不動産リースバックの「仕組み」や「おすすめ業者3社」を紹介

不動産リースバックとは、不動産の売却と賃貸借契約を同時に行う売却方法です。

売却した不動産の所有権はリース業者に移行しますが、賃貸借契約を結び、毎月の賃料を支払うことで住宅に住み続けることができます。

不動産リースバックのメリットは、短期間でまとまった資金調達が可能なこと、売却後も不動産に住み続けられるため、引っ越しの必要がないこと、周囲に気づかれず物件を売却できることです。また、中小企業の経営者の老後の資金調達の手段としても大変有効です。

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記事の筆者
「岡島光太郎」の写真

著者プロフィール

  • 資金調達コンサル会社「(株)融資代行プロ」創業者
  • 財務・資金繰りコンサルティング「御社の社外CFO」創業者
  • 経営コンサル会社「(株)Pro-D-use」創業者
  • 中小企業の融資・補助金など資金調達支援の実績多数

これまでの支援実績
個人事業主 / 創業後スグの1人法人 / 売上300億の法人
資金調達額「100万円」〜「5億円」
あらゆる業界の資金調達 / 財務・資金繰りコンサル実績

本記事では、不動産リースバックの仕組みやメリット・デメリットほか、おすすめの業者を3社紹介します。


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目次

不動産リースバックとは?仕組みも解説

不動産を渡している
不動産リースバックとは、不動産売買と同時に賃貸借契約を結ぶ売却方法です。

資産として所有している不動産をリースバック業者に売却して現金化し、その不動産の賃貸借契約をすることで、売却後もその不動産に住み続けることができます。

不動産リースの魅力は、不動産の売却代金は一括で支払われるため、すぐにまとまった資金を入手できる点です。

毎月賃料を支払うことで売却した不動産に住み続けられるため、引っ越し手間がなく、近所に不動産を売却したことを知られる心配もありません。

不動産リースバックの仕組み

不動産リースバックは、まず不動産リース業者が不動産の査定を行い、面談や現地調査などから算出した買取金額を提示します。

不動産所有者が条件に満足した場合は、不動産の売買契約を結びます。

リース業者が直接不動産を買取り、顧客に売買代金を一括で支払います。これで、不動産所の所有権はリース業者に移動します。

不動産リースバックでは、売買契約と同時に、リース業者所有となった不動産の賃貸借契約を行います。賃貸借期間は2年程度が一般的です。

更新または再契約によって、居住の延長が可能な場合もあります。不動産リースバックは通常の売買契約とは異なり、一度売却した不動産を買い戻すことも可能です。

買い戻しができるかどうかは、各リース業者の契約内容によって異なります。将来的に買い戻しを希望する場合は一度問い合わせてみましょう。

住宅ローンが残っている不動産であっても、リースバックの対象となります。ただし、住宅ローンの残債がリースバックの買取金額よりも高い場合は、利用制限を受ける可能性があります。

また、名義人全員の同意がない共有名義の不動産についても、利用制限の対象になる可能性が高いでしょう。

不動産リースバックで資金調達するメリット

ポイント・電球
不動産リースバックで資金調達することのメリットとしては、次の6つが挙げられます。

1. 売却後も家に住み続けることができる

まとまった資金が必要だけど、今の家の住み続けたい、という人にとって、不動産リーズバックは最も適した売却方法です。

住宅を撤去し新しい住まいに引っ越すのは、物件探しや引っ越し費用など、大きな手間とお金がかかります。

また、就学中の子供がいる家庭の場合、学校が変わらないよう、学区内での引っ越しを考えなければならないケースもあるでしょう。

不動産リースバックであれば、不動産売買契約と同時に賃貸借契約し、売却後も賃貸として住み続けることができます。

売却理由が事業の資金繰りや借金返済だった場合、引っ越しなどにかかる出費を抑えられるのは大きなメリットでしょう。

2. 短期間でまとまった資金調達が可能

不動産リースバックは、リース業者が直接不動産を買い取ります。

そのため、買主探しから契約までさまざまなプロセスない通常の不動産売買よりも、不動産売却から現金化までの期間が短いという特徴があります。

早急に資金が必要な場合でも、すぐにまとまった資金を調達できます。

3. 資産維持のためのコスト負担を軽減できる

不動産リースバックには、不動産を維持するためのコスト負担を軽減し、資金計画が立てやすくなるというメリットがあります。

不動産を所有していると、固定資産税や火災保険、地震保険、修繕費など、資産を維持するためのコストがかかります。

不動産リースバックで不動産売買&賃貸借契約をすれば、不動産の所有権はリース業者に移行するため、不動産の維持費用を支払う必要がなくなります。

そのかわりに毎月の賃料が発生しますが、賃料は毎月決まった額を支払うため、毎月のコストが定額化されます。

4. 家を所有することで生じるリスクがなくなる

不動産を所有していることで生じるリスクには、さまざまなものがあります。

たとえば、災害による建物の破損や倒壊、価格下落、住宅ローンの金利情報などです。

どれも明確に予測できるものではなく、不動産を所有している限りつきまとうリスクです。

不動産リースバックを利用すれば、不動産の所有権はリース業者に移行するため、これらのリスクを負うことがなくなります。

5. 近隣など周囲に知られずに売却できる

自宅を売却したことが近隣住人や知人に知られると、余計な検索をされたり、噂を流されたりする可能性があります。

住宅ローンが滞った、事業の資金繰りが厳しいといった理由の場合、そのような詮索を避けるためにも、できる限り周囲に知られずに不動産を売却したいと考えるのは自然なことでしょう。

不動産リースバックでは、不動産の売買契約を所有者とリース業者間で行うため、周囲に売却を知られることがありません。

また、売却後のそのまま住宅に住み続けることができるため、今までどおりの生活ができます。余計な詮索をされることもないでしょう。

6. 老後の資金調達ができる

不動産リースバックは、老後に必要な資産を確保する方法としても利用できます。

長年住み続けた家や土地から離れることは、高齢者にとって大きな負担です。

不動産リースバックなら売却した住宅に住み続けることができるため、住み慣れた家でいままでどおりの生活をしながら、老後のための資金調達が可能です。

不動産リースバックで資金調達するデメリット

デメリットで怒っている人たち
不動産リースバックには、前述したようなメリットが多くある反面、いくつかのデメリットもあります。

利用する際は、デメリットについても十分把握しておきましょう。

1. 相場よりも安い売却価格になる

通常の不動産売買は、建物の構造や築年数、立地条件などによって売価約価格が変動します。

不動産リースバックで不動産を売却する際は、仲介による通常の不動産売買の相場と比べると70〜80%の売却価格になるのが一般的です。

その理由は、買主であるリース業者が家賃滞納のリスクを負ったり、売主が買い戻しを希望している場合、不動産を自由に扱えないといった制限があるからです。

2. 所有権がなくなるため不動産を自由に扱えない

不動産リースバックで住宅を売却すれば、当然所有権は買主であるリース業者に移行します。

資産維持のコストや価格下落、災害被害といった所有リスクがなくなる反面、住宅のリフォームやリノベーションなど、住宅を自由に扱うことはできなくなります。

3. 賃料が通常の家賃相場より高い

不動産リースバックの賃貸借契約は、通常の賃貸物件よりも家賃相場が高く設定されている傾向があります。

これは、リースバックの賃料(リース料)が、周辺の家賃相場ではなく、リース業者が不動産を買い取った価格に対する利回りで設定されるからです。

不動産リースバックの賃料目安としては、不動産の売却価格の8〜10%程度と考えておくとよいでしょう。

資金調達のための不動産のリースバックで注意すること

注意されている人
資金調達の方法として不動産のリースバックを選択する際は、次の2つに注意しましょう。

1. 賃貸借契約の更新・再契約ができない場合がある

売却した住宅に住み続けられる点は、不動産リースバックの大きなメリットです。

しかし、不動産リースバックの賃貸借契約のほとんどは、リース期間を定めた「定期借家契約」で締結されます。

定期借家契約の多くは2年間で、契約満了前に更新するか、再契約することで住宅に住み続けることが可能ですが、場合によっては更新・再契約ができないこともあります。

不動産リースバックで定期借家契約を交わした場合、永続的に住み続けられるとは限らない、ということを事前に把握しておきましょう。

2. 買い戻しの価格が売却時よりも高額になる場合が多い

不動産リースバックで売却した不動産を、将来的に買い戻したいと考えている場合は、買い戻しの価格が売却価格よりも高額になるケースが多いことを念頭に入れておきましょう。

一般的に、物件を買い取った際の価格から1.1〜1.3倍程度の利益を加えた買い戻し価格を提示される傾向があります。

数年前の売却し、今も住み続けている住宅を売却価格よりも高い価格で買い戻すのは、金銭的だけでなく、心理的にもハードルが高いといってよいでしょう。

おすすめの不動産リースバック業者

エージェントが8人
ここでは、おすすめの不動産リースバック業者を3社紹介します。

業者に寄ってサービス内容やアピールポイントが異なるため、自分に合った業者を選びましょう。

1. セゾンファンデックス/リースバック

セゾンファンデックスは、不動産担保ローンや不動産リースバックサービスなどを提供しているクレディセゾングループの子会社です。セゾンファンデックスが提供するリースバックは、対応エリアが全国であるほか、査定結果は最短2日、売却後の資金化はおよそ2週間程度というスピーディーな対応が特徴です。

また、セゾンファンデックス特有のサービスとして、付加価値サービスを利用できる点があります。付加価値サービスの内容は、次のとおりです。

  • セコムのホームセキュリティ
  • ホームネットのハローライト
  • エールのハウスクリーニング
  • HOMEALSOK みまもりサポート
  • 象印のみまもりほっとライン
  • エールのハウスクリーニング

2. SBIスマイル/ずっと住まいる

SBIスマイル株式会社は、東証一部上場企業であるSBIグループの子会社で、不動産リースバックの専門業者です。

SBIスマイルの取り扱いエリアは、「首都圏および全国の政令指定都市および政令指定都市に準ずる地域の不動産」です。SBIスマイル/ずっと住まいるの特徴は、敷金・礼金・更新料がゼロ円で、初期費用がかかからない点です。

また、リースの契約期間については、不動産所有者である顧客と協議をして決定します。審査にかかる時間は、仮審査が最短翌日、正式な査定は2〜3営業日です。

資金化はおよそ2週間〜1ヵ月近くかかります。SBIスマイル独自のサービスとしては、引っ越しお祝い金制度があります。

このサービスで、初期費用だけでなく、引っ越しにかかる費用も軽減できます。

3. センチュリー21/リースバック「売っても住めるんだワン!!」

株式会社センチュリー21・ジャパンは、ジャスダック上場企業で、不動産フランチャイズの最大手です。

株式会社インテリックスと提携して行っている不動産リースバックサービス「売っても住めるんだワン!!」は、査定額とリース料を他社の売買事例や周辺相場と比較して設定するところ最大の特徴です。

売却から資金化までの日数は半月〜1ヵ月程度で、リース期間は2年更新となっています。

また、業界内店舗数全国第1位の強みを活かし、リースバックについて店舗で相談できるという点も魅力のひとつでしょう。

  • 「上場企業・業界最大手と取引することで安心感を得たい」
  • 「店舗で直接相談したい」

という人におすすめです。


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不動産リースバックでよくある質問(Q&A)

リースバック済みの物件でも、融資の担保にすることは可能でしょうか?

結論から申し上げると、不動産担保で融資を受けたい際に、所有権がリースバック業者に移行している場合においては、融資の担保対象とはなない可能性が非常に高いです

ただし、融資を受ける際には、他の担保や収入状況などの要素も考慮されるため、具体的な融資条件・要件については、金融機関に直接お問い合わせするのが確実です。

また、リースバック済みの不動産を担保に融資を受ける場合、リースバック契約やリースバック業者との関係によっても担保対象可否の影響を受けることがあります。融資を検討される場合は、リースバック業者との契約内容や条件を確認し、専門家に相談するのが良いでしょう。

不動産リースバックは短期間の資産調達&売却後も住宅に住み続けたい人におすすめ

不動産リースバックは、不動産を売却することで現金化し、賃貸借契約をすることで売却したあとも住宅に住み続けられる売却方法です。

仲介による通常の売買契約よりも短期間での資金調達が可能なうえ、売却後も住み慣れた家で今まで通りの生活ができるのがメリットです。

老後の資金調達や、周囲に知られずに住宅を売却したい場合、不動産を所有することで生じるコストやリスクを軽減したい場合におすすめです。

不動産リースバック業者を選ぶ際は、業者ごとの特徴や付加サービスを比較し、自分に合った業者を見つけましょう。

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