学習塾のフランチャイズで融資を受けようとしている経営者の方は、以下のようなお悩みや課題をお持ちではないでしょうか?
「1教室目は黒字化したのに、2教室目の融資では銀行から『生徒数の見込みが甘い』と言われた…」
「塾の経営には自信があるのに、なぜか銀行に伝わらない…」
「オーナーとしてようやく独立できそうだが、融資が不安で先に進めない…」
学習塾フランチャイズの融資は、「通常の融資」や「創業融資」とは審査での見られ方が変わります。「これから生徒が集まるかどうか」という未来の根拠を、銀行が納得する形で示せるかどうかが、すべてを左右するからです。
筆者は、「融資代行プロ」という着手金なしの完全成果報酬1%~で融資コンサルティングを行うサービスを運営しており、これまで数多くの学習塾の融資のご支援をしてきました。
本記事はその現場経験をもとにしています。

- (株)融資代行プロ 代表取締役
- 資金調達・財務コンサル会社の経営者
1.融資コンサル|融資代行プロ
2.財務コンサル|御社の財務責任者
3.社外CFOサービス|御社の社外CFO
4.事業計画書の作成代行サービス - 経営コンサル会社の経営者
新規事業コンサル|(株)Pro-D-use - その他、エクイティ支援実績なども多数
これまでの支援実績
創業前後の個人/法人〜中堅企業
調達額「200万円」〜「9.5億円」
多業界の資金調達 / 財務コンサル実績
本記事では、損益分岐点を超えて黒字化した学習塾フランチャイズのオーナーが、2教室目の開設資金800万円を日本政策金融公庫から調達した事例をもとに、学習塾FCの融資審査で見られるポイントを、融資の現場で培ったリアルで濃い内容で解説します。
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この事例の概要|学習塾FCオーナーが2教室目に800万円を公庫から調達
まず、本記事で扱う学習塾のFCオーナーの事例の全体像を整理します。なお、個社が特定されないよう、社名・地域・代表者などの情報は伏せ、一部を一般化して記載しています。
この事例の主役は、学習塾のフランチャイズに加盟しているオーナーです。1教室を運営し、講師を含むスタッフ6名・生徒数42名という体制でした。この塾の損益分岐点は生徒数32名で、すでにそれを超えて黒字化を達成していました。

1教室目の黒字化で手応えを掴んだオーナーは、2教室目の開設を計画しました。
ところが、2教室目に必要な内装費とICT設備の導入に約800万円が必要となり、銀行に相談したところ「2教室目の生徒数見込みの根拠が弱い」として難色を示されていました。1教室目の実績は出ているのに、新しい教室で本当に生徒が集まるのか、その裏付けが足りないと判断されたのです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 立場 | 学習塾フランチャイズの加盟オーナー |
| 体制 | 1教室 スタッフ(講師含む)6名 生徒数42名 |
| 状況 | 損益分岐点(生徒数32名)を超えて黒字化済み |
| 必要資金 | 約800万円 (2教室目の内装費・ICT設備導入) |
| つまずき | 銀行に「2教室目の生徒数見込みの根拠が弱い」と難色を示された |
| 調達結果 | 日本政策金融公庫 800万円 (設備資金550万円+運転資金250万円) |
| 支援期間 | 相談から融資実行まで1.5ヶ月 |
| 融資後の変化 | 2教室目を開設 開校5ヶ月で生徒数33名に到達し損益分岐点を突破 |
弊社「融資代行プロ」がご支援した結果、必要としていた800万円を日本政策金融公庫から調達できました。
ここから先は、なぜ銀行に難色を示されたのか、そして公庫がどこを評価して融資を実行したのか、その仕組みを順番に解き明かしていきます。
なぜ学習塾FCの2教室目は「生徒数の根拠」で止まりやすいのか
学習塾フランチャイズの2教室目融資が「見込みが甘い」で止まるのには、明確な理由があります。それは、塾というビジネスの特性と、金融機関が未来の数字をどう見るかの間に、大きなギャップがあるからです。

▼学習塾FCの2教室目融資が止まりやすい3つの理由
それぞれの理由について、詳しく解説していきます。
理由1. 黒字化済みでも「未来の生徒数」は別物として見られる
1教室目が黒字化していること自体は、もちろん強力な実績です。しかし、金融機関が2教室目の融資で本当に知りたいのは、「これから新しく開く教室に、本当に生徒が集まるのか」という未来の話です。
塾の収益は、ほぼ「在籍生徒数 × 月謝」で決まります。つまり、生徒数の見込みが甘ければ、返済原資である利益の見込みも一緒に崩れてしまうのです。だからこそ銀行は、2教室目の生徒数見込みに対して厳しい目を向けるのです。
ここで多くのオーナーが、「1教室目がうまくいっているんだから、2教室目も大丈夫」という肌感覚で説明してしまいます。気持ちは分かりますが、それは金融機関にとっては根拠になりません。「なぜその生徒数が集まると言えるのか」を、感覚ではなく数字で示せるかどうかが、重要な要素になります。
理由2. 月謝という「ストック収入」が決算書で伝わりにくい
学習塾の収益の最大の強みは、毎月安定して入ってくる月謝収入です。
一度入塾した生徒は、特別なことがなければ翌月も翌々月も通い続けます。これは、いわゆるストック型の収入であり、本来は金融機関が評価しやすい「読める収益」のはずです。
ところが、決算書の売上高をぱっと見ただけでは、このストック収入の安定性が伝わりません。入会金、教材費、季節講習の収入などが売上高に混ざって計上されていると、「どれが毎月安定して入る月謝で、どれが一過性の収入か」が分からないのです。
サービス業の収益を見るとき、金融機関は「人件費÷売上高」の推移や、収入の継続性に注目します。
塾の場合、在籍生徒の継続率と月謝の積み上がりこそが事業の安定性を示す核心ですが、それが決算書の表面には現れにくい。要するに、強い収益基盤があるのに、その強みが金融機関に「見えていない」状態になりがちなのです。
理由3. 1教室目の成功が「立地の運」と見なされる
学習塾の集客は、立地と商圏に大きく左右されます。
ここでいう商圏とは、その教室に通ってくれる生徒が住んでいる地理的な範囲のことです。徒歩や自転車、あるいは送迎で通える距離に、対象となる子どもがどれだけいるかが、塾の集客力を決めます。
だからこそ金融機関は、「1教室目がうまくいったのは、たまたま良い立地・良い商圏だったからではないか」という疑いを持ちます。もしそうなら、2教室目が同じようにうまくいく保証はありません。1教室目の成功を「オーナーの運営力」と見るか「立地の運」と見るかで、2教室目への評価はまったく変わってしまうのです。
筆者の経験上、ここを乗り越える鍵は、2教室目の商圏でも生徒が集まる根拠を、客観的なデータで示すことにあります。「立地の運」という疑いを、「商圏分析に基づいた再現性のある集客」という見立てに変えられるかどうか。これが、学習塾FCの2教室目融資の分かれ目になります。
日本政策金融公庫は、この「2教室目の計画」のどこを評価したのか?
銀行に「見込みが甘い」と止められた計画が、なぜ日本政策金融公庫で800万円の評価を得られたのか?ポイントは「2教室目の生徒数見込みを、感覚ではなく根拠のある数字に組み立て直した」ことにあります。

この事例で実際に評価につながった要素を、3つに整理して解説します。
▼日本政策金融公庫が評価した3つのポイント
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
評価1. 生徒数シミュレーションで「未来の数字」に根拠を与えた
銀行に止められた最大の理由が「生徒数見込みの根拠が弱い」だったので、ここを最優先で組み立て直しました。具体的には、以下の3つの要素を掛け合わせた生徒数シミュレーションを作成します。
▼組み直した3要素
- 商圏人口
- 競合教室数
- 1店舗目の生徒獲得実績
1つ目が商圏人口です。2教室目の予定地から通学圏内に、塾の対象となる学齢期の子どもがどれくらい住んでいるかを、公的な統計データをもとに算出しました。
2つ目が競合教室数です。同じ商圏に他の塾がいくつあり、どの程度の生徒を抱えていそうかを調べ、自塾が現実的に取り込める生徒数の上限を見積もります。
3つ目が、既存の1教室目の生徒獲得実績です。1教室目が開校から何ヶ月でどのペースで生徒を増やしたか、商圏人口に対してどれくらいのシェアを取れたか。この実績を新教室の商圏に当てはめることで、「同じ運営力なら、この商圏ではこれくらいの生徒が見込める」という再現性のある数字を導き出しました。
この3つを掛け合わせることで、生徒数の見込みは「オーナーの感覚」から「商圏データと自社実績に裏付けられた予測」へと見え方が変わります。同じ計画でも、根拠の組み立て方を変えるだけで評価は変わるのです。これが学習塾FCの2教室目融資審査で重視されやすい大きな要因の一つです。
評価2. 1教室目の月謝ストック収入を「返済原資」として示した
2教室目の生徒数見込みに根拠を与えたうえで、もう1つ重要だったのが、1教室目がすでに生み出している安定収益を、返済原資としてはっきり示したことです。
事業計画書では、決算書の売上高に埋もれていた月謝収入を切り出し、「在籍生徒◯名 × 平均月謝◯円 = 毎月◯万円の安定収入」という形で明示しました。さらに、損益分岐点である生徒数32名を超えて42名が在籍しているという事実を添えることで、「1教室目はすでに余裕をもって黒字化しており、ここから返済原資が安定的に生まれている」ことを数字で裏付けます。
こうして示すと、金融機関の安心感はぐっと高まります。
仮に2教室目の立ち上がりに多少時間がかかっても、すでに黒字化した1教室目の利益が返済を支えることできる、と示すことができます。新規投資のリスクを、既存事業の安定収益でカバーできる構造を見せられたことが、評価を後押ししました。
評価3. 「設備550万円+運転250万円」の使途と回収を結びつけた
調達した800万円は、設備資金550万円と運転資金250万円の組み合わせでした。この内訳の設計にも意味があります。
内装工事やICT設備の導入といった、形のある一度きりの投資が設備資金550万円。一方、開校から生徒数が損益分岐点に達するまでの間、家賃や人件費を支える先行コストが運転資金250万円です。
塾は開校してすぐに満員になるわけではなく、生徒が損益分岐点を超えるまでには数ヶ月かかります。この立ち上がり期間の赤字を運転資金でしっかり手当てしておくことが、開校後の資金繰りを安定させる肝になります。
金融機関が特に慎重に見るのは、「何に使うか曖昧な資金」や「立ち上がり期間の見通しが甘い計画」です。逆に、設備と運転を切り分け、それぞれが「どう生徒獲得につながり、いつ黒字化して、どう回収されるのか」を明確にすれば、融資判断は前に進みやすくなります。お金を借りること自体が目的ではなく、その資金が事業をどう伸ばし、どう返済原資を生むのか。ここを言語化できるかどうかが、評価の分かれ目になります。
学習塾FCの融資が通るオーナーとそうでないオーナーの違いは、結局のところ「未来の生徒数を、金融機関が納得する根拠で示せているか」に尽きます。
なお、フランチャイズ全般の審査のコツについては、フランチャイズの創業融資の審査のコツや必要書類を解説した記事も参考になります。

800万円の公庫融資が実行されるまで|支援の流れ【4ステップ】
ここでは、お客様が弊社「融資代行プロ」へ相談してから融資実行までの1.5ヶ月間で、実際にどのような流れで支援が進んだのかを解説します。
生徒数シミュレーションの作り込みも含めて整理します。

▼相談から融資実行までの4ステップ
- ステップ1.現状ヒアリングと資金使途の整理
- ステップ2.生徒数シミュレーションの作成支援
- ステップ3.公庫向け事業計画書への落とし込み
- ステップ4.面談対策と融資実行
それぞれのステップについて、詳しく解説していきます。
ステップ1. 現状ヒアリングと資金使途の整理
最初に行うのは、徹底したヒアリングです。1教室目の在籍生徒数と月謝の内訳、開校からの生徒数の推移、損益分岐点、月々の固定費、そして「2教室目に本当に必要な資金はいくらで、何に使うのか」を細かく洗い出します。
この事例では、内装費とICT設備で約800万円という相談からスタートしました。
ここで重視したのが、設備にかかる費用だけでなく、開校後に生徒が損益分岐点に達するまでの運転資金も合わせて確保することです。資金は、足りなくなってから追加で借りるより、必要な局面で一度にまとまった額を確保しておく方が安全だからです。
ステップ2. 生徒数シミュレーションの作成支援
次に、この案件の成否を分ける生徒数シミュレーションを作成していきます。前章で解説した通り、2教室目の予定地の商圏人口、周辺の競合教室数、そして1教室目の生徒獲得実績の3つを掛け合わせ、新しい教室で何ヶ月後におよそ何名の生徒が集まるのか、その予測を根拠とともに組み立てました。
このシミュレーションは、私たちが一方的に作るのではなく、オーナーと対話しながら一緒に作り上げていきます。1教室目がどのように生徒を増やしてきたか、どの学年が集まりやすいか、地域の特性はどうか。その実態を最もよく知っているのはオーナーご自身だからです。
また、シミュレーションの中身や事業の数値なども、経営者が自ら語れないと融資はおろか、事業が始まった際にも困窮する原因になり兼ねません。そのため、弊社では事業計画書の作成についてはこだわって「共同作業」をおすすめしています。
我々は、何の準備もなく決算書だけ持って銀行に行き、門前払いされた経営者を何人も見てきました。融資は「何となく」で進めると必ず失敗します。生徒数の根拠という共通言語を整えることが、すべての出発点です。
ステップ3. 公庫向け事業計画書への落とし込み
生徒数シミュレーションが固まったら、それを日本政策金融公庫向けの事業計画書に落とし込んでいきます。
ここでのポイントは、1教室目の月謝ストック収入を返済原資として明示し、2教室目の生徒数見込みと、設備・運転の資金使途、そして回収までの道筋を一本の線でつなぐことです。
日本政策金融公庫は、成長を目指す中小企業や個人事業主の支援を使命とする政府系の金融機関です。民間銀行が「2教室目の見込みが甘い」と二の足を踏んだ案件でも、事業計画にしっかりした裏付けがあれば、前向きに審査を進めてくれるケースは少なくありません。
ただし、公庫には公庫ならではの審査の着眼点があり、準備すべき資料も民間銀行とは変わるため、それに合わせた組み立てが重要です。
ステップ4. 面談対策と融資実行
事業計画書が整ったら、公庫との面談に向けた対策を行います。生徒数シミュレーションの前提をどう説明するか、想定される質問にどう答えるか、事前に整理して臨みます。
なお、金融機関への相談・申込・書類提出・面談は、オーナーご自身が行う前提です。私たちは候補となる金融機関の整理や、事業計画書・資料の準備、想定問答の対策で伴走しますが、金融機関とのやり取りは経営者本人が行うのが原則です。公庫は、オーナー自身が自分の言葉で塾の経営と2教室目の計画を語れるかどうかを見ているからです。1教室目を実際に黒字化させたオーナーの言葉には、何よりの説得力があります。
こうして、銀行に「見込みが甘い」と止められた2教室目計画は、根拠のある生徒数シミュレーションと事業計画書によって、日本政策金融公庫から800万円の調達にこぎつけました。相談から実行まで、わずか1.5ヶ月のことです。
もし「私も学習塾の融資を支援してもらいたい」という方は、まずは弊社「融資代行プロ」の無料の融資相談をご活用ください。無料相談では、ヒアリングを通じてあなたの会社の融資の可能性についても簡単な診断ができますので、ぜひ以下のボタンから一度ご利用ください。
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融資後に何が変わったか|2教室目が開校5ヶ月で損益分岐点を突破
資金を調達して終わりではありません。その資金が事業をどう変えたのかが本質です。この事例では、調達した800万円が、2教室目の立ち上げを確かに後押ししました。
調達後、この塾では以下の変化が起きました。
▼調達後の変化
- 2教室目の開校:内装工事とICT設備の導入を経て、新エリアに2教室目を開校
- 開校5ヶ月で生徒数33名に到達:生徒数シミュレーションで見込んだペースに沿って生徒が増加
- 損益分岐点(生徒数32名)の突破:開校からわずか5ヶ月で黒字化のラインを超えた
注目したいのは、生徒数シミュレーションで描いた見込みが、実際の集客とほぼ一致したことです。
商圏人口・競合・1教室目の実績から導いた予測通りに生徒が集まり、開校5ヶ月で損益分岐点である32名を超える33名に到達しました。これは、2教室目の生徒数見込みが「感覚」ではなく「再現性のある根拠」に基づいていたことの何よりの証明です。
2教室目が損益分岐点を超えれば、ここから先に増える生徒の月謝は、塾全体の利益を押し上げていきます。つまり今回の融資は、内装とICT設備という投資を通じて、塾全体の月謝ストック収入そのものを増やす投資だったと言えます。1教室目で得た運営ノウハウを2教室目で再現し、その2教室目がまた次の教室の調達余力を生む。この好循環に乗せられるかどうかが、学習塾フランチャイズの成長スピードを決めます。
学習塾FCが2教室目の融資を成功させるために押さえるべきポイント
ここまでの事例から、学習塾フランチャイズのオーナーが2教室目の融資を成功させるための普遍的なポイントを整理します。自社の資金調達に応用できるよう、再現性のある形でまとめました。
▼学習塾FCの2教室目融資で押さえるべき4つのポイント
- ポイント1.生徒数見込みを3つの要素で裏付ける
- ポイント2.月謝ストック収入を切り出して見せる
- ポイント3.1教室目の成功を「運営力」として示す
- ポイント4.設備と運転を分けて回収まで語る
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
ポイント1. 生徒数見込みを「3つの要素」で裏付ける
2教室目融資で大きな関門になりやすいのが、生徒数見込みの根拠です。ここを感覚で語ってしまうと、どれだけ1教室目が好調でも「見込みが甘い」で止まってしまいます。
商圏人口、競合教室数、そして1教室目の生徒獲得実績。この3つを掛け合わせて、「この商圏なら、開校から◯ヶ月で生徒数◯名が見込める」という数字を組み立てることが第一歩です。未来の生徒数に客観的な根拠を与えられるかどうかが、評価のスタートラインになります。
ポイント2. 月謝の「ストック収入」を切り出して見せる
学習塾の有力な武器は、毎月安定して入る月謝収入です。しかし、入会金や教材費、季節講習の収入と混ざったままでは、その安定性は金融機関に伝わりません。
在籍生徒数、平均月謝、生徒の継続率。これらを売上高の中から切り出し、「これは毎月安定して入る月謝収入だ」と明示することが大切です。さらに、損益分岐点となる生徒数を超えていることを示せば、その月謝収入が返済原資として機能することがはっきり伝わります。
ポイント3. 1教室目の成功を「運営力」として示す
「1教室目がうまくいったのは立地の運」と見なされると、2教室目への評価は伸びません。逆に、1教室目の成功が「オーナーの再現性のある運営力」だと示せれば、2教室目の見込みにも説得力が生まれます。
1教室目で生徒数を伸ばしてきたペースや、商圏内で取れたシェアを数字に落とし込み、その運営手法を2教室目の商圏へそのまま当てはめてみせる。「立地の運」を「再現できる運営力」に変えることが、2教室目融資の鍵です。
ポイント4. 設備資金と運転資金を分けて、回収まで語る
「いくら借りたいか」よりも、「その資金で何をして、いつ黒字化して、どう返すか」が問われます。今回の事例のように、内装・ICT設備(設備資金)と、開校から損益分岐点に達するまでの先行コスト(運転資金)を切り分けることが重要です。
特に学習塾は、開校してすぐに生徒が集まるわけではなく、損益分岐点を超えるまでに数ヶ月かかります。この立ち上がり期間の運転資金を見込まずに設備資金だけ借りると、開校後の資金繰りが苦しくなります。設備と運転をセットで設計し、回収までの道筋を言語化しておきましょう。
これは融資のためだけでなく、開校後の経営判断そのものを鍛えることにもつながります。
事業計画書の作り込みについては、フランチャイズ向け創業計画書のテンプレと書き方の記事もあわせて読むと理解が深まります。

学習塾フランチャイズの融資についてよくある質問(Q&A)
最後に、学習塾フランチャイズの融資について、オーナーの方からよく寄せられる質問にお答えします。
学習塾FCの2教室目融資は1教室目の創業融資と何が違いますか?
見られるポイントが大きく異なります。
1教室目の創業融資では、フランチャイズ本部のブランド力やオーナーの経歴、開業する教室の事業計画が中心に見られます。一方、2教室目の融資では、1教室目の実績をどう再現できるか、新しい商圏で本当に生徒が集まるのか、そして1教室目の月謝収入が返済原資として機能するかが問われます。
「未来の生徒数の根拠」と「既存教室の収益力」を数字で示せるかどうかが、最も大きな違いです。
1教室目が黒字でも、2教室目の融資を断られることはありますか?
断られることは、あります。
今回の事例も、損益分岐点を超えて黒字化していたにもかかわらず、銀行に「2教室目の生徒数見込みの根拠が弱い」と難色を示されました。金融機関が知りたいのは「これから新しく開く教室に生徒が集まるか」という未来の話なので、1教室目の黒字だけでは不十分です。
商圏人口・競合・既存実績を掛け合わせた生徒数シミュレーションで、未来の数字に根拠を与えることが必要になります。
学習塾FCの2教室目で日本政策金融公庫は使えますか?
日本政策金融公庫は、使えます。
日本政策金融公庫は政府系の金融機関として中小企業や個人事業主の成長を後押しする役割を担っており、民間銀行が二の足を踏む案件でも、根拠のある事業計画を示せば前向きに検討してくれることがあります。
今回の事例も、銀行に止められた状態から、生徒数シミュレーションを軸にした事業計画書で公庫から800万円を調達しています。とはいえ、公庫の審査では民間銀行とは違う角度から事業を見られるため、提出する資料もそれに応じて整える必要があります。
学習塾FCの融資相談から実行までどれくらいかかりますか?
事業の状況や金融機関によって幅がありますが、今回の事例では相談から融資実行まで1.5ヶ月でした。
生徒数シミュレーションの作成と公庫向け事業計画書への落とし込みを効率よく進めることで、開校の準備期間に間に合わせることができます。資金が必要になってから慌てて動くより、2教室目を構想し始めた段階で早めに相談を始めることをオススメします。
学習塾FCの2教室目融資は「生徒数の根拠」で決まる
学習塾フランチャイズの2教室目でつまずくオーナーとうまくいくオーナーの差は、塾そのものの良し悪しよりも、未来の生徒数を金融機関が納得する根拠で示せているかにあります。せっかく1教室目を黒字化させた運営力があっても、それが2教室目の見込みに反映されていなければ、「立地の運」として不当に低く評価されてしまうのは本当にもったいないです。
本記事のポイントをまとめます。
▼学習塾の融資事例のポイント
- 学習塾FCの2教室目融資は、1教室目が黒字でも「これから新しい教室に生徒が集まるか」という未来の根拠が問われる
- 銀行に「見込みが甘い」と止められる大きな要因の一つは、生徒数見込みを感覚で語ってしまうこと
- 学習塾の事例では、商圏人口×競合教室数×1教室目の生徒獲得実績を掛け合わせた生徒数シミュレーションで未来の数字に根拠を与え、日本政策金融公庫から800万円を調達できた
- 1教室目の月謝というストック収入を切り出し、返済原資として示すことで金融機関の安心感が高まる
- 設備資金550万円と運転資金250万円を切り分け、開校から損益分岐点突破までの回収の道筋を語ったことが評価を後押しした
- 調達した資金は2教室目の内装・ICT設備に使われ、開校5ヶ月で生徒数33名に到達し損益分岐点を突破した
「1教室目で実績は出ているのに伝わらない」「生徒数の根拠をどう作ればいいか分からない」と止まってしまう前に、一度、自塾の強みと商圏データの見せ方を見直してみてください。それでも進め方に迷うなら、融資の現場を知る専門家に相談するのも、有力な選択肢です。
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