在庫売却で即日資金調達する5つの方法を解説【タイミングに注意】

在庫売却で即日資金調達する5つの方法を解説【タイミングに注意】

「損益計算書では黒字なのに、なぜか手元の現金が足りない…
「倉庫に山積みになった古い在庫、いつか売れると思って放置している…

在庫がある会社の経営者にとって、日々の「資金繰り」は最も頭を悩ませる問題の一つでしょう。もし今、資金繰りの悩みがあれば、金融機関の融資を検討する前に、自社の倉庫を見渡してみてください。

自社に眠る「不良在庫の売却」は、最短即日で現金を生み出す、非常に有効な資金調達の手段です。

しかし、「とりあえず安く叩き売ればいい」という安易な考えは禁物です。

売り方を間違えれば、自社のブランド価値を大きく傷つけるだけでなく、売却のタイミングを逃せば「売れない在庫に高額な税金がかかる」という恐ろしい事態に陥りかねません。

そこで本記事では、「御社の財務責任者」という財務コンサルサービスで多くの財務支援を行ってきた筆者の視点から、在庫売却で資金調達を成功させるためのノウハウを徹底解説します。

筆者プロフィール
岡島光太郎_(株)融資代行プロ 代表取締役

これまでの支援実績
創業前後の個人/法人中堅企業
調達額「200万円」〜「9.5億円」
多業界の資金調達 / 財務コンサル実績

▼本記事でわかること

  • なぜ「決算前」の在庫処分がベストタイミングなのか?
  • 自社に合わせた「5つの在庫売却方法」と選び方
  • 在庫売却のメリット」と「致命的なデメリット
  • 在庫の現金化から始める、根本的な資金繰り改善へのロードマップ

「売れない在庫」は、ただ場所を取るだけでなく会社の体力を奪う見えない負債です。無駄なコストを削減し、安定した経営基盤を取り戻すためにも、ぜひ最後まで目を通し、自社に最適な資金調達のヒントを掴んでください。


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目次

眠れる不良在庫は「見えない負債」速やかな売却・資金調達で会社の資金繰りを改善

会社の倉庫の奥で埃をかぶっている不良在庫。「いつか売れるかもしれないから……」と、つい放置してしまっていませんか?

実は、不要な在庫の売却は、手元の現金をスピーディに増やす立派な「資金調達の手法」です。

ただ場所を取っているだけの在庫を現金化し、会社の運転資金に充当することで、資金ショートの危機を乗り切れるケースは多々あります。

現金化しやすい在庫・しにくい在庫の見極め方

一口に「在庫」といっても、種類によって買い手の付きやすさ(=現金化のスピード)は大きく異なります。

  • 【売却ハードルが高い】→原材料・仕掛品など
    用途が限定されたり、未完成だと、買い手を見つけるのが難しい。現金化に時間がかかる。
  • 【売却ハードルが低い】製品・商品(陳腐化しないもの)
    完成品は一般消費者や買取業者からニーズがあり、比較的買い手が付きやすい。現金化しやすい。

まずは自社の倉庫を見渡し、「すぐにお金に換えられる製品・商品」がどれくらい眠っているのかを把握しましょう。

「とりあえず保管」が会社を苦しめる3つの理由

不良在庫を長期にわたって保管し続けることは、経営的視点で「百害あって一利なし」です。

不良在庫はただ置いてあるだけでも、以下のようなコストが会社の体力をじわじわと奪っています。

▼不良在庫を放置すると発生するコスト

  • 経年劣化による「価値の消失」
    時間が経つほど色褪せ・型遅れが進み、最終的には「販売不可」になります。
  • 保管スペースの「無駄な賃料」
    1円の利益も生み出さない在庫のために、毎月、倉庫代やテナント料が発生します。
  • 管理にかかる「人件費」
    在庫がある限り、定期的な棚卸しや整理整頓など、スタッフの時間・労働力が奪われます。

つまり、不良在庫はただのモノではなく、会社の資金を日々削っていく「見えない負債」と同じなのです。

もし自社に不良在庫が存在するならば、できるだけ速やかに売却して現金化し、前向きな運転資金へと回すべきです。これこそが、会社を守る妥当な経営判断といえるでしょう。

在庫を売却して資金調達するための「5つの方法」

まずは、以下の在庫を売却する5つの具体的な方法をご紹介します。

▼在庫を売却して資金調達する「5つの方法」

  • 方法1.「自社セール」で売り切る(手軽だがブランド毀損に注意)
  • 方法2.「見せ方」を変えて定価で売る(利益率重視・要工夫)
  • 方法3.「フリマ・オークション」の活用(匿名性・ニッチ需要の掘り起こし)
  • 方法4.「アウトレット・B級品」として販売(大義名分で価値を守る)
  • 方法5.「法人向け在庫買取業者」へ一括売却(最速キャッシュ化・価格は妥協)

いずれの方法を採るのが最適かは、実際の在庫商品や運転資金調達のための猶予時間などによって、各々で異なります。

方法1.「自社セール」で売り切る(手軽だがブランド毀損に注意)

在庫処分の際、最もオーソドックスで最初に思いつくのが「自社サイトや実店舗でのセール」です。

「決算セール」「在庫一掃セール」「季節の変わり目セール」といった名目で大々的に値引き販売を行い、お客様のお得感を刺激して一気に在庫を捌きます。

向いているケース
トレンドの移り変わりが激しいアパレル商品や、次期モデルの発売が控えている家電製品など。

メリット
自社の既存販路(店舗やECサイト)をそのまま使えるため、追加の出店料や手数料がかからず、思い立ったその日から現金化を始められます。

デメリット
最大の懸念はブランド価値の毀損リスクです。
例えば、普段1万円で売っている商品を常に3千円で叩き売りしていると、消費者は「値引きしないと売れないブランド」「定価で買うと損をする」と学習してしまいます。過度なセールは、将来の適正価格での販売に悪影響を及ぼしかねません。

ブランドイメージを守りつつセールを行うなら、メルマガ会員やLINE登録者だけを対象とした「シークレットセール(クローズドセール)」にするのが効果的です。「特別なお客様だけの還元」という大義名分が立ち、ブランド価値の低下を防ぎやすくなります。

方法2.「見せ方」を変えて定価で売る(利益率重視・要工夫)

「自社で長期間売れなかったから、これは不良在庫」と見切りをつける前に、「ターゲット設定」や「広告での見せ方」を変更するのが有効な施策になりえます。

ターゲットの属性や心理に合わせて、以下のようにアピールの切り口をガラリと変えてみましょう。

  • ターゲットをずらす
    例えば、単身者向けに販売して全く売れなかった「大きめの強力な掃除機」があるとします。これを値下げするのではなく、SNS広告で「ペットの抜け毛に悩む飼い主さん必見!」とターゲットをずらして打ち出すことで、定価のまま飛ぶように売れたという実例もあります。
  • 接触頻度を増やす
    商品を全く知らない潜在顧客に対しては、Webサイトのトップページへの配置換えや、実店舗におけるゴールデンライン(お客様の目線に一番入りやすい高さの棚)への陳列変更を行い、まずは「目にとまる回数」を増やす工夫も必要です。
  • メリット・デメリット
    メリット:値引きをしないため利益率が高い・維持できる
    デメリット:新たな広告文の作成やマーケティングの仮説検証が必要。即効性という点では不確実性が高い

方法3.「フリマ・オークション」の活用(匿名性・ニッチ需要の掘り起こし)

ヤフオク!などのオークションサイトや、メルカリなどのフリマアプリに「新古品(未使用の中古品)」として出品し、直接買い手を探す方法です。BtoB(企業間取引)向けの専門オークションサイトを活用する手もあります。

向いているケース
廃盤になった機械のニッチな交換部品、型落ちのスマホケース、マニア向けのコレクターズアイテムなど、一般受けはしないが「探している人は必ずいる」商品。

メリット
「一度市場に出た新古品」という枠組みで販売できるため、自社サイトで堂々とセールをするよりもブランドイメージが傷つきにくいのが特徴です。また、アカウント名を工夫すれば会社名を伏せて売却できる点や、落札されれば数日以内に売上金が入金される点も大きな魅力。

デメリット
1点1点商品の写真を撮影し、説明文を作り、落札者とメッセージのやり取りをし、梱包して発送する…という非常に多くの手間(人的コスト)がかかります。単価の高い商品を数十個売るなら有効ですが、単価100円の商品を1万個処分するといった大ロットの資金化には全く不向き。

方法4.「アウトレット・B級品」として販売(大義名分で価値を守る)

アウトレットモールや専門サイトを活用し、「訳あり品」として販売する手法です。

高級ブランドメーカーや大手化粧品メーカーでも積極的に採用されており、ブランドのプライドを守りながら在庫を現金化する極めて有効な手段です。

向いているケース
製造過程でついてしまった目立たない小傷、外箱が少し凹んでしまった商品、クーリングオフによる未開封の返品商品など。
【例】家具、化粧品、家電など

メリット
「箱にダメージがあるため」「昨年の旧モデルであるため」といった明確な「安く販売する理由(大義名分)」があるのが最大の強みです。お客様も「安いブランドだから」ではなく「掘り出し物を見つけた!」というポジティブな心理で購入するため、ブランド価値が毀損されない。

デメリット
実店舗のアウトレットモールに出店するには多額のコストがかかります。中小企業の場合は、自社ECサイト内に「アウトレット専用特設ページ」を作ったり、B級品専門の委託販売サイトを利用したりといった工夫が必要です。

方法5.「法人向け在庫買取業者」へ一括売却(最速キャッシュ化・価格は妥協)

専門の在庫買取業者(在庫処分業者)に、倉庫に眠っている在庫をトラックごと丸ごと買い取ってもらう方法です。

買取業者は、独自のディスカウントストア、海外輸出ルート、Web販売網など広範な販路を持っているため、数万点規模の大ロット在庫でも一括で引き受けてくれます。

向いているケース
決算期末が迫っており今すぐ倉庫を空っぽにしたい場合や、従業員給与や買掛金などの月末の支払いに数日以内にまとまった現金が必要な場合。

メリット
出品・梱包の手間は一切不要。業者が査定し、条件が合えば最短即日〜数日でまとまった現金が手に入ります。資金繰りが逼迫して「時間的猶予が全くない」というケースでは、優良な選択肢になる。

デメリット
「安く買い取って、自社のルートで転売する」ことで利益を出すビジネスモデルのため、買取価格は仕入れ原価の10%〜20%など、極端に低く(買い叩かれる)なる傾向にあります。商品単位で見れば完全な「損切り」になるため、利益を出すのではなく「倒産を防ぐための究極の現金化手段」であると割り切る必要があります。


資金調達のご相談を受ける中で、「ブランドの価値は絶対に下げたくない、でも明後日までに500万円の現金が必要だ」と焦る経営者様によくお会いします。

しかし、厳しい現実をお伝えすると「高く・早く・何の手間もなく売る」という魔法の方法は存在しません

また、在庫売却による「一時的な資金確保」では根本的な資金繰り改善にはならず、いずれは資金繰りに行き詰まります。

本業で忙しい経営者が自力で財務分析・銀行交渉・資金繰りの抜本的改善を網羅するのは、時間・物理的にも限界があるはずです。

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在庫売却のベストタイミングは「決算前」!放置すると税金で首を絞めることに

在庫を売却して資金調達を行うなら、最適なタイミングは間違いなく「決算前」です。

とくに「卸売業」や「小売業」では、事業の性質上、多種多様な在庫を抱えがちです。また「製造業」においても、作ったものの売れない製品や、用途を失った原材料・仕掛品が倉庫に眠っているケースは少なくありません。

もし自社にキャッシュ化できそうな在庫があるなら、少しでも早く、決算を迎える前に売却して運転資金に充ててくださいなぜなら、のちの「メリット3. 節税対策」でも詳しく解説しますが、売れない不良在庫であっても「税金」が課せられる仕組みがあるからです。

利益は出ているのに現金がない?「在庫の税金トラップ」

会計上のルールでは、期末の在庫が増えれば増えるほど、帳簿上の「利益」が押し上げられます。

具体的にどれほど恐ろしい事態になるのか、簡単な数字で見てみましょう。

仮に以下のような会社があったとします。

  • 売上:1億円
  • 仕入原価:8,500万円
  • 本来の利益:1,500万円

上記の状態は、数字上は順調に見えるでしょう。

しかし、決算前の棚卸しで「期末の在庫が、期首(1,000万円)から500万円増えて1,500万円になっていた」とします。

この場合、会計上は増えた在庫の500万円分が利益に加算され、「帳簿上の利益は2,000万円」として計算されてしまうのです。

利益が2,000万円になれば、当然その分だけ法人税の課税額も跳ね上がります。

帳簿上は黒字でも、実態は「手元の運転資金が、売れない在庫というモノに姿を変えただけ」状態です。

実際に使える現金は少ないにもかかわらず、高額な税金だけが請求されるという、いわゆる「黒字倒産」の引き金になりかねない状態に陥るのです。

【筆者の経験談:黒字なのに現金がない?現場でよく見る悲劇】

これまで多くの財務支援を行ってきましたが、この「在庫の税金トラップ」に苦しむ経営者の方を数え切れないほど見てきました。

ある製造業の社長からのご相談のお話です。社長は「損益計算書ではしっかり利益が出ているのに、なぜかいつも通帳に現金がなく、資金繰りが苦しい」と頭を抱えていました。そのため、すぐに財務状況と倉庫を確認すると、そこには過去数年分の「いつか売るかもしれない」と放置された不良在庫の山が。筆者はすぐに、決算前での大幅な在庫処分を提案し、手元現金の増加と節税を同時に実現しました。

売れない在庫は「評価損」か「廃棄損」の計上を

スムーズに販売できる商品なら問題ありませんが、売れる見込みのない不良在庫や過剰在庫であれば事態は深刻です。キャッシュ化が困難にもかかわらず、会社に利益をもたらす資産として扱われ、税金が余計に取られるだけです。

もし、あらゆる手尽くしても売却が難しい在庫がある場合は、そのまま放置してはいけません。決算前に在庫の評価額を下げて「評価損」を計上するか、あるいは思い切って処分し「廃棄損」として計上することを強く検討してください。

無駄な税金を払い続ける悪循環を、ここで断ち切ることが重要です。

在庫売却による資金調達の5つのメリット

自社の在庫を売却して運転資金する、下記メリットを5つ紹介します。

  • メリット1. 在庫の保管コスト(管理コスト)の削減
  • メリット2. 運転資金の調達を早期に行うことが可能
  • メリット3. 節税対策
  • メリット4. 通常の販売価格に近い金額で売却できる可能性がある
  • メリット5. 調達したキャッシュで有望な商品の仕入れができる

それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。

メリット1. 在庫の保管コスト(管理コスト)を削減できる

先にも触れましたが、不良在庫を長期で抱えてしまうほど、さまざまなコストの負担が会社経営を圧迫します。

例えば、在庫を保管する倉庫の賃料や光熱費、在庫管理を実施するための人件費を始め、保険料や運搬費などのコストも負担することになるのです。

在庫を売却することによって、運転資金の調達が可能になるとともに、コスト削減もできることが筆頭のメリットになります。

メリット2. 運転資金の調達を早期に行うことが可能になる

どの方法を採るかにもよりますが、買い手さえ付けば在庫の売却は即行われ、キャッシュ(現金)で運転資金の調達ができます。

仮に買取業者に売却したとすれば、その場でキャッシュ払いになりますし、オークションサイトなどに出品すれば、落札され次第即入金されます。

資金の調達方法としてスピード感を見ると、株主による出資や銀行からの融資と比べて、資産の売却は圧倒的に早くて有利です。とりわけ資金繰りが悪化しており、時間的な猶予が乏しい事業活動であれば、相当魅力的な資金調達方法だといえるでしょう。

メリット3. 節税対策になる

これは意外と意識されていない経営者の方も多いです。帳簿上、期末在庫の評価金額によって、売上原価が決まります。

つまり在庫の増減が、利益にダイレクトに影響する仕組みになっているのです。実質的に在庫にも課税されているということです。

そこで、決算前に不良在庫を売却して減らせば、自ずと利益が圧縮されることになって、課される法人税を節約できます。

メリット4. 通常の販売価格に近い金額で売却できる可能性がある

これは在庫の品物にもよりますし、売却方法にもよりますので、全てに当てはまるメリットではありません。

例えば、買取業者に不良在庫を一括売却した場合には、売却価格は商品原価の数十%程度にしかならないことが一般的です。このため商品単体として見れば、完全に赤字の状態になってしまいます。

ところが同じ在庫を自社の販売サイトや店舗などで、何とか上手く工夫して売り切ったとすれば、セールでの販売をしたとしても、通常販売価格の2~3割引ほどの金額で売却できる可能性は十分あるでしょう。

このケースであれば、商品単体で見て利益を出して、黒字状態にできそうです。

メリット5. 調達したキャッシュで有望な商品の仕入れができる

一向に売れない不良在庫にコストを投じて抱え続けるよりも、多少のマイナスになるにせよ売却してキャッシュを得た方が、将来の売上を立てる有望商品を仕入れ可能になります。

不良在庫をたくさん持つより、高確度で売れる有望な商品を少数仕入れる方が、経営的には断然メリットが大きいです。

在庫売却による資金調達の3つのデメリット

次に、在庫売却による資金調達のデメリット、下記3つ紹介します。

  • デメリット1. ブランド価値・イメージの毀損
  • デメリット2. 買い叩かれる可能性が高い
  • デメリット3. 運転資金になるまでに時間がかかる

メリットに比べるとデメリットは少ないですが、資金調達を行うにあたり、知っておくべきことなので、しっかり目を通しておきましょう。

デメリット1. ブランド価値・イメージの毀損

「ブランド価値・イメージの毀損」は最も懸念される在庫売却のデメリットです。

仮に在庫をセール販売や値引き対象として売却したり、買取業者に一括売却したりすると、ブランド価値・イメージを毀損することになりかねません。

なぜなら、本来の販売価格よりも明らかに安く売られることで、評価が低くて人気のない商品・ブランドである、というイメージを消費者に与えてしまうからです。

これは、今後の事業展開や売上に悪影響を及ぼしかねません。

ブランド価値・イメージを毀損せずに在庫を売却するのであれば、アウトレットモールなどを活用し、B級品であることを明らかにして販売することが無難でしょう。

デメリット2. 買い叩かれる可能性が高い

これは売却方法にもよりますが、不良在庫を買取業者に一括売却したり、オークションサイトやフリマサイトに出品して長期間落札されなかったりする場合、本来の販売価格の8~9割引という極端な安値で売却しなければいけなくなります。

これは買い叩きにあっている状態にも等しく、商品単位で眺めれば明らかに赤字状態です。

デメリット3. 運転資金になるまでに時間がかかる

在庫を自社の販売サイトや店舗、オークションサイト・フリマサイト、アウトレットモールなどで売却するケースでは、思ったように売れなくてキャッシュ化がスムーズに進まないという可能性があります。

買取業者に安価で売却する以外に、即時かつ確実に在庫を売却できる方法は、ほぼ見当たりません。売り方をさまざまに工夫しつつ、値引き率を調整しながら売却可能な時間的猶予があれば理想的です。

ところが実際には資金繰りが逼迫していることが多いため、在庫売却に時間をかけてしまうこと自体が、経営に大きなリスクとなるでしょう。

このように、在庫売却には「高く売ろうとすれば時間がかかり、急いで売ろうとすれば買い叩かれる」というジレンマがつきまといます。本業に集中すべき経営者が、自力でこのバランスを見極め、在庫処分に奔走するのは現実的ではありません。

時間的・物理的な限界を感じる前に、まずは資金繰り改善のプロを頼ってみてはいかがでしょうか?

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在庫売却による資金調達はリスクを把握し、自社に最適な選択を

資金繰りが悪化した際、自社に眠る在庫の売却は、スピーディに現金を獲得するには有効な手段のひとつです。

本記事で解説したように、在庫の売却には「保管・管理コストの削減」や「早期の資金調達」、そして決算前に行うことでの「節税効果」といった大きなメリットがあります。

一方で、「ブランドイメージの毀損」や「安値で買い叩かれるリスク」、売り方によっては「資金化に時間がかかる」といったデメリットも潜んでいるため、メリット・デメリットを把握してから実行することがおすすめです。

自社の抱える在庫の種類や、資金が必要な期日(猶予時間)を考慮し、今回ご紹介した5つの方法から選択しましょう。

▼在庫を売却して資金調達する「5つの方法」

  • 方法1.「自社セール」で売り切る(手軽だがブランド毀損に注意)
  • 方法2.「見せ方」を変えて定価で売る(利益率重視・要工夫)
  • 方法3.「フリマ・オークション」の活用(匿名性・ニッチ需要の掘り起こし)
  • 方法4.「アウトレット・B級品」として販売(大義名分で価値を守る)
  • 方法5.「法人向け在庫買取業者」へ一括売却(最速キャッシュ化・価格は妥協)

特に、不良在庫であっても帳簿上は課税対象となり得るため、「決算前」のタイミングを見計らって現金化することが賢明な判断です。

ただし、在庫売却による資金調達は「一時的な対処法」であるということは忘れてはいけません。根本的な資金繰りの改善や、強固な財務体質の構築を目指すのであれば、自社だけで抱え込まず、専門家の知見を活用することも検討してみてください。

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