【メインバンクの決め方・付き合い方】金利や担当者との関係性だけ決めてはNG

メインバンク以外に、サブバンクからも同額の融資を受けている。何か問題があるだろうか?

メインバンクは金利が高いから、ほとんど融資を受けていない。とはいえ、取引口座に使っているから問題ない…よね?

「金利の安さ」や「銀行担当者との相性」だけで、融資を受ける銀行をつど変えてしまうのは、付き合い方としてはおすすめできません。

なぜなら、銀行が自分の銀行をメインバンクと判断・認識する基準は、「融資残高による銀行間の序列」があるためです。

どの銀行からも同程度の融資を受けていれば、最悪の場合、業績悪化時にどこからも融資を受けられなくなる可能性があります。

今回は、業績悪化時に備えるための銀行との付き合い方を解説します。

この記事を読めば、こんなことが実現できま

● メインバンクの重要性が分かり、業績悪化時に備えた付き合い方を続けられます
● サブバンクとの付き合い方(どの程度融資を受けてよいか)もわかります。

メインバンクの役割を理解し、正しい付き合いを続けましょう。

目次

金利を下げてくれた銀行をメインバンクに変更するのが危険な理由

金利が安くなったことでメインバンクを変えてしまったり、サブバンクからメインバンク以上に借り入れしてしまったりすると、業績悪化時にどこからも融資を受けられなくなる可能性があります。

その理由を順に解説していきます。

バンクフォーメーションが崩れるため

バンクフォーメーションとは、取引する各銀行との関係性や立ち位置の違いを指します。

銀行が融資を行う際は、自身の銀行が企業にとってどのようなポジションにあるかという点を意識するのが一般的です。

特に、日本の金融業界は長らくメインバンク制が続いていたため、現在でもその影響が残っています。

メインバンク制とは?

自身の銀行の立ち位置が「メイン」か、「準メイン」か、「付き合い程度」かにより、金融機関の企業に対する融資姿勢は驚くほど大きく異なってくるのです。

金利を重視した結果、メインバンクの融資額をサブバンクが上回るなど、バンクフォーメーションが崩れると、メイン行から新規融資を受けられなくなる可能性が非常に高くなります。

業績悪化時にどこからも融資を受けられない可能性があるため

バンクフォーメーションが崩れることによる最大の懸念は、業績悪化時にどこからも融資を受けられなくなることです。

メインバンク主義の強い金融業界では、有事の際、真っ先に救済を計るのはメイン銀行であり、一般的に他行はメイン銀行の動きに従います。

言い換えれば、メインの銀行に見放されれば、ほかの銀行からも融資を受けられなくなるということです。

そのため、先述のとおりメインバンクが判然としない取引を続けていると、業績悪化時にどこからも融資を受けられなくなる可能性が高まります。

メインバンクとは企業と密接な関係を築いている銀行のこと

ここで、メインバンクとは何かを改めて確認します。正式な定義はないものの、「企業と密接な関係を築いている銀行」と考えられます。

ただし、「密接」の捉え方は下記のように、銀行側と企業側とで齟齬があるケースもあるため注意しましょう。

<銀行と企業とでは密接な取引の定義が違う>

銀行側

  1. 融資残高が一番多い銀行(1番借りている)
  2. 決済などで日頃から利用している銀行(資金の流れを把握している)

企業側

  1. 決済などで日頃から利用している銀行
  2. 金利が安い銀行
  3. 担当者との相性が良い銀行

ここでは客観的事実としても提示しやすい、借入金の融資残高によるメインバンクの確認方法を解説します。

借入金額からメインバンクを判断する方法

まずは、現在取引を行っている銀行の融資残高を一覧にします。

例として、下記のように取引をおこなったとします。

銀行融資残高序列
メイン銀行3,000万円1
サブ銀行11,000万円2
サブ銀行2500万円3

この場合、メイン行の融資残高が一番多いため、客観的にも、メインバンクが序列1位と判断できます。

借入金額からメインバンクが特定できなくなったケース

しかし、サブ行1が金利引き下げを行ったため、追加で2,500万円の融資を受けた場合、融資残高は下記のように変化します。

銀行融資残高序列
メイン行3,000万円2
サブ行13,500万円1
サブ行2500万円3

これでは、客観的にもサブ行1がメイン行の融資額を上回ってしまうため、銀行間の序列が変わってしまいます。

企業と銀行のメインバンクの認知を統一するためにも、融資残高に優劣をつけた借入れを行うことが大切です。

メインバンクを作るメリット

バンクフォーメーションを意識し、メインバンクを維持することで、業績悪化時に融資を受けやすいだけでなく、ほかのメリットも生まれます。

セーフティーネットの役割を果たす

メインバンクは、企業にとってセーフティーネットの役割も果たしています。

これは、単に有事の際に融資を受けられるだけではありません。

たとえば、金利が上昇した局面では、メイン行は市場相場よりも少し低い金利で融資に応じてくれることもあり、資金調達に苦慮せずに済むためです。

有利な条件の融資を引き出しやすい

銀行が行う融資には、信用保証協会の保証付きの「制度融資」と、銀行が100%責任を負って行う「プロパー融資」の2種類があります。

プロパー融資は保証協会への保証料の必要がなく、金利も低く抑えられているほか、融資上限も大きいため企業にとって魅力的な制度です。

安定的な経営を続けていれば、メインバンクから有利な融資条件を引き出しやすくなります。

メインバンクとの正しい付き合い方

握手しているビジネスマンたち

メインバンクと付き合うときは、先ほど紹介した融資残高に気をつけるだけでなく、金利交渉をしすぎないなど、いくつかポイントがあります。

それぞれについて、解説をしていきます。

決算日の残高には特に注意して取引する

多くの銀行ではクライアント企業の決算日の残高から、自身の銀行がメインかサブかを判断します。

たとえば、サブ行の金利が低かったため、決算日直前にいくらか融資を受けた結果、決算日にはメイン行とサブ行の融資残高が逆転してしまったとします。

結果、今までメインバンクとして懇意に付き合っていても、以降は業績悪化時に融資を受けられなくなります。

そのため、決算日付近でサブ行から追加融資を受ける際は、バンクフォーメーションに特に注意しましょう。

金利を下げることにこだわりすぎない

銀行側からすると、金利は儲けにあたります。その儲けを、他行と比較して高いから下げてほしいと要求ばかりされては、銀行もいい気持ちはしません。

たとえば、1億円の融資に対して3%の金利(300万円)を払う企業と1%の金利(100万円)を払う企業があれば、どちらが銀行に対して利益をもたらすかは歴然です。

0.1%までこだわり値下げ交渉を続けられると、業績悪化時にサポートしたいとは思われないでしょう。

入出金口座として利用する

関係を深める方法としては、メインバンクを入出金口座として利用するのも効果的です。

たとえば、売掛金の入金があれば振込み手数料が銀行に入るだけでなく、銀行全体の預金残高を増やすことにもつながります。

また、給与や買掛金の支払いに利用すれば、企業の取引実態を示すのにも役立ちます。

メインバンクを入出金口座として利用すれば、銀行に利益をもたらすと同時に、適切な情報開示も可能となります。

金利にとらわれず、メインバンクとの取引は大切にしよう

メインバンクとは、通常、融資残高の最も多い銀行を指します。

そして、企業の業績悪化時に、真っ先に融資を行う銀行でもあります。

金利の額にとらわれることなく、多少金利を払っても、メインバンクの融資残高が優位になるような取引を続けることを心掛けましょう。

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この記事を書いた人

「元・都市銀行 / 地方銀行 / 信用金庫の銀行員」や、「元・日本政策金融公庫の方々」とともに、中小企業の資金調達プロ.comという、中小企業の経営者向けの銀行融資の代行支援のサービスを運営中。

今まで、中小企業・ベンチャー企業の融資やエクイティの資金調達に数多く携わった経験・実績があります。

新卒でリクルートに入社後、継続的なTOP営業に。営業責任者や企画職の責任者を歴任した後、ベンチャー2社でも営業責任者や新規事業責任者を経験した後に、独立・創業。

また、中小企業やベンチャー企業向け経営コンサルティング会社「株式会社Pro-d-use(https://pro-d-use.jp/)」の経営者の顔ももっています。

株式会社Pro-d-useでは、新規事業や事業再生を多く担当しており、資金調達を含めた財務やマーケティング、営業を中心にハンズオン型で支援しています。

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