社内預金制度は、会社にとっても社員にとっても多くのメリットがある制度です。うまく活用することで、社員のモチベーションをアップさせつつ、事業資金を確保することができるでしょう。

この記事では、社内預金制度の特徴やメリット・デメリットなどをまとめて解説します。社内預金制度の導入を検討している方は、ぜひチェックしてください。

 

目次
  1. 社内預金制度とは?3つのポイントで解説
  2. 社内預金制度を運転資金に活用するメリット
  3. 社内預金制度を運転資金に活用するデメリット
  4. 社内預金制度を活用して運転資金を調達しよう!

社内預金制度とは?3つのポイントで解説

3つのダーツ
社内預金制度とは、会社が社員の給料の一部を預かる仕組みのことです。会社側が毎月の給料やボーナスから一定額を天引きして貯蓄をし、社員へ利子を付けて返します。

ここでは、社内預金制度の特徴や役割について3つのポイントで解説しますので、チェックしておきましょう。

 

1. 社内預金制度への加入を強制することはできない

労働基準法第18条により、企業側が社員に、給料の一部または全部を強制的に貯蓄させることは禁止されています。

社内預金制度は、あくまでも任意加入の制度として運用しなければなりません。

また制度を導入する際は、労使協定を結び、所轄の労働基準監督署長に届出を提出することも必要です。

社員の同意を得ることなく、企業側の判断だけで、勝手に制度を導入することはできません。

 

2. 社内預金制度は運転資金を調達する方法のひとつ

社内預金制度は、事業を運営するための資金を調達する方法のひとつです。

一般的な銀行融資やビジネスローンよりも低金利で資金を調達できるため、リスクを避けつつ事業拡大を図れます。

 

3. 社内預金制度は福利厚生のひとつ

社内預金制度には、社員の福利厚生という役割もあります。

毎月、一定額が給料から天引きされるため、計画的に貯金できます。

一般的な銀行の普通預金よりも高い金利であるため、資産運用としても役立つでしょう。

 

社内預金制度を運転資金に活用するメリット

いいね社内預金制度を運転資金に活用するメリットとデメリットを、会社側・社員側に分け、以下の表にまとめました。

メリットデメリット
会社側
  1. 低金利でリスクを避けつつ運転資金を調達できる
  2. 審査を受けることなく事業資金を調達できる
  3. 銀行融資などの審査におけるマイナス評価を避けられる
  4. 社内預金制度の利子を経費として計上できる
  5. 融資を打ち切られる心配がない
  6. 社員の帰属意識や仲間意識を高められる
  1. 保全措置のためのコストが発生する
  2. 制度を管理するための人件費が発生する
  3. 運転資金がどの程度確保できるか予想しにくい

 

社員側
  1. 銀行などに預けるより高い金利で資産運用できる
  2. 計画的に貯蓄できる
  3. 預けていた資金を手軽に引き出せる
  1. 制度が廃止される可能性がある
  2. 会社が倒産した場合に資金が戻ってこない可能性がある
  3. 資金を引き出すのに時間がかかる場合もある

社内預金制度を導入することには、会社にとっても社員にとっても多くのメリットがあります。

それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

 

社内預金制度を導入することによる会社側のメリット

会社側のメリットとしては、

  1. 低金利で運転資金を調達できる
  2. 審査を受けずに事業資金を確保できる
  3. 利子を経費として計上できる

といったことが挙げられます。

 

1. 低金利でリスクを避けつつ運転資金を調達できる

事業を進めるための資金を低金利で調達できることは、社内預金制度を導入する大きなメリットです。

ローン商品や審査結果によっても異なりますが、一般的な銀行融資の金利は2〜5%、ビジネスローンの金利は5〜15%など高金利である場合が多く、多額の利子によって返済が苦しくなるケースもあります。

一方、社内預金制度は金利0.5%程度で運用できるため、リスクを避けつつ事業資金を調達できます。

ただし、社内預金制度を導入する際は、下限金利に注意しましょう。

令和2年10月から適用されている、社内預金制度の下限金利は0.5%です。

下限金利は、定期預金の平均利率などをもとに厚生労働省によって毎年見直され、この下限を下回る金利を設定することはできません。

 

2. 審査を受けることなく事業資金を調達できる

銀行融資や公的融資を利用する際には、審査を受けなければなりません。

事業規模や経営状況によっては、審査に通らず融資を得られないケースもあるでしょう。

希望する金額が大きいほど審査が厳しくなり、必要な事業資金を調達できない場合もあります。

社内預金制度であれば、当然、審査を受ける必要はありません。

設備投資や事業拡大のために資金が必要な場合に、素早く対応できます。

もちろん、社員からの希望があった場合には返金する必要があるため、すべての預金を自由に使うことはできませんが、銀行融資などと比較すると臨機応変な対応ができるでしょう。

 

3. 銀行融資などの審査におけるマイナス評価を避けられる

銀行や公的機関の融資を受ける際の審査においては、過去の借入状況や返済状況、経営状況などが総合的にチェックされます。

ビジネスローンの利用やノンバンクからの借入が多いと、審査のなかで「経営状況が悪いのではないか」と判断され、融資を受けられない可能性も高くなるため注意が必要です。

社内預金制度を利用した資金調達は、外部からの借入ではないため、審査で悪い評価を受けることはありません。

将来的に銀行融資や公的融資を受ける際、審査を有利に進めることができるでしょう。

 

4. 社内預金制度の利子を経費として計上できる

利子を経費計上できることも、社内預金制度を導入するメリットといえるでしょう。

社員に支払う利子は経費として認められるため、節税につながります。

社内預金制度を導入するなら、利子を経費計上することを忘れないようにしましょう。

 

5. 融資を打ち切られる心配がない

融資を打ち切られる心配がなく、安心して資金を利用できることも、社内預金制度のメリットです。

銀行などから融資を受けていると、最悪の場合、貸しはがしに合う可能性もあります。

社内預金制度によって資金調達すれば、比較的安定して資金を活用できるでしょう。

 

6. 社員の帰属意識や仲間意識を高められる

社員の帰属意識や仲間意識、仕事へのモチベーションを高められることも、社内預金制度を導入するメリットといえるでしょう。

自分の資産を預けているため、「会社の業績が悪くならないようにしっかり働こう」などと考え、社員が前向きに働いてくれることも期待できます。

うまく活用することで、会社全体のモチベーションアップや業績アップにもつながるでしょう。

 

社内預金制度を導入することによる社員側のメリット

社内預金制度は、会社側だけではなく社員側にもメリットがあります。

社員側のメリットとしては、

  1. 高い金利で資産を運用できる
  2. 計画的に貯蓄できる
  3. 手軽に引き出せる

といったことが挙げられます。

 

1. 銀行などに預けるより高い金利で資産運用できる

高い金利で資産を運用できることは、社員にとっての大きなメリットです。

前述のとおり、厚生労働省によって社内預金制度の金利の下限が定められており、令和2年10月から適用されている下限金利は0.5%です。

つまり、社内預金制度を利用すれば、0.5%以上の高金利で資産を運用できます。

銀行などに預ける場合は、高額の利子を得ることはあまり期待できません。

銀行の金利は、普通預金で0.001〜0.005%、定期預金でも0.05〜0.1%といった低い数値であることが一般的です。

社内預金制度の金利は、比較的高いことがわかります。

リスクも少ないため、社員が利用しやすい資産運用といえるでしょう。

 

2. 計画的に貯蓄できる

社内預金制度を利用すれば、毎月の給料やボーナスから自動的に天引きされるため、自分で貯金をする必要はありません。

貯金するのを忘れてしまったり、ついつい浪費してしまったりすることを防止でき、計画的に資産を増やせます。

天引きされる金額と利子を合わせると、退職時までにかなりの資産を形成できるでしょう。

 

3. 預けていた資金を手軽に引き出せる

預けていた資金を手軽に引き出せることも、社内預金制度のメリットのひとつです。

社内預金と似た仕組みとして、財形貯蓄制度を導入している企業もありますが、この制度においては社員の貯蓄金を外部の金融機関が管理するため、簡単に引き出すことはできません。

社内預金制度の場合は、会社が管理しているため、資金を手軽に引き出せます。

ただし、資金を引き出す際の手続きは会社によって異なり、受け取るまでに多少の時間がかかるケースもあるため注意が必要です。

 

社内預金制度を運転資金に活用するデメリット

下がって困っている人社内預金制度には多くのメリットがある一方で、デメリットもあるため注意しましょう。ここでは、会社側、社員側それぞれにとってのデメリットを紹介します。

 

社内預金制度を導入することによる会社側のデメリット

会社側のデメリットとしては、

  1. 保全措置のためのコストが発生する
  2. 人件費がかかる
  3. 資金確保の目処が立てづらい

といったことが挙げられます。

 

1. 保全措置のためのコストが発生する

社内預金制度を導入する場合は、社員の資産を守るために、保全措置を講じなければなりません。

保全措置としては、金融機関による保証契約、信託会社との信託契約などが挙げられます。

金融機関や信託会社へ支払う保証料や信託料といったコストが発生することは、社内預金制度のデメリットといえるでしょう。

 

2. 制度を管理するための人件費が発生する

管理のために人件費がかかることも、社内預金制度を導入するデメリットのひとつです。

社内預金制度を運用するためには、労働基準監督署への書類提出、社員から依頼があった場合の返金など、さまざまな対応を継続的にしなければなりません。

企業によっては、制度管理の手間や費用が負担になるケースもあるでしょう。

 

3. 運転資金がどの程度確保できるか予想しにくい

社内預金制度の利用を社員に強制することはできません。

あくまでも任意加入の制度として運用する必要があるため、導入した場合にどの程度の運転資金を確保できるかは予想しにくいでしょう。

期待していた金額が集まらず、事業拡大や設備投資ができない可能性もあるため注意が必要です。

 

社内預金制度を導入することによる社員側のデメリット

社内預金制度を導入することには、

  1. 制度が廃止される可能性がある
  2. 会社が倒産して資金が戻ってこない可能性がある
  3. 引き出すまでに時間がかかる場合もある

といった社員側のデメリットもあります。それぞれ、解説していきます。

 

1. 制度が廃止される可能性がある

会社の経営状況や方針変更などにより、社内預金制度が廃止されてしまう可能性もあります。

廃止された場合は、財形貯蓄制度などの別の福利厚生が導入されるケースもあります。

ただ、せっかく社内預金制度を利用していたにも関わらず、途中で別の資産運用方法に変更しなければならないことは、社員にとってのデメリットといえるでしょう。

 

2. 会社が倒産した場合に資金が戻ってこない可能性がある

状況によっては、会社が倒産した場合、預けていた資金が戻ってこない可能性もあります。

一般的な銀行の普通預金や定期預金を利用している場合は、1,000万円までなら元本割れすることはありません。

仮に銀行が倒産した場合でも、1,000万円までは返還されます。

一方、社内預金制度を利用している場合は、会社が倒産したとき、全額返還されるとは限りません。

前述のとおり、社内預金制度を導入する際には、保全措置を講じる必要があります。

金融機関や信託会社との契約内容によっては全額返還してもらえるケースもあるのですが、一部しか返還されないという可能性があることも把握しておきましょう。

 

3. 資金を引き出すのに時間がかかる場合もある

資金の引き出しに時間がかかる場合があることも、社員にとってのデメリットのひとつです。

財形貯蓄制度と比較すると簡単に引き出すことは可能ですが、ある程度の時間はかかります。

会社によって手続きの流れや出金までの時間は異なりますが、即日受け取れないケースも多いため注意が必要です。

一般的な銀行の普通預金のように、ATMやコンビニですぐに引き出せるわけではないことも知っておきましょう。

 

社内預金制度を活用して運転資金を調達しよう!

資金調達(融資)のプロ人材今回は、社内預金制度の特徴やメリット・デメリットを紹介しました。

社内預金制度を導入すれば、一般的な銀行融資や公的融資よりも低い金利で運転資金を調達できます。審査を受ける必要もないため、素早く資金を確保することも可能です。

社内預金制度は、会社だけでなく社員にとってもメリットがあります。一般的な銀行の預金を利用するより高金利で資産運用できることや、計画的に貯蓄できることは大きな利点です。

福利厚生のひとつとしても、導入を検討するとよいでしょう。

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<外部参考サイト>
厚生労働省:「社内預金制度の適正な運用のために
厚生労働省:「令和2年 10 月から適用される社内預金の下限利率について