会社の経費を精算するのに、法人用のクレジットカードを使っている方は多いでしょう。
そんな法人カードですが、実はショッピング機能だけでなく、「カードローン・キャッシング機能」が付帯されているものもあり、利用限度額の範囲内でならいつでも必要な資金を調達することもできるのです。
ただ、カードローン・キャッシングを利用する際には、いくつか注意しなければならないこともあります。法人カードで資金調達を検討している方は、基礎的な知識をしっかりチェックしておきましょう。
著者プロフィール
- 資金調達コンサル会社「(株)融資代行プロ」創業者
- 財務・資金繰りコンサルティング「御社の社外CFO」創業者
- 経営コンサル会社「(株)Pro-D-use」創業者
- 中小企業の融資・補助金など資金調達支援の実績多数
これまでの支援実績
個人事業主 / 創業後スグの1人法人 / 売上300億の法人 等
資金調達額「100万円」〜「5億円」
あらゆる業界の資金調達 / 財務・資金繰りコンサル実績
本記事では、法人の資金調達でも使える「カードローン・キャッシング」について、下記について解説をしています。
- 法人カードのキャッシングの仕組み
- カードローンやキャッシングを利用する方法やメリット・デメリット
- 知っておきたい注意点
- おすすめのカードローン・キャッシング付き法人カード
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カードローン・キャッシング付き法人カードの比較軸|将来を見越して比較しよう
まずは法人カードを作る時に、「どんな点で比較をすべきか?」を悩む方に向けて法人カードの比較軸を紹介します。将来の資金調達(カードローン・キャッシング)も視野に入れるのであれば、下記の項目に着目して比較するよ良いでしょう。
比較項目 | 内容 |
---|---|
クレジット限度額 | 事業規模や資金調達の目的に応じた使用可能金額 |
キャッシング限度額 | カードから直接引き出せる現金の金額 |
キャッシング利率 | いくらの利息が請求されるのか |
キャッシングの資金使途 | 融資の資金の使い道が制限されているか、どうか |
担保・保証人 | キャッシングに担保や保証人が必要かどうか |
返済期間 | キャッシング(融資)の返済期間 |
審査結果 | キャッシングの審査結果がどのくらいで出るのか |
年会費 | 年会費がいくらなのか。無料であればあるほど良い。 |
ポイント還元率 | クレジットカード利用に合わせてポイントがどれくらい付くか |
ボーナスや特典 | ビジネスサポートや、福利厚生サービスなどの付帯サービス |
ブランド | どのカードブランドが使えるのか |
カード発行スピード | カード発行までの期間 |
オンライン明細 | オンラインでの利用状況確認や管理のしやすさ |
付帯保険 | 旅行保険や商品保証保険などの付帯保険サービス |
【年会費無料だけ厳選!】カードローン・キャッシング付きの「法人カードのオススメ2選」
事業性資金をカードローン・キャッシングで調達するなら活用したい、オススメの法人カードを2つご紹介します。下記に比較表を作成しましたので、ご参考にしてください。
どちらのカードも、「開業前でもカード発行できる」「年会費は無料」なので、まずは発行しておくのがGOODです。
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス® | 三井住友カード・ビジネスオーナーズ | ||
---|---|---|---|
年会費 | 【初年度】 無料 【2年目以降】 永年無料 | 【初年度】 無料 【2年目以降】 永年無料 | |
限度額 | 〜500万円 (個別審査) | 〜500万円 (個別審査) | |
カード発行 | 申込資格 | 満18歳以上の法人代表者 個人事業主・フリーランス | 満20歳以上の法人代表者 個人事業主(副業でもOK) |
スピード | 最短3営業日 | 最短3営業日 | |
提出書類 | なし (提出不要) | 代表者の本人確認資料 (免許証など) | |
Web完結 | ◯ Webのみでカード発行 | × | |
キャッシング | 限度額 | 110〜950万円 (セゾンビジネス サポートローン) | 10~500万円 |
利率(年利) | 2.8~9.6% | 15.0% | |
資金使途 | 原則自由 | 原則自由 | |
担保・保証人 | 不要 | 不要 | |
返済期間 | 1~110ヵ月 (〜約9年) | 最長18年11ヶ月 | |
審査結果 | 1週間~10日程 | 最短30分以内 (Web申込) | |
ポイント還元率 | 0.5%〜2.0% | 0.5%〜1.5% | |
ETCカード | 年会費無料 | 年会費無料 (前年利用実績ない場合、550円/年) | |
ボーナスや特典 | ビジネスサポートサービス レンタルサーバー優待サービス | ビジネスサポートサービス 福利厚生代行サービス | |
ブランド | アメリカン・エキスプレス® | VISA MasterCard® | |
電子マネー | Apple Pay、Google Pay、iD、QUICPay | Apple Pay、Google Pay、iD | |
オンライン明細 | あり | あり | |
付帯保険 | 国内 | なし | なし |
海外 | なし | 最高2,000万円 | |
ショッピング | なし | なし | |
公式HP | 公式サイト> | 公式サイト> |
1. セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®カード
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®カードは、ビジネスオーナーに多くのメリットがあるクレジットカードです。
4倍ポイント優遇やカード追加無料(9枚まで)、エックスサーバーのご優待など、ビジネスに役立つ様々なサービスを利用できます。また、カードをつくる審査には「登記簿謄本」「決算書」「確定申告書」の提出が不要なため、手続きは簡単です。
特定加盟店でのクレカ利用でポイント4倍
- エックスサーバー
- クラウドワークスサ
- イボウズ
- マネーフォワード
- AWS
- お名前.com
- モノタロウ 等
追加カードを発行することで、社員や家族も利用でき、その利用分は本会員の利用分と合わせて一括支払いとなります。これにより、立替払いや精算業務が不要になり、経費管理が効率化します。
さらに、セゾンビジネスサポートローンというサービスを利用すれば、低い金利(2.8%~9.6%)で、最大950万円までの融資が可能です。金利は融資額の大きさに応じて設定され、最低金利は2.8%からです。審査後にはカード設定口座への振込が行われ、返済後は枠内で自由にキャッシング利用が可能です。
キャッシングの流れ
お申し込み
お電話、紙の申込書、Netアンサーでお申し込み
所得証明書の提出
郵送で送付
※所得証明書…源泉徴収票、課税証明書、給与明細書、確定申告書、青色申告決算書」など
審査結果の連絡
審査後に、審査結果を電話で連絡が入ります
入金
電話で審査結果を連絡後、翌日には口座に融資金額が入金されます。お申し込みから融資完了(着金)までは、1週間〜10日程度です。
デメリットとしては、国内・海外旅行の傷害保険の付帯はありません。(年会費が無料のため)
これらの特典とサービスは、ビジネスオーナーが日々の業務を効率的に運営するための強力な支援となります。セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®カードは、ビジネスの成長と成功をサポートするための強力なパートナーと言えます。
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2. 三井住友カード ビジネスオーナーズ
三井住友カード ビジネスオーナーズは、経営者やオーナーのビジネスニーズに対応するために設計されたクレジットカードです。年会費は初年度無料で、2年目以降も無料のため、手頃にビジネスシーンで活用することが可能です。
このカードの特徴は、SMBCポイントが貯まることと、法人カードならではの特典です。利用額に応じてポイントが付与され、1ポイント=1円で利用可能です。その他、ビジネスシーンで役立つ特典が充実しています。
さらに、24時間365日の電話サポートが提供され、オンラインでの明細確認や利用状況の確認が可能なため、ビジネスの運営をスムーズに行うことができます。海外旅行保険が自動付帯されており、不正利用に対する補償制度もあります。
三井住友カード・ビジネスオーナーズは、ビジネスの成長と共に歩む信頼のパートナーとなるでしょう。
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法人カードのカードローン・キャッシングの仕組み
法人カードとは、法人向けに提供されているクレジットカードのことです。商品やサービスを購入する際、クレジットカードを出して決済するという点は個人カードと共通しています。
法人カードは利用限度額が大きく、かつビジネス向けの付帯サービスが充実しているところが特徴です。
例えば、下記のような特典が付帯されています。
- 経費管理に使える明細データの提供
- 会計・経理作業効率化の会計ソフト・サービスを無料で利用できる
- お店予約や贈答品選定を代行するコンシェルジュサービスが付いてくる
法人の経営者が個人カードで会社の経費を精算すると、「事業用」と「家庭用」の支出がごちゃ混ぜになって管理が難しくなります。
そこで、法人カードと法人用の口座を紐づけして経費専用にすれば、会計・経理業務を簡素化することができるのです。
法人カードの利用限度額とカードローン・キャッシング枠
法人カードの利用限度額=カードローン・キャッシング可能額ではありません。
クレジットカードには、
- 商品・サービス購入の決済に使える「ショッピング枠」
- お金を借りられる「カードローン・キャッシング枠」
の2種類がありますが、カードローン・キャッシング枠は「ショッピング枠の一部」という扱いになっています。
たとえば、利用限度額が100万円でショッピング枠が100万円、カードローン・キャッシング枠が30万円の法人カードの場合、利用限度額は100万円ですが、お金を借りられるのは30万円が上限です。
また、ショッピング枠は100万円ですが、キャッシング枠を利用して30万円のお金を借り入れている場合、ショッピング枠で決済できるのは100万円−30万円=70万円が上限となります。
なお、法人カードの利用限度額の相場は100万円~500万円ほどです。それに対して、カードローン・キャッシング枠は全体の3割程度におさまっているケースが多く、利用限度額が大きい=お金をたくさん借りられるというわけではないため、注意しましょう。
カードローン・キャッシング枠の有無で審査の基準が変わる
カードローン・キャッシング機能を付帯できる法人カードでは、申込みの際に「キャッシング機能の有無」や「利用希望額」を自分で設定することができます。(カードによってはキャッシング枠を0円にできないものもあります)
カードで資金調達をするためには、法人カードを資金調達に利用する場合、当然「カードローン・キャッシング枠あり」を選択しなければなりません。しかし、ショッピング枠のみのカードを申し込む場合に比べると、基本的に審査の基準が厳しくなります。
カードローン・キャッシング機能を使う=資金繰りに困っている可能性があると考えられるため、カード会社は貸し倒れリスクを防ぐために、より審査を厳格にせざるを得ないからです。キャッシング機能は手持ちの法人カードに後付けすることも可能ですが、審査の結果、キャッシング枠を付帯できなかったというケースも少なくありません。
クレジットカードは比較的簡単に作れるものというイメージがありますが、カードローン・キャッシング枠をつけると審査の基準が高くなりますので油断は禁物です。
法人カードでカードローン・キャッシングする「メリット5つ」
資金調達の方法は複数ありますが、他の方法に比べて法人カードのカードローン・キャッシングを利用するメリットを5つのポイントにわけてご説明します。
1. いつでも、早く(すぐに)資金調達できる
中小企業で一般的な資金調達は、銀行からの融資です。その銀行から融資を受けるには、なかには2ヶ月以上かかるケースもあるため、急な入り用に対応できないことがほとんどです。
銀行融資では、申込み手続きをおこない、その後に所定の審査を受けなければなりません。申込みから融資までにかかる日数は金融機関ごとに異なりますが、早くても3週間、通常でも1.5ヶ月ほどかかるものです。
法人カードのカードローン・キャッシングは、あらかじめ審査を受けてカードローン・キャッシング機能を付帯させているので、必要に応じてすぐに資金を調達できるのです。そのため、急な出費にも迅速に対応可能です。
2. 繰り返し資金を調達できる
銀行融資は、必要な時に都度申込みを行わなければならないため、手間と時間がかかります。
一方、法人カードのカードローン・キャッシングは、利用限度額の範囲内でなら何度でもお金を借りることができます。いちいち審査を受けたり、手続きを行ったりしなくて済むので、資金調達の手間を大幅に省けるところが利点です。
3. 担保・保証人なしで借りられる
金融機関で融資を受ける場合、資産を担保に入れたり、保証人を設定したりしなければならないケースも少なくありません。
法人カードのカードローン・キャッシングは所定の審査を受ける必要はありますが、担保や保証人は原則不要ですので、資金調達のリスクを低減できます。
4. 海外ですぐに現地通貨が手に入る
法人カードのなかには、国内だけでなく、海外でのキャッシングに対応しているものもあります。
通常、海外で現地通貨を入手するには、現地の銀行や両替所で外貨両替を行う必要がありますが、悪質な業者で両替を依頼すると、金額をごまかされたり、法外な手数料を取られたりする恐れがあります。
海外キャッシング可能な法人カードを利用すれば、安全かつスピーディに現地通貨を入手できるため、「国内の外貨両替だけでは足りなかった」という不測の事態にも対応できます。
5. 法人カード付帯の機能が使える
法人カードには、各カード会社が独自に設けている特典やサービスが付帯されています。特典の内容はカードの種類によって異なりますが、代表的なサービスには以下のようなものがあります。
- ポイントやマイルの付与
- グルメや宿泊施設の優待サービス
- 空港ラウンジの利用
- ショッピング保険の付帯
- コンシェルジュサービス
- ビジネス関連の商品やサービスの優待プログラム
- 国内外の旅行証が保険の付帯
一般的な銀行融資の場合、当然ですがこうした特典・サービスは付帯されませんので、法人カードならではのメリットといえるでしょう。
法人カードでカードローン・キャッシングを利用する「デメリットと注意点3つ」
法人カードのカードローン・キャッシングを資金調達に使う場合のデメリットや注意点を3つご紹介します。
1. カードローン・キャッシング利用枠が少ない
法人カードは個人カードに比べて、クレジットの限度額が大きいところがメリットです。しかし、総利用限度枠に対するカードローン・キャッシングの比率はあまり高くありません。
カードローン・キャッシング枠の設定は、カード会社や利用実績などによって異なりますが、多いところでも950万円(※)、ほとんどの法人カードのキャッシングは~50万円を限度としているケースが大半を占めています。
(※)…セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®
運転資金や設備投資の補填として使う程度なら問題ありませんが、新規事業の立ち上げや赤字・債務超過の解消など、多額の資金を必要とする場合は、他の資金調達方法を活用した方がよいでしょう。
2. カードの選択肢が限られる
カードローン・キャッシング機能が付帯された法人カードは、実はそれほど多くありません。キャッシングで資金調達をしようとしている事業主の場合は、経営が上手くいっていないことが多く、カードローン・キャッシング機能を付けると貸し倒れのリスクが高くなってしまうからです。
そのため、法人向けに発行されているクレジットカードはたくさんありますが、カードローン・キャッシング機能を付帯できるカード自体は少なく、選択肢はかなり限られてしまうのが実状です。(個人向けのクレジットカードにはよく付いています)
また、キャッシング機能付帯可の法人カードでも「個人事業主のみ」といった制限がついているカードもありますので、法人が資金調達のためにクレジットカードを選ぶときは注意しましょう。
3. 金利が高い
法人カードは担保や保証人が不要なぶん、不動産担保や人的担保、流動資産担保などの融資に比べると金利が高めに設定されています。
カードローン・キャッシングの利用額が多いほど金利は低くなる傾向にありますが、それでも一般的な銀行融資に比べると金利の負担は大きくなります。
法人カードでカードローン・キャッシングする流れ・方法「3ステップ」
法人カードを使って資金調達する方法を、3つのステップに分けてご説明します。
キャッシング可能な法人カードを入手する
まずは、カードローン・キャッシング利用可能な法人カードをつくる必要があります。カードローン・キャッシング可能な法人カードを入手する方法は、大きく分けて2つあります。
新しく法人カードを申し込む方法
カードローン・キャッシング機能付帯の有無をしっかり確認したうえで、カード会社のホームページなどから該当のカードの入会を申し込みます。申込みの際は必ずカードローン・キャッシング利用「有り」にチェックを入れ、利用希望額のなかからニーズに合った金額を選択しましょう。
所有している法人カードにカードローン・キャッシング機能を追加する
多くのカード会社では、マイページやお客様ページなどから、カードローン・キャッシング枠の追加を申し込める仕様になっています。この方法の場合、カード会社はすでに必要な情報を把握していますので、別途個人情報を入力する必要はありません。
資金調達する(カードローン・キャッシングする)
法人カードを使ってお金を借りる方法は2つあります。
最寄りのATMを使う方法
どのATMを利用できるかはカードによって異なりますが、最近は銀行ATMだけでなく、コンビニATMにも対応しているカードがほとんどです。手順としては、下記の通りです。
- 「お引きだし」
- クレジットカードを挿入
- 暗証番号入力
- 「お借り入れ」を選択
- 1回払いまたはリボ払いのいずれかを選択
- 1万円単位で必要な金額を入力
- 出金
なお、カードによってはATMで手数料が発生するものもありますので、あらかじめ注意しましょう。
インターネットから借入申し込みする方法
ネットカードローン・キャッシングに対応しているカードに限られますが、Web上で借り入れ希望額を入力して申し込むだけで、指定の口座に入金してもらえます。ATMでお金を借りる→口座に入金するという手間を省けるので、「引き落としに足りない分を補填したい」といったケースに便利です。
借入金を返済する
カードローン・キャッシングしたお金の返済は、原則として指定の口座からの自動引き落としになります。リボ払いを選択した場合は分割での支払いになりますが、毎月利息がかかりますので、余裕がある場合は約定返済日以外でも、ATMから任意の金額を繰り上げ返済することができます。
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