信用金庫と銀行の違いは?融資審査の基準・付き合い方|メリット・デメリットも解説

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信用金庫から融資を受けたいと思っている経営者であれば、こんなことに不安や疑問をお持ちではないでしょうか?

信用金庫の融資審査に通るか不安だ…

信用金庫の融資審査の基準や、審査にかかる時間審査通過の必要条件を知りたいな…

メガバンクや地方銀行と、何が違うの?

事業拡大や設備投資、運転資金の確保ために融資を検討している経営者であれば、こんな不安や疑問をお持ちでしょう。

融資の相談先として、メガバンクや地方銀行、日本政策金融などと並んで候補にあがるのが「信用金庫」です。同じ融資を取り扱う機関であることから、ほぼ同じものと見られることが多いです。

しかし、実際は多くの点で違いがあるため、融資の金融機関選びを間違えると会社をたたむ判断をしなければいけなくなることもあるのです

その意味でも、実は信用金庫こそ、中小企業や小規模事業者こそ積極的に活用・お付き合いすべき金融機関であることは、あまり知られてはいません。

私は「中小企業の融資代行プロ」という資金調達サービスで、たくさんの経営者の銀行からの資金調達をご支援しています。

記事の筆者
「岡島光太郎」の写真

著者プロフィール

  • 資金調達コンサル会社「(株)融資代行プロ」創業者
  • 財務・資金繰りコンサルティング「御社の社外CFO」創業者
  • 経営コンサル会社「(株)Pro-D-use」創業者
  • 中小企業の融資・補助金など資金調達支援の実績多数

これまでの支援実績
個人事業主 / 創業後スグの1人法人 / 売上300億の法人
資金調達額「100万円」〜「5億円」
幅広い会社規模で、資金調達 / 財務・資金繰りコンサルを経験

本記事では、「信用金庫の融資審査」を中心に解説し、メガバンクや地方銀行との違いや、審査のコツについてもお話します。中小企業の経営者や個人事業主で、融資を検討している人はぜひご一読ください。


銀行・信金・商工中金や日本政策金融公庫からの資金調達は、知識・経験もなしに「なんとなく」で進めると必ず失敗します。資金調達には金融機関の幅広い知見が必要で、成功には一定のノウハウが欠かせません。

「中小企業の融資代行プロ」は、成果報酬型で資金調達を支援するコンサルティング(代行)サービスです。これまで500件以上の資金調達のご相談を受けて「100万円〜5億円」「多様な資金調達方法」など、数多くの実績をあげてきました。

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目次

信用金庫とは?地方銀行やメガバンク(都市銀行)との違いも解説

信用金庫とは、ある特定の地域の発展のために存在する金融機関です。信用金庫以外にも「地方銀行」「メガバンク(都市銀行)」などもありますが、何が違うのでしょうか?

ここでは、どのような金融機関が、どんな目的で、どんな役割を担っているのかについて一緒に見ていきましょう。

信用金庫と銀行の違い

預貯金の取り扱いや融資など、さまざまな金融サービスを提供する点では、信用金庫も銀行も同じです。

しかし、運営目的取引相手などに大きな違いがあります。信用金庫と銀行の違いについて次の表にまとめました。

信用金庫銀行
(メガバンク/地方銀行)
運営目的・地域の活性化
・金融の円滑化
・地域住民の貯蓄の増強など
・国民経済の発展
・株主の利益
取引相手
取引資格
・組合員従業員300人以下
・資本金9億円以下の事業者
・個人~大手企業まで幅広い
・取引資格には制限なし
業務範囲・融資は特定の条件を除いて組合員のみ
・預金額は無制限
制限なし
根拠法信用金庫法銀行法

信用金庫に融資の相談をするときに特に意識したいのが、運営目的と取引相手・資格の部分です。

運営目的は銀行が営利を優先するのに対して、信用金庫は地域の発展や中小企業の資金繰り円滑化を重視します。運営を続けるためには利益も必要であるため、誰にでも簡単に融資をするわけではありません。

しかし、申込者の返済能力や年収などのデータだけを見て判断するのではなく、温度のある対応が期待できます。地域に根付いている中小企業やこれから新規事業を始める人にとって、信用金庫は銀行よりも融資の敷居が低いと考えてもよいでしょう。

ただし、信用金庫から融資を受けるには、組合員になる必要があります。

信用金庫の組合員とは

信用金庫では700万円以上の大口融資を受ける場合は「会員資格」を取り、組合員にならなくてはいけません。この組合員になるためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

  • 信用金庫の営業地域内に「事業所」「住居」「勤務地」がある
  • 信用金庫に出資金を支払う
  • (事業者の場合)従業員が300名以下、資本金が9億円以下

なお「出資金」は、信用金庫によって出資金の最低取扱口数が異なります。事前に融資を受けたいと考えている信用金庫のWebサイトを参照しておきましょう。

この3つを満たしていれば信用金庫の会員資格を得ることが可能です。大口の融資を受ける場合は必ず必要になります。また、すぐに融資が必要でなくとも、信用金庫とのパイプを持っておくために組合員になるのもよいでしょう。

「信用金庫とで付き合う(融資取引等)べき」法人や個人事業主は?信用金庫の「融資限度額」も解説

結論、下記の条件の法人・個人事業主は信用金庫と融資取引などでお付き合いをするべきです。

  • 年商3億円以下の法人・個人事業主
  • 「不動産賃貸業」を営んでいる方

よくも悪くも、信用保証協会の融資は「信用保証協会付き融資(通称:マル保)」と「不動産賃貸向け融資」がメインです。

こういった特性を知っておくことで、信用保証協会との上手なお付き合いができるでしょう。

年商3億円以下の法人・個人事業主が、信用金庫とお付き合いすべき理由

信用金庫に限らず、金融機関が融資できる限度額は、(本当にざっくり)「月商の3ヶ月分」、よっぽど評価が高い法人・個人事業主でも「〜5ヶ月」です。そうなると、年商3億円の法人・個人事業主であれば、最大でも1億2,500万円が融資限度となります。

年商:3億円
月商:2,500万円
融資限度:1億5,000万円(2500万円*6ヶ月)

その中で、下記のような融資取引をすることで月商6ヶ月分の1億5000万円に近い融資取引を実現することができるのです。

信用金庫の保証協会付き融資8,000万円(保証協会限度枠内)
信用金庫のプロパー融資1,000~3,000万円
日本政策金融公庫の融資2,000万円(支店長決裁枠内)

上記の取引内容であれば、1億1,000万円〜1億3000万円までは信用金庫+日本政策金融公庫で融資調達が可能です。また上記で示した通り、信用金庫単体だけとお付き合いをするのではなく、補完的金融機関である「日本政策金融公庫」とのお付き合いもしておきましょう。

もちろん、3億円を超えたら「すぐに信用金庫と手を切らないといけない」というわけではありません。年商が3億円を超えてきたら、メイン銀行を信用金庫から地方銀行に切り替えて、サブ銀行を信用金庫に変えていくという戦略が有効になります。

不動産大家業を営んでいる方が、信用金庫とお付き合いすべき理由

法人への融資には、信用保証協会付き融資(通称:マル保)が当たり前の信用金庫ですが、不動産賃貸業への融資にはかなり積極的です。

どの信用金庫を選ぶかにもよりますが、不動産賃貸業への融資は簡単に1億を超えますし、中には10億円というレベルで融資しているケースも見受けられます。

これは、信用金庫が「不動産担保をベースに融資をすることに慣れているから」という理由が1番です。

実は、全国どこの信用金庫も、すべての融資額の40~50%が不動産向けへの融資なのです。(住宅ローンではなく、ほとんどが事業用の不動産向けです)

信用金庫の融資審査は「甘い?」「通りやすい?」

はてなマーク

信用金庫の融資にも、もちろん融資審査があります。融資審査とは、融資を申し込みした人(法人)が返済能力があるかどうかを見極める手続きのことを指します。

一般的には、法人は「決算書」を中心に審査をされ、個人事業主は確定申告書などで審査をされます。また、これから事業を開始する人に関しては創業融資という部類になるため、事業計画書をメインに審査がおこなわれます。

信用金庫の融資審査は甘い」、「通りやすい」なんて噂はよく耳にします。しかし、実際に現場で融資の支援をしている私の感覚では、「地方銀行やメガバンクと比べて、審査が通りやすいと感じることはないな…」というのが、率直な感想です。

一方で、地方銀行やメガバンクの融資審査と比較して、「頑張っている人」や「熱心な会社」に対して融資が出やすいのは事実です。その理由は、信用金庫の運営目的が関係しています。

地方銀行やメガバンクが営利を求めるのに対し、実は、信用金庫は営利を目的にしていません。信用金庫の運営目的は、地域の活性化や中小企業の応援なのです

そのため、新規事業者や地域に根付いて頑張っている企業などに対して、実績や信用を加味した審査が行われます。ここが「信用金庫の融資審査が通りやすい」と思われている理由の1つです。

こう言うと「信用金庫は、俺に融資をして当然だ!」という不遜な態度をとる方もいますが、さすがに信用金庫も嫌な態度の人には貸しません。信用金庫には貸してもらって当然、ではなく、自社の事業運営パートナーとして接点を持つようにしましょう。

なお、銀行が融資審査で決算書の何を見ているのか?をもっと詳細に知りたい方は、下記の記事が参考になるはずです。ぜひご参考ください。

信用金庫の融資審査の基準や、重視されるポイント

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信用金庫の融資審査には、規定や基準が明示されているものではありません。しかし、ある程度の傾向(基準)は存在ます。多くの信用金庫が重視するポイントを見ていきましょう。

1.  資金の使用目的

資金の使用目的は、純粋な運営資金であれば問題ありません。別の使途への流用、裏金や散財に利用される可能性がある場合は審査が厳しくなるでしょう。とくに既に別の金融機関で融資を受けていたり、ローンを組んでいたりする場合は要注意です。

2. 返済能力の有無

返済能力の有無は申込者の収入や貯蓄の有無、事業者の場合は売上や自己資金も見られます。返済能力を上回ると思われる金額の融資はまず通りません。

ただし災害をはじめ、一時的な経営不振の場合は考慮されることもあります。

3. その他の負債

  • 別金融機関からの融資
  • 住宅ローン・自動車ローン
  • カードローン・キャッシング
  • その他の負債

なども重視されます。

このうち、「別銀行からの融資」「住宅ローン・自動車ローン」については「借り入れ実績」、「返済実績」があっても問題はありません。(多すぎる借り入れは問題ですが…)

一方で「カードローン・キャッシング」などの無担保の借入がある場合は、信用金庫の融資審査は厳しくなります。なぜなら、これらは返済能力に影響するだけでなく、融資したお金を、別の返済(カードローン・キャッシング)に回されてしまうのでは?というリスクを考えるからです。

「じゃあ、カードローン・キャッシングの借り入れは隠してしまおう」と考えるのはNGです。負債を隠してしまう(嘘をつく)とバレたときに信用を失います。必ず正確に申告しましょう。

4. これまでの、信用金庫への返済実績

今までも融資を受けて計画通りに返済している場合は、新しい融資が通りやすいです。長く信用金庫と取引を続けていればその分信頼関係も構築されているため、より柔軟な対応が期待できるでしょう。

5. 申込者の信頼度

申込者の信用情報も審査に大きく影響します。例えば、

  • ノンバンクからの借入がある
  • 頻繁な申込履歴がある
  • 返済が滞った履歴がある
  • 自己破産、個人再生、債務整理の経験がある

このような情報があると、大きなマイナスになるでしょう。

信用情報機関から情報を取得することで、個人のさまざまな情報を閲覧することが可能になります。

ちなみに、主な信用情報機関は「CIC(シー・アイ・シー)」「JICC(日本信用情報機構)」「全国銀行個人信用情報センター」の3つです。

また、信用情報から信用金庫が取得できる情報は下記の通りです。

  • 氏名、生年月日、性別、電話番号、住所
  • 公的資料情報(運転免許証番号など)
  • 自己破産・債務整理履歴
  • ローンやクレジットカードの申込み・利用情報
    金融会社名/申込日/申込内容/利用日/利用金額/支払い状況

銀行よりも個人や企業に寄り添う姿勢が強い信用金庫では、上記の信用情報以外にも、申込者の人柄も見られます。とくに新規取引の場合は重要です。

「信用金庫の融資審査に通らない…どうして?」落ちる原因

「自分は融資審査に通るだろう」と思っていても、信用金庫の融資審査が通らないことがあります。

どうして審査に落ちてしまうのか、ここでは大枠2つのパターンについて解説をします。

法人や個人に問題がある場合

法人の経営状態や、経営者個人に問題がある場合は融資審査に通るのは難しいでしょう。

融資審査に落ちてしまう、よくある事例が下記のパターンです。

  • 信用情報にキズがある
  • 債務超過である
  • 決算書に怪しい部分がある(粉飾や貸付金など)
  • 税金や社会保険料の滞納がある
  • 借入の残高が多すぎる
  • 提出する資料が雑すぎる
  • 事業実態が確認できない
  • 融資審査に協力してくれない

融資の申し込み内容が適正でない場合

法人や個人に問題がなくとも、融資の申し込み内容が不適切と判断された場合、「融資却下」、もしくは「減額融資」という回答をもらうことになります。

下記が代表的な例になります。

  • 売上や利益規模に対して、希望融資額が多すぎる
  • 融資を希望する理由」に妥当性がない
  • 返済原資(何を返済の元手にするのか)が不明確

信用金庫で融資を受けるメリット

信用金庫で融資を受けるメリットは3つあります。

  • 金利が低い
  • 組合員優遇や配当金を得られる
  • 貸し渋り・貸し剥がしが少ない

それぞれ解説します。

メリット1. 金利が低い

これまでもお話してきたように、信用金庫は利益第一主義の団体ではありません。資金繰りに困った人を助けることや、地域活性化を目的としています。

そのため、「消費者金融」「ビジネスローン」「カードキャッシング」「ファクタリング」などノンバク系と比較すると、金利が2%前後と低いのが特徴です。消費者金融を利用するよりも10%前後金利を抑えられるでしょう。

一方で、「メガバンクや地方銀行の金利はもっと低いだろ!」と言う声もありそうですが、それはその通りです

信用金庫との融資取引では、金利でのメリットよりも下記のメリットがあります。

  • ひとりの法人顧客として扱ってくれる
  • 関係性も重要視してくれる
  • 細かいニーズにも対応してくれる
  • 会社がピンチの時にも支援してもらえる(可能性が高い)

これは信用金庫のスタッフさんが、皆さんの会社に足繁く通ったり、会社の理解を丁寧に進めながら融資をする大きな手間をかけることで実現できるメリットです。その分、普通の銀行なら貸さない会社にも貸す「リスク代」として、金利が少しだけ高いのです

その金利差は、メガバンクの方がせいぜい1%、地方銀行の方が0.5%くらい安い程度です。金利で金融機関を判断する経営者の方も多いですが、リスクと手間を被っている信用金庫さんを評価してあげることも大切じゃないかなぁと、個人的には思います。

一方で、メガバンクなどは日々「数億、数十億単位の融資」ができる顧客が、彼らの本当の顧客です。

仮にメガバンクから数千万円の融資をしてもらえたとしても、彼らからすると(言い方は良くないですが…)「潰れても、潰れなくてもあまり支障がない」顧客としか見てもらえません。

そのため、会社が危機になったときに真っ先に貸し渋り、貸し剥がしをされる危険性があります。

メリット2. 組合員優遇や配当金を得られる

信用金庫の組合員になると、組合員専用ローンや金利優遇措置を受けられます。また、出資している場合は定期的に配当金も得られるでしょう。

配当率は変化するため、多い年も少ない年もありますが、思わぬ収入になるかもしれません。

メリット3. 貸し渋りや貸し剥がしが少ない

信用金庫は、よくも悪くも「地域ビジネス」です。地域の人に貢献した結果、地域の人に愛されて成り立つビジネスなのです。

そのため、少し業績が悪くなったり景気が悪くなったからといって、貸し剥がしや貸し渋りをしたらどうでしょう?地域で「あの信用金庫は、●●って会社に貸し剥がしをしたらしい」と悪評を立てられてしまいます。

地域の信用を何より大切にする彼らからすると、融資取引で悪評が立ち、預金を引き出されたり、融資の申し込みが減ることは致命的なのです。

一方で、メガバンクや地銀のような営利目的で設立された銀行は、景気の悪化によって貸し渋り・貸し剥がしをすることはあります

こういった、存在意義や目的の違いから、信用金庫と取引することでいざという時に安心して経営に集中できる環境が整うのです。

信用金庫の融資を受けるデメリット

困っている人個人や中小企業にはメリットが多く感じられる信用金庫の融資ですが、地域密着であるがゆえのデメリットもあります。

  • 営業地区の縛りがある
  • 返済方法が限られている融資限度が低め

1. 営業地区の縛りがある

信用金庫で融資を受けるには、その信用金庫の組合員にならなくてはいけません。そして信用金庫ごとに利率や限度額、審査基準など多くの違いがあります。

そのため、条件のよい信用金庫を見つけても、その店舗の営業地区から外れている場合は利用できません。

2. 返済方法が限られている

地域密着タイプの信用金庫は、銀行融資と比べると返済方法が少ないです。コンビニにあるATMでは返済できないことも多く、とくに遠方から返済したいときは手段がなくて困るかもしれません。

3. 融資限度額が低め

信用金庫は銀行よりも小規模運営で、財源も会員の出資がメインです。そのため、融資限度額が低めに設定されています。大口融資を検討する場合は、銀行融資と併用したり、乗り換えたりする必要がでてきます。

信用金庫の融資審査の流れ、審査期間

現在の信用金庫では大きく分けると「ネット・窓口・郵送」の審査申し込み方法があります。いずれも審査の流れはほとんど同じです。

信用金庫の融資審査の流れ

それぞれの方法で審査の申し込みが終わったあとの流れを見ていきましょう。

  1. 審査の申し込み
  2. 仮審査のスタート
  3. 仮審査の結果連絡
  4. 本審査スタート
  5. 本審査の結果連絡
  6. 融資内容の確認と契約
  7. 融資額の振り込み

これが信用機関での融資審査から融資完了までの大まかな流れです。

当然仮審査・本審査に通らなければ先に進めません。各審査にかかる期間は信用金庫の基準や融資額など、さまざまな要因で変化します。

審査にかかる期間

審査の申し込みから融資完了までにかかる期間は、1〜1.5ヶ月くらい見ておくとよいでしょう。早い場合は2週間~3週間で手続きが完了することもあります。

数週間も審査にかかる理由は「信用保証協会」を通すからです。信用保証協会とは、中小企業が融資を受ける際に保証人の役割をする公的機関で、利用すれば融資を行う側のリスクを大幅に軽減できます。

信用保証協会を通さない審査の場合は短期間で融資を受けられます。信用金庫によって方針が違いますので、事前に確認しておくようにしましょう。

信用金庫の融資審査に必要な書類

書類信用金庫で融資審査の申請をする際には多くの書類が必要です。起業前と起業後では必要書類が違いますので、間違えないように気を付けましょう

起業前の融資で必要な書類

起業準備資金として融資を受ける場合は以下の書類が求められます。

  • 創業計画書・事業計画書
  • 資金・返済計画書
  • 印鑑証明書
  • 事業に関連する許認可書
  • 自己資金を証明できる書類
  • 賃貸借契約書のコピー
  • 返済計画書のコピー(既に借り入れがある場合)
  • 不動産登記簿謄本(不動産を所有している場合)
  • 本人確認書類

起業前に融資を受ける場合は、間違いなく実態があり、将来性もある融資するに値する事業であることを証明することが重要です。また、信用金庫によって必要書類には違いがあります。必ず担当者に確認して揃えてください。

起業後の融資で必要な書類

起業後に融資を受ける場合は以下の書類が必要です。2度目以降の融資の場合は一部の書類が省略できることもあります。

  • 創業計画書・事業計画書
  • 資金・返済計画書
  • 印鑑証明書
  • 事業に関連する許認可書
  • 商業登記簿謄本
  • 所得証明書・課税証明書・非課税証明書
  • 定款の写し(法人の場合)
  • 本人確認書類

起業後の融資の場合は、今後の経営展望や返済能力の有無が重視されます。また、クリアな経営も重要ですので、正確で正直な各種計画書を準備しましょう。

会社案内や製品パンフレットなど、事業内容が分かり自社アピールができるものを用意するのもおすすめです。

信用金庫の融資審査に通るためのコツ

ノートと鉛筆、電球返済能力や事業実態、信用情報などデータ的な部分は変えられませんが、審査時にちょっとした工夫をすれば審査を有利に進められるコツがあります。

創業計画書・事業計画書に力を入れる

起業前や融資を一度も受けたことがない場合は、信用金庫からの信頼を得ることが非常に重要です。

信用金庫側は融資する先の情報を書面でしか知ることができません。そのため、事業の将来性や安定性を創業計画書・事業計画書で伝えられないと融資審査に通りにくくなってしまいます。現実的で明確な計画をしっかりと立てましょう。

書類は丁寧・完璧に揃える

融資に必要な書類は種類が多く、慣れていないことも加わって準備には悪戦苦闘するはずです。途中でうんざりすることもありますが、最後まで丁寧に準備してください。

そして最初の提出で不備や抜けがないようにすることが重要です。書類不備がなければ審査がスムーズに進むうえに、几帳面で誠実な人柄も伝わるでしょう。

できるだけ自己資金や、現預金を持っておく

初めて融資を受ける際や、起業前に融資を受ける場合は可能な限り自己資金を集めて置きましょう。保有資産や資金が多いほど審査に通りやすくなるからです。

換金できるものは審査前に現金に替え、家族や知人から一時的に融資してもらうのもよいでしょう。

ノンバンク系の借り入れを減らす

可能な限り、ノンバンク系の借り入れを減らしておくことが有効です。

銀行系のビジネスローンならまだいいのですが、キャッシング、ファクタリング、消費者金融などの一般的融資ではない借り入れが多いほど、「返済能力が低い」と判断され、審査が厳しくなります。

ノンバンクとは?

預金ができない(機能がない)金融機関のこと。つまり預金はできず、融資だけをやっている金融機関をノンバンクと呼びます。ノンバンクは「怪しい会社」と感じる方もいますが、銀行とノンバンクは役割の違いなだけであって、全く怪しい会社ではありません

さらに、ノンバンクは「貸金業法」に沿って運営している金融機関であり、「銀行法」に沿って運営される銀行とは法律においても違いがあります。

ノンバンクは「ビジネスローン」「消費者金融」「信販」「リース」「不動産専門ローン」「ファクタリング」など、多くの種類があります。

事前にパイプを作っておく

信用金庫は融資業務のほかにも預金業務や為替業務など、さまざまな金融サービスを取り扱っています。地域にある信用金庫で融資を受ける前に何らかの形で利用し、パイプを作っておくことも有利に働きます。

とくに預金口座をつくり、そこにある程度の資金を集めておくと有利になるでしょう。

信用情報に傷がある場合は待つ

自己破産や任意整理などを行った経験があると、信用情報に傷がついている状態です。いわゆるブラックリストに載っているわけです。この状態だとほとんどの場合は融資を断られてしまうでしょう。

ブラックリストからは最長で10年、短い場合は5年で情報が消えます。それを待ってから融資審査を受けるのも手段の1つです。


銀行・信金・商工中金や日本政策金融公庫からの資金調達は、知識・経験もなしに「なんとなく」で進めると必ず失敗します。資金調達には金融機関の幅広い知見が必要で、成功には一定のノウハウが欠かせません。

「中小企業の融資代行プロ」は、成果報酬型で資金調達を支援するコンサルティング(代行)サービスです。これまで500件以上の資金調達のご相談を受けて「100万円〜5億円」「多様な資金調達方法」など、数多くの実績をあげてきました。

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信用金庫から自社がどう見られている(ランク)のか?を知る方法

信金から自分の会社がどう評価されてるかわからず、交渉しづらい…。

銀行員に「私の会社の評価、教えて」と聞いたけど、はぐらかされた…。

こんな経験、経営者の方には多いのではないでしょうか?

実は、銀行員があなたの会社の評価を教えてくれることは99%ありません。なぜなら、皆さまが思っている以上に評価は高くないことが多く、その結果として「評価を教えてお客様を怒らせてしまう」ことを銀行員は恐れています。

そのため、会社の評価を聞いてもはぐらかされるか、ニコニコとしながら「悪くはないですよ」と言われることがほとんどです。

しかし、「銀行員に直接、自社の評価を聞く」以外にも自社が銀行からどう評価されているのか?がわかる方法があります。それは、現在の「融資条件」を見るという方法です。

あくまで参考にはなりますが、下記の表を見ながら「自社は優良顧客なのか」、それとも「顧客と思われていないのか」を把握し、銀行融資の交渉や進め方の検討しましょう。

銀行評価ランク:上位銀行評価ランク:通常銀行評価ランク:下位
融資形態
(提案状況)
コミットメントライン・当座貸越
・社債
・証書貸付
・手形貸付
・手形割引
保証の有無プロパー融資信用保証協会付き融資
担保の有無無担保融資有担保融資
返済期間返済期間7年 返済期間5年返済期間3年

信用金庫の融資や審査で、よくある質問(Q&A)

はじめて融資を受ける銀行から、よくある質問は?どう回答すればいいの?

はじめて融資を受ける銀行からよくされる質問は、下記のようなものです。質問の意図や、回答例と合わせてご参考ください。

よくある質問
どうしてウチの銀行に、借入申込をしたのですか?
質問の意図|貸し出した融資が、回収できない危険な会社でないかを見極めています。

回答例
「顧問税理士or取引先の経営者から、御行をオススメされたので…!」
「ウチの事務所から近いので、何かと便利かと思いまして」

よくある質問
ウチの銀行以外に、借入をしていますか? ❷なぜ、そこで借入をしないのですか?
質問の意図|他の銀行で借入もできないレベルの会社なのでは?と疑っています。もし借入がある場合、その銀行が貸せない悪い理由があるのではないか?と疑っています。

回答例
❶「ある」「ない」と事実を述べる。
❷「取引銀行を増やしておくべきと、顧問税理士にアドバイスをもらった」「会社の成長に合わせて、資金調達の幅を広げたいと考えているから

よくある質問
他行(ほかの銀行)でも融資の申し込みはしていますか?
質問意図|資金繰りが逼迫して、焦っていろんな銀行に融資相談をしているのでは…?と疑っている。

回答例
業績の良い「決算書」や「試算表」を共有した上で、自信を持って)※業績が悪い場合は、逆効果です。
申し込みは●●銀行と、■■信金さんにも相談しています。」
「審査が下りれば、どの銀行さんからも借り入れはするつもりです。

よくある質問
他行(ほかの銀行)の融資条件は、どんな条件となっていますか?
質問意図|ほかの銀行の融資状況の様子を伺うため。融資状況で、その会社の状態・ポテンシャルを見極めたい。

回答例
借入状況一覧表などを見せながら、条件を全て話すことがオススメ。
※隠せば隠すほど怪しく思われますし、業績が良ければ銀行同士で競ってくれるようになるので、素直に全て話した方がベターです。

よくある質問
ウチで借入ができなかった場合には、どうされますか?
質問意図|資金繰りが逼迫しているかどうか、リアクションから探るため。

回答例
御行とお取引を始めたいと思っているので、ぜひお願いしたいと思っております。」
ただ、仮に御行がダメであれば既に取引のある●●銀行さんからの融資を検討します。

銀行から融資してもらえない会社経営者の共通点はありますか?

結論、融資がうまくいかない経営者には下記6点の共通点が見られます。

  • 銀行担当者などに不遜な態度を取る
    →銀行員も人間です。言葉遣いが悪い、上から目線、服装がダラシないなどは悪印象です。
  • 会社のお金の使い方が下手、もしくは荒い
    →BSを見れば、どんなことにお金を使っているのか銀行員はわかります。
    →本業に関係ないもの(投資など)などにお金を使っていませんか…?
  • 会社の数値に弱い把握していない
    →来月の売上予測、当月の固定費金額など、会社数値を把握できていない厳しいです。
  • 自分の事業に対して知見がない
    →過去に経験のない分野で事業をしていませんか?
  • 評判が悪い(ネット・SNS上、周辺会社から等)
    →金融機関は悪い評判を警戒します。
  • 銀行との関係性を作れていない
    →お金を借りる時だけ、銀行員を呼びつけていませんか…?

これ以外にも要素はたくさんありますので、参考程度に活用ください。

自分の会社の場合は、どうなんだろう…?

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信用金庫の融資は、個人事業・中小企業向き

信用金庫は営利を目的にしておらず、地域経済の活性化や中小企業の円滑な資金繰りをサポートする立場です。そのため、銀行よりも温度のある対応が期待でき、健全な運営をして将来性のある事業主であれば融資を受けやすい一面があります。

銀行では断られた融資の相談も通る可能性があるでしょう。こちらで解説した必要書類やコツを活用して、有利に審査を進めてください。

もし信用金庫からの融資も含め、たくさんある資金調達方法から「自社に適切な資金調達方法を模索したい方」は、資金調達代行サービスの「中小企業の融資代行プロ」にご相談(無料)ください。

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