社債・少人数私募債とは?発行方法や資金調達の流れを解説

銀行など金融機関からの資金調達は、知識や経験なく「なんとなく」で進めると必ず失敗します。資金調達には金融機関に対しての幅広い知識やスキルが必要で、成功には一定のノウハウが欠かせません。

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中小企業企業経営者

企業の成長にともない資金調達が必要になったが、上場していないため金融機関の融資審査に通らない。リスクを抑えつつ、中小企業でも資金調達する方法はないものか

ベンチャー企業経営者

社債や少人数私募債を活用して資金調達をしたい。しかし、その仕組や株式との違いがわかりにくく、どのように手続きを進めればいいかも理解できていない

社債や少人数私募債は、資金調達をしたい中小(ベンチャー)企業にとってメリットが豊富な資金調達方法です。

しかし、その仕組みや発行方法について理解できていない経営者は多いかもしれません。

社債や少人数私募債は、長期にわたって多額の資金獲得が目指せるうえ、金利変動によるコスト増加などのデメリットが少ない資金調達方法です。

金融機関のような厳しい審査が不要のため、中小企業でも資金調達をしやすいという利点があります。

ただし、発行には複数のプロセスを踏む必要があり、デメリットも存在しているため、検討段階でしっかりと概要を把握しておくことが大切です。

本記事では社債および少人数私募債で資金調達する流れを詳しく解説します

  • 社債の概要
  • 社債の分類や種類
  • 社債の発行方法や必要なもの
  • 少人数私募債の概要
  • 少人数私募債による資金調達の方法
  • 少人数私募債のメリットと注意点

この記事を読めば、中小企業がコストやリスクを抑えて資金調達する方法を把握できます。

参考記事>>>【完全ガイド】資金調達方法39種類のメリット・デメリットを一挙紹介
参考記事>>>デットファイナンスとは?その他の資金調達方法との違いを解説

目次

社債とは

疑問に思っている男性
社債とは、金銭を支払わせたり、品物またはサービスなどの提供をさせたりする債権の1種です。資金調達を目的として、企業が発行する借用証書のことをさします。

社債には借用した金額と返済期日、利息についての情報が記載されています。社債の特徴について、細かく見ていきましょう。

1. 長期にわたる多額の資金調達が行える

社債は、融資やローンとは異なり、投資家などから資金調達を行います。

金融機関を間に挟まないため、多くの投資家を募ることができれば、より大きな金額を用意できるでしょう。加えて、投資先からの賛同が得られれば、より長いスパンで見た長期的な借り入れも現実的な選択肢となります。

2. 複数の個人あるいは団体からの資金調達が可能

社債の特徴の1つとして、投資先となるのは個人あるいは団体である点が挙げられます。また、投資先は1つに限定する必要がなく、複数の投資家から資金を調達しても問題はありません。

従来の社債では、より大きな規模の投資家に向けて発行されるケースが多かったですが、昨今では個人投資家に最適なタイプも増えてきています。

3. 発生するコストがあらかじめ明確にされている

社債には、借りる金額に加えて利子を加えた返済総額がしっかりと明記されています。金融機関の融資やローンは、返済している最中に金利が変動して総額が左右される場合があります。

返済額が少なくなることがあれば、突然多くなってしまうケースがあるのです。社債の場合、発行した段階で支払額が確定されています。

返済が完了するまで総額が変動することがないのは、大きなポイントです。

4. 償還がある

投資家は社債を購入することで、お金を企業に貸すことになります。

返さなければならない期限が決められており、社債の購入にかかった金額は間違いなく返済されますので、投資家からしてもリスクは最小限に抑えられているのです。

投資家から見ても社債は購入のハードルが低く、企業にとっては比較的実現しやすい資金調達の手段とされています。

5. 株式とは異なり分配可能額は関係ない

投資家が企業の資金調達のために社債を購入するというと、株式とも似ているように感じますが、社債と株式には明確な違いがあります。

株式の場合、配当されるかどうかは分配可能額によって決定されます。法に従って分配可能額を計算し、配分が可能だとされればその額が投資家のもとにわたります。

一方で、資金が足りないために分配が不可能だとされれば配当金は発生しません。社債には、株式のような分配可能額はありません。

社債が購入された時点であらかじめ決められていた利息や資金の返済を、必ず行う必要があるのです。そして、発行した企業が存続している間は、返済や利息を支払う義務は残り続けます。

6. 株式のように経営に参加する権利がともなわない

株式の場合、株式の購入によってその企業に出資することになります。すなわち、その企業の一部を保有しているのと同じような意味合いになるのです。

投資家は、株式を購入することで、株主総会などを通じて企業の経営について意見する権利が得られます。社債は株式とは異なり、貸付です。

そのため、意味合いは根本的に株式とは異なり、企業の経営に口を出すような権利は得られません。

社債の分類・種類

パラパラのパズル
社債には、いくつかの分類や種類があります。今回は、一般的な社債のなかから4つの種類について解説します。それぞれ異なった特徴を持っていますので、順番に見ていきましょう。

1. 普通社債

まずは、オーソドックスな社債についてご紹介します。ストレートポンドとも呼ばれているのが、普通社債です。

これまでに紹介してきた社債の特徴を踏まえており、返済鑑賞までの期間を満期として設定して、設けた期日のたびに、都度利息の支払いを行います。

社債の利息は、発行する企業の信頼性に直結します。信頼性に欠ける社債であれば、比例して利息も高くなっていくのです。

2. 新株予約権付社債

株式を取り扱っていると、新株予約権というキーワードが出てきます。新株予約権とは、条件を満たせれば、行使価格で株式を購入できる権利のことをいいます。

すなわち、新株予約権付社債とは、新株予約権が付与されている社債ということになります。新株予約権付社債が購入された場合、買った投資家が権利を行使することで、社債を取得するためにかかった金額がそのまま株式を得るために払われたものとしてみなされます。

なお、権利の行使によって発行される株式の数や有効とされる期間などについては、社債を発行するタイミングで決めます。

3. 劣後債

普通社債と比較して、利息や購入額の支払いの優先度が低くなる社債を、劣後債といいます。

投資家からすると普通社債よりも損失が発生するリスクが高い社債で、万が一発行した企業が倒産してしまうと、債権の回収が通常の債権者よりも後回しにされてしまいます。

その分、ほかの社債と比べて利息が高く設定されているのが特徴です。ハイリスク・ハイリターンな社債なのです。

4. 永久債

一般的な社債は、完全に返済が完了する満期を定めますが、なかには満期を定めない社債もあります。

永久債は、満期を設定していないために完済までの規定がなく、発行した企業が存続している限りは利息を支払い続けなければなりません。

長期にわたって利息を支払う必要がある反面、元本の返済に関しては発行した企業の任意によって行われます。

社債を購入した投資家から返済を要求することはできないのです。永久債は、投資家と企業との間で相当の信頼関係があることで実現できる社債です。

長期にわたって運用を続けられるほどの強い企業であれば、検討してみてもよいでしょう。

社債の発行方法・必要なもの

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社債を実際に発行するまでの流れについて、必要なものと合わせて見ていきましょう。

1. 社債の発行と募集事項を決定する

まずは、社債の発行を決定し、企業全体でその旨を把握しておくことが大切です。取締役会などで社債の発行について話し合い、決定しましょう。

社債の発行が決まれば、募集事項や内容について検討します。以下、8つのポイントが重要となります。

  1. 募集する社債の全体の総額
  2. 社債それぞれの価格
  3. 金利について
  4. 返済の期日
  5. 支払い方法
  6. 実際に払い込む金額
  7. 実際に払い込む期日
  8. 社債券を発行するかあるいは記名式にするか
  9. 社債管理者による裁判の権利

社債を募集するうえでとくに重要となるポイントですので、それぞれ慎重に検討しましょう。

2. 実際に社債を購入する投資家を募集する

募集事項が決定したら、社債を購入してくれる投資家の募集を始めましょう。

先の段階で決定した募集事項が購入を決断させる判断材料となりますので、細かく表記して通知を行います。購入を決断した投資家からは、氏名や住所、購入する社債の数、金額などが記載され、発行した企業宛に申し込みが入ります。

3. 応募のあった社債に対する払い込みの割り当て

投資家からは希望とする社債の数や金額を記載したうえで応募がありますが、企業はそのとおりに対応するわけではありません。

社債は複数の投資家を相手にすることになりますので、それぞれにどれくらいを割り当てるのかを検討する必要があるのです。

払い込みの割り当てが決定したら、投資家にその内容を連絡しましょう。投資家からお金が支払われれば、社債の発行手続きは完了です。

社債を発行するために必要な4つの種類

社債にはさまざまな種類が存在しますが、いずれのケースでも必要な書類が4つあります。

  1. 社債申込証
  2. 社債募集決定通知書
  3. 社債払込金預り証
  4. 社債原簿

これら4つの書類はいずれの社債を発行する場合にも必要となりますので、覚えておきましょう。

少人数私募債とは

考えいている人たち
少人数私募債は、小規模の投資家に向けて社債を発行する手法です。

人数としては50人未満で取引先や従業員、親族が投資家となるのが一般的です。融資が難しい上場していない中小企業には最適な資金調達です。

資金調達といえば、金融機関の融資やローンの利用が一般的ですが、無理のない条件で融資やローンを利用するためには、ある程度企業としての規模や実績がなければなりません。

銀行以外から融資やローンを利用する手もありますが、いずれも金利が高い場合が多いため、厳しい条件が突きつけられてしまうでしょう。

資金調達に悩まれているのであれば、ぜひ少人数私募債を検討してみてください。

少人数私募債による資金調達の流れ

歯車
少人数私募債の流れは、一般的な社債と基本は同様です。

  1. 社債の募集要項の作成
  2. 取引先や従業員、親族からの申し込みを受け付ける
  3. 私募債を発行する
  4. 取引先や従業員、親族から資金を調達する

私募債を購入する投資家が取引先や従業員、親族などになり、そのほか大まかな流れは一般的な社債と同様ですので基本を押さえておきましょう。

少人数私募債による資金調達に必要なもの

書類とパソコン
少人数私募債の大まかな流れは、一般的な普通社債と同じです。加えて、社債の発行作業も自社のなかだけで行えます。

そのため、普通社債と同じように以下4つの書類があれば問題はありません。

  1. 社債申込証
  2. 社債募集決定通知書
  3. 社債払込金預り証
  4. 社債原簿

少人数私募債による資金調達のメリット

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少人数私募債なら、金融機関による融資やローンが受けられない中小企業でも資金調達が行えます。

社債を購入するのは基本的に縁故者となりますので、引き受けてくれる人さえいればすぐにでも資金調達できるのが嬉しいポイントでしょう。

一般的な社債と同様で、金融機関を通すわけではないので手数料や担保は必要ありません。3〜5年程度を償還期間として、数千万円程度の資金調達が行えます。

また、自治体によっては少人数私募債を発行する企業に向けた補助金制度を実施している場合があります。

投資家の選定や募集、私募債の発行、補助金が実際に手元に届くまでのサポートなど、さまざまなサービスが受けられる場合もありますので、ぜひ確認してみてください。

少人数私募債による資金調達のデメリット(注意点)

注意してる男性
少人数私募債は、社債を購入できる人が厳密に制限されています。

50人以上になってしまうと、少人数私募債ではなく公募債と扱われるようになり、事情次第では社債の発行が認められなくなる恐れがあります。

50人未満というのは、実際に社債を発行した人数だけでなく、勧誘した人数までカウントされます。

たとえば、少人数私募債のために説明会を行い40人が集まって20人が発行を決めた場合、あと29人ではなく9人にしか声をかけられません。

また、過去半年以内に少人数私募債を発行していたのなら、その人数もカウントされます。新たに募集する際は、半年待ちましょう。

加えて、購入された私募債がほかの誰かに一部譲った場合、カウントが1人分増えます。ただし、全部譲られた場合は増えません。

発行総額についても注意が必要です。総額は、発行する私募債の最低金額の50倍未満になるようにする必要があります。


資金調達をプロに頼って、資金も気持ちも楽になる!!

社債や少人数私募債を活用して理想的な資金調達を

資金調達は、企業の経営や成長に決して欠かせないものです。上場していない中小企業の場合、金融機関による融資やローンのハードルが高いために、うまく資金調達ができないかもしれません。

しかし、社債や少人数私募債を活用することで、デメリットを押さえながら資金調達を行えます。ぜひ、社債や少人数私募債を活用し、理想的な資金調達を実現してみてください。

社債や少人数私募債以外にも、経営者が資金調達できるプランはいくつもあります。

自分に合った資金調達方法は、どんなものがあるのかな…

そう思った経営者の方は、ぜひ中小企業の融資代行プロ」で資金調達のプロに無料相談を受けてみてください

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この記事を書いた人

「元・都市銀行 / 地方銀行 / 信用金庫の銀行員」や、「元・日本政策金融公庫の方々」とともに、中小企業の資金調達プロ.comという、中小企業の経営者向けの銀行融資の代行支援のサービスを運営中。

今まで、中小企業・ベンチャー企業の融資やエクイティの資金調達に数多く携わった経験・実績があります。

新卒でリクルートに入社後、継続的なTOP営業に。営業責任者や企画職の責任者を歴任した後、ベンチャー2社でも営業責任者や新規事業責任者を経験した後に、独立・創業。

また、中小企業やベンチャー企業向け経営コンサルティング会社「株式会社Pro-d-use(https://pro-d-use.jp/)」の経営者の顔ももっています。

株式会社Pro-d-useでは、新規事業や事業再生を多く担当しており、資金調達を含めた財務やマーケティング、営業を中心にハンズオン型で支援しています。

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