「アセットファイナンス」は、「会社が持つ資産を活用した資金調達の手法」のことを指します。「“自社(=会社)の信用力”をもとにして資金調達する手法」である「コーポレートファイナンス」と対(つい)をなす、資金調達手法です。
また、アセットファイナンスで有効な資産は以下のような資産です。
▼会社が持つ資産の例
- 土地・建物・工場など「不動産」
- 商品などの「棚卸資産」
- 機械装置・器具備品など「設備・機械」
- 顧客から支払い予定の「売掛債権」
- 営業者やトラックなど「車両運搬具」
- 株券・小切手などの「有価証券」
- 営業権・特許権などの「権利」
アセットファイナンスを有効に活用することで、会社の信用力が低くても十分な資金調達をできるため、中小企業や中堅企業を中心に、昔から注目されている資金調達手法になります。
筆者は「中小企業の融資代行プロ」という成果報酬型の融資コンサルサービスで、これまで多くの会社の「アセットファイナンス」のご支援をしてきました。

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本記事では、そんな筆者の知識と経験と元に「アセットファイナンス」について以下の内容を詳しく説明します。
- アセットファイナンスの意味・定義
- アセットファイナンスのメリット・デメリット
- アセットファイナンス「6つの手法」
- アセットファイナンス以外の資金調達手法
活用しやすい資金調達の手法についても解説するので、資金調達をご検討の企業はぜひ参考にしてください。

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アセットファイナンスとは、会社が持つ「資産を活用した資金調達の手法のこと」
アセットファイナンスは、「会社が持つ資産を活用した資金調達の手法」のことです。
資産と聞くと、多くは「不動産」を思い浮かべるかもしれませんが、不動産以外にも以下のような資産があります。
▼不動産以外の会社が持つ資産の例
- 商品などの「棚卸資産」
- 機械装置・器具備品など「設備資産」
- 顧客から支払い予定の「売掛債権」
- 営業者やトラックなど「車両運搬具」
- 株券・小切手などの「有価証券」
- 営業権・特許権などの「権利」
筆者のこれまでのクライアントのご支援の経験上、不動産以外の資産をお持ちの中小・中堅企業は意外と多い実感があるため、アセットファイナンスは比較的取り組みやすい資金調達手法であると筆者は感じています。
こういった資産を「流動化=取引しやすいように売却したりや担保・有価証券化」することにより、金融機関が組成したSPC(特別目的会社)などから資金を得るのです。
設立したばかりの会社やほかに担保提供している会社では、銀行からの借り入れで担保を求められても提供できず、借り入れができないケースがあります。そこで、会社が所有している資産自体の価値や信用力を活用すると、スムーズな資金調達ができるのです。


アセットファイナンスの種類
アセットファイナンスの手法は、以下の2つに分類できます。
▼2種類のアセットファイナンス
種類 | 目的 |
---|---|
1. 流動化ファイナンス | 賃貸用不動産を売却などして資金効率を向上させる |
2. 開発型ファイナンス | 遊休不動産を収益物件として開発して財務体質を健全化する |
「資産の売却」による流動化ファイナンスで資金調達を繰り返せばば、当然、会社の資産減少につながります。そのため、アセットファイナンスをうまく活用するのであれば、開発型ファイナンスも組み合わせつつ、会社の財務体質を改善することも視野に入れることが肝心です。
コーポレート・ファイナンスとの違いは「信用力をどこに求めるか?」の違い
「アセットファイナンス」と、「コーポレート・ファイナンス」の違いについても理解しておきましょう。
コーポレート・ファイナンスは「会社の財務活動全般」を指す言葉で、企業価値を高めるために「“自社(=会社)の信用力”をもとにして資金調達する手法」を意味します。そのため、信用力が重要なコーポレート・ファイナンスは、スタートアップや小規模事業主が資金調達の手法として活用するのは難易度が高くなります。
そのため、信用度が高まるまでは他の財務手法で資金調達することを検討しましょう。
一方でアセットファイナンスは、「会社が持つ“資産の信用力”をもとにして資金調達をする手法」を指すため、信用力をどこに持たせるのか?に大きな違いが亜qます。
アセットファイナンスの「5つのメリット」
アセットファイナンスの資金調達には、以下5つのメリットが存在しています。
▼アセットファイナンス「5つのメリット」
- リスクが分散される
- 財務状況の健全化が目指せる
- 低コストで資金調達できる
- 返済する必要がない
- 資産の売却後も使用可能
ここでは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット1. リスクが分散される
会社資産のなかでも、「有価証券」や「債権」の現金化は、比較的容易です。しかし、不動産は自然災害などで価値が下がってしまう恐れがありますし、景気によってはなかなか売れずに現金化できないリスクもあるでしょう。
そこで、あらかじめ資産を流動化しておくことで、不動産資産にかかるリスクを分散することが可能になるのです。
メリット2. 財務状況の健全化が目指せる
資産を流動化(現金化)することは、会社の財務状況の健全化にもつながります。
資産を流動化して会計処理から切り離せば、オフバランス化(BSの資産から外れる)されて自己資本比率が高まります。また、流動化した資本については含み損益を出すこともできるため、維持費のコストを低減させる効果も期待できるでしょう。
先述したように、アセットファイナンスには、遊休不動産を収益物件として開発して財務体質を健全化する「開発型ファイナンス」という手法もあります。こういった手法を組み合わせることで、健全な会社経営が目指せるのです。
メリット3. 審査無しで資金調達できる
会社の信用力が低くく、まだ「規模が小さい会社」や「スタートアップ」が資金調達をすることは難しいでしょう。そのような会社がコストを抑えて資金を得るためには、すでに所有している資産を活用するアセットファイナンスが有効です。
会社の信用力を資産する審査は不要で、資産がある会社であればどんな会社でも活用できる点が、アセットファイナンスの大きな特徴です。低コストかつ高い自由度で、審査を通さずに希望通りの資金が得られやすい点がメリットです。
メリット4. 返済する必要がない
不動産や無形資産を流動化するアセットファイナンスは、融資を受けるわけではないため、将来的にお金を返す必要性がありません。
毎月の返済や利息の支払いは、まだ利益の少ない会社にとって大きな負担になります。資金調達後に返済の必要性がないアセットファイナンスであれば、資金繰りの計画が立てやすくなるでしょう。
メリット5. 資産の売却後も使用可能
アセットファイナンスは、会社所有の資産を使った資金調達の手法なので、資産売却を検討する必要があります。資産を売却すれば、当然資産の使用はできなくなってしまいますが、アセットファイナンスでは売却した資産をリース物件として継続使用が可能です。これを「リースバック」と言います。
たとえば、会社の寮を売り出したとします。一般的な不動産取引であれば売却後は寮の使用はできませんが、アセットファイナンスではリース代を支払うことで使い続けることが可能となります。さらに、一度売却した資産を買い戻すことも可能です。
会社の都合に合わせて柔軟な資金調達ができる点が、ほかの資金調達法にはない利点です。
なお、「リースバック」について詳しく知りたい方は、以下の記事が参考になるはずです。ぜひご覧ください。


アセットファイナンスの「3つのデメリット」
メリットが豊富なアセットファイナンスですが、デメリットも存在していることも忘れてはいけません。後悔のない資金調達のためにも、メリット・デメリットの双方を理解しておくことが重要です。
アセットファイナンスのデメリットには、以下の3点が挙げられます。
- 高い手数料がかかる
- 流動化させられる資産を保有している必要性がある
- 会社イメージの低下に繋がる可能性がある
デメリット1. 高い手数料がかかる
あなたの知り合いに、資産を買い取ってくれる会社や投資家がいれば良いのですが、実際は、都合よくスグに買い手が見つかることはありません。そのため、スムーズに資産を現金化するために、金融機関が組成したSPC(特別目的会社)に資産を売却するという選択をする会社が多いです。
しかし、SPC(特別目的会社)の組成には手間がかかるため、この手法では高い手数料を支払う必要があります。
たとえば5,000万円の資産をSPCに売却したとき、5,000万円支払われることはありません。手数料(だいたい1~5%を程度)引かれた金額を受け取ることになります。想像以上に高い手数料を取られてしまい、思ったより手元にお金が残らないということもあります。
また、自社が保有している売掛債権を買い取ってもらうファクタリングを活用するときも、10~20%とという高い手数料が取られてしまいます。手数料と得られる資金をしっかりと比較し、本当にアセットファイナンスを活用すべきかどうかよく考えてから資金調達をしましょう。
デメリット2. 流動化させられる資産を保有している必要性がある
アセットファイナンスを希望するときは、そもそも流動化させられる資産を保有していなければ資金調達はできません。また、たとえ資産を持っていたとしても、事業を営むうえで必要となる資産は流動化に向いていません。
事業に影響がなく、かつ売却できるほどの価値がある資産が必要となります。
ただし、以下の記事でご紹介している「不動産担保ローン」を活用するときは、必ずしも自分名義の不動産である必要はありません。所有者の承諾が得られれば、家族名義の不動産を担保にして資金調達をすることも可能です。

デメリット3. 会社イメージの低下に繋がる可能性がある
アセットファイナンスは資金調達の手段として便利ですが、なかには悪いイメージを抱いてしまう人がいることに注意しましょう。「アセットファイナンスをしないと資金を調達できない会社=資金繰りに困っている」というイメージを持たれてしまうことも珍しくはありません。
取引先や顧客に知られると、イメージや信用度が低下してしまう恐れがあるでしょう。そのリスクも考慮のうえ、活用することが重要です。
アセットファイナンス「6つの手法」
アセットファイナンスによる資金調達の手法は、主に以下6つです。
▼アセットファイナンス「6つの手法」
- 在庫の売却
- 固定資産の売却
- 無形資産の売却
- ファクタリング
- 売掛債権の回収
- セール&リースバック
ここでは、具体的な手法について解説します。
手法1. 在庫の売却
「過剰在庫」や「商品価値が低下した在庫」は、アセットファイナンスで資金調達する対象とすることが可能です。在庫は将来的に利益を生む機能を持つため資産として計上できますが、売れない在庫は「在評価損」として損失計上されます。
減益要因となってしまうため、売却して資産にしたほうがいいケースが多いです。


手法2. 資産の売却
もっともオーソドックスな手法が、資産の売却です。「寮」や「研修施設」といった不動産だけではなく、「有価証券」や「ゴルフ会員券」なども売却することが可能です。ただし、会社の運用に必要となる資産を手放すと事業に影響が出るため、それ以外の資産を売るようにしてください。

手法3. 無形資産の売却
「営業権」や「特許権」、「商標権」などの無形資産を売却することでも、資金調達は可能です。
いざというときの資金調達には向いていますが、自社の競争力を低下させてしまう大きな要因となってしまうリスクがあります。売却の際は慎重に検討してください。

手法4. ファクタリング
ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に売却して資金を得る手法です。高い売却手数料(10~20%)がかかりますが、売掛金を即現金化できるため、取引先の倒産リスクにも備えられます。
ただし、信用力がない取引先の売掛金を売却するときは、手数料が高くなりやすい点に注意しましょう。

手法5. 売掛債権の回収
売掛債権の回収とは、「未回収の売掛金を回収することで資金調達を行う手法」です。多くの会社と取引をしているときは、未回収の債権があるかもしれません。再度確認してみましょう。
債権はいつまでの有効なわけではなく、一定期間経過すると消滅してしまうため、消滅する前に回収する必要があります。自社で回収することが難しいときは、弁護士や債権回収会社に依頼をしたほうがスムーズでしょう。

手法6. セール&リースバック
セール&リースバックは、不動産や車などを一度リース会社へ売って資金を調達し、リース代を払うことで使用し続ける手法です。毎月のリース代はかかってしまいますが、売却代としてまとまった資金が入るため、お金が必要な会社には最適です。


アセットファイナンス以外の2つの資金調達の手法
最後に、アセットファイナンス以外にも活用できる以下2つの資金調達の手法について見ていきましょう。
▼アセットファイナンス以外の「2つの資金調達の手法」
- デットファイナンス
- エクイティファイナンス
それでは、それぞれについて詳しく解説していきます。
アセットファイナンス以外の資金調達の手法1.「デットファイナンス」
デットファイナンスとは、「借入金融」とも呼ばれる金融機関などから融資を受ける資金調達手法です。
銀行や信用金庫、日本政策金融公庫や商工中金などからの「借入れ」や「社債発行」などの負債によって資金を調達します。かかるコストが少なく、資金調達の選択肢が多い点がデットファイナンス最大の魅力です。
事業に適した手法を選びやすく、支払う利息は基本的に一定なので、事業に与える負担が少なくキャッシュフローが安定しやすいでしょう。
また、会社の資産を流動化しなくてはならないアセットファイナンスと比べると、会社経営に与える影響がほとんどない点も嬉しいポイントです。必要な資産や営業権などを売却する必要はないので、リスクを抑えて資金調達ができます。
なお「デットファイナンスで資金調達する方法」については以下の記事が参考になるので、ぜひご覧ください。


アセットファイナンス以外の資金調達の種類2.「エクイティファイナンス」
エクイティファイナンスとは、株式発行で資本金を増やし資金調達する手法です。株主からの出資はもちろん、ベンチャー投資もエクイティファイナンスに含まれます。
エクイティファイナンスの特長は、融資や社債と違って返済の義務がない点です。業績に応じて配当金を支払う必要はありますが、利益がなければ支払う必要はないため、会社にとって大きな負担になることはないでしょう。
また、エクイティファイナンスで得られた資金は「自己資本」として計上され、「自己資本比率」の増加につながります。財務状況の健全化がアピールできるようになり、会社の信用獲得やプロパー融資の審査対策に役立ってくれるでしょう。
なお「エクイティファイナンスで資金調達する方法」については以下の記事が参考になるので、ぜひご覧ください。

アセットファイナンスで、計画的な資金調達をして会社の財務状態を改善しよう!
アセットファイナンスは、不動産や無形資産などを流動化する「資産の信用力」を活用した資金調達の手法です。信用力が小さいないスタートアップや中小・中堅企業でも資金調達しやすく、リスクの分散や財務状況の健全化を目指せるというメリットがあります。
ただし、無計画に資産を流動化して資金を調達してしまうと、営業に必要な資産を失ってしまったり会社イメージの低下につながってしまったりする恐れがある点に注意が必要です。活用を検討している会社は、計画的な資金調達を心がけましょう。
なお、アセットファイナンス以外にも、中小・中堅企業向けの資金調達方法はまだまだたくさん存在します。
「自社に合った資金調達方法を模索したい…」
そうお考えの経営者の方は、1度「中小企業の融資代行プロ」にご相談(無料)ください。資金調達のプロ人材があなたに代わって、資金調達方法の選定から、資金調達そのものの代行をしてくれますよ。
日本政策金融公庫、商工中金、地銀、信用金庫・信用組合の融資は、知識・経験なく「何となく」で進めると必ず失敗します。融資には「金融機関の理解」と「ノウハウと実務経験」が必要です。
中小企業の融資代行プロは「成果報酬型1%~」で融資コンサル/代行するサービスです。これまで4,200社以上の融資相談を受け「200万円〜9.5億円の融資成功」の実績を挙げてきました。
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