地方銀行の融資の特徴や都市銀行との違いを詳しく解説

企業が資金調達をするときは、金融機関で融資を受けることが一般的です。

ただし一口に金融機関といっても「都市銀行」「地方銀行」「信用金庫」など多くの選択肢があり、どこに相談したらいいかわからずに迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、経営者が必ず押さえておきたい地方銀行の融資の特徴と、ほかの金融機関との違いについて解説します。

これから取引する銀行をお探しだという人は、ぜひ参考にしてください。

参考記事>>>【完全ガイド】資金調達方法39種類のメリット・デメリットを一挙紹介
参考記事>>>デットファイナンスとは?その他の資金調達方法との違いを解説
参考記事>>>フリーランスや小規模事業者の資金調達・融資に関する基礎知識

目次

地方銀行とは

銀行
地方銀行とは「地銀(ちぎん)」とも呼ばれ、各地方や都道府県内を営業基盤にした銀行のことを指します。

法律上は都市銀行と同じ普通銀行ですが、「全国地方銀行協会」の会員で、本店を各都道府県に置いて、活動も各地方を中心に展開している点が特徴的です。

取り扱っているのは小口取引が多く、対象は地元の中小企業や個人がメインとなっています。

地域に密着した営業方法で、中小企業のきめ細やかな金融ニーズに応えてくれる点が大手都市銀行とは異なるポイントです。

地元企業の支援により、地域振興やまちづくりなどを支え、地域金融をリードする役割を果たしています。

地方銀行と都市銀行の違い

何だろう?と思っている人たち
金融企業が融資を受けるときは、地方銀行はもちろんのこと、都市銀行にも相談が可能です。

しかし、都市銀行と地方銀行の違いについてしっかりと理解できていないと、自社にとって最適な融資の相談はできません。

そこで、ここでは地方銀行と都市銀行の違いについて解説します。

事業のメインバンクを決めるときにも押さえておきたい知識なので、しっかりと理解しておきましょう。

参考記事>>>メガバンク(都市銀行)の融資に関する基礎知識を解説

対象とする地域の範囲

都市銀行と地方銀行の最大の違いは、対象とする地域の範囲です。

現在、都市銀行と呼ばれているのは「みずほ銀行」「三菱UFJ銀行」「三井住友銀行」の3つのメガバンクと、りそな銀行です。

これらの銀行はすべて複数の銀行が合併してできた銀行で、全国各地に支店があり、圧倒的な口座数を誇っています。

大都市に営業基盤を置き、全国規模で展開している点が都市銀行の特徴で、預金量も貸出量も圧倒的です。

全国に支店があり、全国を対象に営業していますが、大企業や上場企業との取引が多いため、中小企業や個人事業主は相談しにくい(まともに相手にしてもらえない)というデメリットがあります。

一方で地方銀行は、地方都市に本店を置く地域密着型銀行であるため、預金量や貸出量の規模は小さくなります。

地域の企業や個人を対象とした取引が多く、都市銀行ではカバーできないような顧客の金融支援を行っている点が特徴です。

サービスの充実度

サービスの充実度も、都市銀行と地方銀行では異なります。

都市銀行はその潤沢な資金力や規模を活かし、大口融資(それこそ数十億)や各種資金調達、富裕層などの資産運用を得意としています。

上場に向けた企業コンサルティングサービスなど、豊富なサービスを提供しているため、とにかく選択肢が充実している点が特徴です。

また、ネットバンキングや静脈認証など、新しい技術や設備をいち早く取り入れているため、使い勝手がいいところもメリットとして挙げられます。

他方で、地方銀行は都市銀行ほどの資金力がないため、どうしてもサービスの選択肢や充実度合いは落ちてしまいます。

とはいえ、融資の相談には丁寧に乗ってくれるため、よほど規模の大きい企業でなければ困ることは考えられません。

小口ニーズへの対応

小口ニーズへの対応も、都市銀行と地方都市では全く異なります。

先述してきたように、都市銀行は大企業や大口の顧客、富裕層などを中心に取引しています。

そのため、地域に密着した企業が相談しても希望する結果が得られない可能性が高いのです。

他方で地方銀行は地元企業など、小口顧客にもきめ細やかに対応してくれます。

金融商品は都市銀行ほど充実していませんが、小口のニーズにも親身になってくれるところは大きなメリットでしょう。

ただし、融資から資産運用までワンストップで行いたいというときは、地方銀行では対応しきれない可能性も考えられます。

そのため、必要に応じて都市銀行と地方銀行を使い分けることをおすすめします。

地方銀行と信用金庫の3つの違い

1ピースだけ目立っているパズル
地方銀行と混同されやすいのが、地域に密着した営業をしている信用金庫です。

地方銀行と信用金庫は非常に似ているものですが、実は異なるポイントが存在しています。

ここでは、地方銀行と信用金庫の違いについて見ていきましょう。

参考記事>>>信用金庫融資の審査基準や通るためのコツを分かりやすく解説

1.準拠する法律

そもそも、銀行と信用金庫は準拠する法律が異なります。

都市銀行と地方銀行は「銀行法」に基づいて設立されており、信用金庫は「中小企業等協同組合法」に基づいて設立されています。

それぞれの法律で異なる点は、銀行が営利団体であり、信用金庫は非営利団体であると定めている点です。

銀行は利益を追求するために運営されており、会社や株主のために事業を行っています。

そのため、利益が出た場合は株主や従業員に分配することが可能です。

一方で信用金庫は、地元地域の会社や住民が出資して会員となり、その利益は地域経済の発展に使われます。

また、出資者には利息が還元される仕組みになっています。

このように準拠する法律が異なれば、各金融機関の運営方針も全く異なるのです。

この点を理解しておくと、地方銀行と信用金庫のどちらを選ぶか考えるときに判断しやすくなるでしょう。

2.地域密着度

地方銀行も信用金庫も地域に密着した金融機関ですが、地域の発展や繁栄を目的にしているぶん、信用金庫のほうがより地域に密着した営業をしている点が特徴です。

利益を追求する地方銀行では、起業したばかりの事業主や個人事業主、零細企業が融資を受けられないケースが多いです。

しかし、信用金庫では将来的な成長も考慮したうえで、より柔軟な審査が受けられます。

より地域や住民、企業に密着して地元の活性化を目指すのが、信用金庫の大きな特徴です。

ただし融資の対象となるの中小企業に限られるため、たとえ地元企業であっても、企業が大きく成長したときは信用金庫からの融資は受けられなくなってしまいます。

3.経営形態

先述したように、銀行と信用金庫では準拠する法律が異なります。

それにともない経営形態が異なる点も、地方銀行と信用金庫の大きな違いです。

銀行は株式会社という形態を取っていますが、信用金庫は「共同組織」という組織形態の一種をとっているケースが多いです。

紹介してきたように会員の出資金で成り立っており、地域に属さない会社は会員となることはできません。

共同組織という形態をとるうえで問題となるのが、融資できる対象が「信用金庫が所属する地域の中小企業会員」に限られてしまうという点です。

700万円以内の小口融資はそれ以外の人も利用できますが、700万円以上の融資を希望する場合は会員となる必要があります。

地方銀行で融資を受ける6つのメリット

電球・ポイント
地方銀行と都市銀行、信用金庫の違いについて見てきましたが、地方銀行ならではのメリットを知っておくと、より自社にとって最適な金融機関を選べるようになります。

ここでは、地方銀行で融資を受ける6つのメリットについて紹介します。

1.柔軟に審査してくれる

都市銀行と比べると審査が柔軟な点が、地方銀行最大のメリットです。

地域への貢献度や将来的な成長見込みを判断してもらえるため、現在の業績やこれまでの売上が順調でなかった企業でも融資を受けられる可能性があります。

審査のときは、地域への貢献度をアピールできると有利に働く可能性が高いです。

もしも融資を検討しているのであれば、地域貢献事業などに力を入れてみるといいかもしれません。

参考記事>>>【ポイント解説】資金調達(借入)の審査基準や審査時の注意
参考記事>>>プロパー融資とは?審査基準やメリット・デメリットを解説

2.保証協会付融資を受けやすい

地方銀行では、保証協会付の融資を受けやすい傾向にあります。

保証協会付の融資とは、各地方に所在する信用保証協会が保証する融資のことです。

万が一、債務者が返済できなくなったとき、保証会社が銀行の損失を補填するシステムになっています。

このシステムにより、信用力などが問題でプロパー融資が受けられない企業でも、無担保・無保証人で融資が受けられるのです。

信用保証協会は都道府県単位で活動しているということもあり、地方銀行とも連携をとっています。

そのため、地方銀行では保証協会付の融資が通りやすいといわれているのです。

参考記事>>>信用保証協会の融資審査で見られる4つのポイントを詳しく解説

3.低金利で融資が受けられる

信用金庫と比べ、低金利で融資が受けられる点も地方銀行のメリットです。

もっとも金利が低いのは都市銀行で、大体1%台だといわれています。

反対に、金利が高いのは信用金庫で、2.0~3.0%の金利が相場です。

地方銀行はその中間で、1.0~3.0%の金利で融資が受けられます。

うまく審査が通れば、都市銀行と変わらない金利で融資を受けることも可能です。

都市銀行で借りられるほどの信用力や事業規模がないという場合も、地方銀行であれば低金利で融資が受けられる可能性が高いのです。

4.借入期間が長い

銀行や希望する金融商品にもよりますが、借入期間が長くて余裕を持った返済をしやすいのも地方銀行のメリットです。

最長で20年の返済期間を設定できる長期事業ローンなども存在しているので、地方銀行であっても幅広いニーズに合わせて借り入れができます。

5.条件によっては高額融資も受けられる

地方銀行と聞くと融資額が限られてしまうイメージがあるかもしれませんが、条件によっては高額融資も十分に可能です。

信用金庫ほどではありませんが、地域社会への貢献を目指しているため、企業にとって利益となる企業には高額の融資を行うことがあります。

条件によっては、地方銀行でも億単位の融資が下りることがあります

都市銀行や信用金庫では相談できなかった融資も、地方銀行であれば相談に乗ってもらえる可能性が高いです。

6.ビジネスマッチングサービスを行っている

地方銀行は地域営業を基盤としているため、地域企業におけるコネクションを豊富に持っています。

なかにはそのコネクションを活かし、ビジネスマッチングサービスを提供している銀行も少なくはありません。

スタートアップの企業にとって、ビジネスマッチングサービスは新規顧客の獲得に役立ちます。

地域につながりを作って事業を発展してくれる手助けをしてくれるのは、都市銀行にはないメリットでしょう。

地方銀行で融資を受けるデメリット

ガッカリしてるビジネスマン
地方銀行で融資を受けるデメリットは、地域以外のビジネスで不利になることがある点です。

企業と取引をする際、信用度を測るために付き合いがある銀行について調べられることがあります。

この際、都市銀行ではなく地方銀行を利用していると、どうしても信頼性が低いと思われてしまう恐れがあります。

また、地方銀行のサービスはどうしても都市銀行に劣ることが多いです。

充実したサービスを求めるのであれば、都市銀行と併用するなどの工夫が必要になります。

地方銀行の融資を受ける際のポイントと注意点

注意してるマーク
最後に、地方銀行の融資を受けるときのポイントを紹介します。

1.口座をまとめておく

地方銀行で融資を受けたいのであれば、必ず口座を一つにまとめておいてください。

融資を受けたい銀行の口座に入出金をまとめておけば、審査のときにキャッシュフローがすぐに確認できますし、メインバンクとして取引を積み上げてきた実績が有利に働く可能性が高いです。

ただし、融資を受ける直前に取引を開始しても意味がありません。

融資を依頼する数年前から口座を利用することが肝心です。

2.金利で銀行を選ばない

融資を受けるときは「できるだけ返済額を減らそう」と金利ばかり見てしまいますが、金利だけで銀行を選ばないことも、地方銀行で融資を受ける際の注意点です。

融資を受けるときに大切なのは、企業が困ったときに手を差し伸べてくれる金融機関と付き合うことです。

どれほど金利が安くても、折り返し融資を依頼したとき相談に乗ってくれなければ、企業を成長させるパートナーとしては不十分でしょう。

地方銀行のメリットは、地元企業の立場に立ってきめ細やかなサポートをしてくれる点です。

金利が低いことは融資の絶対条件ですが、それだけではなく、企業にとって最善の選択を一緒に考えてくれる銀行を選びましょう。


資金調達を丸投げして、資金も気持ちも楽になる!!

地方銀行を活用してスムーズな融資を実現しよう

地方銀行とは、各地方や都道府県内を営業基盤にした銀行のことを指します。

小口取引が多く、地域企業や個人との取引が得意なため、中小企業や個人事業主でも比較的融資を受けやすい点が特徴です。

銀行にはほかにも、都市銀行や信用金庫などといった種類が存在しています。それぞれが得意とする取引や対象は異なるため、金融機関ごとの特徴を知って自社に最適な選択をしていきましょう。

地方銀行で融資を受けるときは、地域への貢献度をアピールすることが大切です。

少しでも融資を有利に進めたいのであれば、ぜひ「中小企業の資金調達プロ.com」までご相談ください。


資金調達を丸投げして、資金も気持ちも楽になる!!

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
URLをコピーする
URLをコピーしました!
目次
閉じる