法人保険に加入している経営者であれば、法人保険の解約払戻金による資金調達も検討できます。

法人保険の解約返戻金は資金調達に便利ですが、一方で、注意すべき点もあります。

この記事では、

  • 法人保険の解約返戻金について
  • 解約返戻金の対象になる保険の種類
  • どの程度の税金がかかるのか
  • 解約返戻金を増額させる方法
  • 法人保険の解約返戻金のメリット・デメリット

などについて、詳しく解説します。

 

法人保険の解約返戻金とは

お金を持ってる人経営者の多くは、終身保険や定期保険などの法人保険に加入しています。法人保険に加入していれば、経営者にもしものことがあったときに、

  • 事業保障対策資金
  • 従業員に支払う退職金や弔慰金

などを保険でまかなうことができます。

この法人保険を契約期間満了の前に解約した場合には、契約者は解約返戻金を受け取れます。

解約返戻金の受け取りは、有効な資金調達の手法の1つなのです。

法人保険への加入後には、契約期間が満了する前でも契約を解除することができます。保険会社側は、保険会社は契約が途中で解除された場合に、支払われた保険料の一部を契約者に返還することになっています。

保険業法では、将来の保険金の支払いが滞らないように必要な資金を常に準備しておくことが義務付けられています。そのため、保険会社側に解約払戻金に充てる資金がないことはあり得ないのです。

企業が講じる資金調達手段の中には、受け取った資金の使途が定められているケースがあります。しかし、法人保険の解約払戻金には使途の制限がなく、自由に活用できます。

企業によっては解約払戻金を目的に法人保険に加入する場合もあるのです。

ただし、法人保険には支払った保険料がまったく返還されない掛け捨てタイプもあります。掛け捨ての保険を解約しても解約権礼金を受け取ることはできないので注意しましょう。

掛け捨てでないタイプの法人保険に加入しているのであれば、契約の途中で解約することで払戻金が受け取れます。

 

解約払戻金がある法人保険の種類

法人保険にはさまざまな種類がありますが、すべての保険で解約払戻金があるわけではありません。

解約払戻金が受け取れる法人保険は主に4つあります。

 

1.  長期平準定期保険

長期平準定期保険は、いわば会社の経営者用の生命保険で、保険期間が非常に長いのが特徴です。

保険料は少なく、長期保障が受けられるためとても便利な保険となっています。

解約払戻金の金額を左右する払戻率は、保険期間の中間あたりで70%前後、後半では100%を超える場合もあります。

 

2. 逓増定期保険

逓増定期保険は、毎年の保険料は変わらないものの、保険期間が長くなればなるほど死亡保障が増えていきます。

払戻率は50%から85%前後になることが多く、場合によってはほぼ100%ということもあります。

 

3. 養老保険

養老保険とは役員や従業員が契約者となる保険で、契約の満期までに被保険者が死亡すれば死亡保険金が支払われます。

一方、契約が満期になるまでに契約者が死亡しなかった場合には、満期保険金が支払われます。契約者が死亡してもしなくても、保険金が支払われるのが大きな特徴です。

保険期間の前半は解約払戻金の金額が低くなりますが、満期に近くなればなるほど解約払戻金が高くなるという特徴もあります。

 

4. がん保険

がん保険は、契約者ががんになったときの入院費用や手術費用を補償するものですが、貯蓄性を備えた解約払戻金が受けられる種類のものもあります。

 

法人保険の解約返戻金にかかる税金

税金
法人保険の解約による返戻金受け取りは魅力的な資金調達方法といえます。

ただし、解約返戻金を受け取る場合には、税金がかかる可能性について把握しておきましょう。

ここからは、法人保険の解約払戻金にかかる税金についてご説明いたします。

 

解約払戻金よりも支払った保険料が大きい場合

まずは、法人保険を解約した際に受け取った解約払戻金よりも、これまでに支払った保険料が大きい場合について考えましょう。

たとえば、これまで200万円の保険料を支払ってきた契約者が150万円の解約払戻金を受け取ったとします。

この場合、支払った保険料の総額の方が解約払戻金よりも50万円多いため、契約者は損をしていることになります。

支払った保険料解約払戻金支払った保険料 – 解約払戻金支払った保険料が解約払戻金を上回る
200万円150万円+50万円非課税

このケースでは、受け取った解約払戻金に対して課税されることはありません。

 

支払った保険料よりも解約払戻金が大きい場合

法人保険の払い戻しにおいては、支払った保険料よりも多くの解約払戻金を受け取るケースもあるものです。

たとえば、200万円の保険料に対して、250万円の解約払戻金を受け取った場合、払戻率は125%となります。

支払った保険料解約払戻金支払った保険料-解約払戻金支払った保険料が解約払戻金を下回る
200万円250万円-50万円課税対象

払戻率が100%を超えるこのようなケースでは税金が発生することがあるので注意が必要です。

法人税法では、解約払戻金は益金として処理するよう義務付けられています。

つまり、解約払戻金を純粋な利益として扱わなければならないのです。

多額の解約払戻金を受け取った場合には、それだけ多くの税金の支払いが求められます。

保険料の金額を損金ではなく資産として積み立てていた場合には、解約払戻金からこの保険料を差し引いた金額が課税対象となります。

保険料を上回る解約払戻金を受け取った場合には、その全部もしくは一部が雑収入として課税されます。

 

保険の途中解約で資金調達するメリット

電球を渡してる人法人保険を途中で解約して資金調達することには、銀行からの融資を受ける方法とは違うメリットがあります。よりお得な形で資金調達をおこないたいのであれば、法人保険の途中解約を選んだほうがいいかもしれません。

ここからは、法人保険の解約払戻金による資金調達のメリットを4つチェックしていきましょう。

 

1. 使途の制限がない

金融機関から融資を受けるときには使途の申請が求められるケースがあります。

たとえば設備投資のための資金を融資によって調達した場合には、その設備を購入するためだけに資金を使わなければなりません。

使途が制限されると、せっかく調達した資金を上手に活用できないかもしれません。

しかし、法人保険の解約払戻金であれば使途の制限がないため、経営者の裁量でさまざまな方法で利用できます。

運転資金や設備資金はもちろん、従業員の退職金などに充てることも可能です。

資金が必要な場合に解約払戻金を利用すれば、一時的に資金繰りがうまくいかなくなったときでも問題なく乗り切れます。

 

2. 素早い資金調達が可能

資金調達の方法として多くの企業がおこなうのは、金融機関などからの融資を受けることです。

しかし、融資の申し込みや審査には一定の時間がかかります。急ぎで資金が必要となるような場合には、融資という方法では間に合わないかもしれません。

法人保険の解約払戻金による資金調達であれば、解約手続きをすればすぐにお金を得られます。

スピーディーに資金を得られるのは、法人保険解約の大きなメリットといえるでしょう。

 

3. 融資を断られるリスクがない

銀行融資の場合、申し込んでから一定の期間待たされたにもかかわらず、審査に通らず融資を断られるケースがあります。

しかし、保険会社への解約申し込みであれば断られるような心配はありません。

保険の解約という方法であれば、確実な資金調達が可能です。

もちろん、解約するときが最高の払戻率である保証はありませんが、すぐに、確実に資金調達できるのは大きなメリットといえるでしょう。

 

4. 法人保険への再加入もできる

資金繰りのために解約返戻金を受け取り、後々資金に余裕ができたタイミングで法人保険に入り直すという企業は少なくありません。

法人保険は経営上の大きなリスクを避けるためのものなので、資金に余裕があるときにはぜひ再加入を検討したいものです。

ただし、再加入時にまったく同じ条件で申し込めるとは限らないので注意しましょう。

 

保険の途中解約で資金調達するデメリット

批判してる人法人保険の解約払戻金による資金調達にはメリットばかりでなくデメリットもあります。

法人保険の解約払戻金は決して少なくない金額です。場合によっては大きな損につながるおそれもあるので気をつけましょう。

ここからは、保険の途中解約で資金調達するデメリットについてご説明いたします。

 

1. 高い法人税がかかるケースがある

解約払戻金として受け取った資金は帳簿上、すべて益金として扱わなければなりません。

ここで気をつけたいのは、益金に高額の法人税が課税される点です。

資金調達のために受け取った解約返戻金に多額の税金がかかった結果、手元に資金がほとんど残らない可能性も考えられます。

法人保険を解約して解約払戻金による資金調達を行う場合には、どのように使うのかを明確にしておきましょう。

たとえば、多額の退職金を支払わなければならない時期に法人保険を解約し、解約払戻金を退職金に充てる方法であれば、法人税の高額な課税を防ぐことができます。

 

2. 資金が先に出ていく

あまり意識しない点ですが、保険の申し込みというのは、保険料を支払ったあとに解約払戻金が戻ってくるという順番になります。

つまり、資金を先に受け取れるわけではなく、まずお金が出ていくことになるのです。

資産運用として解約払戻金を考えている場合には、保険料を支払い続けるだけの資金力があるかどうかも考慮しましょう。

 

3. 保険料の方が高くなることがある

解約払戻金によって資金調達をするからには、できるだけ多く払戻金を受け取りたいものです。

しかし、法人保険に限りませんが、保険の解約では払戻金よりも支払った保険料の方が高くなることも珍しくありません。

商品や解約の時期によっては払戻率が100%を超える場合もありますが、支払った保険料の方が高くなってしまうケースも多くあります。

こうなってしまうと損をすることになるので、解約の時期は慎重に決めましょう。

 

法人保険の解約返戻金を増やす方法

増えてるイメージ解約返戻金を受け取って資金調達するのであれば、できるだけ金額を大きくしたいものです。

法人保険の解約返戻金を増やす有効な方法は、損金と繰越欠損金の計上です。解約返戻金を受け取った事業年度には、できるだけ損金を計上しましょう。

広告宣伝費や設備投資などの方法で損金が増えれば、解約払戻金分の利益を相殺できます。

また、繰越欠損金を使うという方法もあります。

繰越欠損金とは、所得金額が赤字になった場合に、赤字分を一定期間繰り越せる制度です。

平成20年4月~平成30年3月31日以前の場合であれば9年間、平成31年4月以降は10年間にわたって繰り越すことができます。

繰越欠損金を利用すれば、受け取った解約払戻金と欠損金を相殺して手取りの金額を増やすことが可能となるのです。

なお、解約返戻金は、受け取る時期によって払戻率が大きく変わることがあるので、できるだけ払戻率の幅が大きいときに解約することが重要です。

 

法人保険の解約返戻金を企業防衛に活かすには

ビル法人保険の解約返戻金は、企業防衛に活かすことができます。

企業防衛とは、経営者の急病や事故などによって取引先や金融機関からの信頼が低下してしまった場合でも、信頼回復まで耐えられるだけの備えをしておくことです。

企業防衛にあたっては、毎月かかる運転資金を算出し、信頼回復までの期間を見積もっておきましょう。こうすれば、必要となる運転資金の額を把握できます。

借り入れを行っているのであれば、毎月の返済額と信頼回復までの期間によって必要資金のおおまかな額をチェックできます。

また、納税準備資金を用意することも大切です。

解約返戻金を企業防衛に活かすためには、信頼回復までの運転資金と返済のための資金、さらに法人税の納税準備資金を考慮した受取金額の算出が不可欠です。

解約返戻金による企業防衛のためにも、受取金額を細かく計算しておきたいものです。

 

法人保険の解約返戻金は払戻率を考慮して解約の時期を決定すべき

天秤法人保険の解約返戻金は、解約する時期によって払戻率が大きく変わります。また、受け取ることができる金額も変化するものです。

これまで払った保険料のことを考慮すれば、できるだけ払戻率が高い時期に解約するのがベストの選択といえるでしょう。

法人保険解約時の払戻率は保険会社に問い合わせればすぐに教えてもらえます。

法人保険の解約返戻金によって資金調達をする際には、今の払戻率と将来の払戻率について尋ねてみるのがおすすめです。

 

法人保険の解約返戻金は企業の事業資金として活用できる

資金調達にあたって借り入れや利子の支払いをしたくないときには、現在加入している法人保険の解約という方法を剣としてみましょう。

法人保険の解約によって返戻金を受け取ることには、素早く資金調達できるという良さがあります。これによって、会社全体の利益をアップさせることもできます。

解約返戻金から最大の利益を得るために、解約の時期や使い道についてしっかり考慮しましょう。

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