社債発行による資金調達は、社債の発行を通じて投資家から借り入れを行う手法です。企業の信用力が重視される傾向にあるため、財務基盤が安定している企業や、情報開示に積極的で透明性の高い企業に適した方法だといえます。
株式発行による資金調達を検討している方は、以下のようなお悩み・疑問をお持ちではないでしょうか?
社債発行で資金調達するとは、どんな仕組みなのかな…?自社でも活用できるのか知りたい」
社債を発行するには、どんな手続きが必要?時間・手間を抑えて資金調達したい」
社債を発行しても、購入してもらえるのか不安…。成功のコツや方法を知りたい」
社債発行の仕組みを理解した上で資金調達に臨むと、投資家と良好な関係を築きながら、効率的に資金を確保できます。
社債発行による資金調達が「向いている企業」「向いていない企業」の特徴は、それぞれ以下のとおりです。
- 財務基盤が安定しており、一定の信用力がある企業
- 情報開示の内容やガバナンス体制が整っている企業
- 銀行融資の借入枠を残しつつ資金を調達したい企業
- 投資家から評価を得て自社の信用力を高めたい企業
- 創業初期で資金繰りが安定していない企業
- 赤字や債務超過などで信用力に課題がある企業
冒頭でも述べたとおり、社債発行による資金調達は、財務基盤が安定している信頼性の高い企業に適しています。しかし、本記事で紹介するコツをしっかりと押さえれば、信用力に不安がある企業でも、資金調達の成功率を高められるでしょう。
中小企業が利用しやすい社債の種類についても解説しているため、ぜひ最後までチェックしてみてください。
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本記事では、融資のプロである筆者が、「企業が発行できる社債の種類」や「成功のコツ」等、以下の内容を丁寧に解説します。融資の現場で培ったリアルで濃い内容なので「ブックマーク」して、あとから何度も読み返すことをオススメします。
- 企業が発行できる社債の種類
- 社債発行による資金調達が「向いている企業」「向いていない企業」
- 社債発行による資金調達を進める流れ
- 社債発行による資金調達を成功させるコツ
- 社債発行で資金調達するメリット・デメリット
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社債発行による資金調達とは「社債を発行して投資家から資金を借り入れること」
社債発行による資金調達は、企業が投資家に向けて「社債」という有価証券(借用証書)を発行し、購入者を募って広く資金を集める方法です。社債には「利率」「満期」が定められており、社債を発行した企業は投資家に対して定期的に利息を支払い、満期時には元本を返済しなければなりません。
ただし、企業が投資家から直接資金を調達する仕組みのため、返済期間や金利、担保の有無を比較的柔軟に設定できる点は銀行融資と大きく異なります。
自社の資金計画に合わせて返済条件を設定することで、資金繰りを安定させながら、無理なくまとまった資金を確保できるでしょう。
社債発行による資金調達に成功すれば、投資家から一定の評価を得ていることを証明できるため、企業の信用力向上にもつながります。
「株式発行」との違い
株式発行による資金調達は、企業が自社の株式を新たに発行し、投資家に引き受けてもらうことで資金を集める方法です。
投資家は、株式を取得することで企業の「株主」となるため、配当の受け取りや企業価値の上昇によるキャピタルゲインなどのリターンを得られます。
企業にとっては、返済義務のない資金を得ることでコスト負担を抑えられる点や、自己資本比率の向上によって財務体質を強化できる点がメリットです。
社債発行と株式発行の違いについて、下記にまとめました。
▼社債発行と株式発行の違い
| 社債発行 | 株式発行 | |
|---|---|---|
| 投資家の立場 | 債権者(返済の請求権を持つ) | 株主(企業の議決権を持つ) |
| 返済義務 | あり | なし |
| 重視されるポイント | 財務状況や信用力 | 成長性や将来性 |
| 経営への影響 | なし | 経営に関与される場合がある |
株式発行による資金調達を行う際は、持株比率の低下によって経営の自由度も下がるリスクがある点に注意しましょう。
なお、「株式発行による資金調達(エクイティファイナンス)の種類」を詳しく知りたい方は、以下記事も併せてチェックしてみてください。

「融資」との違い
融資は、金融機関から資金を借り入れ、あらかじめ設定された「金利」「返済期間」などの条件をもとに、元本と利息を返済していく資金調達方法です。
社債発行と同様に返済義務が伴う手法である一方、特定の金融機関から資金を借り入れる点や、返済条件の自由度、返済方法などは大きく異なります。
社債発行と融資の違いは、以下のとおりです。
▼社債発行と融資の違い
| 社債発行 | 融資 | |
|---|---|---|
| 債権者 | 複数の投資家 | 特定の金融機関 |
| 返済条件の自由度 | 自社で設計しやすい | 審査結果に左右される |
| 返済方法 | 利息は定期的に支払い、元本は満期日に一括償還する | 元本と利息を定期的に返済する |
| 担保・保証人の有無 | 無担保が一般的 | 求められるケースが多い |
| 資金使途 | 比較的、自由 | 制限あり |
| 求められる信用力 | 高い信用力が求められる | 赤字や債務超過でも融資を受けられる場合がある |
日本政策金融公庫などの公的機関や、「信用保証協会付融資」といった制度を活用することで、信用力が乏しい企業でも融資を受けられる可能性があります。
ただし、返済条件は金融機関の審査結果をもとに設定されるのが一般的であり、リスク軽減のために担保や保証人を求められるケースも多い点には注意が必要です。
なお、「銀行融資」「日本政策金融公庫」「信用保証協会」の審査を攻略するコツについて詳しく知りたい方は、以下記事も併せてチェックしてみてください。



企業が発行できる4種類の社債
企業が発行できる社債には、以下の4種類があります。
- 種類1. 公募債【上場・大企業向け】
- 種類2. 銀行保証付私募債【中小・中堅企業向け】
- 種類3. 少人数私募債【中小企業向け】
- 種類4. プロ私募債【中堅・大企業向け】
スムーズに資金調達するためにも、それぞれの特徴を把握し、自社にピッタリの社債を選びましょう。
種類1. 公募債【上場・大企業向け】
「公募債」は、企業情報を市場に公開し、証券会社などを通じて不特定多数の投資家から広く資金を集める社債です。発行額に制限はなく、幅広い投資家を対象とするため、数十億円〜数百億円の大規模な資金調達を実現できる可能性があります。
企業情報を開示することで、投資家からの認知度や信用力が高まり、将来の資金調達をスムーズに進めやすくなる点もメリットです。
ただし、公募債を発行する際は、以下の3点に注意しなければなりません。
- 高い信用力が求められ、上場企業や大企業でなければ成功しにくい
- 「有価証券届出書の作成」「格付けの取得」など煩雑な手続きが多い
- 企業の財務状況や事業計画について細かく情報開示しなければならない
公募債では多額の資金を得られるものの、手続きが複雑で一定の信用力や知名度が求められる点から、中小企業にはハードルの高い資金調達方法だといえます。
証券会社に支払う手数料なども発生するため、財務基盤が安定しており、資金面でも比較的余裕のある企業は公募債の活用を検討してみましょう。
種類2. 銀行保証付私募債【中小・中堅企業向け】
私募債は、公募債のように不特定多数の投資家ではなく、特定の投資家や金融機関を対象に発行する社債です。
「銀行保証付私募債」は、元利金の支払いを銀行が保証することで、投資家のリスクを軽減する仕組みの社債を指します。保証が付くことで担保・保証人が不要になるだけでなく、私募債の発行手続きや投資家の募集を銀行が代行してくれる点もメリットです。
なお、保証付きの私募債には、銀行と信用保証協会が共同で元利金の支払いを保証する「信用保証協会付私募債」もあります。
銀行保証付私募債を発行する際は、銀行独自の審査を通過しなければならない点や、保証料の支払いでコスト負担が重くなる点に注意が必要です。
審査は厳格に行われるものの、クリアすれば企業の信用力向上につながるため、事業計画書などをしっかり準備した上で申込みをしましょう。
種類3. 少人数私募債【中小企業向け】
「少人数私募債」は、取引先や従業員、親族など少人数(50名未満)の投資家を対象に発行される私募債です。企業と関係性のある相手が対象となるため、知名度があまり高くない企業でも無理なく活用できます。
発行対象が限定されることで手続きが楽になり、資料作成や格付け取得などの負担を減らしながら、まとまった資金を得られるのも嬉しいポイントです。
一方、「募集人数は50名未満」「発行額は原則1億円未満」などの制限が設けられており、他の社債に比べて多額の資金を確保するのが難しい点には注意しましょう。
また、投資家との信頼関係が資金調達の成功を大きく左右するため、私募債を発行する際は、事業内容や財務状況について丁寧に説明する姿勢が大切です。
種類4. プロ私募債【中堅・大企業向け】
「プロ私募債」は、有価証券投資に関する専門的知識や経験を持つ者として、金融商品取引法で定められた「適格機関投資家」を対象に発行する私募債です。対象となる投資家は、銀行や証券会社といった「投資のプロ」であるため、他の社債に比べて発行手続きや交渉をスムーズに進められる可能性があります。
募集人数や発行額に制限はなく、返済条件も投資家との交渉で柔軟に設定できるなど、企業のニーズに合った形で資金を調達できる点も大きなメリットです。
ただし、投資家がプロであるからこそ企業の評価基準は厳しく、十分な信用力がなければ資金調達のハードルが高くなる点に注意しなければなりません。
返済条件が厳しく設定される場合もあるため、社債の発行手続きを簡略化したい「中堅企業」「上場企業」などにおすすめの資金調達方法だといえます。
社債発行による資金調達が「向いている企業」「向いていない企業」
社債発行による資金調達が「向いている企業」「向いていない企業」の特徴は、それぞれ以下のとおりです。
- 財務基盤が安定しており、一定の信用力がある企業
- 情報開示の内容やガバナンス体制が整っている企業
- 銀行融資の借入枠を残しつつ資金を調達したい企業
- 投資家から評価を得て自社の信用力を高めたい企業
- 創業初期で資金繰りが安定していない企業
- 赤字や債務超過などで信用力に課題がある企業
多くの投資家は「信頼性の高い企業に資金を提供したい」と考えるため、社債発行は財務基盤が安定している企業におすすめの方法だといえます。
創業初期のスタートアップや財務状況が悪化している企業は、投資家に「リスクが高い」と判断されやすく、十分な資金を確保するのが難しいのが実情です。
必要なタイミングでまとまった資金を調達するためにも、自社の状況と照らし合わせながら、社債発行の有無を検討してみましょう。
社債発行(少人数私募債)による資金調達を進める流れ【3ステップ】
ここでは、中小企業におすすめの「少人数私募債」を活用した資金調達の流れを紹介します。
具体的な手順は、以下の3ステップです。
- ステップ1. 募集事項と社債発行を決定する
- ステップ2. 社債を購入する投資家を募集する
- ステップ3. 社債の割り当て・払い込みを行う
全体の流れを把握し、スムーズに準備を進めましょう。
ステップ1. 募集事項と社債発行を決定する
まずは、投資家が社債の購入を検討するために必要な情報をまとめた「募集事項」を決定します。
会社で定めなければならない募集事項は、以下のとおりです。
- 募集社債の総額
- 各募集社債の金額
- 募集社債の利率
- 募集社債の償還方法と期限
- 利息支払の方法と期限
- 各募集社債の払込金額、最低金額、算定方法
- 払込みの期日 など
募集事項を定めた後は、取締役会や株主総会などで社債発行を決定します。取締役会を設置している会社は、取締役会での決議が必要です。
取締役会を設置していない場合は、「取締役の多数決(過半数が必要)」「株主総会の決議」などの方法で手続きを行いましょう。
ステップ2. 社債を購入する投資家を募集する
募集事項と社債発行を決定したら、投資家に向けて「募集要項」「事業計画書」などの情報を開示し、購入者を募ります。少人数私募債の募集人数は50名未満に限られているため、49名以下の投資家を選定した上で募集を開始しなければなりません。
社債の購入を決めた投資家からは、以下の項目が記載された申込書が届きます。
- 申込者の氏名と住所
- 購入する社債の数と金額
- 希望の払込金額(最低金額がある場合)
金融機関や証券会社を通じて社債を発行する場合は、所定の申込書があるのか事前に確認しておきましょう。
ステップ3. 社債の割り当て・払い込みを行う
投資家からの申込みが完了したら、社債を「誰に」「いくら」購入してもらうのか決定します。
申込書には投資家が希望する社債の数や金額が記載されていますが、必ずしもそのとおりに割り当てる必要はありません。各投資家の希望額を超えない範囲で割り当てを行い、最終的に決定した「社債の金額」「金額ごとの数」を申込者に通知しましょう。
その後、投資家が期日までに割当額を払い込めば、社債の発行手続きは完了です。
社債発行による資金調達を成功させる5つのコツ
社債発行による資金調達を成功させるには、以下5つのコツを押さえましょう。
- コツ1. 投資家が納得して購入できる利率を設定する
- コツ2. 自社情報を積極的に開示して信頼関係を築く
- コツ3. 社債の償還に向けて計画的な資金繰りを行う
- コツ4. 社債を徹底管理して支払期日を厳守する
- コツ5. 資金不足が予想される場合は早めに連絡する
投資家との信頼関係が、資金調達の成功を左右する鍵となります。
コツ1. 投資家が納得して購入できる利率を設定する
社債発行による資金調達を成功させるためには、投資家が「この条件なら購入したい」と思える、適切な利率を設定することが重要です。
発行企業が定期的に支払う利息は、投資家にとってリターンそのものであり、社債の購入を検討する上で重要な判断材料となります。そのため、企業側の都合で利率を低く設定すると、投資家に魅力を感じてもらえず、結果として資金調達が成立しなくなるかもしれません。
とはいえ、利率が高すぎても投資家に警戒されやすくなり、企業側のコスト負担も重くなる可能性があります。
利率を設定する際は、市場金利や同業他社の利回りなどの相場を参考に、無理なく支払いを続けられる範囲で検討しましょう。具体的には、自社と同程度の信用力を持つ企業が発行する社債よりも、わずかに高い利率を設定するのがポイントです。
投資家が納得して購入できる利率を設定すれば、必要な資金をスムーズに調達でき、経営の安定化を図りやすくなります。
コツ2. 自社情報を積極的に開示して信頼関係を築く
社債発行による資金調達を進める際は、投資家に向けて自社の情報を積極的に開示し、良好な信頼関係を築くことも大切なポイントです。
社債の購入にあたって、投資家は「貸したお金が本当に返ってくるのか」という点を重視しています。そのため、企業から提供される情報が限られていたり曖昧だったりすると、投資家は不安を抱き、社債の購入を取りやめてしまうでしょう。
資金調達を成功させるには、投資家が安心して購入を検討できるよう、以下の情報を積極的に開示することが重要です。
- 事業計画
- 財務諸表
- 業績推移
- リスク要因への対応方針 など
これらの情報を社債発行時に提示するだけでなく、資金調達後も定期的に共有することで、投資家との長期的な信頼関係を維持できます。
良好な関係を構築できれば、将来の資金調達でも交渉を有利に進めることができ、結果として安定経営や事業成長を実現しやすくなるはずです。
コツ3. 社債の償還に向けて計画的な資金繰りを行う
社債の発行後は、定期的な利息の支払いに加えて、満期時には元本を一括償還する必要があるため、計画的な資金繰りで返済資金を確保しなければなりません。
資金調達に成功しても、返済が滞れば投資家の信頼を失い、企業の評価が大きく下がって将来の資金調達が困難になる可能性があります。
また、社債は返済条件の変更(リスケジュール)が原則認められておらず、業績が悪化しても当初の条件どおりに返済しなければならない点に注意が必要です。
資金不足に陥るリスクを避けつつ返済を続けるためには、以下のポイントを意識して、着実に返済資金を確保していきましょう。
- 毎月もしくは四半期ごとに一定額を積み立てる仕組みを設ける
- 満期時の一括償還で資金不足に陥らないよう支出を調整する
- 既存借入金がある場合は返済時期が集中しないようスケジュールを最適化する など
金融機関から既存の借入がある場合は、返済額や返済期間の見直しが可能かどうかリスケジュールを相談し、支出のバランスを調整するのがおすすめです。
計画な資金繰りで安定的に返済できると、投資家からの信頼が高まるのはもちろん、キャッシュフローにも余裕が生まれて円滑な事業運営が可能になります。
コツ4. 社債を徹底管理して支払期日を厳守する
社債発行による資金調達を成功させるためには、発行後の社債を適切に管理し、利息の支払期日や元本の償還日を厳守することも重要です。
少人数私募債の場合は特に、「社債管理会社の設置」「官公庁への届出」が不要なため、社債の管理は発行企業が行わなければなりません。
支払期日や残高、利率などを正確に把握できていないと、支払い漏れや遅延のリスクが高まり、投資家との関係を損ねる可能性があります。
そのため、社債の発行後は専用の台帳を作成し、支払いスケジュールを資金計画に組み込むなどして、徹底的に管理しましょう。
社債を発行するだけで終わりにせず、支払期日を厳守して信頼を積み重ねていけば、次回の社債発行や資金調達でも好条件を引き出しやすくなります。
コツ5. 資金不足が予想される場合は早めに連絡する
社債発行後も投資家との関係を維持するためには、資金不足に陥る可能性が生じた際に、できるだけ早く連絡して状況を共有しましょう。
資金不足が予想される状況であるにもかかわらず、連絡が遅れると、投資家は「企業が情報を隠しているのではないか」と不信感を抱く可能性があります。
経営改善に向けた議論や資金計画の見直し、コスト削減などの対応をスムーズに行うためにも、投資家に対しては早めの連絡を心がけることが大切です。
資金不足の状況を投資家に報告する際は、「資金が足りない」という事実だけでなく、以下の内容についても丁寧に説明しましょう。
- 資金不足の原因
- 現在の経営状況
- 今後の見通し など
新たな事業計画や不要資産の売却予定など、「今後どのように返済資金を確保するのか」を具体的に示すと、投資家の安心感を高められます。
早めの連絡で投資家とのトラブルを未然に防げば、経営改善にも集中して取り組むことができ、より効率的に事業の立て直しを進められるでしょう。
社債発行で資金調達する「6つのメリット」
社債発行で資金調達するメリットは、以下の6つです。
- メリット1. 融資に比べて返済条件を柔軟に設定できる
- メリット2. 固定金利で安定した資金計画を立てられる
- メリット3. 持株比率に影響がなく、経営権を維持できる
- メリット4. 資金調達後も銀行の借入枠を温存できる
- メリット5. 資金使途に制限がなく、幅広く活用できる
- メリット6. 投資家から評価されることで信用度が上がる
これらのメリットを最大限に活かすことで、安定した事業運営を続けやすくなります。
メリット1. 融資に比べて返済条件を柔軟に設定できる
社債発行による資金調達の大きなメリットは、金利や返済期間などの返済条件を、銀行融資よりも柔軟に設定できることです。企業の希望に応じて「償還方法」「返済のタイミング」を決められるため、無理のない返済計画を立てられます。
特に返済時期は、「年1回の利払い」「元本は満期一括償還」など、銀行融資に比べて幅広い選択肢が用意されているのが特徴です。資金繰りに余裕のあるタイミングで返済できるよう調整すれば、事業も安定的に継続できるでしょう。
ただし、企業側の希望する条件がすべて通るとは限りません。また、社債発行後に業績が悪化したとしても、リスケジュールは原則として認められない点にも注意しましょう。
メリット2. 固定金利で安定した資金計画を立てられる
社債発行による資金調達は、発行時に金利が固定されることで、金利変動の影響を受けずに安定した資金計画を立てられる点もメリットです。
満期までに必要な返済コストが明確になるため、長期的な見通しを持った資金繰りが可能となり、結果として経営の安定性も高められます。
「どのタイミングで」「いくら」支出が発生するのかをある程度予測できれば、設備投資や事業拡大もスムーズに進められるでしょう。
また、社債の利率は低めに設定される傾向にあるため、「将来的な金利上昇が不安」「コストを抑えたい」などの課題を抱える企業におすすめです。
メリット3. 持株比率に影響がなく、経営権を維持できる
社債発行による資金調達は、投資家から資金を借り入れる仕組みであるため、持株比率に影響がなく、資金調達後も経営権を維持できます。
株式発行による資金調達(エクイティファイナンス)は、新たな株主に株式を渡すことで持株比率が低下し、自由度の高い経営がしにくくなる点がデメリットです。しかし、社債はあくまで「債券」を発行する手法のため、投資家が経営に介入してくる心配はなく、経営者の意向に沿って事業を続けられます。
資金調達後も持株比率を維持できると、目先の利益にとらわれず、中長期的な事業成長に向けて、自社の方針に沿った経営を行えるでしょう。
既存株主が保有する株式の価値も変わらないため、これまで通りの良好な関係を築きながら、資金面や経営面でのサポートを受けられます。
メリット4. 資金調達後も銀行の借入枠を温存できる
社債発行による資金調達は、投資家から借入を行う方法であるものの、銀行融資とは異なる仕組みのため、借入枠を温存できる点も大きなメリットです。
通常、銀行融資では限度額(借入枠)が設定されており、枠を使い切ると追加融資を受けるのが難しくなってしまいます。一方、社債は銀行の借入枠と直接的な関係はなく、投資家の判断によって資金調達できるため、必要なタイミングで融資を活用できる余力を残しておけるのです。
銀行の借入枠を温存しておくと、将来的に資金需要が発生した際も融資を受けることでスムーズに対応でき、資金不足に陥るリスクを防げるでしょう。
資金調達の幅が広がることで、柔軟な事業戦略を実行できるようになれば、中長期的な安定経営も実現しやすくなるはずです。
メリット5. 資金使途に制限がなく、幅広く活用できる
社債発行では、銀行融資のように資金使途を細かく指定されるケースが少ないため、自社の経営状況に合わせて資金を幅広く活用できます。
設備投資や運転資金はもちろん、税金の支払いや既存借入金の返済など、融資では敬遠されがちな用途にも利用可能です。
投資家から制限を受けずに資金を活用できると、突発的な支払いが発生した場合も迅速に対応でき、ビジネスチャンスを逃すことなく事業を進められるでしょう。
また、研究開発や人材採用、新規事業の立ち上げなど、将来の成長に向けた投資にも資金を回せるため、企業の競争力を着実に高められます。
メリット6. 投資家から評価されることで信用度が上がる
社債発行による資金調達を行うと、「投資家から評価された」という事実が企業の健全性を示す材料となり、対外的な信用度を高められます。
社債の購入を検討する投資家は、返済が確実に行われるかどうかを見極めるために、企業の財務状況や収益力、経営体制などを慎重にチェックするのが特徴です。つまり、投資家が社債を購入する行為は、企業が厳しい審査を通過した証拠となるため、外部からも「信頼性の高い企業」と判断されやすくなります。
投資家からの評価によって企業の信用度が上がると、再び社債を発行する際、よりスムーズに資金を集められるでしょう。金融機関から融資を受ける際も、投資家から認められた実績をアピールすれば、審査や条件交渉を有利に進めやすくなります。
このように、投資家からの評価を通じて、将来的な資金調達の成功率を高められる点が大きなメリットです。
社債発行で資金調達する「4つのデメリット」
社債発行で資金調達する際は、以下4つのデメリットも押さえておく必要があります。
- デメリット1. 一定の信用力がなければ資金調達は難しい
- デメリット2. 元本と利息を返済しなければならない
- デメリット3. リスケジュールは原則として認められない
- デメリット4. 社債発行のコストや手続きの負担が大きい
どのようなデメリットがあるのか事前に把握し、資金不足に陥るリスクを回避しましょう。
デメリット1. 一定の信用力がなければ資金調達は難しい
社債発行による資金調達の大きなデメリットは、一定の信用力がある企業でなければ、そもそも十分な資金を集められないことです。
投資家は、「利息収入と満期時の元本が確実に支払われるか」を重視するため、企業の信用力に不安がある場合は社債の購入を控える傾向にあります。社債発行の手続きを進めても、投資家からの信頼を得られず、予定していた金額を調達できなければ、資金繰りの改善も思うように進まなくなるでしょう。
企業の信用力や財務基盤に不安がある場合は、社債ではなく、以下の資金調達方法を活用するのがおすすめです。
信用力に不安がある企業におすすめの資金調達方法
- 流動資産担保融資(ABL)
- 不動産担保融資
- リースバック
- ファクタリング
- ビジネスローン など
これらは「担保の資産価値が重視される」「審査の柔軟性が高い」などの特徴があるため、信用力が乏しい企業でも、十分な資金を調達できる可能性があります。
融資の借入枠を温存しておきたい場合は、多少コストが増えるものの、企業の信用力を補完できる「銀行保証付私募債」を活用するのも一つの手です。
なお、「流動資産担保融資(ABL)」の特徴や、おすすめの「不動産担保ローン」「リースバック」「ファクタリング」「ビジネスローン」について詳しく知りたい方は、以下記事も併せてチェックしてみてください。





デメリット2. 元本と利息を返済しなければならない
社債発行による資金調達は、投資家から資金を借り入れる仕組み上、元本と利息をそれぞれ返済しなければならない点もデメリットです。特に利息の支払いは、業績が悪化している場合でも定期的に発生するため、キャッシュフローを圧迫する可能性がある点に注意しましょう。
元本についても、満期時にまとめて返済する「満期一括償還」によって多額の資金流出が発生し、急激に資金繰りが悪化するリスクがあります。
無計画に社債を発行すると、資金不足に陥って返済が滞り、投資家からの評価も下がって次回以降の資金調達が難しくなるかもしれません。
返済負担を軽減するためには、社債発行前に綿密な資金計画を立て、利払いと元本償還に必要なコストを把握しておくことが大切です。
元本の返済資金については、少しずつ積み立てておくことで、満期時に無理なく返済でき、その後も資金繰りも安定させやすくなります。
デメリット3. リスケジュールは原則として認められない
社債発行による資金調達を進める際は、返済条件を後から変更する「リスケジュール」が原則として認められない点にも注意が必要です。
「返済期間の延長」「返済方法の見直し」などの柔軟な対応は難しいため、発行企業は最後まで約束を守らなければなりません。
業績不振や景気変動でキャッシュフローが悪化しても、社債発行時の条件に従って返済を続けていると、資金不足に陥るリスクも高まるでしょう。
社債発行後も安定的に返済を続けるためには、満期までの資金繰りを見通した上で、無理なく返済できる条件を設定することが重要です。
また、社債だけに依存せず複数の資金調達方法を併用すれば、業績が悪化した場合もコスト負担を分散でき、バランスよく返済を続けられます。
デメリット4. 社債発行のコストや手続きの負担が大きい
銀行融資に比べて多くの手続きが必要となり、金融機関や証券会社に支払う手数料などのコストがかかる点も、社債発行による資金調達のデメリットです。
特に公募債を発行する場合は、重要事項の決定や投資家への説明に加え、「有価証券届出書の作成」「格付けの取得」など、煩雑な手続きが発生します。税理士などの専門家に依頼して資金調達を進める際も、報酬の支払いで予期せぬコストが発生し、社債発行前に資金繰りが悪化するかもしれません。
社債発行のコストや手続きの負担を軽減するには、自社の状況に合った社債・専門家を選ぶことが大切です。
たとえば、比較的低コストの「少人数私募債」や、事務手続きを代行してもらえる「銀行保証付私募債」を選ぶと、無理のない負担で資金を調達できます。
社債発行の経験が少ない企業が専門家に依頼する際は、事前に料金体系を明確にしておくことで、コスト増による資金繰り悪化のリスクを抑えられるでしょう。
「社債発行による資金調達」についてよくある質問
社債発行による資金調達について、よくある質問を下記にまとめました。社債発行時の細かな手続きについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
社債発行の手続きにはどのくらいの期間がかかりますか?
公募債、銀行保証付私募債、少人数私募債、プロ私募債のどれを選ぶかによって、必要な期間は大きく変わります。
たとえば、銀行保証付私募債の場合、銀行や信用保証協会の審査を受ける必要があるため、申込みから内定通知までに3〜4週間程度かかるでしょう。
他の社債でも、以下のようにさまざまな手続きが発生します。
- 事業計画の策定
- 引受先の決定・勧誘
- 審査
- 金額の決定
- 払い込みと社債発行
- 償還
自社にとって最適なタイミングで資金を調達するためには、これらのプロセスが生じることを考慮し、余裕を持って準備を進めることが大切です。
社債を発行する場合、登記手続きは不要ですか?
社債を発行する際の登記手続きは、原則として不要です。ただし、一定の条件を満たすことで株式を取得できる「新株予約権付社債」は、登記手続きが必要となります。
新株予約権付社債の発行後、2週間以内に法務局で手続きを完了させなければならないため、期日までに登記申請を済ませておきましょう。
社債を発行したときの会計処理はどうすべきですか?
金融機関に支払う手数料や広告宣伝費など、社債発行時にかかる費用は、原則「社債発行費」として処理します。
社債発行費における会計処理の方法は、以下の2つです。
- 原則処理:経費を支払ったタイミングで「営業外費用」として処理する方法
- 容認処理:「繰延資産」として計上し、利息法や継続法で償却していく方法
一般的には「原則処理」が用いられますが、社債発行費が高額で経営を圧迫するリスクがある場合は、繰延資産として計上することも認められています。
社債発行費を資産として計上し、償還期間に応じて段階的に償却していくことで、各年度における利益のバランスが保たれる仕組みです。
社債を発行できるのは、どのような会社ですか?
2006年に会社法が施行されたことで、株式会社・合同会社・合名会社・合資会社など、会計法上のすべての会社が社債を発行できるようになりました。
とはいえ、財務状況や企業の信用力によっては資金調達に難航する可能性もあるため、本記事を参考に、自社が社債発行に適しているのか確認しておきましょう。
企業が社債を発行する理由は何ですか?
企業が社債を発行する主な理由は、以下のとおりです。
- 事業拡大や設備投資を進めるため
- 日々の運転資金を確保するため
- 既存借入金の返済に充てるため
- 資金調達方法の幅を広げるため
- M&A(企業の合併や買収)を行うため
適切な資金調達を行うためにも、上記を参考に社債発行の目的を明確にしておきましょう。
無担保で社債を発行する場合、株価に影響はありますか?
社債は「債券」であり、株式の希薄化を引き起こすものではないため、無担保で社債を発行しても株価に影響を及ぼすリスクは低いです。
しかし、「資金調達の目的が曖昧」「業績が悪化している」などの要因で投資家から不信感を抱かれると、株価が下落する可能性があります。
そのため、社債を発行する際は、積極的な情報開示や事業内容に関する丁寧な説明を行い、投資家との信頼関係を構築しましょう。
社債発行の種類や流れを理解して、効率的に資金調達を進めよう!
社債発行の種類や流れを理解し、自社に合った方法を活用すれば、余計なコストや手間をかけることなく、スムーズに資金調達できます。
社債発行による資金調達が「向いている企業」「向いていない企業」の特徴は、以下のとおりです。
- 財務基盤が安定しており、一定の信用力がある企業
- 情報開示の内容やガバナンス体制が整っている企業
- 銀行融資の借入枠を残しつつ資金を調達したい企業
- 投資家から評価を得て自社の信用力を高めたい企業
- 創業初期で資金繰りが安定していない企業
- 赤字や債務超過などで信用力に課題がある企業
信用力に不安がある企業でも、投資家が納得して購入できる利率を設定したり、自社の情報を積極的に開示したりすれば、資金調達の成功率を高められます。
それでも難しい場合は、「銀行融資」「ファクタリング」など、別の資金調達方法を組み合わせて活用するのも一つの手です。
本記事はここまでになりますが、繰り返し読み返して理解を深めるためにも、「ブックマーク」して、あとから何度も読み返すことをオススメします。
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