企業の経営者の方が資金調達を行う場合、メガバンク(都市銀行)に融資を申し込むのは1つの選択肢です。
しかし今までメガバンクの融資を申し込んだことがなければ、融資の特徴などを知っておくと、申し込みの際に役立つでしょう。
当記事では、メガバンクの概要と融資の特徴について解説します。
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メガバンク(都市銀行)とは
メガバンクには明確な定義がありませんが、一般的に巨大な資産や収益を有する大銀行もしくは銀行グループを指して用いられる言葉です。
1兆ドル以上の総資産を持つ銀行グループを指してメガバンクという言葉が用いられることもあります。
1980年代後半のバブル経済期には、日本国内に13の都市銀行を含む23の大手銀行がありました。
しかし、バブル経済の破綻に伴い大手銀行の合併が相次ぎ、メガバンクが誕生したのです。
現在では三菱UFJフィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループの3行が一般的にメガバンクと呼ばれています。
ただし、この3行にりそなホールディングス、三井住友トラスト・ホールディングスを加えて大手銀行5グループ、さらに申請銀行とあおぞら銀行を加えた大手銀行7グループと呼ぶこともあります。
メガバンク以外の銀行には、地銀や信用金庫、ネット銀行などもあります。
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メガバンク(都市銀行)の融資の特徴8つ
メガバンクで融資を受けたい経営者の方は、融資にどのような特徴があるのかを知っておく必要があるでしょう。
地方銀行や信用金庫などでも融資は申し込めますが、メガバンクならではの特徴について理解しておくと自分にメリットがあるかどうかを確認できます。
ここでは、メガバンクの融資の特徴を8つ紹介します。
1.金利がとても低い
企業の経営者の方にとって非常に大きな魅力のひとつが、超低金利です。
メガバンクの融資の金利は年率1%台の場合が多く、どれほど高くても4%前後です。
低い場合には、年率1%未満の低金利で融資をしてくれる場合もあります。
一方で、地方銀行や信用金庫は3%前後のところが多く、メガバンクと比較すると高くなるのが一般的です。
当然ですが、融資を受ける際の金利が低ければ返済が楽になります。
長期間にわたる返済であっても、利息が大きくならないので返済計画も立てやすいでしょう。
余裕をもって返済が行える可能性も高く、資金調達をしたいと思っている企業の経営者の方にとって非常に有利です。
2.長期にわたる融資が可能
メガバンクの場合、数十年単位の長期間の融資にも応じてくれるという特徴があります。
資金調達のために融資を受けると、たいてい5〜10年前後での完済を求められるでしょう。
しかし返済期間が短いと、毎月の返済額が大きくなってしまい、返済が滞ってしまう恐れもあります。
メガバンクであれば20年以上の長期にわたる融資が可能なので、余裕を持った返済が行える可能性が高いです。
メガバンクはそもそも金利が低いので、長期の返済期間を設定できればそれだけ返済計画が立てやすくなります。
3.全国各地どこでも対応可能
メガバンクの別の大きな特徴は、全国各地で対応可能である点でしょう。
メガバンクの場合、どの都道府県にも支店やATMが設置されています。
ひとつの都道府県に複数の支店があるため、自社からそれほど時間をかけずに融資の相談や手続きに行けるでしょう。
別の都道府県や地方に自社の支店を作る場合などには、メガバンクのネットワークの広さで便利に感じられるはずです。
加えて、メガバンクは海外にも多数の支店を抱えているので、海外進出を考えている企業の経営者の方にとっては大きなメリットとなります。
一方で、地方銀行や信用金庫などはある地域や都道府県にしか支店がないため、別の地域から手続きをするのは難しいでしょう。
海外に支店を持っている地方銀行や信用金庫は極めて少ないので、海外に支店を置く場合にはメガバンクを利用せざるを得ない場合もあります。
4.多額の融資でも対応可能
メガバンクの大きな特徴といえるのは豊富な資金力です。
一般的に1兆ドル以上の総資産を持つ銀行や銀行グループをメガバンクと呼ぶので、いかに大きな資金力を持っているかが分かるでしょう。
その豊富な資金力を生かして、非常に多額の融資を行うことが可能です。
数億円から数十億円単位の融資も行っており、まれなケースではあるものの数百億、数千億円単位の融資を行っていることもあります。
一般企業の場合にはそれほど大きな融資額になることは考えにくいですが、地方銀行や信用金庫では断られてしまった多額の融資を申し込める可能性があるのはメリットです。
5.審査が厳しい
メガバンクの特徴には企業の経営者の方にとってデメリットといえるものもあります。
たとえばメガバンクの審査は非常に厳しいことで知られています。
融資を受ける場合、審査を受けることが求められますが、メガバンクは地方銀行や信用金庫と比較しても審査の基準がとても厳しいのです。
資金調達のための融資を申し込むのであれば、会社の業績と将来の返済計画が厳しくチェックされるでしょう。
資金繰り表や損益計算書など、提出すべき書類も非常に多くなります。
今現在赤字経営であったり、業績が向上する見込みが低かったりする場合には、審査に通るのは難しいかもしれません。
将来的に業績が向上する見込みがあっても、審査の担当者に納得してもらえなければ、融資が受けられない可能性が高いでしょう。
融資を受けることになった際、しっかり返済できることを客観的な証拠に基づいて証明できなければならないのです。
6.融資実行に時間がかかる
メガバンクは審査が厳しいため、融資の実行まで時間がかかるという特徴もあります。
融資の実行まで数週間から数ヶ月かかる場合もあるので、すぐに資金調達したい方には不向きです。
ただし、近年では審査をよりスピーディーに行う試みがなされており、融資実行までの期間が短縮される可能性があります。
それでも地方銀行や信用金庫よりは時間がかかることは覚えておきましょう。
7.中小企業やベンチャー企業は融資を受けにくい場合がある
メガバンクは多額の融資を行う資金力がある一方で、中小企業やベンチャー企業に対しては融資を控えることがあります。
中小企業やベンチャー企業は経営が不安定な場合も多く、返済能力に不安があるケースでは融資を行わないこともしばしばです。
また仮に融資がおこなわれるとしても、中小・ベンチャー企業であれば「信用保証協会付き融資」の枠を使っての融資になることは避けられません。
しかし、長期にわたる付き合いがあり、経営が健全で返済能力があると判断されれば融資が受けられる可能性は十分にあります。
資金調達が必要になる前からメインバンクのひとつをメガバンクにするなどして、付き合いを始めておくとよいでしょう。
8.資金の回収・引き上げが早い
メガバンクの融資の別の特徴は、資金の引き上げが早い点です。
メガバンクや地方銀行は営利企業であるため、返済の遅延があると焦げ付きを恐れて資金の引き上げを始めます。
信用金庫や地方銀行など、地域密着型の金融機関では返済計画の変更や返済額の調整などにも応じてくれることが多いですが、メガバンクはよりシビアです。
とくに資金力がまだ十分ではない中小企業やベンチャー企業の経営者の方は注意しましょう。
主なメガバンク(都市銀行)の紹介
メガバンク(都市銀行)には明確な定義はないものの、一般的には三菱UFJフィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループの3行を指すといわれます。
ここでは、主なメガバンク3行をご紹介します。
1.三菱UFJフィナンシャルグループ
三菱UFJフィナンシャルグループは、日本最大にして世界でも有数の金融グループです。
中核銀行は三菱UFJ銀行で、海外でも大きな利益を上げています。
預金残高、貸出残高などで世界トップクラスにおり、海外の企業を積極的に買収することで勢力を拡大しています。
中核銀行の三菱UFJ銀行は海外に70もの拠点を有しており、多くの社員が海外勤務に携わることにより、世界で戦える人材の育成にも役立っているのです。
海外でも戦える圧倒的な資金力を武器に、今後も業績を伸ばしていくことが予想されます。
2.みずほフィナンシャルグループ
みずほフィナンシャルグループは、顧客のニーズに最大限柔軟に応えるべく銀行や信託、証券などの機能を一体化させる戦略を取っているメガバンクです。
中核銀行はみずほ銀行で、資金力や海外での競争力は三菱UFJ銀行にはやや劣るものの、国内の顧客のニーズに合わせたサービスで人気を得ています。
みずほフィナンシャルグループとして5つのカンパニーを作り、その5つのカンパニーが連携・協力することで顧客目線でのサービスを展開しています。
さらに競合する他のメガバンクとの差別化を図るため、社員が若手のころから高い裁量権を与え経験を積ませる手法をとっています。
若いうちからさまざまな業務をおこなわせ、早期の人材育成と積極登用によってメガバンクとしての競争力を高めています。
3.三井住友フィナンシャルグループ
三井住友フィナンシャルグループは中核銀行に三井住友銀行を持ち、メガバンクの中でも常に新しいサービスを追い求めています。
他のメガバンク2行と比較して融資スピードが速いといわれており、無担保での融資など多様なサービスが展開されています。
しきたりや伝統が重んじられることの多いメガバンクにあって、常に先進的な考え方を取り入れる努力を払っています。
三菱UFJ銀行が先手を取っていた海外進出においても、三井住友銀行が追い上げを見せています。
海外貸出残高はわずか10年で約4倍になり、積極的な海外展開も進めています。
海外人材育成にも力を入れており、とくに東南アジアにおける存在感を高めていくでしょう。
融資を受けるメガバンク(都市銀行)の選び方
メガバンクで融資を受けたいと思った場合、3行のなかから自社に合ったものを選ぶ必要が生じます。
どの銀行も巨大な資金力を持っていますが、サービスにはやや違いがあるので、その点に注目するとよいでしょう。
ここでは、融資を受けるメガバンクの選び方を3つ見ていきましょう。
1.金利の低さ
メガバンクに限りませんが、融資を受ける際に重要なポイントとなるのは金利でしょう。
メガバンクは地方銀行や信用金庫よりも低い金利で資金調達できる場合が少なくありません。
3行のうち、どこがもっとも低い金利で融資してくれるかを見極める必要があるでしょう。
2.取引先や家族がどのメガバンクを使っているか
企業の経営者の方が資金調達をメガバンクで行いたいのであれば、取引先や家族が使っているメガバンクを使うのがよいかもしれません。
資金調達することだけでなく、その後も関係を続けていくことを考えると、できるだけつながりのあるメガバンクを利用した方がよいでしょう。
そもそもメインバンクとしてメガバンクを使っており関係性ができているのであれば、融資の件を相談しやすくなります。
メガバンクから融資を受ける可能性があるのならば、できるだけ早く関係性を築いておくのがよいでしょう。
3.個別対応の質
メガバンクから融資を受ける場合、融資の担当者がどれほど親身になって相談に乗ってくれるかも重要なポイントとなります。
地方銀行や信用金庫であれば、企業一つひとつに担当者が付いて話を聞いてくれるでしょう。
しかしメガバンクの場合、人員削減の影響で個別対応の質がそれほど高くないことがあります。
中小企業やベンチャー企業の中には、担当者を付けてもらえないこともあるのです。
融資の相談のたびに対応する担当者が変わってしまっては、具体的な話し合いが行えないかもしれません。
担当者を付けてくれる、しっかり話を聞いてくれるメガバンクを選ぶのが資金調達を成功させる秘訣なのです。
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メガバンクからの融資は慎重に検討しよう

メガバンクは巨大な資金力があるので、多額の資金調達が必要な場合にとても便利です。
ただし審査基準が厳しく、資金力に不安がある中小企業やベンチャー企業への融資をしない場合もあります。
また、もし融資を引き出せたとしても「保証協会付き融資」であったり、融資するだけで何も支援をしてくれないことも当たり前です。
メガバンクの貸出先は、年商100億以上の大手や、借入金額が一度に数十億円といったお得意様です。
そのため、一般の中小・ベンチャー企業は彼らの優良なお客様にはなりずらいでのです。
メガバンクで資金調達したい場合には、審査に通るかどうか、そのあとも関係性を構築していけるかどうかなどを慎重に検討するようにしましょう。
メガバンクも含めて、

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