日本政策金融公庫から融資を検討している経営者なら、こんな不安や悩みをお持ちではないでしょうか?
日本政策金融公庫の融資って、難しいのかな…。審査の厳しさや、ポイントを知りたいな。
日本政策金融公庫の「融資制度」や「対象者」、「融資限度額」、「金利」などの基本情報を収集したい。
日本政策金融公庫の「融資の流れ」、「必要書類」、「サポート体制」など、全体像を把握したいな…。
経営者にとって資金調達はとても重要であり、頭を悩ませる課題でもあります。資金調達の方法は数多くありますが、中小企業がまず活用すべきは、「日本政策金融公庫」でしょう。
実は、日本政策金融公庫は「すべての中小・零細企業」が取引しておくべき金融機関であることは、あまり知られてはおりません。なぜなら、日本政策金融公庫が「借りてください」と営業にくることはないため、経営者が認知をしておらず、取引をするタイミングが発生しづらいためです。
結論、まだ日本政策金融公庫と融資取引をしていない場合は、スグに融資取引を開始しておきましょう。
筆者は「中小企業の融資代行プロ」という成果報酬型の融資コンサルサービスを通して、これまで多くの中小企業の「日本政策金融公庫の融資」をご支援してきました。
著者プロフィール
- 資金調達コンサル会社「(株)融資代行プロ」創業者
- 財務・資金繰りコンサルティング「御社の社外CFO」創業者
- 経営コンサル会社「(株)Pro-D-use」創業者
- 中小企業の融資・補助金など資金調達支援の実績多数
これまでの支援実績
個人事業主 / 創業後スグの1人法人 / 売上300億の法人 等
資金調達額「100万円」〜「5億円」
あらゆる業界の資金調達 / 財務・資金繰りコンサル実績
本記事では、そんな筆者の経験をもとに、日本政策金融公庫から融資を受けたい経営者に向けに、下記の内容を解説しています。
本記事の解説内容
- 日本政策金融公庫の概要
- 日本政策金融公庫の融資「7つのメリット」
- 日本政策金融公庫の融資「3つのデメリット」
- 融資に必要な「7つの書類」
- 日本政策金融公庫の「融資審査の手続き・流れ」
- 日本政策金融公庫の「融資のコツ」
上記を知ることで、他の経営者に先駆けて日本政策金融公庫からの融資を獲得することができるようになりますよ。
「日本政策金融公庫」や「銀行」、「信用金庫」、「商工中金」からの資金調達は、知識・経験なく「何となく」で進めると必ず失敗します。資金調達の成功には、金融機関の幅広い知見と一定のノウハウが欠かせません。
中小企業の融資代行プロは「成果報酬型1%~」で資金調達をコンサル・代行するサービスです。これまで1,800件以上の資金調達の相談を受け、「200万円〜5億円」「多様な資金調達」で、多くの実績を挙げてきました。
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日本政策金融公庫とは「政策系の金融機関」であり、中小企業・個人事業主への融資に強い
日本政策金融公庫は、株式会社日本政策金融公庫法に基づいて2008年10月1日付で設立された財務省所管の特殊会社で、日本に5つある政策金融機関(政府系金融機関)の一つです。
◆ 日本の政府系金融機関の一覧
- 日本政策金融公庫(JFC)
- 沖縄振興開発金融公庫(沖縄公庫)
- 商工組合中央金庫(商工中金)
- 日本政策投資銀行(DBJ)
- 日本貿易保険(NEXI)
- 国際協力銀行(JBIC)
全国に152支店を展開しており、その地域の中小企業・個人事業主に寄り添った地域密着の金融サービスを提供していることが特徴です。支店に直接お申し込みをすることや、相談することもできるため、1番身近な金融機関と言えるでしょう。
また、中小企業の海外ビジネスを支援するため、海外の金融機関との提携も盛んにおこなわれています。
預金を預かる機能がないため、日本政策金融公庫からの融資は、民間の金融機関に預金をすることが必要です。最近ではGMOあおぞらネット銀行
また、「民間金融機関の取り組みを補完する」ことが方針のため、民間金融機関では融資NGな「2期連続赤字」「債務超過」などでも融資対応してくれることがあるのも特徴です。具体的には「3期連続赤字」「2~3年で解消予定の債務超過」であっても融資をしてもらえることがあります。
そのため、業績が好調なうちに融資を受けて、返済実績を積み上げて、業績悪化時に備えるような保険的金融機関としてお付き合いすることがいいでしょう。そのため、1度借りた融資は「すべて返済してしまわないよう」、半永続的にお取引をすることが重要です。
中小企業・個人事業主は、日本政策金融公庫の「国民生活事業」「中小企業事業」へ
日本政策金融公庫の、主な部署とその役割は下記の4つです。
主な部署と役割
- 国民生活事業(旧:国民生活金融公庫)
→個人企業や小規模企業が対象。平均融資額は約6~700万円で、短期の運転資金も取り扱い有。 - 中小企業事業(旧:中小企業金融公庫)
→中小・中堅企業が対象。平均融資額は約1~1.2億円で、短期の運転資金は取り扱い無。 - 農林水産事業(旧:農林漁業金融公庫)
→農林漁業や国産農林水産物を取り扱う加工流通分野が対象。主に長期事業資金を融資。 - 危機対応円滑化業務
→金融秩序の混乱、大規模な災害等による被害への対処
中小企業や個人事業主が関係するのは「国民生活事業」と「中小企業事業」となるため、下記からそれぞれの事業部について詳しく解説をしていきます。
主な部署1. 日本政策金融公庫「国民生活事業」
多くの中小企業、個人事業主がお世話になるのが「国民生活事業」です。
国民生活事業では、主にリテールと呼ばれる「創業融資」や「小額融資(~2,000万円)」に対応しています。皆さまが一般的に想像する日本政策金融公庫は、国民生活事業の方で間違いありません。
そのため、融資先の数はおおよそ「120万社」ほどで、1社あたりへの融資額は600~700万円になります。主に個人事業主、または中小・零細企業が対象となるでしょう。
国民生活事業の融資で1番有名な商品は、「新規開業資金」です。
新規開業資金の概要
- 創業前、もしくは創業後7年以内の方
- 「創業計画書」の作成・提出が必要
- 自己資金の要件はなし
→ただし実際は、1/3程度は必要です - 融資限度額7,200万円(運転資金は4,800万円まで)
→実際は、1,000万円未満が多い - 原則「無担保」「無保証」でOK
→法人の場合に限る - 審査ポイント:自己資金、代表の経歴
参考>> 日本政策金融公庫「新規開業資金」
また国民生活事業では、「堅実さ」「計画」「公庫への返済実績」を重視してくれるため、まだ実績がない創業前後の経営者や、決算書が赤字の会社であっても返済実績を積み上げている場合は、融資をしてくれることがあります。
特に、創業時期の資金調達先としてはとても優れた金融機関です。
実際に、スタートアップ向け融資に1番積極的なのは日本政策金融公庫であるというレポートも散見されます。また、昨今は新株予約権付き融資にも積極的になってきました。
参考> スタートアップ向け融資に積極な金融機関やVCは?
参考> 政策金融の実施(成長分野等への支援)(P17)
主な部署2. 日本政策金融公庫「中小企業事業」
日本政策金融公庫の「中小企業事業」は、中小・中堅企業の資金調達を支援するための事業です。融資制度の提供のほか、財務診断や経営シミュレーションなどのサービスも提供しています。
融資先の数はおおよそ「4~5万社」ほどと、国民生活事業の1/25ほどしか融資取引をしていません。その代わり、1社あたりへの融資金額は1億~1.2億円と大きな融資をすることが大きな特徴です。そのため、大口の融資先が取引対象となり、少なくとも年商10億円以上の” 中小〜中堅以上の会社 “が「中小企業事業のお客様」となるのです。
融資の資金についても、「設備資金」「運転資金」はもちろんのこと、「M&A資金」「事業承継資金」などにも対応しており、非常に幅広い融資ニーズをカバーしています。
「中小企業事業」という名前であるため、年商規模が小さい会社が相談にいってしまうこともありますが、その場合は国民生活事業につないでもらえることがほとんどです。
日本政策金融公庫の中小企業事業の担当者は、商工中金と並び、企業査定能力や審査能力が非常に高いことで有名です。
※商工中金の融資については、下記記事が参考になるので必ず目を通してください。
具体的には、下記のような特徴があります。
◆ 中小企業事業の融資担当者の特徴
- 融資審査のスピードが早く、的確
→2億円くらいまでなら、すぐ審査が終わります - 中小企業診断士などの資格保有者も多い
- 民間金融機関よりも優秀な人が多い
そのため、中小企業事業から融資が受けられている場合には、他の民間金融機関が安心して貸し出しができるようになります。(むしろ「融資させてください!」となります)
日本政策金融公庫から、融資・資金調達する「7つのメリット」
日本政策金融公庫の融資には7つのメリットがあります。結論としては他の資金調達の方法よりも、日本政策金融公庫の融資のほうが申し込みやすいといえるでしょう。
◆ 日本政策金融公庫の融資7つのメリット
- 低金利で融資が受けられる
- 比較的、審査が甘い(優しい)
- 他金融機関からの融資が受けやすくなる
- 事業のアドバイスがもらえる
- 無担保・無保証の融資が多い
- 融資実行までスピーディー
- 返済期間が長い
それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
メリット1. 低金利で融資が受けられる
融資を受けるなら、もっとも気になるポイントは「金利」でしょう。金利が高ければ返済が難しくなりますので、なるべく低金利の融資を見つけることも重要です。
その点で日本政策金融公庫は、融資の種類や担保の有無によって年率0.30%〜2.85%と比較的低い金利が設定されています。
一般的に融資の審査が厳しく、金利が低いといわれている銀行でさえ利率は2%前後であることが多いので、融資審査が優しい日本政策金融公庫の金利が銀行と同時水準(もしくは安い)ことは大きなメリットです。
参考> 国民生活事業(主要利率一覧表)
メリット2. 比較的、審査が甘い(優しい)
創業前後の企業や個人事業主、もしくは中小企業において、資金調達の大きな障害となるのが「融資審査」です。
通常、地銀・信用金庫などの民間金融機関に融資を申し込んでも、小さい会社や個人事業主は「返済能力がない」と判断され、審査に落ちてしまいがちです。
まだ実績がない(少ない)創業前後の企業の場合は尚更、民間の金融融機関は融資の焦げ付きを恐れて審査が厳しくなります。また、創業後10年以上経った中業企業であっても、手元の資金が少ない、売上規模が小さければ同様に審査が厳しくなり得ます。
しかし日本政策金融公庫の場合、そもそも「創業」や「中小企業」を支援するために作られている政府系の政策金融機関であるため、民間銀行と比較して審査が甘い(緩い)と言われています。
しかも審査基準がわかりやすいため、審査に通りやすいことがメリットです。
◆ 日本政策金融公庫の審査基準(一部)
- 自己資金と希望金額のバランス
- 現在の借入額
- 事業計画書の内容
実際に、他の金融機関から融資を断られたあと、日本政策金融公庫で融資を受けることができたという企業は少なくありません。
メリット3. 他金融機関からの融資が受けやすくなる
日本政策金融公庫の融資を受ける別の大きなメリットは、他の民間金融機関からの融資が受けやすくなるという点です。
銀行や信用金庫などの金融機関は、融資を申し込んだ企業や経営者に返済能力があるかを判断しにくいと感じるケースがあります。とくに過去に融資を受けた履歴がなかったり、創業前だったりする場合にはそういえるでしょう。
しかし日本政策金融公庫の融資を受けていることが分かると、銀行や信用金庫など他の金融機関も融資を前向きに検討するようになります。また、日本政策金融公庫から融資を受けたお金を預けている銀行であれば、なおさら、融資をしてもらいやすくなります。
融資を申し込んだ企業が信頼でき、将来性があると日本政策金融公庫が判断したと考えるからです。日本政策金融公庫で融資を受けたあと、さらなる追加融資を銀行や信用金庫から受けられたというケースも多くあります。
メリット4. 事業のアドバイスがもらえる
日本政策金融公庫の経営理念の1つは、コンサルティング能力の充実によるサービスの向上・情報の活用です。
そのため日本政策金融公庫での融資の過程で、経営課題や財務診断といった情報提供や提携団体からの支援やアドバイスをもらえます。
これから創業する企業・経営者、もしくは中小企業に対して「創業に必要な知識を提供するセミナー」「経営指導セミナー」も定期的に開催しています。参加することで、今後の事業展開に役立つ情報も得られるでしょう。
さらに日本政策金融公庫が提携している中小企業診断士や税理士といった専門家にアドバイスを求めることも可能です。これらはほぼ無料なので、これから起業したい方は試してみる価値があります。
メリット5. 無担保・無保証の融資が多い
創業のための資金調達をしたい経営者の場合、金融機関で融資を申し込むと担保を求められることがあります。
無担保で申し込める融資であっても、保証人が必要になるケースがほとんどです。しかし場合によっては土地や貴金属といった担保もなく、保証人になってくれる人もいないかもしれません。
日本政策金融公庫の新創業融資制度であれば、原則無担保・無保証で融資を受けられます。中小企業経営力強化資金を利用する場合でも、2,000万円まで無担保・無保証で資金調達が可能です。
融資の申し込みやすさという点で、日本政策金融公庫には大きなメリットがあるのです。
メリット6. 融資実行までスピーディー
融資の実行まで時間がかかりすぎると、事業が軌道に乗る前に資金繰りに行き詰ってしまう恐れがあるので、融資までの期間は短い方が資金調達では有利です。また、融資実行までの期間が短ければ、経営者が融資のために割く時間も短くてすみます。
その点、日本政策金融公庫からの融資は信用保証協会を経由しないため、他の民間金融機関の融資よりも1ヶ月ほど早く融資を受けられる可能性が高いのです。
即日融資可能なビジネスローンやカードローンと比べると審査期間が長いように感じますが、低金利と融資スピードを両立しているという点で、日本政策金融公庫は資金調達の心強い味方です。
メリット7. 返済期間が長い
日本政策金融公庫での融資は、返済期間が長く設定できるというメリットもあります。返済期間を長く設定できれば、毎月の返済額を無理のない範囲に抑えることが可能です。
日本政策金融公庫では運転資金の最長返済期間が7年、設備資金では最長20年となっています。
ただし設備資金の場合、10年程度での完済が求められることが多いようです。それでも7年もしくは10年という返済期間であれば、多額の融資を受けても計画的に返済していけるでしょう。
公庫とその他融資サービスの比較
金利 | 審査 | 融資金額 | 着金までの期間 | 担保・保証人 | アドバイス | |
日本政策金融公庫 | 1~2% | 優しい | ~数千万 | ~1ヶ月 | 必要なし | 適度に有 |
地銀・信用金庫 | 1~3% | 厳格 | ~数千万(億) | ~2,3ヶ月 | 必要 | 原則なし |
ビジネスローン | 1~10% | 甘い | ~数百万(千) | 当日~1週間 | 必要なし | 望めない |
カードローン (キャッシング) | 1~10% | 甘い | ~数十万(百) | 当日~1週間 | 必要なし | 望めない |
なお、「地方銀行の融資」「信用金庫の融資」「ビジネスローン」「キャッシング」について詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になるので、ぜひご参照ください。
資金調達で日本政策金融公庫の融資を受ける3つのデメリット
メリットの一方で、日本政策金融公庫の融資にも3つのデメリットがあります。
◆ 日本政策金融公庫の融資「3つのデメリット」
- 自己資金が必要
- 提出書類が多い
- 他金融機関の借り換えでは活用できない
それぞれのデメリットについて、詳しく解説していきます。
デメリット1. 自己資金が必要
日本政策金融公庫の融資の場合、ある程度の自己資金が必要です。
ここからは創業融資に絞って記述をしますが、公庫から創業融資以外の融資を希望する場合も同様の考え方で問題はありません。
2014年に制度が改正され、創業融資においては融資希望額の1割の自己資金があれば日本政策金融公庫で融資を申し込めるようになりました。
しかし実際は、1割の自己資金では審査に通るのは難しく、自己資金を3割程度持っていないと融資が受けられないのが実状です。
つまり、100%融資に頼って創業することはできないのです。自己資金が少ない場合には、身内から資金調達したり、綿密な事業計画を作成したりして日本政策金融公庫を納得させる必要があるでしょう。
デメリット2. 提出書類が多い
日本政策金融公庫の融資では、提出書類が多いのもデメリットの1つです。
必須となる事業計画書はもちろん、資金繰り計画書や自己資金額が分かる書類、賃貸借契約書、履歴事項全部証明書の原本などの提出が求められます。
資金調達をするために、経営者がこうした提出書類を揃えるのには多くの時間を割く必要があります。本業をしっかり管理しながら資金調達のための準備を進めるのはそれなりに大変です。
デメリット3. 他金融機関の借り換えでは活用できない
現在複数の金融機関から借り入れをしている経営者であれば、低金利の日本政策金融公庫で借り換えられないかと考えるかもしれません。
しかし、日本政策金融公庫の融資で民間金融機関の融資の借り換えをすることは禁止されています。その理由は、かつて民間の金融機関から日本政策金融公庫への借り換えが多発したことによって、民間金融機関が困窮したことがあるためです。
もちろん借り換えではなく、通常の創業融資や中小企業への融資を申し込む場合には問題なく申請できます。
日本政策金融公庫の融資で必要な7つの書類
日本政策金融公庫で融資を受けるためにはたくさんの書類を提出しなければなりません。ここでは、日本政策金融公庫で融資を受ける際、一般的に、最低限必要になる書類について解説します。
◆ 日本政策金融公庫の融資で必要な7つの書類
- 借入申込書
- 創業計画書
→創業融資の場合 - 月別収支計画書(資金繰り表)
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
- 見積書
→設備資金の場合 - 本人確認書類
- 預金通帳など自己資金額が分かるもの
それぞれについて、詳しく解説していきます。
書類1. 借入申込書
融資の申請を行うために必要な書類です。融資の申請者、申請額、借入希望日、返済期間、使途などを記載して提出します。
日本政策金融公庫のホームページに書式や記入例が掲載されています。
書類2. (創業融資の場合)創業計画書
創業計画書は、どのような商品やサービスを取り扱うのか、事業展開の見通し、創業の動機などを記入する書類です。融資の担当者にとって非常に重要な書類であり、融資の可否を大きく左右するものです。
書類3. 月別収支計画書(資金繰り表)
融資を受ける際に、予想される創業後の売上高や経費を示す書類です。
日本政策金融公庫としても、融資を申し込んだ企業がどのくらいの利益を見込んでいるのか、綿密に創業計画を立てているのか、返済の見込みがあるかを判断する判断材料となります。
書類4. 履歴事項全部証明書
融資の申請者が法人の場合、履歴事項全部証明書によって代表者の氏名や会社の所在地などを確認するために用いられます。法務局もしくはオンラインで取得できます。
書類5. 見積書
もし創業融資の中に設備投資が含まれているのであれば、設備の見積書を提出することで融資を受けやすくすることができます。資金使途が明確になり、申請額の明確な根拠となり得るからです。
資金使途には、下記のように大きく2つの種類があります。
- 設備資金
→設備購入の資金(土地/建物/機械/車/備品など)
→金額が大きいことが多い為、見積書提示が必須になる - 運転資金
→設備資金以外のお金(支払い代金/経費など)
上記の中でも、多くの会社が活用するのは「運転資金」です。運転資金は、さらに下記7種類があります。
- 経常運転資金
→運転資金の代表格。売掛金・受取手形回収までのつなぎ資金。 - 増加運転資金
→売上が増えたことによる、経常運転資金の増加分の資金のこと。
→シンプルに、売上が増えると一時的に資金繰り悪化の対策資金ということ。 - 季節資金
→小売業などで多く見られる、季節変動の売上の波に対応する資金。 - 決算資金
→決算後に発生する大きな税金支払い(消費税除く)のための資金。
→税金発生は黒字経営が前提のため、銀行が貸しやすい資金。 - 賞与資金
→賞与時期の短期的な賞与支給のための資金。
→短期的な資金貸与のため、返済期間は短期になる。
→賞与を出せるくらい会社が好調と判断されるため、銀行が貸しやすい資金。 - (赤字補填資金)
→基本的に銀行は「赤字を補填するために融資をする」という論理は皆無です。
→メインバンクが、顧客からの精緻な経営改善計画書の提出があって資金を出すことはあります。 - 余裕資金
→「経常運転資金+α」の資金のこと。いざという時のために資金を増やすために使われる。
→赤字や、現金が少ない会社は余裕資金は認められない。(黒字/現金がたくさんある時に使うべき)
書類6. 本人確認書類
創業融資のためには、申請者の本人確認のための書類も必要です。自動車運転免許証、パスポートなどがあれば問題ありません。
書類7. 預金通帳など自己資金額が分かるもの
日本政策金融公庫では、自己資金をある程度持っていることが融資の条件となります。したがって今どのくらいの自己資金があるかを示さなければなりません。預金通帳や有価証券があれば提出します。
日本政策金融公庫の融資手続きの流れ「6つのステップ」
必要書類の準備
選択した融資制度に応じて、必要な書類を準備します。必要書類には、「事業計画書」や「決算書・確定申告書」が含まれることが多いので、事前に準備をしておきましょう。
審査
申し込み内容と提書類をもとに、公庫で融資審査を行います。
融資の内定
審査に通れば、融資の内定連絡が届きます。その後、あなたのご希望の振込口座を指定すれば、融資金が振り込まれます。
この時点でまだ銀行口座がない場合は、日本政策金融公庫の受け取り口座として指定できるGMOあおぞらネット銀行
融資の実行・必要書類が届く
通知があった日付に、日本政策金融公庫から融資が着金されます。その後、保管が必要な重要書類が順次送付されてきますので、しっかり保管をしておきましょう。
※例えば、下記「返済予定表」や、公庫の取引などで使える「公庫ダイレクトの取引パスワード」など、重要な書類が届きます。
返済予定表【実物】
※書類に記載がある「株式会社融資代行プロ」は、筆者が経営する法人名です。
取引パスワード【実物】
※書類に記載がある「株式会社融資代行プロ」は、筆者が経営する法人名です。
日本政策金融公庫の融資を受けるためのコツ
日本政策金融公庫で融資を受けるためにはいくつかのステップがあります。少しでも早く融資を受けるために、覚えておくべきコツについてご紹介しましょう。
相談・申し込み
融資の相談は事業資金相談ダイヤルに電話することで行えます。もし店舗に行って相談したい場合には、予約が必要な場合があることを覚えておきましょう。
できるだけ具体的に相談することで、資金調達の真剣さが伝わります。実際に融資を申し込むと決めたなら、必要書類を不備なく揃えることが重要です。
不備があると何度も郵送しなおさなければならず、時間がかかります。もし必要であれば、資金調達のプロの助けを借りて書類を作ってもらう方法も検討できるでしょう。
面談
融資の申請があると、面談が設定されます。融資の担当者が、事業計画の内容や資金使途などについて尋ねる場です。もし店舗や工場をすでに借りている場合には、実際にそこを訪れて具体的な計画について尋ねられるでしょう。
このとき、事業計画についてしっかり復習しておき、矛盾なく質問に答えられるよう準備しておくことが重要です。はきはきと質問に答え、相手を納得させられる回答を準備しておきましょう。
服装、身だしなみ、言葉遣いも相手に好印象を与えられるものにすべきです。
公庫の融資面談時によく聞かれる質問内容
日本政策金融公庫の面談では、下記のようなことをよく質問されます。しっかり準備してから臨みましょう。
- 創業の動機
- 前職の略歴、やってきたこと(経験)、資格
- 事業・サービス内容
- 事業を軌道に乗る根拠
- 想定される収支計画と、その根拠
- 他社との差別化ポイント
- 取引先との取引状況
- 他金融機関からの借入状況
- 申し込み融資希望金額の根拠
- 事業リスク
- 現時点での経営課題
- 資金繰り計画(請求・支払サイトについて)
- 現金・資金の集め方
創業融資:どうやって集めた資金か?
通常融資:現金をどう貯めたのか?
融資実行
書類の審査と面談に合格すれば、融資が実行されます。書類に不備がなければ、申請から1ヶ月程度で融資を受けられるでしょう。あとは、返済計画にしたがって遅れることなく返済を行わなければなりません。
より安全に日本政策金融公庫から融資・資金調達をしたいなら「融資のプロ」を頼ろう!
このように、日本政策金融公庫で融資を受けるためには、多くの必要書類や手続き、面談などをクリアしなければなりません。そのため、経営者として資金調達まで手が回らないと感じる方も多くいます。
より確実に、素早く資金調達したいのであれば、資金調達のプロに手続きを任せるのがおすすめです。
資金調達のプロであれば、必要書類の作成代行や面接の準備・練習、創業計画・事業計画へのアドバイスなど、資金調達に必要な支援をきめ細かく行ってくれます。
私たち「中小企業の融資代行プロ」では、優秀な資金調達のプロがあなたの会社の融資を全面的にバックアップすることができます。そんなプロに資金調達の代行を依頼すれば、初めて資金調達する経営者の方でも安心して融資の申請が行えるでしょう。
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<外部参考サイト>
GMOあおぞらネット銀行:https://gmo-aozora.com/business/