【プロ解説】地方銀行の融資審査のコツやメリット/デメリット

地方銀行の融資審査のコツやメリットデメリットを【プロが解説】

地方銀行融資審査を受けようとしている経営者方は、こんな疑問や不安をお持ちではありませんか?

中小企業が地方銀行とお付き合いをするメリットやデメリットって、どんなことがあるんだろう…?(他の銀行の方がいいのでは?)

口座もつくりやすく金利も安いから、やっぱり大きな銀行(メガバンク)と付き合っておいた方がいいんじゃない?安心だし。

資金繰りや融資のことを考えると、実は中小企業・個人事業主のほとんどが地方銀行とお付き合いしておくべきなのですが、その事実はあまり知られていません。

なぜなら、一般的に銀行とのお付き合いは「融資金利や手数料」や「口座の作りやすさ」といった表面的な部分で決められてしまい、メガバンクやネット銀行を選んでしまう経営者が多いようです。そのため、いざという時に頼りになるはずの地方銀行から、業績悪化時などに支援を受けることができずに、非常に苦しむ会社は本当に多いのです。

筆者は「中小企業の融資代行プロ」という成果報酬型の融資コンサルティングサービスで、これまで多くの中小・中堅企業の融資をご支援をしてきました。

記事の筆者
「岡島光太郎」の写真

著者プロフィール

  • 資金調達コンサル会社「(株)融資代行プロ」創業者
  • 財務・資金繰りコンサルティング「御社の社外CFO」創業者
  • 経営コンサル会社「(株)Pro-D-use」創業者
  • 中小企業の融資・補助金など資金調達支援の実績多数

これまでの支援実績
個人事業主 / 創業後スグの1人法人 / 売上300億の法人
資金調達額「100万円」〜「5億円」
あらゆる業界の資金調達 / 財務・資金繰りコンサル実績

本記事では、そんな筆者の経験をもとに、「中小・中堅企業が地方銀行と取引するメリット・デメリット」、「地方銀行の融資の特徴」について解説しています。また、よく比較される「メガバンクや信用金庫との比較」についても丁寧に解説していきます。

記事を読めば実現できること

  • 自社に不釣り合いな「間違った銀行を選ばなくなる
  • 融資(資金調達)がスムーズになり、資金に困らなくなる

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目次

地方銀行は、わかりやすく言うと「地域金融の民間支援会社」

地方銀行とは「地銀(ちぎん)」とも呼ばれ、各地方や都道府県内を営業基盤にした銀行のことを指します。法律上は都市銀行(メガバンク)と同じ普通銀行ですが、「全国地方銀行協会」の会員で、本店を各都道府県に置いて、活動も各地方を中心に展開している点が特徴的です。

取り扱っているのは小口取引が多く、対象は地元の中小企業や個人がメインとなっています。地域に密着した営業方法で、中小企業のきめ細やかな金融ニーズに応えてくれる点が大手メガバンク(都市銀行)とは異なるポイントです。

地元企業の支援により、地域振興やまちづくりなどを支え、地域金融をリードする役割を果たしています。

「第一地銀」と「第二地銀」の違い。実は、地方銀行内でもかなり違う

第一地方銀行と第二地方銀行の主な違いは、その規模と業務範囲にあります。

第一地方銀行(地銀)

第一地方銀行(地銀)は、都道府県を基盤とする大規模な銀行で、全国的なネットワークを持つことが特徴です。

一般的には、法人向け融資、個人向け融資、外国為替取引など、幅広い金融サービスを提供しています。また、大手企業との取引も多く、地域経済だけでなく、全国的な経済活動を支えています。

第二地方銀行(第二地銀)

第二地方銀行は、より地元に根ざした銀行で、主に一部の都道府県または特定の地域を対象としています。地元の中小企業や個人向けの融資に重点を置いており、地域経済の発展を支える役割を果たしています。

同じ「地方銀行」でも、規模・ターゲットを把握して融資を申し込もう

そもそも、同じ地方銀行内でも、その規模やターゲット、銀行としての実力が大きく異なります。

例えば、第一地方銀行でTOPの横浜銀行の預金量は「17兆8,000億円」であり、第一地方銀行で最下位の富山銀行の「5,000億円」と比較すると、なんと約37倍もの差があるのです。

各銀行の預金量を調べる> 中小・地域金融機関情報一覧|金融庁

そのため、同じ地方銀行といっても、預金量預貸率(融資している割合/融資に積極的かどうかの基準値)が各地方銀行で大きく方針が異なるので、お付き合いをする銀行の選び方は戦略的に、慎重におこなうことがとても重要なのです。

同じ第一地銀でも、融資態度が違う事例

ケーススタディ
同じ第一地方銀行への「融資1,000万円の申込み」でも、相手(銀行)の規模によってあなたの融資申込みの重要度が大きく違う

<横浜銀行>
「1,000万円か…大した金額じゃないから、後回し(放置)!

<富山銀行>
「1,000万円、しっかり向き合って融資審査しよう!

もちろん、分かりやすくするために少しオーバーに表現はしていますが、実際の現場でも割と露骨に対応が変わることも多いものです。

(例外もありますが)一般的に、預金量が10兆円を超える地方銀行は中小企業には冷たい傾向があります。それは、大企業含む中堅以上とのお付き合いを重要視しているためです。

筆者も本業である「中小企業の融資代行プロ」で資金調達を支援する中で、下記のような預金量5兆円を超える地方銀行融資の支援をしましたが、総じて「上から目線」「対応が遅い」「横柄な態度」が目立ちました。

預金量5兆円以上の地方銀行(例)

  • 横浜銀行
  • 埼玉りそな銀行
  • 千葉銀行
  • 福岡銀行
  • 静岡銀行
  • 常陽銀行
  • 北洋銀行
    →北洋さんは例外で、親切な対応が多かったです

もしも上記の銀行から融資を受けるのであれば、年商20億前後になってから検討することが良いでしょう。また、繰り返しになりますが、お付き合いをする銀行の選び方は戦略的に、慎重におこないましょう

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銀行融資はどこがいい?中小企業は地方銀行がおすすめ!

都市銀行、地方銀行、信用金庫などさまざまな銀行があるなかでどこから融資するのがいいのでしょうか?融資の申込みをする企業の規模や特徴によって、融資を受けやすい銀行が異なります。

難易度金融機関借りやすさ・特徴
(1.0 / 5.0)
ノンバンク 融資審査のハードルが低いが、金利が高い
銀行などで融資が受けられなかった事業者でも借入れできる可能性がある
(2.0 / 5.0)
日本政策金融公庫 政府系金融機関
融資制度が充実しているため、業種や事業規模や業種に最適な融資を受けられる
提出書類は多いものの、審査はやや易しい
(3.0 / 5.0)
信用金庫
信用組合
営利目的ではなく、地域の振興や繁栄を目的にしている
会員になれば融資を受けやすい
中小企業・個人事業主などに対しての融資は積極的
(4.0 / 5.0)
地方銀行 地域密着型の金融機関
地元の企業や個人事業主への融資は積極的
信用金庫・信用組合よりは金利が安く限度額も大きいが、審査は厳しめ
(5.0 / 5.0)
大手都市銀行
(メガバンク)
融資の資金量が豊富
金利は低い
大手企業が中心で中小企業・個人事業主には審査が厳しい

このように、地方銀行は中小企業にとってお付き合いすべき重要な取引相手です。

都市銀行(メガバンク)は金利が低いものの、大企業が中心となるため、中小企業や個人事業主には融資を受けられない傾向にあります。それに対して、地方銀行は地元地域に密着した金融サービスを展開していることから、中小企業や個人事業主でも融資を受けられます。

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地方銀行から融資を受ける際の「3つのコツ」

筆者の本業は、「中小企業の融資代行プロ」という成果報酬型の資金調達コンサルティングです。そんな筆者が現場で感じる、地方銀行の融資を受けるときの3つのコツを紹介します。地方銀行の融資を受ける際のコツは以下のとおりです。

地方銀行の融資3つのコツ

  1. 口座をまとめておく
  2. 金利で銀行を選ばない
  3. 決算書をキレイにしておく

ポイント1. 口座をまとめておく

地方銀行で融資を受けたいのであれば、必ず口座を一つにまとめておいてください。

融資を受けたい銀行の口座に入出金をまとめておけば、審査のときにキャッシュフローがすぐに確認できますし、メインバンクとして取引を積み上げてきた実績が有利に働く可能性が高いです。

ただし、融資を受ける直前に取引を開始しても意味がありません。融資を依頼する数年前から口座を利用することが肝心です。

ポイント2. 金利で銀行を選ばない

融資を受けるときは「できるだけ返済額を減らそう」と金利ばかり見てしまいますが、金利だけで銀行を選ばないことも、地方銀行で融資を受ける際の注意点です。

融資を受けるときに大切なのは、企業が困ったときに手を差し伸べてくれる金融機関と付き合うことです。どれほど金利が安くても、折り返し融資を依頼したとき相談に乗ってくれなければ、企業を成長させるパートナーとしては不十分でしょう。

地方銀行のメリットは、地元企業の立場に立ってきめ細やかなサポートをしてくれる点です。金利が低いことは融資の絶対条件ですが、それだけではなく、企業にとって最善の選択を一緒に考えてくれる銀行を選びましょう。

ポイント3. 決算書をキレイにしておく

地方銀行の融資審査では、決算書の内容が非常に大切です。

税理士任せで、決算書の内容を話せない経営者の方も多いですが、それだと銀行から不信感を持たれて融資を断られることも多いです。また、銀行から見ると不審な決算書の内容も本当に多いものです。

  • 決算内容を詳細に話せる
  • 決算書に不審点を作らない

上記は必ず意識して、決算書をキレイにしてから地方銀行に提出しましょう。

なお、銀行が融資審査で決算書の何を見ているのか?をもっと詳細に知りたい方は、下記の記事が参考になるはずです。ぜひご参考ください。

銀行融資で銀行はどのようなことを重視しており、提出書類のひとつである決算書のどのような点をチェックしているのかは銀行融資の審査に通過するためにも知っておく必要があります。以下の記事では、銀行が融資審査で具体的に決算書のどのようなポイントを確認しているのか理解でき、銀行融資の審査通過に近づけます。


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地方銀行で融資・審査を受ける「6つのメリット」

地方銀行とメガバンク(都市銀行)、信用金庫の違いについて見てきましたが、地方銀行ならではのメリットを知っておくと、より自社にとって最適な金融機関を選べるようになります。地方銀行で融資を受ける6つのメリットについて紹介します。

地方銀行で融資を受ける主なメリットは以下のとおりです。

  1. 創業融資に積極的など柔軟に審査してくれる
  2. 保証協会付融資(マル保)を受けやすい
  3. 低金利で融資が受けられる
  4. 借入期間が長い
  5. 融資条件が良い|高額融資・プロパー融資・経営者保証外し・当座貸越など
  6. ビジネスマッチングサービスを行っている

それぞれ、詳しく解説していきます。

メリット1. 創業融資に積極的など柔軟に審査してくれる

メガバンク(都市銀行)と比べると審査が柔軟な点が、地方銀行最大のメリットです。

地域への貢献度や将来的な成長見込みを判断してもらえるため、現在の業績やこれまでの売上が順調でなかった企業でも融資を受けられる可能性があります。

審査のときは、地域への貢献度をアピールできると有利に働く可能性が高いです。もしも融資を検討しているのであれば、地域貢献事業などに力を入れてみるといいかもしれません。

また、地方銀行のなかには創業融資に積極的な銀行も多くあります。それも、大手銀行とは異なり、地元の企業や個人事業主に対しても融資を行う地方銀行の特徴によるものです。

創業融資に積極的な地方銀行の判断基準は、創業者向けイベントを開催しているかどうかがひとつのポイントになります。ただし、一概には言えないため、融資の申込みを検討している地方銀行に確認してみるといいでしょう。

メリット2. 保証協会付融資(マル保)を受けやすい

地方銀行では、保証協会付の融資を受けやすい傾向にあります。

保証協会付の融資とは、各地方に所在する信用保証協会が保証する融資のことです。万が一、債務者が返済できなくなったとき、保証会社が銀行の損失を補填するシステムになっています。

このシステムにより、信用力などが問題でプロパー融資が受けられない企業でも、無担保・無保証人で融資が受けられるのです。

信用保証協会は都道府県単位で活動しているということもあり、地方銀行とも連携をとっています。そのため、地方銀行では保証協会付の融資が通りやすいといわれているのです。

信用保証協会の融資審査に通るためには、チェックされる審査基準を知っておくことが重要です。下記の記事では、信用保証協会の融資審査の流れや審査基準を解説しています。最後まで読んで、審査に受かるためのポイントを押さえれば、審査もスムーズに進められるでしょう。

メリット3. 低金利で融資が受けられる

信用金庫と比べ、低金利で融資が受けられる点も地方銀行のメリットです。もっとも金利が低いのはメガバンク(都市銀行)で、大体1%台だといわれています。

反対に、金利が高いのは信用金庫で、2.0~3.0%の金利が相場です。地方銀行はその中間で、1.0~2.0%の金利で融資が受けられます。

金利相場(まとめ)

メガバンク:~1%
地方銀行:1~2%
信用金庫:2~3%
(参考)日本政策金融公庫:1~3%

うまく審査が通れば、メガバンク(都市銀行)と変わらない金利で融資を受けることも可能です。メガバンク(都市銀行)で借りられるほどの信用力や事業規模がないという場合も、地方銀行であれば低金利で融資が受けられる可能性が高いのです。

メリット4. 借入期間が長い

銀行や希望する金融商品にもよりますが、借入期間が長くて余裕を持った返済をしやすいのも地方銀行のメリットです。

最長で20年の返済期間を設定できる長期事業ローンなども存在しているので、地方銀行であっても幅広いニーズに合わせて借り入れができます。

メリット5. 融資条件が良い|高額融資・プロパー融資・経営者保証外し・当座貸越など

地方銀行の規模や、あなたの会社の財務状況にもよりますが、地方銀行の融資は融資条件が良いケースが多いものです。

  • 数千万円〜数億円クラスの融資も可能
  • 信用金庫よりも「プロパー融資」に積極的
  • 信用金庫よりも「経営者保証外し」に積極的
  • 当座貸越枠の設定も可能

また、信用金庫ほどではないものの、地方銀行も「地域社会への貢献を目指している」ため、地域経済の発展・利益となる企業には高額の融資をおこなうこともあります。

そのため、メガバンク(都市銀行)や信用金庫では相談できなかった融資も、地方銀行であれば相談に乗ってもらえる可能性が高いのです。

目安としては、年商が3~5億円融資必要額が5000万円を超えてきたら、信用金庫から卒業して地方銀行をメインバンクにするのが良いでしょう。
※色んな状況が考えられますので、あくまで目安として捉えてください。

メリット6. ビジネスマッチングサービスを行っている

地方銀行は地域営業を基盤としているため、地域企業におけるコネクションを豊富に持っています。なかにはそのコネクションを活かし、ビジネスマッチングサービスを提供している銀行も少なくはありません。

スタートアップの企業にとって、ビジネスマッチングサービスは新規顧客の獲得に役立ちます。地域につながりを作って事業を発展させる手助けをしてくれるのは、メガバンク(都市銀行)にはないメリットでしょう。

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地方銀行で融資・審査を受ける「3つのデメリット」

地方銀行で融資・審査を受けるメリットは多くありますが、デメリットも理解したうえで融資を受ける必要があります。

地方銀行で融資・審査を受ける主なデメリットは以下のとおりです。

◆ 地方銀行で融資・審査を受ける3つのデメリット

  1. 信頼性が低い
  2. 他地域への事業展開がしづらい
  3. 融資までに時間を要する

それぞれ、詳しく解説してきます。

デメリット1. 信頼性が低い

地方銀行で融資を受ける1つ目のデメリットは、その地域以外のビジネスで不利になることがある点です。

地方銀行は企業に対して融資をする際に、信用度を確認する目的で付き合いがある銀行に関して調べることがあります。この際、メガバンク(都市銀行)ではなく地方銀行をメインバンクとして利用していると、どうしても信頼性が低いと思われてしまう恐れがあります。

地方銀行の利用が信用度の低下につながることは都市部で主に当てはまりますが、地方では地方銀行の信頼性は高いため、決してそれが当てはまるとは限りません。

このように、事業の拡大にともなって他の地域へ事業展開する場合などは注意が必要です。

デメリット2. 他地域への事業展開がしづらい

融資の申込みをする企業が全国展開や海外展開を目指している場合、地方銀行でカバーできないエリアが出てくることもあります。

地方銀行は営利目的ではなく、あくまでも地域の事業発展や経済発展を目的としていることから、他の地域の事業までフォローできないケースがあります

新規事業を展開する場合は、地方銀行をメインバンクにしながら事業の拡大期を見計らって、メガバンク(大手都市銀行)ともお付き合いをして併用するなどの工夫が必要です。

デメリット3. 融資までに時間を要する

融資までに時間を要することもデメリットのひとつです。

信用金庫・信用組合と比較すると、平均的な融資額も多くなっています。そのため、申込みから融資までに多くの期間がかかってしまいます。

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地方銀行とメガバンク(都市銀行)、融資やその他サービスの「3つの違い」

金融企業が融資を受けるときは、地方銀行はもちろんのこと、メガバンク(都市銀行)にも相談が可能です。

しかし、地方銀行とメガバンク(都市銀行)の違いについてしっかりと理解できていないと、自社にとって最適な融資の相談はできません。そこで、ここでは地方銀行とメガバンク(都市銀行)の違いについて解説します。

事業のメインバンクを決めるときにも押さえておきたい知識なので、しっかりと理解しておきましょう。

中小企業や個人事業主でも、地方銀行やメガバンクと融資のお付き合いをしておいた方がいいのかと疑問に感じている人もいるのではないでしょうか。本章を読めば、中小企業でもお付き合いしておくメリット・デメリットや審査の基準、他の金融機関との違いを理解できます。

違い1. 対象とする地域の範囲

地方銀行とメガバンク(都市銀行)の最大の違いは、対象とする地域の範囲です。

現在、メガバンク(都市銀行)と呼ばれているのは「みずほ銀行」「三菱UFJ銀行」「三井住友銀行」の3つのメガバンクと、りそな銀行です。これらの銀行はすべて複数の銀行が合併してできた銀行で、全国各地に支店があり圧倒的な口座数を誇っています。大都市に営業基盤を置き、全国規模で展開している点がメガバンク(都市銀行)の特徴で、預金量も貸出量も圧倒的です。

全国に支店があり、全国を対象に営業していますが、大企業や上場企業との取引が多いため、中小企業や個人事業主は相談しにくい(まともに相手にしてもらえない)というデメリットがあります。

一方で地方銀行は、地方都市に本店を置く地域密着型銀行であるため、預金量や貸出量の規模は小さくなります。地域の企業や個人を対象とした取引が多く、メガバンク(都市銀行)ではカバーできないような顧客の金融支援を行っている点が特徴です。

違い2. サービスの充実度

サービスの充実度も、地方銀行とメガバンク(都市銀行)では異なります。

メガバンク(都市銀行)はその潤沢な資金力や規模を活かし、大口融資(それこそ数十億)や各種資金調達、富裕層などの資産運用を得意としています。上場に向けた企業コンサルティングサービスなど、豊富なサービスを提供しているため、とにかく選択肢が充実している点が特徴です。

また、ネットバンキングや静脈認証など、新しい技術や設備をいち早く取り入れているため、使い勝手がいいところもメリットとして挙げられます。

一方、地方銀行はメガバンク(都市銀行)ほどの資金力がないため、どうしてもサービスの選択肢や充実度合いは落ちてしまいます。とはいえ、融資の相談には丁寧に乗ってくれるため、よほど規模の大きい企業でなければ困ることは考えられません。

違い3. 小口ニーズへの対応

小口ニーズへの対応も、地方都市とメガバンク(都市銀行)では全く異なります。先述してきたように、メガバンク(都市銀行)は大企業や大口の顧客、富裕層などを中心に取引しています。

そのため、地域に密着した企業が相談しても希望する結果が得られない可能性が高いのです。他方で地方銀行は地元企業など、小口顧客にもきめ細やかに対応してくれます。

金融商品はメガバンク(都市銀行)ほど充実していませんが、小口のニーズにも親身になってくれるところは大きなメリットでしょう。

ただし、融資から資産運用までワンストップで行いたいというときは、地方銀行では対応しきれない可能性も考えられます。そのため、必要に応じて地方銀行とメガバンク(都市銀行)を使い分けることをおすすめします。

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地方銀行と信用金庫、融資やその他サービスの「3つの違い」

地方銀行と混同されやすいのが、地域に密着した営業をしている信用金庫です。地方銀行と信用金庫は非常に似ているものですが、実は異なるポイントが存在しています。

ここでは、地方銀行と信用金庫の違いについて見ていきましょう。

違い1. 準拠する法律

そもそも、銀行と信用金庫は準拠する法律が異なります。

地方銀行とメガバンク(都市銀行)は「銀行法」に基づいて設立されており、信用金庫は「中小企業等協同組合法」に基づいて設立されています。それぞれの法律で異なる点は、銀行が営利団体であり、信用金庫は非営利団体であると定めている点です。

銀行は利益を追求するために運営されており、会社や株主のために事業を行っています。そのため、利益が出た場合は株主や従業員に分配することが可能です。

一方で信用金庫は、地元地域の会社や住民が出資して会員となり、その利益は地域経済の発展に使われます。また、出資者には利息が還元される仕組みになっています。

このように準拠する法律が異なれば、各金融機関の運営方針も全く異なるのです。この点を理解しておくと、地方銀行と信用金庫のどちらを選ぶか考えるときに判断しやすくなるでしょう。

違い2. 地域密着度

地方銀行も信用金庫も地域に密着した金融機関ですが、地域の発展や繁栄を目的にしているぶん、信用金庫のほうがより地域に密着した営業をしている点が特徴です。

利益を追求する地方銀行では、起業したばかりの事業主や個人事業主、零細企業が融資を受けられないケースが多いです。

しかし、信用金庫では将来的な成長も考慮したうえで、より柔軟な審査が受けられます。より地域や住民、企業に密着して地元の活性化を目指すのが、信用金庫の大きな特徴です。

ただし融資の対象となるのは中小企業に限られるため、たとえ地元企業であっても、企業が大きく成長したときは信用金庫からの融資は受けられなくなってしまいます。

違い3. 経営形態

先述したように、銀行と信用金庫では準拠する法律が異なります。それにともない経営形態が異なる点も、地方銀行と信用金庫の大きな違いです。

銀行は株式会社という形態を取っていますが、信用金庫は「共同組織」という組織形態の一種をとっているケースが多いです。

紹介してきたように会員の出資金で成り立っており、地域に属さない会社は会員となることはできません。共同組織という形態をとるうえで問題となるのが、融資できる対象が「信用金庫が所属する地域の中小企業会員」に限られてしまうという点です。

700万円以内の小口融資はそれ以外の人も利用できますが、700万円以上の融資を希望する場合は会員となる必要があります。

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地方銀行の融資・審査等について、よくある質問(Q&A)

地方銀行と、他銀行の融資への積極性(姿勢)に違いはありますか?

融資への積極性については、各銀行によって特色が大きく異なるため一言では言い表せません。

しかし、地方銀行(信用金庫も)は一般的にメガバンクと比較しても、保守的な融資をおこなう傾向が強いと言われています。なぜなら、メガバンクと比較しても地方銀行の貸し出しをする資金が少ないため、挑戦的な融資をすることが構造上難しいからです。

地方銀行は、地域の一般の消費者(お客様)から預金を預かり、それを法人に貸し出すことで利益を得ています。そのため、消費者の預金を減らす行為を積極的におこなえないという事情があるのです。

最近地方銀行の統廃合のニュースが多いですが、デメリットはありますか?

地銀の統廃合のデメリットは、店舗の統廃合も一緒に進むことによる、近隣の店舗が減少と、それに付随する利便性の低下があります。また、銀行員の削減も進めば1社に対して時間を割けなくなりますので、より簡易的な審査で融資を実施しなければならず、財務優良企業や、関係性が深い顧客にしか融資をおこなえないリスクもあり得ます。

そのため、統廃合が進む前に地方銀行との関係性をスタートさせて、どんどんと関係性を深めていく努力をすることが必要です。

はじめて融資を受ける地方銀行から、よくある質問は?どう回答すればいいの?

はじめて融資を受ける地方銀行からよくされる質問は、下記のようなものです。質問の意図や、回答例と合わせてご参考ください。

よくある質問1

Q. どうしてウチの銀行に、借入申込をしたのでしょうか?
質問の意図|メインバンクがあるのに、どうしてだろう?と疑問に思っています

回答例1

  • 「顧問税理士or取引先から、御行をおすすめされました」
  • 「事務所から近いので、何かと便利かと思いまして」

よくある質問2

Q. ウチの銀行以外に、借入をしていますか?
Q. ❷なぜ、そこで借入をしないのですか?
質問の意図|よその銀行や信用金庫と取引があるのに、なぜわざわざウチ申込みをしてきたのだろう?その銀行や信用金庫が貸せない理由があるのではないか?など、考えている可能性があります。

回答例2

❶「ある」「ない」と事実を述べる。
❷「取引銀行を増やしておくべきと、顧問税理士にアドバイスをもらった」「会社の成長に合わせて、資金調達の幅を広げたいと考えているから

よくある質問3

Q. 他行(ほかの銀行・信用金庫)でも融資の申込みはしていますか?
質問意図|他の銀行・信用金庫の動きを気にしています。もし他の銀行・信用金庫が提案をしていないのであれば、どうしてだろう?と考えます。

回答例3

業績のいい「決算書」や「試算表」を共有した上で、自信を持って)※業績が悪い場合は、逆効果です。
申し込みは、他の銀行・信用金庫さんにも相談はしています。」

よくある質問4

Q. 他行(ほかの銀行・信用金庫)の融資条件は、どのような条件となっていますか?
質問意図
|ほかの銀行・信用金庫の融資状況の様子を伺うため。融資状況で、その会社の状態・ポテンシャルを見極めたい。

回答例4

借入状況一覧表などを見せながら、条件をすべて話すことがオススメ。
※隠せば隠すほど怪しく思われますし、業績が良ければ銀行や信用金庫同士で競ってくれるようになるので、素直にすべて話した方がベターです。

よくある質問5

Q. ウチで借入ができなかった場合には、どうされますか?
質問意図
|資金繰りが逼迫しているかどうか、リアクションから探るため。

回答例5

御行と取引を始めたいと思っているので、ぜひお願いしたいと思っております。」

銀行から融資してもらえない会社経営者の共通点はありますか?

結論、融資がうまくいかない経営者には下記6点の共通点が見られます。

  • 銀行担当者などに不遜な態度を取る
    →銀行員も人間です。言葉遣いが悪い、上から目線、服装がダラシないなどは悪印象です。
  • 会社のお金の使い方が下手、もしくは荒い
    →BSを見れば、どんなことにお金を使っているのか銀行員はわかります。
    →本業に関係ないもの(投資など)などにお金を使っていませんか…?
  • 会社の数値に弱い把握していない
    →来月の売上予測、当月の固定費金額など、会社数値を把握できていない厳しいです。
  • 自分の事業に対して知見がない
    →過去に経験のない分野で事業をしていませんか?
  • 評判が悪い(ネット・SNS上、周辺会社から等)
    →金融機関は悪い評判を警戒します。
  • 銀行との関係性を作れていない
    →お金を借りる時だけ、銀行員を呼びつけていませんか…?

これ以外にも要素はたくさんありますので、参考程度に活用ください。

自分の会社の場合は、どうなんだろう…?

など気になる経営者の方は、まずは弊社「中小企業の融資代行プロ」の無料の資金調達相談にお申し込みください。

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地方銀行は創業融資を受けやすい銀行ですか?

はい、地方銀行は比較的創業融資を受けやすい銀行です。地方銀行は営利目的の組織ではありますが、大手都市銀行(メガバンク)とは異なり、地元地域に密着した地域発展や事業発展を第一の目的に据えています。

また、地方銀行は小口取引をメインで行っているため、起業したばかりで提供できる担保がないような中小企業や個人事業主でも創業融資を受けやすい傾向にあります。

門前払いされることや相談にも親身になってくれないことは考えにくいでしょう。

中小企業が融資を受けるのはメガバンクと地方銀行のどちらがおすすめですか?

中小企業が融資を受けるのは地方銀行がおすすめです。

中小企業が、金利の低さやネームバリューだけで判断して、メガバンク(都市銀行)から融資を受けることはおすすめできません。

メガバンク(都市銀行)は大企業を中心に取引していることから、中小企業は丁寧な対応をしてもらえずに融資対象外になることが多い傾向にあります。

そのため、中小企業は融資を受けるためにお付き合いする銀行として地方銀行や信用金庫を中心にして、メガバンク(都市銀行)をあくまでもひとつの選択肢に留めるといいでしょう。

地方銀行はどのような企業に対して融資に積極的な銀行ですか?

地方銀行は、中小企業や個人事業主に対して積極的に融資をしています。

その理由は、地方銀行は営利目的の大手都市銀行とは異なり、地元地域密着型の金融機関として地域発展を目的にしているためです。

地方銀行以外にも信用金庫・信用組合も、地元地域の企業に融資を行っています。

「自分の会社の場合は、どうなんだろう…?」など気になる経営者の方は、まずは弊社「中小企業の融資代行プロ」の無料の資金調達相談にお申し込みください。

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地方銀行のメリット・デメリットを理解し、スムーズな融資を実現しよう

地方銀行とは、各地方や都道府県内を営業基盤にした銀行のことを指します。小口取引が多く、地域企業や個人との取引が得意なため、中小企業や個人事業主でも比較的融資を受けやすい点が特徴です。

銀行にはほかにも、メガバンク(都市銀行)や信用金庫などといった種類が存在しています。それぞれが得意とする取引や対象は異なるため、金融機関ごとの特徴を知って自社に最適な選択をしていきましょう。地方銀行で融資を受けるときは、地域への貢献度をアピールすることが大切です。

もし地方融資も含め、たくさんある資金調達方法から「自社に適切な資金調達方法を模索したい方」「銀行との付き合い方を支援して欲しい方」は、資金調達(融資)代行サービスの「中小企業の融資代行プロ」にご相談(無料)ください。

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