信用金庫から融資を受けたいと思っている経営者であれば、こんなことに不安や疑問をお持ちではないでしょうか?
信用金庫から融資を受けたいが、融資審査に通るか不安…
信用金庫の融資審査の基準や、審査にかかる時間、審査通過の必要条件を知りたいな…
信用金庫から融資を受けるコツや、メリットデメリットを知りたい!
事業拡大や設備投資、運転資金の確保ために融資が必要な経営者にとって、実は、信用金庫との融資取引はとても重要です。
融資の相談先として、「メガバンク」や「地方銀行」、「日本政策金融」と並んで候補にあがるのが「信用金庫」です。同じ融資を取り扱う機関であることから、ほぼ同じものと見られることが多いです。
しかし実際は、多くの点で強みや弱みに違いがあるため、融資の金融機関選びを間違えると会社をたたむ判断をしなければいけなくなることもあるのです。実は信用金庫こそ、中小企業や小規模事業者こそ積極的に活用・お付き合いすべき金融機関であることは、あまり知られてはいません。
筆者は「中小企業の融資代行プロ」という資金調達サービスで、たくさんの経営者の信用金庫からの資金調達をご支援実績があります。
著者プロフィール
- 資金調達コンサル会社「(株)融資代行プロ」創業者
- 財務・資金繰りコンサルティング「御社の社外CFO」創業者
- 経営コンサル会社「(株)Pro-D-use」創業者
- 中小企業の融資・補助金など資金調達支援の実績多数
これまでの支援実績
個人事業主 / 創業後スグの1人法人 / 売上300億の法人 等
資金調達額「100万円」〜「5億円」
あらゆる業界の資金調達 / 財務・資金繰りコンサル実績
本記事ではそんな筆者の経験をもとに、「信用金庫の融資審査」を中心に解説し、「審査のコツ」や「メガバンク・地方銀行・信用組合との違い」について解説します。中小企業の経営者や個人事業主で、融資を検討している人はぜひご一読ください。
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信用金庫と融資取引などで付き合うべき、法人や個人事業主は?信用金庫の「融資限度額」も解説
結論、下記の条件の法人・個人事業主は信用金庫と融資取引などでお付き合いをするべきです。
◆ 信用金庫と融資取引をすべき法人・個人事業主
- 年商3億円以下の法人・個人事業主
- 「不動産賃貸業」を営んでいる方
よくも悪くも、信用保証協会の融資は「信用保証協会付き融資(通称:マル保)」と「不動産賃貸向け融資」がメインです。
こういった特性を知っておくことで、信用保証協会との上手なお付き合いができるでしょう。
また下記の記事では、信用金庫協会の融資審査について詳しく解説しています。この記事を最後まで読めば、信用力が低いといわれる中小・零細企業でも信用保証協会の融資審査の通過率がグッと高まるでしょう。
「年商3億円以下の法人・個人事業主」が信用金庫とお付き合いすべき理由
信用金庫に限らず、金融機関が融資できる限度額は、(本当にざっくり)「月商の3ヶ月分」、よっぽど評価が高い法人・個人事業主でも「〜5ヶ月」です。そうなると、年商3億円の法人・個人事業主であれば、最大でも1億2,500万円が融資限度となります。
年商:3億円
月商:2,500万円
融資限度:1億5,000万円(2500万円*6ヶ月)
その中で、下記のような融資取引をすることで月商6ヶ月分の1億5000万円に近い融資取引を実現することができるのです。
信用金庫の保証協会付き融資:8,000万円(保証協会限度枠内)
信用金庫のプロパー融資:1,000~3,000万円
日本政策金融公庫の融資:2,000万円(支店長決裁枠内)
上記の取引内容であれば、1億1,000万円〜1億3000万円までは信用金庫+日本政策金融公庫で融資調達が可能です。また上記で示した通り、信用金庫単体だけとお付き合いをするのではなく、補完的金融機関である「日本政策金融公庫」とのお付き合いもしておきましょう。
もちろん、3億円を超えたら「すぐに信用金庫と手を切らないといけない」というわけではありません。年商が3億円を超えてきたら、メイン銀行を信用金庫から地方銀行に切り替えて、サブ銀行を信用金庫に変えていくという戦略が有効になります。
「不動産大家業を営んでいる方」が信用金庫とお付き合いすべき理由
法人への融資には、信用保証協会付き融資(通称:マル保)が当たり前の信用金庫ですが、不動産賃貸業への融資にはかなり積極的です。
どの信用金庫を選ぶかにもよりますが、不動産賃貸業への融資は簡単に1億を超えますし、中には10億円というレベルで融資しているケースも見受けられます。
これは、信用金庫が「不動産担保をベースに融資をすることに慣れているから」という理由が1番です。
実は、全国どこの信用金庫も、すべての融資額の40~50%が不動産向けへの融資なのです。(住宅ローンではなく、ほとんどが事業用の不動産向けです)
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信用金庫の融資審査は「甘い?」「通りやすい?」
信用金庫の融資にも、もちろん融資審査があります。融資審査とは、融資を申し込みした人(法人)が返済能力があるかどうかを見極める手続きのことを指します。
一般的には、法人は「決算書」を中心に審査をされ、個人事業主は確定申告書などで審査をされます。また、これから事業を開始する人に関しては創業融資という部類になるため、事業計画書をメインに審査がおこなわれます。
「信用金庫の融資審査は甘い」、「通りやすい」なんて噂はよく耳にします。しかし、実際に現場で融資の支援をしている私の感覚では、「地方銀行やメガバンクと比べて、審査が通りやすいと感じることはないな…」というのが、率直な感想です。
一方で、地方銀行やメガバンクの融資審査と比較して、「頑張っている人」や「熱心な会社」に対して融資が出やすいのは事実です。その理由は、信用金庫の運営目的が関係しています。
地方銀行やメガバンクが営利を求めるのに対し、実は、信用金庫は営利を目的にしていません。信用金庫の運営目的は、地域の活性化や中小企業の応援なのです。
そのため、新規事業者や地域に根付いて頑張っている企業などに対して、実績や信用を加味した審査が行われます。ここが「信用金庫の融資審査が通りやすい」と思われている理由の1つです。
こう言うと「信用金庫は、俺に融資をして当然だ!」という不遜な態度をとる方もいますが、さすがに信用金庫も嫌な態度の人には貸しません。信用金庫には貸してもらって当然、ではなく、自社の事業運営パートナーとして接点を持つようにしましょう。
なお、銀行が融資審査で決算書の何を見ているのか?をもっと詳細に知りたい方は、下記の記事が参考になるはずです。ぜひご参考ください。
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信用金庫の融資審査の基準や、重視される5つのポイント
信用金庫の融資審査には、規定や基準が明示されているものではありません。しかし、ある程度の傾向(基準)は存在します。
信用金庫の融資審査の基準や重視されるポイントは以下のとおりです。
◆ 信用金庫の融資審査で重視される5つのポイント
- 資金の使用目的
- 返済能力の有無
- その他の負債
- これまでの信用金庫への返済実績
- 申込者の信頼度
それでは、多くの信用金庫が重視するポイントを見ていきましょう。
ポイント1. 資金の使用目的
資金の使用目的は、純粋な運営資金であれば問題ありません。別の使途への流用、裏金や散財に利用される可能性がある場合は審査が厳しくなるでしょう。とくに既に別の金融機関で融資を受けていたり、ローンを組んでいたりする場合は要注意です。
ポイント2. 返済能力の有無
返済能力の有無は申込者の収入や貯蓄の有無、事業者の場合は売上や自己資金も見られます。返済能力を上回ると思われる金額の融資はまず通りません。
ただし災害をはじめ、一時的な経営不振の場合は考慮されることもあります。
ポイント3. その他の負債
信用金庫以外からの融資(ローン)残債についても、審査では重要なポイントになります。代表的なローンは下記の通りです。
◆ 融資審査で重要視されるローン
- 別金融機関からの融資
- 住宅ローン・自動車ローン
- カードローン・キャッシング
- その他の負債
上記のうち、「別銀行からの融資」「住宅ローン・自動車ローン」については「借り入れ実績」、「返済実績」があっても問題はありません。(多すぎる借り入れは問題ですが…)
一方で、「カードローン・キャッシング」などの無担保・無保証の借入がある場合は、信用金庫の融資審査は厳しくなります。なぜなら、これらは返済能力に影響するだけでなく、融資したお金を、金利の高いカードローンやキャッシングに回されてしまうのでは?というリスクを考えるからです。
「じゃあ、カードローン・キャッシングの借り入れは隠してしまおう」と考えるのはNGです。負債を隠してしまう(嘘をつく)とバレたときに信用を失います。必ず正確に申告しましょう。
ポイント4. これまでの信用金庫への返済実績
今までも融資を受けて計画通りに返済している場合は、新しい融資が通りやすいです。長く信用金庫と取引を続けていればその分信頼関係も構築されているため、より柔軟な対応が期待できるでしょう。
ポイント5. 申込者の信頼度
申込者の信用情報も審査に大きく影響します。例えば、
◆ 問題になる信用情報履歴
- ノンバンクからの借入がある
- 頻繁な申込履歴がある
- 返済が滞った履歴がある
- 自己破産、個人再生、債務整理の経験がある
このような情報があると、大きなマイナスになるでしょう。信用情報機関から情報を取得することで、個人のさまざまな情報を閲覧することが可能になります。
ちなみに、主な信用情報機関は「CIC(シー・アイ・シー)」「JICC(日本信用情報機構)」「全国銀行個人信用情報センター」の3つです。
また、信用情報から取得できる情報は下記3つです。
- 氏名、生年月日、性別、電話番号、住所
- 公的資料情報(運転免許証番号など)
- 自己破産・債務整理履歴
- ローンやクレジットカードの申込み・利用情報
金融会社名/申込日/申込内容/利用日/利用金額/支払い状況
銀行よりも個人や企業に寄り添う姿勢が強い信用金庫では、上記の信用情報以外にも、申込者の人柄も見られます。とくに新規取引の場合は重要です。
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「信用金庫の融資審査に通らない…どうして?」落ちる原因
「自分は融資審査に通るだろう」と思っていても、信用金庫の融資審査が通らないことがあります。
どうして審査に落ちてしまうのか、ここでは大枠2つの原因について解説をします。
原因1. 法人や個人に問題がある場合
法人の経営状態や、経営者個人に問題がある場合は融資審査に通るのは難しいでしょう。
融資審査に落ちてしまう、よくある事例が下記のパターンです。
◆ 法人や経営者自身に問題がある例
- 信用情報にキズがある
- 債務超過である
- 決算書に怪しい部分がある(粉飾や貸付金など)
- 税金や社会保険料の滞納がある
- 借入の残高が多すぎる
- 提出する資料が雑すぎる
- 事業実態が確認できない
- 融資審査に協力してくれない
原因2. 融資の申し込み内容が適正でない場合
法人や個人に問題がなくとも、融資の申し込み内容が不適切と判断された場合、「融資却下」、もしくは「減額融資」という回答をもらうことになります。
下記が代表的な例になります。
◆ 申込み内容が不適切な代表例
- 売上や利益規模に対して、希望融資額が多すぎる
- 「融資を希望する理由」に妥当性がない
- 返済原資(何を返済の元手にするのか)が不明確
もし銀行融資も含め、たくさんある資金調達方法から「自社に適切な資金調達方法を模索したい方」「銀行との付き合い方を支援して欲しい方」は、資金調達(融資)代行サービスの「中小企業の融資代行プロ」にご相談(無料)ください。
「中小企業の融資代行プロ」のサービスを活用すると、資金調達のプロ人材が、あなたに代わってあなたの会社に有利(ピッタリ)な資金調達方法を模索し、資金調達を代行してくれるので、「あなたは資金調達業務から解放」されますよ。
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信用金庫で融資を受ける5つのメリット
信用金庫で融資を受けるメリットは5つあります。
◆ 信用金庫で融資を受ける5つのメリット
- 金利が低い
- 組合員優遇や配当金を得られる
- 貸し渋り・貸し剥がしが少ない
- 地域内の中小・零細企業でも融資を受けられる
- 親身に相談に乗ってくれる
それぞれ、詳しく解説します。
メリット1. 金利が低い
これまでもお話してきたように、信用金庫は利益第一主義の団体ではありません。資金繰りに困った人を助けることや、地域活性化を目的としています。
そのため、「消費者金融」「ビジネスローン」「カードキャッシング」「ファクタリング」などノンバンク系と比較すると、金利が2%前後と低いのが特徴です。消費者金融を利用するよりも10%前後金利を抑えられるでしょう。
一方で、「メガバンクや地方銀行の金利はもっと低いだろ!」と言う声もありそうですが、それはその通りです。しかし、信用金庫との融資取引では、金利以外の下記メリットがあります。
◆ 信用金庫の金利より大きいメリット
- ひとりの法人顧客として扱ってくれる
- 関係性も重要視してくれる
- 細かいニーズにも対応してくれる
- 会社がピンチの時にも支援してもらえる(可能性が高い)
これは信用金庫のスタッフさんが、皆さんの会社に足繁く通ったり、会社の理解を丁寧に進めながら融資をする大きな手間をかけることで実現できるメリットです。その分、普通の銀行なら貸さない会社にも貸す「リスク代」として、金利が少しだけ高いのです。
その金利差は、メガバンクの方がせいぜい1%、地方銀行の方が0.5%くらい安い程度です。金利で金融機関を判断する経営者の方も多いですが、リスクと手間を被っている信用金庫さんを評価してあげることも大切じゃないかなぁと、個人的には思います。
一方で、メガバンクなどは日々「数億、数十億単位の融資」ができる顧客が、彼らの本当の顧客です。
仮にメガバンクから数千万円の融資をしてもらえたとしても、彼らからすると(言い方は良くないですが…)「潰れても、潰れなくてもあまり支障がない」顧客としか見てもらえません。
そのため、会社が危機になったときに真っ先に貸し渋り、貸し剥がしをされる危険性があります。
メリット2. 組合員優遇や配当金を得られる
信用金庫の組合員になると、組合員専用ローンや金利優遇措置を受けられます。また、出資している場合は定期的に配当金も得られるでしょう。
配当率は変化するため、多い年も少ない年もありますが、思わぬ収入になるかもしれません。
メリット3. 貸し渋りや貸し剥がしが少ない
信用金庫は、よくも悪くも「地域ビジネス」です。地域の人に貢献した結果、地域の人に愛されて成り立つビジネスなのです。
そのため、少し業績が悪くなったり景気が悪くなったからといって、貸し剥がしや貸し渋りをしたらどうでしょう?地域で「あの信用金庫は、●●って会社に貸し剥がしをしたらしい」と悪評を立てられてしまいます。
地域の信用を何より大切にする彼らからすると、融資取引で悪評が立ち、預金を引き出されたり、融資の申し込みが減ることは致命的なのです。
一方で、メガバンクや地銀のような営利目的で設立された銀行は、景気の悪化によって貸し渋り・貸し剥がしをすることがあります。
こういった、存在意義や目的の違いから、信用金庫と取引することでいざという時に安心して経営に集中できる環境が整うのです。
メリット4. 地域内の中小・零細企業でも融資を受けられる
信用金庫では、特定の地域内にある中小企業・零細企業でも融資を受けられることもメリットのひとつです。
銀行の場合、企業の経営成績や財政状態を表す決算書のみで判断し、融資審査に受からないケースが多くあります。
それに対して、信用金庫の場合は大企業でなくても地域に根付く企業であれば、中小企業や零細企業でも融資を受けられる可能性が高くなります。特に個人事業主にとっては、実績や資金などの観点より銀行からの資金調達することが難しいため、利用する価値はあるでしょう。
それは、信用金庫が中小企業や小規模事業者などの地域・業域・職域生活者を支援することをビジョンにしているためです。
信用金庫は、ひとつの企業が地域からなくなってしまうリスクよりも、地域に根付く企業を1社でも多く支援することの重要性を理解したうえで融資しています。
メリット5. 親身に相談に乗ってくれる
信用金庫が地域内の企業に対して面倒見がよく、親身に相談に乗ってくれることは、デメリットのひとつです。
中小企業庁が公表している「2中小企業と金融機関との関係性」によれば、信用金庫はメガバンクや地銀よりも顧客と高い頻度で面談していることがわかります。これは、普段から地域企業に対して親身に寄り添っている証拠です。
信用金庫は、融資だけで営利を追求するのではなく、融資せざるをえなくなった原因や改善策などを提案してくれます。
このように、信用金庫は親身に相談に乗ってくれるため、経営の不安や悩みがある人は利用するといいでしょう。
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信用金庫の融資を受ける5つのデメリット
個人や中小企業にはメリットが多く感じられる信用金庫の融資ですが、地域密着であるがゆえのデメリットもあります。主なデメリットは下記5つです。
◆ 信用金庫で融資を受ける5つのデメリット
- 営業地区の縛りがある
- 返済方法が限られている
- 融資限度が低め
- 金利は若干高め
- ATMが少ない
それぞれ、詳しく解説してきます。
デメリット1. 営業地区の縛りがある
信用金庫で融資を受けるには、その信用金庫の組合員にならなくてはいけません。そして信用金庫ごとに利率や限度額、審査基準など多くの違いがあります。
そのため、条件のよい信用金庫を見つけても、その店舗の営業地区から外れている場合は利用できません。
デメリット2. 返済方法が限られている
地域密着タイプの信用金庫は、銀行融資と比べると返済方法が少ないです。コンビニにあるATMでは返済できないことも多く、とくに遠方から返済したいときは手段がなくて困るかもしれません。
デメリット3. 融資限度額が低め
信用金庫は銀行よりも小規模運営で、財源も会員の出資がメインです。そのため、融資限度額が低めに設定されています。大口融資を検討する場合は、銀行融資と併用したり、乗り換えたりする必要がでてきます。
デメリット4. 金利が若干高め
信用金庫からの融資では、金利が比較的高くなっていることがデメリットのひとつです。
貸付金利が高い理由は、貸付可能額が低くて1回融資しても多額の利益が発生せず、その分を金利で補填しているためです。
「信金中央金庫地域・中小企業研究所」の調査によれば、他の金融機関の金利の推移と比較すると、信用金庫の金利は0.5%〜1.0%程度高くなっていることがわかります。
デメリット5. ATMが少ない
信用金庫は、銀行と比較すると、ATMが少ないこともデメリットのひとつです。
ATMが少ないと、取引先への振込や現金の入出金などで利用する際は、ATMまでの移動に時間がかかってしまいます。時間や手間がかかってしまうと事業に集中しにくくなるため、経営者にとっては特に貴重な時間を無駄遣いしたくないでしょう。
そこで、インターネットバンキングを利用するなど利便性を補う対策が必要です。
信用金庫の融資審査の流れ、審査期間
現在の信用金庫では大きく分けると「ネット・窓口・郵送」の審査申し込み方法があります。いずれも審査の流れはほとんど同じです。
信用金庫の融資審査の流れ【7ステップ】
それぞれの方法で審査の申し込みが終わったあとの流れを見ていきましょう。
- ステップ1. 審査の申し込み
- ステップ2. 仮審査のスタート
- ステップ3. 仮審査の結果連絡
- ステップ4. 本審査スタート
- ステップ5. 本審査の結果連絡
- ステップ6. 融資内容の確認と契約
- ステップ7. 融資額の振り込み
これが信用機関での融資審査から融資完了までの大まかな流れです。
当然仮審査・本審査に通らなければ先に進めません。各審査にかかる期間は信用金庫の基準や融資額など、さまざまな要因で変化します。
審査期間は、1~1.5ヶ月ほど
審査の申し込みから融資完了までにかかる期間は、1〜1.5ヶ月くらい見ておくとよいでしょう。早い場合は2週間~3週間で手続きが完了することもあります。
数週間も審査にかかる理由は「信用保証協会」を通すからです。信用保証協会とは、中小企業が融資を受ける際に保証人の役割をする公的機関で、利用すれば融資を行う側のリスクを大幅に軽減できます。
信用保証協会を通さない審査の場合は短期間で融資を受けられます。信用金庫によって方針が違いますので、事前に確認しておくようにしましょう。
信用保証協会の融資審査に通るためには、チェックされる審査基準を知っておくことが重要です。この記事では、信用保証協会の融資審査の流れや審査基準を解説しています。最後まで読んで、審査に受かるためのポイントを押さえれば、審査もスムーズに進められるでしょう。
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信用金庫の融資審査に必要な書類
信用金庫で融資審査の申請をする際には多くの書類が必要です。起業前と起業後では必要書類が違いますので、間違えないように気を付けましょう
起業前の融資(創業融資)で必要な書類
起業準備資金として融資を受ける場合は以下の書類が求められます。
◆ 起業前の融資で必要な書類
- 創業計画書・事業計画書
- 資金・返済計画書
- 印鑑証明書
- 事業に関連する許認可書
- 自己資金を証明できる書類
- 賃貸借契約書のコピー
- 返済計画書のコピー(既に借り入れがある場合)
- 不動産登記簿謄本(不動産を所有している場合)
- 本人確認書類
起業前に融資を受ける場合は、間違いなく実態があり、将来性もある融資するに値する事業であることを証明することが重要です。また、信用金庫によって必要書類には違いがあります。必ず担当者に確認して揃えてください。
起業後の融資で必要な書類
起業後に融資を受ける場合は以下の書類が必要です。2度目以降の融資の場合は一部の書類が省略できることもあります。
◆ 起業後の融資で必要な書類
- 創業計画書・事業計画書
- 資金・返済計画書
- 印鑑証明書
- 事業に関連する許認可書
- 商業登記簿謄本
- 所得証明書・課税証明書・非課税証明書
- 定款の写し(法人の場合)
- 本人確認書類
起業後の融資の場合は、今後の経営展望や返済能力の有無が重視されます。また、クリアな経営も重要ですので、正確で正直な各種計画書を準備しましょう。
会社案内や製品パンフレットなど、事業内容が分かり自社アピールができるものを用意するのもおすすめです。
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信用金庫の融資審査に通るための「6つのコツ」
返済能力や事業実態、信用情報などデータ的な部分は変えられませんが、審査時にちょっとした工夫をすれば審査を有利に進められるコツがあります。
信用金庫の融資審査に通るためのコツは以下6つです。
◆ 信用金庫の融資審査の6つのコツ
- 創業計画書・事業計画書に力を入れる
- 書類は丁寧・完璧に揃える
- できるだけ自己資金や、現預金を持っておく
- ノンバンク系の借り入れを減らす
- 事前にパイプを作っておく
- 信用情報に傷がある場合は待つ
それぞれ、詳しく解説していきます。
コツ1. 創業計画書・事業計画書に力を入れる
起業前や融資を一度も受けたことがない場合は、信用金庫からの信頼を得ることが非常に重要です。
信用金庫側は融資する先の情報を書面でしか知ることができません。そのため、事業の将来性や安定性を創業計画書・事業計画書で伝えられないと融資審査に通りにくくなってしまいます。現実的で明確な計画をしっかりと立てましょう。
事業計画書の内容や書き方は、銀行に借入金の返済条件を交渉するリスケジュールのタイミングや赤字決算後の融資審査で経営改善計画書が必要なタイミングでも活かされます。以下の記事では、経営改善計画書(事業計画書)の作成のコツやポイントをテンプレートとともに解説しています。最後まで読めば、信頼性の高い経営改善計画書(事業計画書)を作成できます。
コツ2. 書類は丁寧・完璧に揃える
融資に必要な書類は種類が多く、慣れていないことも加わって準備には悪戦苦闘するはずです。途中でうんざりすることもありますが、最後まで丁寧に準備してください。
そして最初の提出で不備や抜けがないようにすることが重要です。書類不備がなければ審査がスムーズに進むうえに、几帳面で誠実な人柄も伝わるでしょう。
コツ3. できるだけ自己資金や、現預金を持っておく
初めて融資を受ける際や、起業前に融資を受ける場合は可能な限り自己資金を集めて置きましょう。保有資産や資金が多いほど審査に通りやすくなるからです。
換金できるものは審査前に現金に替え、家族や知人から一時的に融資してもらうのもよいでしょう。
コツ4. ノンバンク系の借り入れを減らす
可能な限り、ノンバンク系の借り入れを減らしておくことが有効です。
銀行系のビジネスローンならまだいいのですが、キャッシング、ファクタリング、消費者金融などの一般的融資ではない借り入れが多いほど、「返済能力が低い」と判断され、審査が厳しくなります。
ノンバンクとは?
預金ができない(機能がない)金融機関のこと。つまり預金はできず、融資だけをやっている金融機関をノンバンクと呼びます。ノンバンクは「怪しい会社」と感じる方もいますが、銀行とノンバンクは役割の違いなだけであって、全く怪しい会社ではありません。
さらに、ノンバンクは「貸金業法」に沿って運営している金融機関であり、「銀行法」に沿って運営される銀行とは法律においても違いがあります。
ノンバンクは「ビジネスローン」「消費者金融」「信販」「リース」「不動産専門ローン」「ファクタリング」など、多くの種類があります。
ちなみに下記記事では、資金調達支援を本業とする筆者がおすすめするビジネスローンを6社に厳選し、目的や業種・活用シーンなどに分けて解説しています。
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コツ5. 事前にパイプを作っておく
信用金庫は融資業務のほかにも預金業務や為替業務など、さまざまな金融サービスを取り扱っています。地域にある信用金庫で融資を受ける前に何らかの形で利用し、パイプを作っておくことも有利に働きます。
とくに預金口座をつくり、そこにある程度の資金を集めておくと有利になるでしょう。
コツ6. 信用情報に傷がある場合は待つ
自己破産や任意整理などを行った経験があると、信用情報に傷がついている状態です。いわゆるブラックリストに載っているわけです。この状態だとほとんどの場合は融資を断られてしまうでしょう。
ブラックリストからは最長で10年、短い場合は5年で情報が消えます。それを待ってから融資審査を受けるのも手段の1つです。
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信用金庫から自社がどう見られている(ランク)のか?を知る方法
信金から自分の会社がどう評価されてるかわからず、交渉しづらい…。
銀行員に「私の会社の評価、教えて」と聞いたけど、はぐらかされた…。
こんな経験、経営者の方には多いのではないでしょうか?
実は、銀行員があなたの会社の評価を教えてくれることは99%ありません。なぜなら、皆さまが思っている以上に評価は高くないことが多く、その結果として「評価を教えてお客様を怒らせてしまう」ことを銀行員は恐れているからです。
そのため、会社の評価を聞いてもはぐらかされるか、ニコニコとしながら「悪くはないですよ」と言われることがほとんどです。
しかし、「銀行員に直接、自社の評価を聞く」以外にも自社が銀行からどう評価されているのか?がわかる方法があります。それは、現在の「融資条件」を見るという方法です。
あくまで参考にはなりますが、下記の表を見ながら「自社は優良顧客なのか」、それとも「顧客と思われていないのか」を把握し、銀行交渉や進め方の検討をしましょう。
銀行評価ランク:上位 | 銀行評価ランク:通常 | 銀行評価ランク:下位 | |
---|---|---|---|
融資形態 (提案状況) | コミットメントライン | ・当座貸越 ・社債 | ・証書貸付 ・手形貸付 ・手形割引 |
保証の有無 | プロパー融資 | – | 信用保証協会付き融資 |
担保の有無 | 無担保融資 | – | 有担保融資 |
返済期間 | 返済期間7年 | 返済期間5年 | 返済期間3年 |
信用金庫とは「特定地域の発展に寄与する金融機関」のこと。地方銀行やメガバンク(都市銀行)との違いも解説
信用金庫とは、ある特定の地域の発展のために存在する金融機関です。信用金庫以外にも「地方銀行」「メガバンク(都市銀行)」などもありますが、何が違うのでしょうか?
ここでは、どのような金融機関が、どんな目的で、どんな役割を担っているのかについて一緒に見ていきましょう。
信用金庫と銀行の違い【わかりやすく解説】
預貯金の取り扱いや融資など、さまざまな金融サービスを提供する点では、信用金庫も銀行も同じです。
しかし、運営目的や取引相手などに大きな違いがあります。信用金庫と銀行の違いについて次の表にまとめました。
信用金庫 | 銀行 (メガバンク/地方銀行) | |
---|---|---|
運営目的 | ・地域の活性化 ・金融の円滑化 ・地域住民の貯蓄の増強など | ・国民経済の発展 ・株主の利益 |
取引相手 取引資格 | ・組合員従業員300人以下 ・資本金9億円以下の事業者 | ・個人~大手企業まで幅広い ・取引資格には制限なし |
業務範囲 | ・融資は特定の条件を除いて組合員のみ ・預金額は無制限 | 制限なし |
根拠法 | 信用金庫法 | 銀行法 |
信用金庫に融資の相談をするときに特に意識したいのが、運営目的と取引相手・資格の部分です。
運営目的は銀行が営利を優先するのに対して、信用金庫は地域の発展や中小企業の資金繰り円滑化を重視します。運営を続けるためには利益も必要であるため、誰にでも簡単に融資をするわけではありません。
しかし、申込者の返済能力や年収などのデータだけを見て判断するのではなく、温度のある対応が期待できます。地域に根付いている中小企業やこれから新規事業を始める人にとって、信用金庫は銀行よりも融資の敷居が低いと考えてもよいでしょう。
ただし、信用金庫から融資を受けるには、組合員になる必要があります。
なお、「中小企業や個人事業主も、地銀やメガバンクと融資の取引をすべきなの?」と疑問に感じる方も多いと思います。
そんな方は、下記の記事を読めば、中小企業もお付き合いすべき理由yメリット・デメリット、審査基準、他の金融機関との違いも理解できます。ぜひ一度、ご一読ください。
信用金庫の組合員とは
信用金庫では700万円以上の大口融資を受ける場合は「会員資格」を取り、組合員にならなくてはいけません。この組合員になるためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 信用金庫の営業地域内に「事業所」「住居」「勤務地」がある
- 信用金庫に出資金を支払う
- (事業者の場合)従業員が300名以下、資本金が9億円以下
なお「出資金」は、信用金庫によって出資金の最低取扱口数が異なります。事前に融資を受けたいと考えている信用金庫のWebサイトを参照しておきましょう。
この3つを満たしていれば信用金庫の会員資格を得ることが可能です。大口の融資を受ける場合は必ず必要になります。また、すぐに融資が必要でなくとも、信用金庫とのパイプを持っておくために組合員になるのもよいでしょう。
信用組合とは【わかりやすく解説】
信用組合とは、特定の地域内で居住・就労している人々による協同組織としての役割を果たす金融機関のことです。
一般社団法人全国信用組合中央協会によれば、信用組合は中小企業や小規模事業者などの地域・業域・職域生活者が相互扶助の関係にあり、それを理念としています。そのような人々の夢を叶えるために一人ひとりが預金しあって、必要となったタイミングで審査後に融資をします。
信用組合は、利益追求第一主義ではなく、組合員の利益を第一優先に地域の発展に貢献することを目的にした金融機関です。
「信用金庫」と「信用組合」の違いをわかりやすく解説
信用金庫と信用組合は、どちらも「特定地域の中小企業・個人事業主を相互扶助することを目的とした金融機関」である点では同じです。
しかし、主に規模や業務範囲に違いがあります。
信用組合の特徴
信用金庫と比較して、小規模な金融機関です。理由は、信用金庫より更に地域性が強くて(エリアが狭い)、小規模企業をターゲットにしているためです。また、預金は原則として組合員のみを対象としているなど、預金の制限がない信用金庫と比べると業務範囲も異なっています。
その他にも根拠法や対象となる会員(組合員)資格が異なります。
信用金庫の融資や審査で、よくある質問(Q&A)
信用金庫の融資や審査に関連するよくある質問を以下にまとめました。信用金庫の融資を検討している人や審査基準・必要条件などを知りたい人はぜひ参考にしてください。
信用金庫と銀行の違いを理解して、個人事業主や中小企業は積極的に融資を受けましょう!
信用金庫は営利を目的にしておらず、地域経済の活性化や中小企業の円滑な資金繰りをサポートする立場です。そのため、銀行よりも温度のある対応が期待でき、健全な運営をして将来性のある事業主であれば融資を受けやすい一面があります。
銀行では断られた融資の相談も通る可能性があるでしょう。こちらで解説した必要書類やコツを活用して、有利に審査を進めてください。
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