銀行融資を受けている経営者は、銀行への決算報告について以下のような不安・悩みをお持ちではないでしょうか?

銀行への決算報告の目的やメリットは何だろう?



銀行への決算報告では、銀行は何を見ており、経営者は何を話すべきなの?



銀行への決算報告の手順や流れ、準備すべき書類を知りたい
銀行や信用金庫から融資を受けているなら、「決算報告」をするべきです。融資コンサルを本業とする筆者の経験上、決算報告をきちんとしている経営者は少ないため、決算報告ができているだけで担当者や支店長から一目置かれる存在になれると感じています。
結論、筆者が考える銀行への決算報告のポイントは以下6つです。
◆銀行への決算報告6つのポイント
- ポイント1. 社長自ら銀行に足を運ぶ
- ポイント2. 事前にアポを取る
- ポイント3. 自社製品や会社のパンフレットを持っていく
- ポイント4. 自社の現状も説明する
- ポイント5. 資金調達の意思表示をする
- ポイント6. 決算報告に詳しい専門家に相談する
筆者は「中小企業の融資代行プロ」という成果報酬型の「融資コンサルサービス」で、これまで多くの銀行への決算報告をご支援をしてきました。


著者プロフィール
- 融資コンサル会社「(株)融資代行プロ」創業者
- 財務・資金繰りコンサルティング「御社の社外CFO」創業者
- 経営コンサル会社「(株)Pro-D-use」創業者
- 融資/財務コンサル/補助金などの実績多数
これまでの支援実績
創業前後の法人〜売上300億の法人
1人法人〜個人事業主
調達額「200万円」〜「9.5億円」
多業界の資金調達 / 財務コンサル実績
本記事では、融資のプロである筆者が、以下の内容を解説します。
- 決算報告の際に銀行が見ているポイント
- 銀行への決算報告における提出書類
- 銀行への決算報告の内容
- 銀行に決算報告する際のポイント
銀行への決算報告を成功させたい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
財務戦略や財務改善は、知識・経験もなく「何となく」で進めると必ず失敗します。財務を扱うには、幅広い知識・経験が必要であり、CFOの存在が欠かせません。
財務コンサル “御社の社外CFO” は、月7万円(税抜)~で「財務・資金繰り不安」から経営者を解放するサービスです。これまで、あらゆる業界の「スタートアップ〜中小・中堅企業」を支援した実績がございます。そんな私たちに、無料の財務・資金繰り相談をしてみませんか?詳しくは▼下記ボタン▼をクリックしてください。
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銀行への決算説明・報告とは、社長が銀行に訪問し決算内容や経営情報を支店長や担当者に報告する行為
決算報告とは、年1回の「決算書が揃ったタイミング」で会社の経営状況を融資取引先の銀行に報告・説明することです。
よく「決算書を渡して終わり」としている経営者は多いのですが、せっかくなら、決算書の中身や今後の経営情報を共有する「決算報告」まで行いましょう。
決算報告をする時期は、手元に決算書が到着次第となります。例えば、3月決算の場合は以下の流れで実施します。
例)3月決算の会社の決算報告の流れ
- 5月までに税務申告
- ①と同時に、顧問税理士から決算書一式を受け取る
- 6月または7月中に銀行へ報告
筆者の所感ですと、きちんとした形で決算報告ができている経営者は、100人中3人程度とかなり少ない印象です。
決算書から読み解ける情報は案外少ないため、「銀行に決算書を渡すだけ」では、銀行からプラスの評価はしてもらえません。それどころか、決算書に対して補足説明をしなかったせいで、知らないうちにマイナス評価を受けている経営者は意外と多いものです。
予期せぬマイナス評価を避け、決算書からは見えないプラス要因を伝えるためにも、社長自らが銀行へ報告に行く「決算報告」が重要なのです。戦略的に決算報告ができる経営者は少ないため、きちんと決算報告ができるだけで、担当者・支店長の記憶にも残り心証が良くなりますし、今後の融資取引が有利に働く可能性もグッと上がるのです。
支店で融資の決裁をするのは支店長です。支店で抱える顧客数は数百社に及びます。その数百社に埋もれないためにも、「決算報告」で支店長にあなたの会社を覚えてもらうことは、とても重要なのです。
なぜ銀行への決算説明・報告が必要なのか
銀行への決算報告が必要な理由は、融資されたお金を正しく使い、滞りなく返済ができることをアピールするためです。そのために、経営の成績表である決算書の提出が必要となります。
また決算報告をする際に、次の資金ニーズが「どのタイミング」で「いくら発生するのか」も一緒に伝えることで、銀行も事前に融資の準備ができるため、計画的に資金調達が実施されることにもつながります。
経営者の中には「決算書を提出すること」が目的になっている方も多いのですが、実際は「次はいつ融資が欲しいのか」「いくら欲しいのか」「なぜ欲しいのか」を意思表示する目的で決算報告をすることが重要なのです。決算書報告は、「次なる融資を引き出すため」のコミュニケーションツールであると心得ておきましょう。
決算報告では、「細かい数値も正確に把握しなければ」と身構える必要はありません。銀行員も社長がそこまで決算書の細部まで把握しているとは思っていません。ただし、決算書の「貸借対照表(BS)」「勘定科目内訳明細書」、「損益計算書(PL)」の中で、前年と比較して「大きく増えた数値」「大きく減った数値」と、その理由くらいは自分から話せるようにしておきましょう。
銀行への「決算報告」は義務ではないが、しっかり報告するだけで印象は良くなる
銀行融資を受けている事業者は、「決算書の提出」は必ず実施しなければいけません。一方で、銀行に決算内容の説明をする「決算報告」については義務ではありません。
決算報告を怠る経営者が多いため、しっかり決算報告ができるだけで銀行からの信用も上がり、融資審査に有利になる可能性も上がります。
そのため、銀行から要望されなくても自ら積極的に決算報告を実施し、銀行からの評価を高めておくことが重要です。
決算報告の場に、「銀行側から誰が出席するか」で自社の評価がわかる
決算報告の場で、自社がどんな立ち位置にいるのか把握したい場合は、決算報告の場に誰が出席するかで銀行側から見た自社の評価が推察できます。
各金融機関で以下の担当者の出席もしくは同席があると、あなたの会社は高く評価されていることがわかります。
◆金融機関側で出席して欲しい担当者
- 信用金庫
- 支店長:重要顧客
- 課長 :優良顧客
- 担当者のみ:普通の顧客
- 地方銀行
- 支店長:重要顧客
- 課長 :優良顧客
- 担当者のみ:普通の顧客
- メガバンク
- 支店長:最重要顧客
- 課長 :重要顧客
- 担当者のみ:普通の顧客
上記の出席者を見ることで、自社が相手の金融機関にとってどういった立ち位置かを推察することが可能です。「普通の顧客」として認識されると、良質な提案や融資交渉もできないため、より上位の顧客を目指すのであれば、日頃のコミュニケーションを改善したり、業績や経営・財務状況に磨き込みをすることが必要になります。
決算報告で銀行が見ている4つのポイント
決算報告の際に、銀行が見ているポイントは以下のとおりです。
- ポイント1. 財務の実態
- ポイント2. 企業体力
- ポイント3. 経営者の計画性
- ポイント4. いつ借りたいのか?(いつ貸せるのか?)
それぞれ、詳しく解説します。
ポイント1. 財務の実態
銀行は提出された決算書をチェックして、決算数値が実際の経営状況や財務状況に正確に反映されているかを確認します。そのうえで決算書の数値を加算および減算し、「財務の実態」を見ています。
特に、貸借対照表の「資産の部」の正確性を重点的にチェックしています。主なチェックポイントは、以下のとおりです。
◆貸借対照表の「資産の部」でチェックされるポイント
- 現預金
-
本当に現金を持っているのか?
- 売掛金
-
実在する売掛金なのか?
回収できる売掛金なのか? - 棚卸資産
-
本当に売れる在庫なのか?
在庫の水増しはしていないか? - 仮払金
-
具体的な中身は何か?
使途不明金が含まれていないか? - 貸付金
-
そもそも計上されているのも好ましくない
経営者が私的流用をしていないか?
貸借対照表の「資産の部」を細かくチェックして、粉飾決算の有無や、変なことにお金を使っていないか確認していきます。
また、損益計算書では「減価償却費」の計上有無をチェックしており、実態以上の業績に見せかけていないかを確認します。減価償却費を計上できるにもかかわらず計上しない行為は、銀行からの心証を悪くする原因となります。
ポイント2. 企業体力
銀行は企業体力を測るために、貸借対照表の「純資産の部」をチェックします。純資産とは、企業が保有する資産の価値から負債を差し引いた金額のことです。
◆資産超過・債務超過の違い
項目 | 財務状況 |
---|---|
資産超過 | 資産が多い状態 |
債務超過 | 負債が多い状態 |
銀行は、資産超過が大きいほど安全性が高いと判断します。一方、債務超過になった瞬間に、危険度の高い企業と判断されて、追加の融資は絶望的になります。
資産超過を維持するためには、無駄な節税は避けて、利益剰余金をたくさん確保しておくことが重要です。筆者がクライアントのご支援を通して金融機関の反応をみている経験上、節税に本腰を入れて良い基準は「利益剰余金が5000万円超」になってきてからだと強く感じていますので、心に留めておきましょう。
ポイント3. 経営者の計画性
銀行は、経営者が自社のビジョンや目標を具現化し、進むべき方向性を把握できているかを重要視しています。具体的には来期の見通しや中期経営計画があること、財務戦略が明確であるかなどが重要です。また、経営者自身が自社の課題を認識し、改善策を持っていることも評価のポイントとなります。
一方、経営者がその場しのぎの運営をしていると、銀行から「計画性のない経営者」と見なされるリスクが高いです。計画性がないと判断されると、信頼を失うことに加えて、融資審査に通りにくくなるといったリスクも生じます。
ポイント4. いつ借りたいのか?(いつ貸せるのか?)
銀行は決算報告を通じて、「この会社は、いつ借りたいのか?(いつ貸せるのか)」を判断しています。
銀行員の営業成績は、「リスクの少ない顧客に、いかに多く貸せるか」で決まります。そのため、銀行員としては「いつ、いくら貸せるのか?」や、融資先が「他行からどの程度借りているのか」を把握しておく必要があります。
そのため、経営者は「いつ借りたい」と単に伝えるだけではなく、財務状況や経営状況などを加味して論理的に融資を受けたい理由や状況を伝えることが重要です。「直近で借りたい」とだけ伝えるようなコミュニケーションでは銀行とトラブルになり、関係性が悪くなる場合もありますので注意しましょう。
適切なタイミングで融資を受けられるためにも、事前に「いつ借りたい」のかを伝える準備をしておきましょう。
銀行への決算報告で用意すべき書類
融資のご支援を本業とする筆者が考える、銀行への決算報告で用意すべき書類は以下の6つです。
- 書類1. 決算書
- 書類2. 過去3期分のB/S・P/Lの比較表
- 書類3. 事業計画書
- 書類4. 資金繰り表
- 書類5. 借入状況一覧表
- 書類6. 決算説明資料
上記の6点の書類について、それぞれ詳しく解説します。
書類1. 決算書
決算報告には、当然「決算書」は必ず持ち込みましょう。決算書の中でとくに確認される内容は以下のとおりです。
◆決算書の中で主に確認される内容
- 貸借対照表(BS)
- 損益計算書(PL)
- 勘定科目内訳明細表
- 株主資本等変動計算書
- 個別注記表 等
決算書の中でも銀行がとくに注目して確認する書類は、「貸借対照表(BS)」・「損益計算書(PL)」・「勘定科目内訳明細表」の3点です。「貸借対照表(BS)」「損益計算書(PL)」は、企業が年度末に作成する財務状況や経営成績をまとめた書類です。勘定科目内訳明細表は、賃借対照表や損益計算書の勘定科目の内訳の詳細を示した決算書類で、正確な取引実態や財務状況を確認できます。
どの書類も、会社の業績や財務実態を把握するために非常に重要な書類のため、税理士と協力しながら、銀行に誤解をされない決算書の内容にしておきましょう。
なお、「銀行融資で重視される勘定科目内訳明細書のポイント」や「銀行の融資審査で決算書が見られているポイント」について詳しく知りたい方は、以下の記事が参考になりますので、必ずチェックしてください。




書類2. 3~5期比較のB/S・P/L
銀行への決算報告をする際は、過去3期分の「貸借対照表(B/S)」と「損益計算書(P/L)」の比較表を持参しましょう。比較表があることで、銀行のあなたの会社への理解度がグッと上がるため、関係性はより深まります。
以下の比較表は、筆者が実際に財務コンサルのご支援でお客様に使っている比較表です。比較表は、以下項目だけを抜粋するだけで十分です。
◆貸借対照表の比較表(実際に筆者がご支援で活用しているもの)


◆貸借対照表の比較表(実際に筆者がご支援で活用しているもの)


なお、貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)は以下の利用目的で使われます。
◆貸借対照表(B/S)・損益計算書(P/L)の利用目的
書類 | 利用目的 |
---|---|
貸借対照表(B/S) | 資産・負債・純資産の推移を示し、会社の財政状態を把握できる。 |
損益計算書(P/L) | 売上高や利益、経費の推移を示し、会社の業績の変化を把握できる。 |
過去3期分の「貸借対照表(B/S)」と「損益計算書(P/L)」の比較表を持参することで、先期分だけでは伝わらない、財務・業績の増減理由などを把握してもらいやすくなるのです。
この比較表は、銀行のためだけではなく、会社の経営状況の把握にも使えるため、経営者にとっても非常に有効な資料だと、筆者は強く感じています。
書類3. 事業計画書
事業計画書は、社歴が浅い(3年未満)場合や、過去業績が芳しくない場合、新規事業を展開する際に持参できると効果的です。貸借対照表と損益計算書とは異なり、未来に関する見通しを銀行側に共有することができます。
◆事業計画書で確認できる情報
- 現在の経営状況
- 現在の課題
- 課題への対策
- 今後の経営方針
- 「事業計画」やそれに紐付いた「資金計画」
- スケジュール 等
事業計画書に記載するべき内容は事業目的やビジョン、資金計画など多岐にわたります。また、「月次の損益計画書」や「資金繰り表」も提出すると、今後の資金需要もしっかりと伝えることが重要です。
書類4. 資金繰り表
資金繰り表は、過去と将来の資金管理能力を測るのに有効な書類であるため、中小企業には必須の財務ツールです。精度の高い資金繰り表を作成できれば、銀行からの評価は間違いなく上がります。
銀行は、「現預金が増える仕組みがあること」や「現預金が減らない努力をしていること」を見ています。
資金繰り表には、「営業キャッシュフロー」「財務キャッシュフロー」「投資キャッシュフロー」の3つがあります。
◆資金繰り表の種類
項目 | 内容 |
---|---|
営業キャッシュフロー | 売上・仕入・人件費・税金・光熱費などの諸経費についてのキャッシュフロー |
財務キャッシュフロー | 定期預金や借入金の調達や返済などの現金の流れについてのキャッシュフロー |
投資キャッシュフロー | 設備投資・有価証券の取得や売却、貸付金返済などについてのキャッシュフロー |
銀行は資金繰り表を確認して資金不足リスクや返済能力を判断するため、6ヶ月〜1年分のデータがあると資金繰りの健全性を判断しやすくなります。
銀行への決算報告をスムーズに進めるためにも、あらかじめ資金繰り表は作成しておきましょう。
なお、「資金繰り表の作り方」について詳しく知りたい方は、以下の記事が参考になりますので、必ずチェックしてください。


書類5. 借入状況一覧表
借入状況一覧表とは、借入金額や返済条件などの借入に関する情報を一覧表にまとめた書類です。
◆借入状況一覧表で確認できる情報
- どこの金融機関から何本借りているのか
- どんな借入をしているのか
- 当初の借入金額と借入残高
- 毎月の返済額
- 借入日・返済期日
- 借入期間
- 返済方法
- 資金使途
- 金利
- 担保状況・保証状況
借入状況一覧表を作成する際に決まった様式はありませんが、上記の項目を含めると銀行が求めている内容を網羅できます。
「借入状況一覧表」のテンプレート
銀行名 | 資金使徒 | 金利 | 借入日 | 借入額 | 借入残高 | 返済額/月 | 返済期日 | 借入期間 | 返済方法 | 担保・保証 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
地方銀行●●● | 運転資金 | 2.5% | ●/●/● | ¥8,000,000 | ¥●●●● | ¥●●● | ●/●/● | 5年 | 元金均等 | プロパー |
運転資金 | 2.5% | ■/■/■ | ¥5,000,000 | ¥●●●● | ¥●●● | ■/■/■ | 3年 | 元金均等 | プロパー | |
設備資金 | 3.5% | ▲/▲/▲ | ¥3,000,000 | ¥●●●● | ¥●●● | ▲/▲/▲ | 10年 | 元金均等 | 保証協会 | |
合計 | – | – | – | ¥ | 16,000,000¥●●●● | – | – | – | – | |
信用金庫★★★ | 運転資金 | 3% | ★/★/★ | ¥5,000,000 | ¥★★★★ | ¥★★★ | ★/★/★ | 5年 | 元金均等 | 保証協会 |
運転資金 | 2.5% | ×/×/× | ¥1,000,000 | ¥★★★★ | ¥★★★ | ×/×/× | – | 期日一括 | プロパー | |
合計 | – | – | – | ¥ | 6,000,000¥★★★★ | ¥★★★ | – | – | – | – |
日本政策金融公庫 | 設備資金 | 2.3% | ◎/◎/◎ | ¥3,500,000 | ¥◎◎◎◎ | ¥◎◎◎ | ◎/◎/◎ | 5年 | 元金均等 | – |
合計 | – | – | – | ¥ | 3,500,000¥◎◎◎◎ | ¥◎◎◎ | – | – | – | – |
総合計 | – | – | – | ¥ | 25,500,000¥(合計値) | ¥(合計値) | – | – | – | – |
銀行は企業が「どの程度借入があるのかを知りたい」と考えているため、事前に上記のテンプレートなどを活用して借入状況一覧表を作成しておきましょう。
なお、「法人向けの銀行融資」について詳しく知りたい方は、以下の記事が参考になりますので、必ずチェックしてください。


書類6. 決算説明資料
決算説明資料は、銀行に伝えたい内容をアピールするための資料です。決算説明をする際に銀行担当者が理解しやすいように、箇条書きで書き記します。
決算説明資料に記載する主な内容は、以下の通りです。
◆決算説明資料に記載する主な内容
- 会社概要
- サービス概要
- 先期決算の概略(現預金、利益剰余金、売上、利益)
- 決算トピック(B/S、P/L)
- 今期進捗・見立て
- 現状の経営課題
- 借入状況
- 資金繰り状況
- 銀行への要望(融資の依頼)
決算説明資料は上記のように業績の要約や今後の見通し、経営課題と対応策を含めることが推奨されます。とくに業績が悪化している場合は、原因と改善策を明確にしておくことも重要です。
以下に、決算報告シートに記載する実際の内容例や、記載に関する重要なポイントをご紹介します。なお、決算説明資料をどのように記載してよいかわからない場合は、以下の内容を参考にしてください。
(クリックで詳細確認)決算報告シートに記載する実際の内容例
◾️会社概要(コーポレートサイトなどに掲載する一般的な概要の表)
◾️サービス概要(商流がわかるもの)
┗商流を示すのに、「ロカベン」がおすすめ
◾️先期決算の概略(現預金、利益剰余金、売上、利益)
┗今季の目標と合わせて表
◾️決算トピック
- BSトピック(先期とその前の期を比較して大きく数値が変わった点と、その理由を併記)
- 「勘定科目内訳明細書」を前年とよく見比べて、変化を報告する
- ❶正常運転資金の金額、❷売掛金、❸在庫、❹貸付金、❺買掛金、❻借入金は特に重要
- PLトピック(先期とその前の期を比較して大きく数値が変わった点と、その理由を併記)
- 「勘定科目内訳明細書」を前年とよく見比べて、変化を報告する
- 昨年取り組んだことで、効果(売上UP、経費削減など)があった取り組み内容を伝える。
- 仮に業績が悪くなった場合でも、その原因・理由を突き止めて、今期の対策・どうするのか?を伝える
◾️今期進捗・見立て
最新の試算表をベースに説明。
< 今期の見立て >
- 売上着地 :●●万円(前年比●%UP)
- 利益着地 :●●万円(前年比●%UP)
- 現預金着地:●●万円(前年比●%UP)
※ここで経営計画書(事業計画書)を見せながら話すと理解が深まってGOOD
< 経営・財務トピック >
今期、何にいくら、どんな目的で投資をする予定なのかを記載
◾️現状の経営課題
◾️前期の決算結果を受けて、取り組むべき短期課題 + 中長期課題
◾️借入状況
「借入状況一覧表」をベースに、どの銀行からいくら借りていて、融資残高がどうなっているのか?を共有する。また、既に他の銀行に借り入れの打診をしている場合は、それも伝える。
◾️資金繰り状況
◾️銀行への要望(融資の依頼)
- 資金使途:運転資金として
- 調達時期:●●年●月ごろ
- 希望金額:年間返済額●●万円のうち、■■万円を御行から調達希望
※「いつ」「いくら」を借りたいのか?
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銀行への決算報告の内容
銀行への決算報告は、決算書の提出をして事務的に済ませるだけでは不十分です。決算報告をする際の具体的な内容は、以下のとおりです。
- 内容1. 具体的な数値報告と数値根拠
- 内容2. 今期で目指したい経営
過去・現在・未来の3つの視点から、効果的に報告しましょう。
内容1.具体的な根拠
銀行への決算報告では、業績が悪かったときほど積極的に悪かった理由と、その対策を説明することが重要です。
▼銀行の担当者や支店長に対する効果的な説明
新たな事業で先行投資が必要でした。先行投資の額を計算すると〇億円です。投資分を除けば実態は〜でした。等
上記の内容を資料を用いて具体的に説明できると、「現状を把握しており、今後の経営にも期待できる」と、担当者や支店長から信頼を得られる可能性が高まります。
内容2.今期で目指したい経営
銀行への決算報告では、決算書からは読み解けない「今期で目指したい経営方針」も詳しく説明しておきましょう。
加えて、以下のように「今後の資金需要」も提示ができると、決算報告がさらに効果的になります。
◆今後の資金需要
- 設備投資がある
- スタッフを新たに動員する
- 大型案件で多額の先払いが発生する
- 新規事業の開始
- 事業拡大 等
上記の資金需要を具体的に伝えられると今期の目指したい経営を整理できるうえに、銀行の担当者からも信頼を得られ、今後の融資枠や信用枠の拡大にもつながる可能性が高まります。
銀行への決算報告6つのポイント
銀行への決算報告を成功させるためには、以下6つのポイントをおさえておきましょう。
- ポイント1. 社長自ら銀行に足を運ぶ
- ポイント2. 事前にアポを取る
- ポイント3. 自社製品や会社のパンフレットを持っていく
- ポイント4. 自社の現状も説明する
- ポイント5. 資金調達の意思表示をする
- ポイント6. 決算報告に詳しい専門家に相談する
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
ポイント1.社長自ら銀行に足を運ぶ
銀行への決算報告は、社長自らが銀行に訪問しておこないましょう。自社の経理担当者から銀行の担当者に、決算報告をさせるのは非常にもったいないのでやめておきましょう。
銀行員は社長自らが足を運び説明してくれることを好む傾向にあるため、心証もよくなります。また、数字だけでは説明し切れない、事業計画や課題への取り組みも口頭で説明できます。
なお、経理担当者や税理士を同席させても問題ありませんが、社長自ら説明できるとより良い印象を持ってもらえる可能性が高いです。銀行員にとっても経営者はお客様にあたるため、突発的な質問をして経営者の機嫌を損ねたくないと考えます。そのため、難しい質問をされることはほとんどないでしょう。
ポイント2.事前にアポを取る
約束なしに銀行に突然訪問しても担当者が不在の場合が多いため、事前にアポを取るとスムーズに対応できます。アポを取る際は「決算報告をしたいため、〇〇さん(支店長)にも来ていただきたいです。」などと伝えると、担当者や支店長が自社のオフィスまで来てもらえる場合が多いです。
また、簡潔かつ丁寧に決算報告を伝えられると心証がよくなり、融資交渉が有利に進められる可能性が高いです。
銀行との信頼関係を深めるためにも、事前にアポを取って必要な融資や支援を受けられる体制を整えましょう。
ポイント3.自社の製品や会社のパンフレットを持っていく
銀行の担当者や支店長は数多くの会社に対応しており、自社の製品のサービスを知らない場合があるため、製品や会社のパンフレットを持っていくのもおすすめです。
写真や図表などが掲載されているパンフレットであれば、わかりやすく情報を伝えられ、相手にも良い印象を与えられます。また、社長の顔や会社の情報が印象に残りやすくなり、今後の関係も良好になる可能性があります。
銀行側に会社の理解を深めてもらうよう、事前に準備しておくとよいでしょう。
ポイント4.自社の現状も説明する
銀行に決算報告をする際は、「自社の現在の業況」も説明する準備をしておきましょう。
決算報告をするタイミングは決算書が出てから2〜3か月後になるため、最新の試算表も印刷した上で、現状を口頭でも説明できると、より評価が高まります。
万が一、現在の業績が悪い場合は、「原因が特定できていること」、また、「どのように改善するのか」を説明できると、「信頼できる経営者」と逆に評価が上がるでしょう。
銀行の担当者や支店長から信頼を得るためにも、具体性のある自社の現状を説明しましょう。
ポイント5.資金調達の意思表示をする
銀行への決算報告は単に業績を報告するだけではなく、「今後も融資を受けたい」という資金調達の意思表示をすることが重要です。提出書類を基に「今後の成長戦略」や「資金需要(融資をして欲しい)」を明確に示せると、銀行も融資がしやすくなります。
銀行側は「いつ、いくら」お金を貸せばよいのかを知りたいため、明確な資金調達の意思を示しましょう。単に「ありがとうございました」や「今後もお願いします」といったあいさつをするだけでなく、最後に「お金をいつ、いくら借りたいのか」を伝えることが必須です。
銀行への決算報告は単なる数字の提示だけではなく、自社の将来を見据えた戦略的なコミュニケーションの場であることを理解しましょう。
ポイント6.銀行への決算報告に詳しいプロに相談する
銀行への決算報告でミスをしたくない場合や今後も融資を受けたい場合は、決算報告に詳しい専門家に相談することも有効な手段です。銀行への決算報告に詳しい専門家に相談すると、最適な資料の作成方法や報告の仕方についてのアドバイスを受けられます。
また、専門家は銀行の融資審査の内部プロセスを熟知しており、決算書の提出だけではなく担当者や支店長が求める信頼関係を深められるきっかけとなる可能性が高いです。とくに中小企業は財務状況とキャッシュフロー管理が融資条件に影響するため、専門家への相談が効果的です。
銀行への決算報告を成功させるためにも、銀行に詳しい専門家に相談しましょう。
「決算報告のポイント分かったけど、一人で望むのは不安…」そんな方は、【財務コンサルサービス”御社の社外CFO”】にご相談ください。【財務コンサルサービス”御社の社外CFO”】は、「銀行・信用金庫」や「ファンド」「投資銀行」といった金融機関に10〜30年も在籍した、豊富な知識・経験を持つプロの財務コンサルタントが、「戦略的な金融機関との取引」を徹底的にサポートします。
また決算報告はもちろん、その他、財務戦略から資金調達、管理会計や資金繰り改善までも一気通貫でコンサルティングしています。まずはお気軽に無料相談をお申し込みください。
財務戦略や財務改善は、知識・経験もなく「何となく」で進めると必ず失敗します。財務を扱うには、幅広い知識・経験が必要であり、CFOの存在が欠かせません。
財務コンサル “御社の社外CFO” は、月7万円(税抜)~で「財務・資金繰り不安」から経営者を解放するサービスです。これまで、あらゆる業界の「スタートアップ〜中小・中堅企業」を支援した実績がございます。そんな私たちに、無料の財務・資金繰り相談をしてみませんか?詳しくは▼下記ボタン▼をクリックしてください。
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※口だけじゃなく、しっかり並走いたします!
流れやポイントを押さえた決算報告で銀行の信頼を勝ち取ろう!
銀行への決算報告は、融資担当者や支店長から信頼を得る絶好の機会です。銀行は決算報告を基に、企業の「財務実態」「企業体力」「経営者の計画性」を評価しているため、サボらずにしっかりと取り組むことが重要です。
結論、筆者が考える銀行への決算報告のポイントは以下6つです。
◆銀行への決算報告6つのポイント
- ポイント1. 社長自ら銀行に足を運ぶ
- ポイント2. 事前にアポを取る
- ポイント3. 自社製品や会社のパンフレットを持っていく
- ポイント4. 自社の現状も説明する
- ポイント5. 資金調達の意思表示をする
- ポイント6. 決算報告に詳しい専門家に相談する
「銀行への決算報告」と聞くと難しそうと感じる方は多いのですが、本記事で紹介した決算報告のポイントや提出書類、決算報告で伝えるべき内容を理解しておけば、安心して決算報告に臨めるはずです。
本記事を何度も見直しながら、スマートな決算報告で銀行からの信頼を勝ち取ってください。
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銀行への決算報告を成功させたい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
財務戦略や財務改善は、知識・経験もなく「何となく」で進めると必ず失敗します。財務を扱うには、幅広い知識・経験が必要であり、CFOの存在が欠かせません。
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