なのです。

評価3. 「施設整備1,500万円+運転1,000万円」の使途と回収を明確に結びつけた

調達した2,500万円は、施設整備のための設備資金1,500万円と、運転資金1,000万円の組み合わせでした。この内訳の設計にも意味があります。

研修施設の開設という形のある投資(設備資金)と、SV体制の強化や加盟施設の立ち上げ支援に伴う先行コストを支える運転資金。この2つを切り分け、それぞれが「どう加盟施設の拡大とサービス品質の向上につながり、どう回収されるのか」を明確にしました

金融機関が警戒しやすいのは、「何に使うか曖昧な資金」です。逆に、資金使途と回収の道筋がはっきりしていれば、融資判断は前に進みやすくなります。お金を借りること自体が目的ではなく、その資金が事業をどう伸ばし、どう返済原資を生むのか。ここを言語化できるかどうかが、評価の分かれ目になります。

融資審査で評価されやすい本部とそうでない本部の違いは、結局のところ「介護事業の強みを金融機関に伝わる言葉に翻訳できているか」という点が大きく影響します。

詳しい審査のコツは、加盟者向けですがフランチャイズの創業融資の審査のコツや必要書類を解説した記事も参考になります。

2,500万円の融資が実行されるまで|支援の流れ【4ステップ】

ここでは、弊社「融資代行プロ」へのご相談から融資実行までの3ヶ月間で、実際にどのような流れで支援が進んだのかを解説します。

介護事業ならではの資料準備のポイントも含めて整理します。

相談から融資実行までの4ステップ(現状ヒアリング・介護報酬の安定性を軸に事業計画書・公庫の制度に合わせた資料準備・面談対策と融資実行)を示すフロー図

▼相談から融資実行までの4ステップ

それぞれのステップについて、詳しく解説していきます。

ステップ1. 現状ヒアリングと資金使途の整理

最初に行うのは、徹底したヒアリングです。

直営施設と加盟施設それぞれの介護報酬収入の実態、ロイヤリティ収入の状況、SVや本部スタッフの体制、加盟施設の稼働状況、そして「本当に必要な資金はいくらで、何に使うのか」を細かく洗い出します。

この事例では、当初「2,000万円必要」という相談からスタートしました。SV体制の整備と研修施設の開設という、加盟施設の拡大を見据えた投資局面では、運転資金に一定の余裕を持たせておくほうが資金繰りが安定します。資金は、足りなくなってから追加で借りるより、必要な局面で一度にまとまった額を確保しておく方が安全です。結果として、当初想定の2,000万円より厚い2,500万円の調達を実現できました。

ステップ2. 介護報酬の安定性を軸にした事業計画書の作成支援

次に、融資の成否を分ける事業計画書を作成していきます。ここで重視したのが、前章で解説した「介護報酬の回収安定性」「加盟施設拡大の実績」を、金融機関に伝わる形で落とし込むことです。

事業計画書の作成は、融資代行プロが一方的に代わりに書くのではなく、経営者と対話しながら一緒に作り上げていきます。介護報酬の請求や入金の実態、加盟施設の運営状況を最もよく知っているのは経営者ご自身だからです。

また、シミュレーションの中身や事業の数値なども、経営者が自ら語れないと融資はおろか、事業が始まった際にも困窮する原因になり兼ねません。そのため、弊社では事業計画書の作成についてはこだわって「共同作業」をおすすめしています。

何の準備もなく決算書だけ持って銀行に行き、「介護は行政頼みでしょう」と門前払いされた経営者を何人も見てきました。融資を「何となく」で進めると、通るものも通らなくなります。事業計画書という共通言語を整えることが、すべての出発点です。

ステップ3. 公庫の制度に合わせた資料準備とアプローチ

事業計画書が整ったら、日本政策金融公庫にアプローチします。今回、民間銀行ではなく公庫を主軸に据えたのには理由があります。

公庫は政府系の金融機関として、中小企業の成長や、社会的意義のある事業の支援を使命としています。介護・福祉のように、地域社会に必要不可欠でありながら民間銀行が「行政頼み」と二の足を踏みがちな事業についても、稼ぐ力と社会に果たす役割の両面を、公庫は正面から受け止めて評価してくれる傾向があります。

ただし、公庫には公庫ならではの審査の着眼点があります。介護事業であれば、介護報酬の入金実態、加盟施設の稼働率、人員基準を満たした運営体制、そして報酬改定への対応力などが見られます。これらに合わせて、決算書の数字だけでは伝わらない事業の実態を、補足資料として丁寧に整えていきました。

ステップ4. 面談対策と融資実行

公庫の融資では、経営者本人と公庫担当者との面談が大きな比重を占めます。

なお、金融機関への相談・申込・書類提出・面談には、経営者ご自身に臨んでいただきます。融資代行プロは事前の準備や想定問答の対策で伴走しますが、金融機関に当たるのは経営者本人が行うのが原則です。とくに公庫は、社長自身の言葉で事業を語れるかどうかを重視するため、ここは代行できない、しても意味のない部分です。

この事例では、想定される質問を洗い出し、「介護は行政頼みではないか」という先入観に対してどう答えるか、報酬改定リスクをどう捉えているか、加盟施設をどう増やしていくのかといった論点を、社長自身の言葉で語れるよう一緒に準備しました。

こうして、「介護=行政頼み」という先入観で民間銀行に渋られた事業が、日本政策金融公庫から2,500万円の調達にこぎつけました。相談から実行まで、3ヶ月のことです。


もし「私も融資を支援してもらいたい」という方は、まずは弊社「融資代行プロ」の無料の融資相談をご活用ください。無料相談では、ヒアリングを通じてあなたの会社の融資の可能性についても簡単な診断ができますので、ぜひ以下のボタンから一度ご利用ください。

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融資後に何が変わったか|研修施設の開設と加盟施設20カ所への拡大

資金を調達して終わりではありません。その資金が事業をどう変えたのかが本質です。この事例では、調達した2,500万円が、本部の成長を確かに後押ししました。

調達後、この本部では以下の変化が起きました。

▼調達後の変化

  • 研修施設の開設:新規加盟者と現場スタッフ向けの研修施設を整備し、加盟施設の立ち上げと介護サービスの品質を支援する体制を強化した
  • SV体制の強化:複数の加盟施設を巡回・指導するスーパーバイザーの体制を増強。各施設の運営支援と品質管理が行き届くようになった
  • 加盟施設14カ所から20カ所への拡大:研修体制とSV体制が両輪で機能し、加盟施設数が大きく伸びた

注目したいのは、施設(研修拠点)と人(SV体制)の両方に同時投資できたことです。研修施設だけ作ってもそれを使って指導するSVがいなければ品質は上がりませんし、SVだけ増やしても研修の場が貧弱では加盟施設の立ち上げが安定しません。設備資金と運転資金をセットで調達したからこそ、両輪を同時に回せたのです。

介護事業では、サービス品質と加盟施設の定着が、そのまま本部の安定収入に直結します。加盟施設が14カ所から20カ所へ増えれば、その分ロイヤリティ収入も積み上がります。

つまり今回の融資は、研修とSV体制という投資を通じて、本部の安定収入そのものを増やす投資だったと言えます。資金調達が次の成長を生み、その成長がさらなる調達余力を生む。この好循環に乗せられるかどうかが、介護フランチャイズ本部の成長スピードを決めます。

介護フランチャイズ本部が融資を成功させるために押さえるべき4つのポイント

ここまでの事例から、介護フランチャイズ本部が融資を成功させるための以下4つのポイントを整理します。

▼介護フランチャイズ本部の融資で押さえるべき4つのポイント

それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。

ポイント1. 介護報酬の「回収の確実さ」を前面に出す

介護フランチャイズ本部の最大の武器は、介護報酬という公的な保険給付に裏打ちされた、回収の確実な収入です。報酬の約9割が国保連を通じて公的に支払われるため、一般の事業につきまとう貸し倒れリスクが極めて小さい。これは金融機関が本来評価しやすい特性です。

しかし、決算書の売上高に埋もれたままでは、その強みは伝わりません。介護報酬収入を切り出し、「これは国保連を通じて公的に支払われる、回収の確実な収入だ」と明示することが第一歩です。回収リスクの低さを可視化できるかどうかが、評価のスタートラインになります。

ポイント2. 「介護は行政頼み」という先入観に、数字で答える

介護や福祉の事業には、「補助金や行政の制度で回っているのでは」という先入観がつきまといます。この先入観を口頭の説明だけで覆すのは困難です。

有効なのは、補助金と介護報酬の違いを明確に区別し、収入の内訳を数字で示すことです。収入の大半が、補助金ではなく、サービス提供の対価として国保連を通じて公的に支払われる介護報酬であること。その入金が国保連を通じて確実になされること。これを資料で示せれば、「行政頼みの不安定な事業」という見立ては崩れます。先入観には、感情ではなく数字で答えるのが鉄則です。

ポイント3. 加盟施設の拡大実績を「成長の証拠」として使う

すでに加盟施設を増やしてきた実績は、本部にとって何よりの説得材料です。「これから増やします」という計画だけでなく、「これまでこう増やしてきた」という事実を添えることで、計画の信頼性が一気に高まります。

これから本部を立ち上げる段階なら、直営施設の運営実績や、加盟第1号施設の立ち上げ成果を丁寧に示すことが同じ役割を果たします。介護事業では、加盟施設の稼働率や定着率といった運営の質を示す数字も、強い裏付けになります。実績と計画を一本の線でつなぐことが、成長企業として評価される鍵です。

ポイント4. 資金使途と回収見通しを必ずセットで語る

「いくら借りたいか」よりも、「その資金で何をして、どう返すか」が問われます。

今回の事例のように、研修施設(設備)とSV体制(運転)にどう使い、それが加盟施設の拡大と介護報酬・ロイヤリティ収入の増加にどうつながるのか。この回収のストーリーを描けるかどうかが、融資判断を左右します。

資金使途が曖昧だと、どれだけ事業が良くても融資は前に進みません。借りる前に、回収までの道筋を言語化しておくこと。これは融資のためだけでなく、経営判断そのものを鍛えることにもつながります。

なお、事業計画書の作り込みについては、フランチャイズ向け創業計画書のテンプレと書き方の記事や、銀行融資向けの事業計画書の作り方の記事もあわせて読むと理解が深まります。

また、業態は異なりますが本部の融資という観点では居酒屋フランチャイズ本部が2,200万円を調達した事例も参考になります。

介護フランチャイズ本部の融資についてよくある質問(Q&A)

最後に、介護フランチャイズ本部の融資について、経営者の方からよく寄せられる質問にお答えします。

介護事業は補助金や行政頼みだから、銀行融資には向いていないのでは?

それは大きな誤解です。

介護事業の収入の柱は補助金ではなく介護報酬で、その約9割は国保連を通じて公的に支払われます。これは取引先の倒産による貸し倒れがほぼ起こらない、回収の極めて確実な収入です。むしろ回収リスクの低さは、金融機関が本来高く評価すべき特性です。

問題は、その安定性が決算書の表面からは見えにくいこと。数字と仕組みで丁寧に示せば、評価は大きく変わります。

介護フランチャイズ本部の融資は、加盟オーナーの開業融資と何が違いますか?

評価される対象がまったく異なります。

加盟オーナーの開業融資では、本部のブランド力や、開設する1施設の事業計画が中心に見られます。一方、介護フランチャイズ本部の融資では、本部のロイヤリティ収入の安定性、加盟施設全体の稼働状況、そして加盟施設を開拓し運営を定着させる本部の力が問われます。

本部は「複数施設を支える仕組み」を持つビジネスとして評価される点が、最も大きな違いです。

介護フランチャイズ本部の融資で日本政策金融公庫は使えますか?

日本政策金融公庫の融資は、使えます。

公庫は政府系の金融機関として中小企業の成長を後押しする役割を担っており、介護・福祉のように地域社会に必要でありながら民間銀行が二の足を踏みがちな事業も、その事業性と社会的意義を正面から評価してくれる傾向があります。今回の事例も、民間銀行に渋られた状態から、公庫で2,500万円を調達しています。

ただし、公庫には公庫ならではの審査の着眼点があり、介護報酬の入金実態や運営体制など、準備すべき資料も民間銀行とは変わります。

その他、福祉医療機構(WAM)という融資制度も使えます。以下に参考になる記事がありますのでチェックしてみましょう。

介護フランチャイズ本部の融資相談から実行までどれくらいかかりますか?

事業の状況や金融機関によって幅がありますが、今回の事例では相談から融資実行まで3ヶ月でした。事業計画書の作成と、公庫の審査着眼点に合わせた資料準備、面談対策を効率よく進めることで、必要なタイミングに間に合わせることができます。資金が必要になってから慌てて動くより、計画段階で早めに相談を始めることをオススメします。

介護フランチャイズ本部の融資は「介護報酬の伝え方」で決まる

介護フランチャイズ本部の資金調達でつまずく本部とうまくいく本部の差は、事業そのものの良し悪しよりも、介護事業の強みを金融機関に伝わる言葉に翻訳できているかにあります。せっかく公的な保険給付に裏打ちされた安定収入と加盟施設拡大の実績があっても、それが「介護=行政頼み」という先入観の陰で「見えていない」だけで、不当に低く評価されてしまうのは本当にもったいないです。

本記事のポイントをまとめます。

▼介護のフランチャイズ融資の事例ポイント

  • 介護フランチャイズ本部は「介護=補助金・行政頼みの先入観」「定員・人員基準による収入上限」「本部のストック収入の見えにくさ」という壁で、融資を渋られやすい
  • しかし介護事業の真の強みは、介護報酬という公的な保険給付に裏打ちされた、回収の極めて確実な収入基盤にある(報酬の約9割は国保連を通じて公的に支払われる)
  • 介護フランチャイズ本部の事例では、介護報酬の回収安定性を数値で示し、加盟施設14カ所への拡大実績を成長の証拠として示すことで、日本政策金融公庫から2,500万円を調達できた
  • 「介護は行政頼み」という金融機関の先入観には、感情ではなく数字で答えることが有効
  • 資金使途と回収見通しをセットで語ることが、融資判断を前に進める鍵になる
  • 調達した資金は研修施設の開設とSV体制の強化に使われ、加盟施設は14カ所から20カ所へ拡大した

「介護は行政頼みだから」「制度頼みで不安定だから」と渋られる前に、一度、自社の強みの見せ方を見直してみてください。

本記事のポイントを見て、それでも進め方に迷うなら、融資の現場を知る専門家に相談するのが、有効な選択肢です。

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なお、介護以外の業種のフランチャイズがどう融資を通したかを知りたい方は、業種別のフランチャイズ融資成功事例を一覧でまとめた記事もあわせてご覧ください。

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