資金調達の負担を減らしたいのなら、「敷金」や「保証金」の返還による資金調達を検討してみましょう。

銀行融資や公的融資、ビジネスローンやファクタリングなど、企業の資金調達方法はいくつかありますが、これらの資金調達方法に比べ、「敷金や保証金の返還」による資金調達は、銀行などの金融機関からの融資とは違い、利息や手数料の負担を受けないというメリットがあります。

今回は、敷金(保証金)の仕組みや計算方法、オフィス移転にあたって返還を求める際のポイントについてご説明いたします。

 

オフィス移転時の敷金(保証金)による資金調達方法

賃貸オフィスを使っている企業の多くは、オフィス契約時に数百万円という高額な敷金(保証金)を支払っています。

事業の都合でまとまった運転資金を手にしたいときや、経営にテコ入れをしたいときなどには、敷金を取り戻すという選択肢も検討しましょう。

まずは敷金の役割や算出方法について詳しくご説明いたします。また、平均相場についてもチェックしていきましょう。

 

オフィスの敷金(保証金)とは

企業がオフィスを借りるときには「敷金」または「保証金」の支払いが求められます。

敷金(保証金)とは、建物や土地の賃貸借にあたって、賃借人が賃貸人に交付する債権補償担保のことです。敷金はオフィスのほか、店舗や倉庫、工場といった事業用の物件を借りるときにも必要となります。

敷金は物件の貸主やオーナーに一時的に預けておくお金です。貸主やオーナーはなんらかの損害が出たときに、預かった敷金を使って補填を行います。たとえば、オフィスに汚れや破損が起きてしまったときにはその回復に敷金が使われます。

ほかに、契約違反による損害が出たときや家賃の支払いが滞納したときにも、その費用が敷金から差し引かれます。

オフィスを退去するときには入居時の状態に戻す原状回復が必要となります。この原状回復にも敷金が充てられるのが一般的です。

 

敷金(保証金)の算出方法

敷金(保証金)の支払いは居住用のアパートやマンションを借りるときにも発生します。しかし、居住用物件に比べると、事業用物件の敷金は高額になるのが一般的です。

居住用物件の敷金は月額賃料の1~3カ月分になることがほとんどです。これに対し、事業用賃貸物件の敷金は賃料の6~12カ月分にも及びます

事業用賃貸物件の敷金が高いのには理由があります。貸主やオーナーは、家賃滞納が起きたときに敷金から家賃分を補填することができるのです。

居住用の住宅であれば家賃の滞納が起きたときには退去などの手続きを行い、損失を最小限に抑えられます。しかし、オフィス物件の場合には倒産などのリスクが高く、ときには数カ月分という家賃が回収できなくなる可能性も考えられるのです。

一般的な事業用賃貸物件では、家賃滞納のリスクに備えるために敷金の額を賃料の半年分から一年分程度に設定しています。

もしも、オフィスの賃料の6~12カ月分というまとまったお金を返還してもらい手元に置くことができれば、企業の運転資金として有意義に活用できます。資金調達を考えるときには、敷金の返戻という手段を検討してみましょう。

 

オフィスの敷金(保証金)の相場

天秤敷金(保証金)の額は物件によって異なります。

オフィスナビゲーション社は2009年、事業用賃貸物件の募集価格や敷金・保証金相場をチェックしました。この調査によると、都内23区のオフィス用物件における敷金の金額はオフィス賃貸料の約9.5倍にも及ぶといいます。

たとえばオフィスが林立する千代田区エリアの場合、1坪あたりのオフィス賃貸料平均は15,848円となっています。そして、敷金の平均額は152,975円とかなり高額です。これは倍率にして9.7倍という大きな割合になっています。

新宿区の場合にも1坪あたりの賃料の平均が14,104円であるのに対し、敷金の平均額は126,259円となっていました。倍率は9倍となっています。

オフィスの坪数が上がれば、敷金の金額も上がるのが一般的です。

100坪以上のオフィスを借りた場合には、敷金と月額賃貸料の割合は千代田区で11.3倍、新宿区でも10.7倍と上昇します。

次に、平成30年に発表された中小企業実態基本調査をご紹介いたします。

こちらの調査では、2018年の1年間に企業が支払ったオフィス家賃の平均は4,424,706円であるとしています。これを12カ月で割ると、法人企業の月家賃平均は368,726円ということになります。

そして、東京23区の敷金の平均値は賃料の8.3倍となっています。つまり、家賃平均の368,726円に8.3をかけた3,060,422円が、オフィス物件の敷金・保証金相場ということです。

約300万円という敷金は中小企業にとってはかなり大きな金額です。

将来的にある程度戻ってくるとはいえ、現状それだけの費用が貸主やオーナーの手元にあるというのはもったいないことかもしれません。

 

オフィスの敷金(保証金)返還交渉のポイント

電球を囲んでる人敷金(保証金)の返還請求はいわば、借主の一方的な都合によるものです。敷金を返還しても貸主(オーナー)には得がありません。

そのため、返還交渉をおこなうときには「貸主にメリットを提示する」ことが重要です。

オフィスの敷金を取り戻したいときには、以下2つの方法を実践しましょう。

 

1. 保証会社を入れる

貸主やオーナーは、借主の家賃滞納というリスクを極力避けたいと考えています。万が一家賃滞納が起きた場合には、敷金から家賃分を補填するのが一般的です。

つまり、貸主が敷金の返還に応じてしまうと、万一のときに貸主は大きな損失を負うことになるのです。

そんなリスクを回避するためには、保証会社の活用が有効です。保証会社とは代位弁済義務を負う会社のことを指します。

借主は、敷金の返還を求める代わりに、保証会社に保証料を支払います。

その後賃料の滞納などのトラブルが起きたときには、貸主は保証会社に対して弁済請求を行います。

貸主の側から考えれば、きちんと家賃を受け取れるのであれば問題はありません。保証会社を入れることを条件にすれば、敷金の返還を求めることができます。

 

2. 賃料を上げる

貸主に対して、直接的なメリットを提示するという方法もあります。

状況によっては、賃料を上げる代わりに敷金を返還してもらうという交渉も可能です。

賃料を上げれば、貸主はその分だけ多く家賃収入を得られることになります。貸主側としては、いつか返還しなければならない敷金を抱えているよりは、純粋に収入が増える家賃増額を選んだほうが得ということになります。

これまでに滞納をしている場合や物件を借りたばかりの時期には交渉に応じてもらえる可能性は低いでしょう。

逆にいうと、長いお付き合いの中で「滞納をせず家賃を支払っている企業」や「業績が安定している企業」であれば、交渉に応じてもらえる可能性は高いといえます。

とはいえ、資金調達のために強気で交渉するのはおすすめできません。感情的な交渉は避け、貸主側のメリットを提示しながら冷静に話し合いを行いましょう。

 

オフィスの敷金(保証金)返還による資金調達のメリット

オフィス移転にあたって事業用賃貸物件を契約したときの敷金(保証金)を返還してもらえば、手元にまとまった額の資金を得られます。

敷金返還には、単純に資金が増えること以外にも多くのメリットがあります。

まずは、資金調達によって企業にもたらされるメリットを3つ、チェックしてみましょう。

 

1. 審査なしで資金調達が可能

資金調達の方法として真っ先に思い当たる銀行融資やビジネスローンには、審査という壁があります。

審査にあたっては決算書や事業計画書をはじめとした多くの書類が必要となり、準備にはかなりの手間がかかります。

さらに、書類を用意して申し込んだあとには融資先から格付けがなされることになります。結果的に満足できる額の融資を受けられないことも多いなど、デメリットが多いのです。

敷金の返還という方法であれば、相手から審査されることはありません。敷金や保証金として支払った費用はもともと自社企業の資産です。

資金調達にあたって、物件のオーナーなど貸主からの同意が得られれば、面倒な審査なしで十分な額の資金を調達できます

 

2. 財務状況が改善する可能性がある

敷金を返還してもらい手元に置くということは、企業が事業に使える資金が増加するということにほかなりません。

これによって自社の財政状況が改善する可能性があるのも大きなメリットといえるでしょう。

返還された資金は会社の運転資金として活用できます。調達した資金を足がかりにして定期預金を組み、銀行から追加融資を受けるという方法も有効です。

 

3. 敷金の未返還のリスクがなくなる

物件契約時に預けた敷金は、後々必ず返ってくるとは限りません。

事業用物件の貸主やオーナーの多くは、投資家として活動しています。そのため、貸主やオーナーが受け取った敷金は、別の物件の購入費用などの名目で投資に回されるケースが多いのです。

しかし、投資にリスクはつきものです。

万一貸主やオーナーのビジネスがうまくいかなかったときには預けておいた敷金を借金返済に使われてしまうかもしれません。

オフィスを解約するときに敷金が返還されず泣き寝入りする企業もあるものです。

資金調達のためにあらかじめ敷金を返還してもらえば、解約時に敷金が戻ってこないといったリスクを減らせます

 

オフィスの敷金(保証金)返還による資金調達のデメリット

注意・アラームオフィス移転にあたって敷金(保証金)を返還してもらう資金調達にはいくつものメリットがあります。

とはいえ、この方法にはデメリットも考えられるので実行するときには注意が必要です。

ここからは、敷金の返還で資金調達をするデメリットや気をつけたいポイントについてご説明いたします。

 

1. 通常時の支出が増加する

そもそも事業用物件の敷金は、債務補償担保として貸主に預けるものです。

支払った敷金は、オフィスの劣化や契約違反による損失、滞納などの損失を埋め合わせるために使われます。

物件を借りている状態で敷金の返還を求める場合には、代わりに家賃を上げるなどの交渉が必要となります。また、保証会社を入れることで敷金の返還を求めるケースもあります。

いずれの方法を選択した場合でも、企業の通常時の支出は増加することになります。

敷金の返還は銀行融資などの方法と違い手数料をかけずに資金調達ができるという良さがあります。

とはいえ、調達コストがまったくかからないわけではありません。

オフィス移転時に敷金の返還を求めるときには、必要となるコストを見積もっておきたいものです。

 

2. 交渉がうまくいくとは限らない

敷金の返還を受けたい場合には、貸主やオーナーに直接打診や請求をしなければなりません。

このときに、どのように申し込めばいいかと悩んでしまう人は少なくありません。

貸主と借主が2名で交渉をしても、話がすぐにまとまる可能性は低いといえます。

特に、借主に交渉のテクニックがなく、話が平行線になってしまうケースは少なくないのです。

敷金の返還交渉のために資金調達サポート会社を使うという方法もあります。

ただし、この場合には資金調達が無事に済んだあとに成功報酬の支払いが必要となるため、一定のコストがかかります。

 

オフィスの敷金(保証金)返還による資金調達の相談先

選んでる場面敷金(保証金)の返還による資金調達をおこなうときには、サポート会社を上手に利用しましょう。

資金調達に関するアドバイスやサポートを専門的に行っている企業はいくつもあります。資金調達のテクニックや不動産取引に関する詳しい情報やノウハウをもつ企業を選び、気になることを相談してみてください。

 

資金調達のために、敷金(保証金)の返還請求を検討してみましょう

一度貸主やオーナーに渡した敷金(保証金)はオフィス解約時まで取り戻せないように思われがちですが、交渉次第では途中で返還してもらうことが可能です。

また、オフィス移転を決断して敷金の返還を求め、資金調達をおこなうというテクニックもあります。

敷金の返還交渉をおこなうときには、信頼できるサポート会社をパートナーに選び、二人三脚で計画を進めていくのがおすすめです。

もしオフィスの敷金・保証金の返還以外の資金調達方法を模索したい方は、資金調達代行サービスの「中小企業の資金調達プロ.com」にご相談(無料)ください。

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