【中小企業の資金繰りガイド】年商10~20億の「資金繰りのコツ」や「銀行の活用法」

中小企業の資金調達(融資)方法
中小企業経営者A

中小企業も年商10〜20億円規模となると、業績悪化時の資金繰りが難しくなると聞いている。具体的に何が大変なんだろうか?

中小企業経営者B

キャッシュを手元に残すことが大切とは言うけど…。銀行に金利を払ってまで、月商3か月分も現金を持つ意味はあるの?

年商が10億を超える経営者の中には、こんな悩みを疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうあ?

実は、年商10〜20億円規模の企業は業績悪化時、また急激な売上拡大時の資金繰りが難しくなることは、あまり知られてはおりません。

年商が大きい中小企業は、人件費や家賃などの抱えている固定費も大きいため、少しの業績悪化が資金繰りに与えるインパクトが大きいのです。そのため、日頃の余裕をもった余剰資金の確保がとても重要なのです。

私は「御社の社外CFO」という財務コンサルティングサービスで経営者をご支援する中で、年商10~20億の経営者の方が「資金繰り」や「銀行との取引」で苦しんでいるシーンを見てきました

記事の筆者
「岡島光太郎」の写真

著者プロフィール

これまでの支援実績
個人事業主 / 創業後スグの1人法人 / 売上300億の法人
資金調達額「100万円」〜「5億円」
幅広い会社規模で、資金調達 / 財務・資金繰りコンサルを経験

本記事ではこの経験やノウハウを活かし、年商10〜20億円の中小企業に的を絞り、「資金繰り悪化にならない方法」や「日々の資金繰り対策」、「銀行との上手な付き合い方」を丁寧に解説していきます。

この記事を読めば、こんなことが実現できます

  • 銀行との付き合い方がわかるため、業績悪化時も慌てず対処できる
  • 日頃から取り組むべき資金繰り対策がわかり、売上減少時も余裕をもって業務に取り組める

結論、年商10~20億の中小・中堅企業は、日頃から金利を払ってでも銀行から多くの資金を調達し、なるべく多く(月商の3~6ヶ月分)の現金を確保しておくことが重要です。


財務・資金繰り改善は、知識・経験もなしに「なんとなく」で進めると必ず失敗します。会社の財務・資金繰りの改善には幅広い知見と経験が必要なため、財務に精通したプロのノウハウが欠かせません。

財務・資金繰りコンサルの 御社の社外CFO” は、「財務・資金繰り不安から経営者を解放するサービスです。これまで多様な業界の財務・資金繰り課題を解決してきた実績がございます。

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目次

年商10億~20億の中小企業は、急激な売上増加や減少に特に弱い!

売り上げが減少している

まずは、なぜ年商10億~20億の中小・中堅企業が「売上減少時」「急激な売上UP時」に資金繰りが悪化するのか?について解説します。

主な理由は下記4点です。

  • 売上減少時には、借入額が億単位になる
  • 億単位ともなれば、経営者の役員報酬で賄える額ではない
  • さらに、固定費も高額の場合が多く、簡単には削減できない
  • 急激な売上UPの場合は、先に出ていく支払いも多額になる

緊急時に必要が資金が「億を超える」ことで、1つの銀行から融資を受けることも困難になるため、日頃から緊急時に備えて、戦略的に銀行と付き合っていく必要があるのです

年商10〜20億企業の必要資金の目安:月商の3~6か月分

電卓を叩いている

年商10〜20億企業の必要資金額の目安は、月商の3~6か月分、つまり3~10億円程度です。このレベルの現金(キャッシュ)を常に維持できるよう、次から銀行との上手な付き合い方を解説します。

年商10~20億企業が銀行とうまく付き合う「3つのコツ」

3つのボタン

年商10~20億の中小・中堅企業では、下にある5つの銀行が取引先候補としてあげられます。

  1. 地方銀行
  2. 商工中金
  3. 日本政策金融公庫(中小企業事業)
  4. メガバンク
  5. 信用金庫

このうち1銀行、または2銀行をメイン銀行として据え、残り1〜2銀行をサブ銀行とするのがオススメです。

メインバンクとサブバンクの「作り方」や「付き合い方」について学びたい方は、下記の記事をご参考ください。

それぞれの銀行とどのように付き合っていくのが良いのか?について、具体的に解説をしていきます。

1. 地方銀行をメイン銀行にする

地方銀行をメイン銀行にするメリットは、年商10~20億という企業規模的に、相手の地方銀行からするとあなたの会社が大口顧客となる可能性が高くなるからです。

地域経済を守り、支える役目を担う地方銀行では、地域に根ざした大口企業を守ることも大切な役割です。年商10~20億円という企業規模であれば、「地域の雇用を生み出していたり」、「地域の取引先にとっても重要な役割」であることが多く、地方銀行としても、いざという時に手を差し伸べないわけにはいかないのです。

また、金融機関としてのビジネス取引においても「数億円単位の融資」「数億円単位の入出金取引」となるため、地方銀行からしても、零細企業を相手にするよりも、あなたの会社と取引する方が大きな利益を得ることができるのです

そのため、地方銀行をメイン銀行にすることができれば、業績悪化時などの緊急時にも力となってくれる可能性は比較的高いといえるのです。

2. 商工中金をメイン銀行にしてもよい

また、あなたの会社が希望すれば、商工中金をメイン銀行に据えても問題はありません

中小・中堅企業専門、なおかつ、半官半民の政府系金融機関のため、お付き合いを深めておけば業績悪化時でも借入を期待できる金融機関です。(むしろ、業績悪化時には民間銀行よりも頼りになる)

それに加え、融資商品(パターン)がかなり多いため、融資に対して積極的、かつ色んなシーンで融資の相談をすることが可能です。(逆に、創業系の融資は期待できません。)

同じ政府系金融機関には「日本政策金融公庫(公庫)」がありますが、商工中金が公庫と大きく違うのは「預金口座を持っている」ことです(公庫は預金口座を持つことができません)。預金口座を持てることで、あなたの会社の資金の流れを把握できるため、メイン銀行になることができ、かつ、スピーディーな融資、正確な融資が可能になるのです。

一方、地銀や信用金庫などとの大きな違いは「全国・世界に支店があること」です。全国展開をしているから、遠隔地の融資支援や全国展開や海外進出にも大きな力を発揮します。そのため「全国に支店ある」、「全国・海外展開をする野望」がある経営者にとっては非常に心強い金融機関となり得ます。

また、過去の慣習に捉われない金融の仕組み構築を目指している「イネーブラー事業」を”実際に”大きく推進していることも、他の金融機関との差別化ポイントでしょう。

参考>> 商工中金イネーブラー事業

商工中金の銀行員はかなり優秀な方が多く、かつ組織としてもかなり融資審査が難しいことで有名ですが、メイン銀行とできた場合の会社へのインパクトはそれを凌駕します。(極端な話、商工中金と取引があるだけで信用されたりします

そのため、もし商工中金をメイン銀行としたいのであれば、民間金融機関からの借入れを徐々に減らしながら少しづつ移行していくとよいでしょう。(くれぐれも、いきなり一括返済はしないように…)

3. 地方銀行・商工中金・日本公庫の3行で借入の7~8割を調達する

年商10〜20億の企業では、下記のように戦略的にバランスよく取引をしていくのがオススメです。

  1. 地方銀行、または商工中金のどちらかをメイン銀行
  2. もう片方を、サブ銀行
  3. 3番手に日本政策金融公庫(中小企業事業)

日本政策金融公庫(中小企業事業)は、商工中金や民間の銀行・金融機関を補う役割が強いため3番手にします。この3つの金融機関との取引で、いざという時にために「10億円程度の現金確保(資金調達)」は十分に可能です。

この付き合い方であれば、「メイン銀行」「サブ銀行」の銀行の立ち位置が明確になり、銀行側としても融資がしやすくなる点がメリットです

銀行は通常、メイン銀行が融資をすればサブ銀行も融資をする(追従する)という仕組みとなっています。


ここまで学んで「銀行との付き合いは複雑で難しそう…」「自分一人でやる自信がないな…」そう感じた方は、ぜひ一度、財務コンサルティングサービスの「御社の社外CFO」の無料相談をご活用ください。

財務・資金繰りに強い財務コンサルタントから、きっとあなたの会社にあった提案を受けることができるはずです。

財務・資金繰り改善は、知識・経験もなしに「なんとなく」で進めると必ず失敗します。会社の財務・資金繰りの改善には幅広い知見と経験が必要なため、財務に精通したプロのノウハウが欠かせません。

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年商10億~20億の中小企業の資金繰り「4つの注意点」

次は、「金融機関との付き合い方のNG例」、「メガバンクや信用金庫との付き合い方」など、4つの注意点について解説します。

1. 金利を気にして複数銀行と付き合うのはやめる

金利を気にするあまり、複数行と同額の取引を行うのは得策ではありません

例えば、10行から1億円ずつ借りていると、メイン銀行がどこかわからなくなってしまうため、業績悪化時に「メイン銀行が判然としない」ため、どこからも支えてもらえない(資金調達できない)可能性が高まります。

2 .日本政策金融公庫の中小企業事業は「サブ銀行」として取引する

日本政策金融公庫(中小企業事業)は、サブ銀行にするのは良いですが、メインの取引銀行にするのは控えましょう。

理由は、コチラがもし日本政策金融公庫をメイン銀行として認識していても、業績悪化時には民間金融機関からの融資を優先するように進められるからですなぜかというと、そもそも日本政策金融公庫は民間銀行の補助的ポジションだからです。

一方で、日本政策金融公庫がメイン銀行の状態で民間銀行に融資を相談にいっても、民間銀行としては、融資残高が一番多い公庫から融資を受けるように説得されます

その結果、いざというときにどちらにも資金調達を頼れないという最悪の状態になる可能性があるため、日本政策金融公庫は「あくまでサブ銀行」として取引するにとどめましょう。

3. メガバンクは(絶対)メイン銀行にしてはいけない

日頃より、上場企業などに対して数十億から数千億規模の融資を行っているメガバンクにとって、年商10〜20億の中小企業は小口の融資先です。

そのため、経営が悪化しても親身に支えてくれる可能性は低いため、取引をするのであれば、あくまでサブ銀行としての利用をオススメします。

4. 信用金庫は、サブ銀行として付き合う

創業時にお世話になった信用金庫との付き合いは、続けていてもかまいません。しかし、年商が数億円を超えたあたりから信用金庫をメイン銀行にするのは控えましょう。(卒業しましょう)

「じゃあ、信用金庫の取引数を増やしてトータルで資金調達すればいいのでは?」

とお考えになる経営者の方もいるかと思いますが、結論、信用金庫との取引を3つ、4つ、5つと増やしていくのはあまり得策ではありません。理由としては…、

  • そもそも信用金庫の資本力では、融資できる金額が小さい(数百万〜2000万円前後)
  • プロパー融資(保証や担保がいらない融資)が期待できない
  • 上記の理由で、信用保証協会付き融資の枠を使い切ってしまう
  • いざという時に、たくさんの信用金庫と交渉するのはかなり重たい業務になる

それよりも、地方銀行・商工中金・日本公庫(中小企業事業)などを「メイン銀行」「サブ銀行」として、取引に厚みを持たせておく方が、資金繰りが厳しくなったとき頼りになる可能性が高いのです。

業績悪化に備えて中小企業ができる「3つの対策」

次に、業績悪化時のために年商10~20億円の企業ができる取り組み・対策を3つ解説します。

1. 銀行との関係を良好にするため、必要がなくても借入れておく

年商が10~20億円になった企業にとって、最も心配すべきことは資金繰り(資金不足)です。特に、業績悪化時の不足資金は億単位となり、致命的となります。

そのため、先ほど紹介したメイン銀行1つとサブ銀行2つとは、必要がなくても、日頃から融資取引を続け、いざというときに頼れる良好な関係を維持しておきましょう。年間数十〜百万円前後の金利を払ってでも、1億円の現預金をキープすることが、経営悪化に備える上では大切です。

2. 業績悪化時に備えて、不動産を持っておく

不動産があれば、業績悪化をした際でも、その不動産を担保にした融資が期待できます。

損益計算書が赤字のとき、銀行はバランスシート(財産)をチェックし、融資判断をします。そのため、担保にできる不動産があれば、融資可能な理由となりえるためです。

また、賃貸不動産で家賃収入が得られれば、本業悪化時も下支えになります。さらに、不動産購入資金の返済は長期間に渡るため、銀行との取引関係を強化できる点もメリットです。

3. 業績悪化に備え月商3か月分の預金をキープし続ける

最後に、月商3か月分の預金を常にキープできるようにしておきましょう。

内訳としては、既存の当座貸越と長期の証書借入、内部留保などを合わせて月商3か月分です。また、上記とは別に当座貸越で月商1か月分の空き枠をキープしておくとさらに安全です。

これらすべてを合わせれば業績が悪化しても、1年程度であれば持ちこたえることができるでしょう。

年商10〜20億の中小企業は金利を払っても「借りられる時に融資を受ける」

年商10〜20億クラスの中小企業ともなると、経営悪化時に必要な資金も億単位となります。そのため、取引する銀行を適切に選び、信頼関係を日頃から築くことが大切です。

また、金利が高くても、今は必要がなくても、借りられるうちにしっかり融資を受けて3か月分の預金をキープし続けることが業績悪化に備えるための核となります。

もし「銀行融資」「複雑な銀行との付き合い方」、また「資金繰り改善」など、あなたの会社にあった財務戦略や資金繰りについて支援して欲しい方は、財務コンサルティングサービスの御社の社外CFOの無料相談をご活用ください。

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中小企業の資金調達(融資)方法

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