広告代理店の開業に「おすすめの融資」と事業計画書の書き方・審査のコツをプロ解説

広告代理店向け 「おすすめ融資」「事業計画書の書き方」

広告代理店の開業には、「事務所の契約費用」や「人件費」「広告枠の仕入れ費」など多額の資金が必要なため、融資の活用が欠かせません。

広告代理店の経営で融資を検討している方は、以下のようなお悩み・疑問をお持ちではないでしょうか?

広告代理店の開業で融資を受けたい。どの金融機関に相談すべきか知りたい

広告代理店を開業には何が必要?融資の全体の流れが知りたい

広告代理店融資審査に通りにくいイメージがある。審査のコツを知りたい

広告代理店の経営で融資を活用すれば、設備資金・運転資金をスムーズに確保でき、安定した経営体制を整えられます。融資は開業時だけでなく開業後にも活用できるので、「広告費の立替払いで資金繰りが厳しい」「事業拡大するほど資金が枯渇する」といった業界特有の課題にも対応できるでしょう。

広告代理店が活用できる融資制度・資金調達方法は、以下のとおりです。

広告代理店が活用できる4つの融資制度

  • 制度1. 日本政策金融公庫|新規開業・スタートアップ支援資金
  • 制度2. 地方自治体|制度融資
  • 制度3. 民間金融機関|信用保証協会付融資
  • 制度4. 民間金融機関|不動産担保融資

広告代理店が活用できる6つの資金調達方法

  • 方法1. 請求書カード払い
  • 方法2. 補助金・助成金
  • 方法3. ベンチャーキャピタル(VC)による出資
  • 方法4. エンジェル投資
  • 方法5. ビジネスローン
  • 方法6. ファクタリング

それぞれの特徴を把握し、資金使途や希望額に合った融資制度・資金調達方法を選びましょう。

筆者は「融資代行プロ」という成果報酬型の「融資コンサル」サービスで、これまで多くの広告代理店の融資をご支援してきました。

筆者プロフィール
岡島光太郎_(株)融資代行プロ 代表取締役

これまでの支援実績
創業前後の法人売上80億の法人
1人法人〜個人事業主
調達額「200万円」〜「9.5億円」
多業界の資金調達 / 財務コンサル実績

本記事では、融資のプロである筆者が「広告代理店の開業時に利用できる融資制度」や「融資審査を通過するコツ」等、以下の内容を丁寧に解説します。融資の現場で培ったリアルで濃い内容なので、ブックマークして、あとから何度も読み返すことをオススメします

▼この記事でわかること
  • 広告代理店が活用できる融資制度・資金調達方法
  • 広告代理店の開業手順や融資を受ける際の流れ
  • 広告代理店の事業者が融資審査を通過するコツ
  • 広告代理店の開業を成功させるポイント
  • 広告代理店のビジネスモデルや種類

「ピッタリの融資制度を見つけて迷わず準備したい」「広告代理店を円滑にスタートさせたい」とお考えの方は、ぜひ本記事を参考にしてください。


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目次

広告代理店の開業時・開業後にも活用できる融資制度4選

広告代理店の開業時・開業後にも活用できる融資制度は、以下の4つです。

◆広告代理店が活用できる4つの融資制度
  • 制度1. 日本政策金融公庫|新規開業・スタートアップ支援資金
  • 制度2. 地方自治体|制度融資
  • 制度3. 民間金融機関|信用保証協会付融資
  • 制度4. 民間金融機関|不動産担保融資

いずれも低金利で長期的に利用できる制度のため、資金繰りに余裕を持たせる効果があります。

それぞれの融資制度について、詳しく見ていきましょう。

制度1. 日本政策金融公庫|新規開業・スタートアップ支援資金

日本政策金融公庫は、国民生活の向上に寄与することを目的に、新規開業者や経営環境の変化に対応する事業者向けの融資制度を提供している政策金融機関です。民間金融機関よりも低金利かつ長期の融資を受けられるため、広告代理店の開業後も資金繰りを安定させながら、事業を軌道に乗せることができます。

中でも、広告代理店を開業予定の事業者におすすめの融資制度は「新規開業・スタートアップ支援資金」です。詳細情報を以下にまとめました。

▼日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」の詳細情報

利用対象者・女性
・若者
・シニア
・廃業歴等があり創業に再チャレンジする方 など
資金使途設備資金および運転資金
融資限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)
金利・有担保:1.9〜3.9%
・無担保:2.8〜4.3%
※2025年10月28日時点の金利
返済期間・設備資金:20年以内(うち据置期間5年以内)
・運転資金:10年以内(うち据置期間5年以内)
参考:新規開業・スタートアップ支援資金|日本政策金融公庫

「新規開業・スタートアップ支援資金」は、女性・若者・シニアの方や、廃業歴があり再挑戦を目指す方など、幅広い事業者の創業支援を目的としています。

一定の条件を満たす方であれば、通常よりも低い利率で最大7,200万円の資金を確保できるのが大きなメリットです。たとえば「女性・若者・シニアの方」がこの制度を利用する場合、基準利率(1.9〜4.3%)ではなく特別利率(1.5〜3.9%)で融資を受けられます。

設備資金は最長20年、運転資金は最長10年と長期の返済計画を立てられるため、開業初期の売上が安定しない時期も余裕を持って経営を続けられるでしょう。

他にも「新規開業・スタートアップ支援資金」には、さまざまな利率引き下げ要件が用意されています。広告代理店の開業に向けて、少しでも有利な条件で融資を受けたい方は、どの要件に当てはまるか公式サイトで確かめておきましょう。

なお、「新規開業・スタートアップ支援資金の活用事例や成功のコツ」を詳しく知りたい方は、以下記事も合わせてチェックしてみてください。

制度2. 地方自治体|制度融資

制度融資は、都道府県などの自治体が民間金融機関や信用保証協会と連携し、融資を受けるのが難しい中小企業や小規模事業者の資金調達を支援する制度です。公的機関である信用保証協会が保証人となり、金融機関の貸し倒れリスクを軽減させる仕組みのため、信用力の乏しい事業者でも審査に通る可能性が上がります。

また、制度融資は自治体が「利子補給」や「信用保証料の補助」を行うことで、事業者の返済負担を減らす役割を担っている点も大きなメリットです。

その一例として、東京都新宿区が実施している制度融資「創業資金」の詳細情報を下記にまとめました。

東京都新宿区制度融資「創業資金」の詳細情報

資金使途創業時の運転・設備資金
貸付限度額2,000万円
金利1.8%以下(自己負担0.2%以下、区負担1.6%以下)
信用保証料の補助1/2補助(上限26万円
返済期間7年以内
参考:中小企業向け制度融資|新宿区

信用保証協会の保証を付けて融資を受ける場合、通常であれば金融機関に対する「利息」に加えて、信用保証協会への「保証料」も事業者が負担しなければなりません。しかし、制度融資では自治体が利息や保証料の支払いを「一部」または「全額」負担してくれるため、多額の融資を受けても返済負担を最小限に抑えられます。

自治体によっては「専門家による資金調達のアドバイス」「経営セミナー」など、融資だけでなく事業の安定化に向けたサポートを受けられる点も嬉しいポイントです。

ただし、自治体の財政状況によっては十分なサポートを受けられない可能性がある点や、他の融資制度に比べて審査期間が長くなる点には注意しましょう。

なお、「制度融資の申込み方法」を詳しく知りたい方は、以下記事も合わせてチェックしてみてください。

制度3. 民間金融機関|信用保証協会付融資

民間金融機関の「信用保証協会付融資」は、事業者が銀行や信用金庫から融資を受ける際に、信用保証協会を保証人とすることで資金調達のハードルを下げる制度です。返済が困難になった場合は信用保証協会が代わりに弁済するため、金融機関は信用力や担保が不足しがちな創業期の事業者に対しても、安心して融資を実行できます。

「信用保証協会付融資」の詳細情報は、以下のとおりです。

信用保証協会付融資の詳細情報

借入可能額2億8,000万円
金利銀行に支払う利息(2.00%前後)+信用保証協会に支払う保証料(0.45〜1.90%
審査期間2週間〜1ヶ月程度
返済期間運転資金:7年以内
設備資金:10年以内

「信用保証協会付融資」の限度額は最大2億8,000万円と高く設定されているため、事務所の保証金や人件費など、広告代理店の開業に必要な資金を幅広くカバーできます。

信用保証協会の保証を付けることで、担保や保証人を用意する必要がなくなり、経営者自身や家族に過度なリスクを負わせず資金調達できる点もメリットです。ただし、「信用保証協会付融資」では利息に加えて保証料の支払いも必要となるため、毎月の返済負担が重くなってしまう点には注意しなければなりません。

また、信用保証協会が代わりに弁済しても借入金自体は残ることから、利用の際は慎重に返済計画を立て、無理のない範囲で資金を確保しましょう。

なお、「信用保証協会の審査基準や対処法」を詳しく知りたい方は、以下記事を必ずチェックしてください。

制度4. 民間金融機関|不動産担保融資

民間金融機関の「不動産担保融資」は、土地や建物などの不動産を担保に差し入れることで、まとまった資金を調達する融資制度です。不動産を担保にすることで金融機関の貸し倒れリスクを抑えられるため、低金利かつ長期での借入が可能となり、資金繰りに余裕を持って開業準備を進められます。

「不動産担保融資」の詳細情報は、以下のとおりです。

不動産担保融資の詳細情報

借入可能額不動産の評価額に掛け目(評価額の50〜80%程度)を乗じた金額
金利1.00〜5.00%程度
審査期間2週間〜2ヶ月程度
返済期間最長30〜35年程度

「不動産担保融資」の借入額は、不動産の評価額に応じて決定されるため、立地や規模によっては1億円以上の融資を実現できるケースもあります。

原則として資金使途に制限がなく、広告代理店の開業に向けた設備資金や運転資金はもちろん、借入金の借換えなど幅広い用途に利用できる点も大きなメリットです。

ただし、借入額は不動産評価額の50〜80%程度に限られるため、想定より少ない金額しか受け取れない可能性がある点に注意しましょう。借入金の返済が難しくなった場合は、不動産が差し押さえられるリスクがあることも考慮し、利用の際は資金繰りを徹底管理して計画的に返済することが大切です。

なお、融資のプロである筆者が厳選した「低金利の不動産担保ローン14社」を詳しく知りたい方は、以下記事も合わせてチェックしてみてください。

広告代理店の開業時・開業後にも活用できる資金調達方法6選

広告代理店の経営でより効率的に資金調達したい方は、以下6つの資金調達方法も活用しましょう。

◆広告代理店で活用できる6つの資金調達方法
  • 方法1. 請求書カード払い
  • 方法2. 補助金・助成金
  • 方法3. ベンチャーキャピタル(VC)による出資
  • 方法4. エンジェル投資
  • 方法5. ビジネスローン
  • 方法6. ファクタリング

中には返済不要の資金調達方法もあるため、融資制度と上手く組み合わせることで、コスト負担を大幅に軽減しながら十分な資金を確保できます。

方法1. 請求書カード払い

「請求書カード払い」は、取引先から受け取った請求書の支払いをクレジットカード決済で行う仕組みです。

資金を増やす方法とは異なりますが、銀行振込しか対応していない請求書をカード決済に切り替えることで、手元資金に余裕を残しながら支払いを先延ばしにできます。それにより、資金繰りの安定化を図りやすくなるのがメリットです。

「請求書カード払い」の詳細情報について、以下にまとめました。

▼「請求書カード払い」の詳細情報

手数料3.0〜4.0%
事前審査「なし」の会社が多い
振込スピード最短即日〜3営業日
先延ばし期間最大60日

広告代理店は、広告枠の先行購入や外注費など、売上入金よりも前にさまざまな支払いが発生します。特に開業直後は資金繰りが不安定になりやすいため、事前審査なしで最大60日間も支払いを先延ばしにできるのは、大きな安心材料となるでしょう。

サービスによっては最短即日での振込に対応しており、急な支払いに備えられるのも嬉しいポイントです。ただし、「請求書カード払い」はカードの利用限度額を超えると決済できなくなるため、資金繰りや財務状況を踏まえ、無理のない範囲で活用しましょう。

なお、筆者おすすめの「請求書カード払いサービス11社」を詳しく知りたい方は、以下記事も合わせてチェックしてみてください。

方法2. 補助金・助成金

「補助金・助成金」は、一定の要件をクリアした中小企業や小規模事業者が、国や自治体などの公共機関から受け取れる資金です。融資のように元本や利息を返済する必要がないため、資金繰りが不安定になりがちな創業期の事業者でもコスト負担を抑えて開業準備を進められるでしょう。

「補助金・助成金」は、利用目的や対象となる経費によってさまざまな制度が用意されています。

広告代理店の開業におすすめの「補助金・助成金」は、以下のとおりです。

▼広告代理店の開業におすすめの「補助金・助成金」

補助金・助成金限度額
経済産業省「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金2,500万円
中小企業基盤整備機構「IT導入補助金3,000万円
各都道府県「地方創生起業支援事業 起業支援金200万円
全国商工会連合会「小規模事業者持続化補助金(創業枠)200万円
東京都「創業助成事業400万円
厚生労働省「キャリアアップ助成金120万円(1人あたり)
厚生労働省「人材確保等支援助成金150万円
厚生労働省「働き方改革推進支援助成金150万円

「補助金・助成金」は、どちらも返済不要な資金であるものの、制度によって支給限度額や審査難易度が大きく異なる点には注意しなければなりません。

たとえば、補助金は支給限度額が数百万円〜数千万円と高く設定されている一方で、厳しい審査を通過しなければ受給できないのが特徴です。助成金は、利用条件を満たせば基本的に受給できますが、支給限度額は数十万円〜数百万円と比較的小さく、開業資金を十分に賄えない可能性があります。

また、「補助金・助成金」は原則後払い制となっており、お金を受け取るためには、まず対象経費を自分で立て替えなければならない点にも注意が必要です。さらに、申請から受給までには数ヶ月〜1年程度かかる場合もあるため、利用の際はスケジュールに余裕を持って準備を進めましょう。

なお、「補助金・助成金の申請方法や注意点」を詳しく知りたい方は、以下記事も合わせてチェックしてみてください。

方法3. ベンチャーキャピタル(VC)による出資

ベンチャーキャピタル(VC)は、成長が期待される企業や新規事業に出資を行って株式を取得し、将来的に株式売却などで利益を得ることを目的とする投資会社です。

ベンチャーキャピタルによる出資は返済義務がないため、コスト負担を最小限に抑えられるのはもちろん、事業に失敗したときのリスクも減らせます。限度額に上限がなく、事業の魅力や将来性が伝われば、融資が難しい事業者でも数千万円〜数億円規模の資金を調達できる可能性がある点も大きなメリットです。

ただし、ベンチャーキャピタルによる出資は短期間での急成長を求められる点や、株式を譲渡することで経営の自由度が下がる点に注意しなければなりません。また、他の方法に比べて難易度も高いため、資金調達を成功させるには、将来性や収益性を具体的に示した説得力のある事業計画を用意することが不可欠です。

なお、「ベンチャーキャピタルから資金調達する際の注意点」について詳しく知りたい方は、以下記事を必ずチェックしてください。

方法4. エンジェル投資

「エンジェル投資」は、主に個人の投資家(エンジェル投資家)が将来性のある起業家やスタートアップ企業に対して自己資金を投じる仕組みを指します。

融資とは異なり「出資」のため、返済不要の資金を調達できるのはもちろん、事業を成長させる中で経営に役立つノウハウや広い人脈を得られるのが大きな魅力です。投資額は数百万円〜2,000万円程度と、ベンチャーキャピタルに比べて小規模であるものの、個人の判断で出資を決めるため、スピード感のある資金援助を受けられます。

資金面と経営面で幅広いサポートを受けることで、安定した資金繰りや経営体制を構築できれば、事業を円滑にスタートできるでしょう。

エンジェル投資家から資金調達する際は、ベンチャーキャピタルと同様、経営に深く関与してきたり急成長を求められたりする可能性がある点に注意が必要です。

ただし、中には事業運営を経営者に任せるエンジェル投資家もいます。そのため、エンジェル投資家から資金援助を受ける場合は、起業家向けの交流会やセミナーに積極的に参加し、自社にピッタリの投資家を探すと良いでしょう。

なお、「投資に積極的なエンジェル投資家の探し方」を詳しく知りたい方は、以下記事も合わせてチェックしてみてください。

方法5. ビジネスローン

「ビジネスローン」は、法人や個人事業主が事業資金を確保するために、銀行・消費者金融・信販会社などから借入を行う資金調達方法です。担保や保証人を不要とするケースが多く、資金使途も設備投資や人件費、取引先への支払いなど、事業活動全般に幅広く対応しています。

公的機関や銀行などの融資制度に比べて審査基準が柔軟に設定されているため、経営実績が乏しい創業期の事業者でもまとまった資金を確保できるでしょう。

「ビジネスローン」の詳細情報は、以下のとおりです。

「ビジネスローン」の詳細情報

借入可能額50万円〜1,000万円
金利8.00〜18.00%程度
審査期間即日〜1週間
返済期間1年〜5年程度

「ビジネスローン」は審査期間が短く、最短即日〜1週間で資金調達できる点が大きなメリットです。予想以上に開業費用がかかり、追加資金の確保が必要になったときも、迅速な対応でスムーズに開業準備を進められます。

ただし、「ビジネスローン」の金利は8.00〜18.00%と高く、返済期間も1〜5年程度と短く設定されているなど、長期的な利用には不向きである点に注意が必要です。借入額も最大1,000万円と比較的低いため、開業資金の不足分を補填する一時的な手段として活用しましょう。

なお、筆者が徹底比較した「即日融資に対応したおすすめのビジネスローン」や「審査が通りやすいおすすめのビジネスローン」について詳しく知りたい方は、以下記事も合わせてチェックしてみてください。

方法6. ファクタリング

「ファクタリング」は、事業者が保有する売掛金(取引先からの未回収の代金)をファクタリング会社に売却し、支払期日前に現金化する資金調達方法です。売掛金の入金前に資金を確保できるため、取引から入金まで数ヶ月かかることが多い広告代理店でも、資金繰りに余裕を持って経営を続けられます。

ただし、「ファクタリング」は原則として売掛金がなければ利用できません。そのため、開業資金を確保する手段としてではなく、開業後の資金繰り対策として活用しましょう。

「ファクタリング」の詳細情報は、以下のとおりです。

ファクタリングの詳細情報

買取可能額「無制限」が多い
金利2社間:10.00〜30.00%程度
3社間:1.00〜10.00%程度
審査期間最短2時間〜1週間
返済期間売掛金の支払いサイトまで

「ファクタリング」もビジネスローンと同様、資金調達のスピードが早く、最短2時間〜1週間程度で売掛金を現金化できるのが大きな魅力です。

借入ではないため信用情報に与える影響は少なく、「ファクタリング」を利用しても金融機関の融資を受けにくくなるリスクは低いと考えられます。とはいえ、筆者の経験上「ファクタリング」を実施することで金融機関から融資を引き出しづらくなった事例もあるため、過度な利用には注意が必要です。

また、「手数料が高い」「買取可能額は売掛金の範囲内」などのデメリットもあることから、あくまでも運転資金を賄う手段として必要な金額だけ現金化しましょう。

なお、筆者がおすすめする「即日入金のファクタリング14社」を詳しく知りたい方は、以下記事も合わせてチェックしてみてください。

広告代理店の開業手順や融資を受ける際の流れ

広告代理店の「開業準備」「融資を受ける際の手続き」は、以下の流れで進めましょう。

ステップ

開業場所を決める

広告代理店の開業資金を抑えたいのであれば、自宅を利用するのがおすすめです。ただし、法人を設立すると事務所(自宅)の住所が公開されるため、必要に応じて専用オフィスを構えることも検討しましょう。

ステップ

事業計画書を作成する

広告代理店の開業に向けて融資を受ける際は、事業内容や売上予測などをまとめた「事業計画書」が必要です。金融機関からの信頼を得るためにも、事業の将来性や収益性が明確に伝わる計画書を作成しましょう。

ステップ

金融機関で融資相談を行う

融資を受ける際は、まず金融機関の窓口で事前相談を行います。担当者からより具体的な話を聞きたい場合は、事業計画書や会社案内などを持参することが大切です。

ステップ

必要書類を準備する

融資を申し込んだら、金融機関の指示に従って以下の必要書類を用意します。

▼広告代理店の融資審査に必要な書類
  • 事業計画書
  • 資金繰り表
  • 資金使途明細
  • 自己資金の証明書類
  • 開業届
  • 登記簿謄本
  • 印鑑証明書
  • 公共料金の支払状況がわかる書類
  • 確定申告書または源泉徴収票(直近2年度分) など

必要書類や添付資料は金融機関によって異なるため、審査で不利にならないためにも事前に確認しておきましょう。

ステップ

金融機関の審査を受ける

融資審査の主な内容は「面談」「現地調査」「書類審査」です。事業計画書の内容とズレがあると信頼を失う可能性があるため、一貫性のある回答や説明を心がけましょう。

ステップ

融資契約の手続きを行う

審査に通過したら、金融機関と融資契約の手続きを行います。返済中のトラブルを避けるためにも、「適用金利」「返済期間」「担保・保証人の有無」などの契約内容は十分に確認しておくことが大切です。

ステップ

開業届を提出する

開業資金を調達できたら税務署に開業届を提出し、正式に事業を開始します。広告代理店を法人として開業する場合は、定款の作成や登記申請などの必要な手続きも忘れず行いましょう。

上記の流れを参考に準備を進めれば、開業資金をスムーズに調達し、安定した経営基盤を整えた上で事業を始められます。

広告代理店の事業者が開業に向けて融資審査を通過する4つのコツ

広告代理店の事業者が開業に向けて融資審査を通過するコツは、以下の4つです。

◆広告代理店の事業者が開業に向けて融資審査を通過する4つのコツ
  • コツ1. 資金使途を具体的に提示する
  • コツ2. 事業計画書には根拠のある数字を盛り込む
  • コツ3. 事業計画書に書くべき項目を記載する
  • コツ4. 融資のプロに相談して準備をサポートしてもらう

多少の手間がかかっても、入念な準備を進めることで、資金調達の成功率を高められます。

なお以下の記事では「融資審査の通過率を上げるコツ」について、さらに詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。

コツ1. 資金使途を具体的に提示する

広告代理店の事業者が開業に向けて融資審査を通過するためには、資金の使い道(資金使途)を具体的に提示しましょう。

融資審査において、資金使途は「その使い道で売上を伸ばせるのか」「返済に充てる資金(返済原資)を確保できるのか」を見極める重要な判断材料となります。そのため、融資を受ける際は資金使途を具体的に示し、事業成長や返済原資の確保につなげられると証明することが大切です。

資金使途は「運転資金に充てる」とだけ伝えるのではなく、項目ごとに金額を整理して以下のように記載しましょう。

▼広告代理店における資金使途の記載例
  • 事務所契約費用:150万円(敷金・礼金・保証金)
  • 備品購入費:80万円(パソコン・モニター・デザインソフト)
  • 人件費:180万円(社員2名の給与×3ヶ月分)
  • 広告枠の先行購入:200万円

広告代理店は売上の発生から入金までに時間を要するケースが多いため、3〜6ヶ月分の運転資金を確保しておく必要があることを示すのも重要なポイントです。

上記に加えて、見込み顧客との契約予定や見積書といった金額の裏付けとなる根拠を提示することで、さらに説得力が増し、金融機関からの信頼性を高められます。

また、一定期間における収支の流れを可視化した「資金繰り表」を添付すれば、どのように返済原資を捻出するのか示せるため、審査を有利に進められるでしょう。

コツ2. 事業計画書には根拠のある数字を盛り込む

広告代理店の開業に向けて融資を受ける際は、事業計画書に根拠のある数字を盛り込むことも重要です。

金融機関は「貸したお金が確実に返ってくるかどうか」を重視しており、事業者の返済能力を見極めるために売上予測や利益計画を慎重にチェックしています。「売上が伸びる見込みです」と記載するだけでは、単なる希望的観測と捉えられてしまい、リスクの高い事業者として融資を見送られるでしょう。

筆者がこれまで多くの広告代理店業の顧客の融資を支援してきた経験上、事業計画書を作成では、以下に示す「根拠のある数字」を積極的に活用し、返済能力の高さをアピールすることが大切です。

▼広告代理店の事業計画書に盛り込むべき「根拠のある数字」
  • 売上計画の根拠
    →「見込み顧客リスト」や「具体的な営業戦略」等
  • 契約予定件数と単価
  • 競合他社の価格帯
  • 見積書に基づく必要経費
  • 業界平均や市場調査データ など

「売上」「利益」「経費」の数字を市場調査データや契約書などの根拠で裏付ければ、事業計画が現実的に達成可能だと判断されやすくなり、融資の成功率が高まります。楽観的な数字を並べるだけでなく、顧客の減少や入金遅延などのリスクも考慮して事業計画書を作成すると、さらに説得力が増して高い評価を得られるでしょう。

なお、「事業計画書で銀行が重視するポイント」を詳しく知りたい方は、以下記事も合わせてチェックしてみてください。

コツ3. 事業計画書に書くべき項目を記載する

広告代理店が融資審査を有利に進めるには、金融機関の担当者に自社のビジネスモデルを正しく理解してもらうための情報を事業計画書に記載しましょう。

筆者のこれまでの経験上、金融機関は広告代理店の収益構造やリスクを十分に理解していないケースも散見されるため、事業計画書を丁寧に作成しても、誤解されて融資を断られる可能性があります。

そのため、事業計画書には以下の項目を必ず記載し、事業の将来性や収益性を正しく評価してもらうことが重要です。広告代理店は、業務が特定の個人に依存する「属人性」が高い点も踏まえ、直面しやすい課題や解決策を盛り込むことも意識しましょう。

▼事業計画書に書くべき項目

代表者の経歴と実績

過去の成功事例や業界経験(特定部門での社内実績No.1など)を具体的に記載し、計画の実現可能性を担保しましょう。

広告代理店業の特徴

広告代理店は大規模な設備投資を必要としない「労働集約型かつ属人的サービス業」であることを記載します。

広告代理店の弱点

広告代理店は参入障壁が低く、価格競争に陥りやすい弱点があります。そのため、事業計画書には「事業の安定性と属人性のリスク」の解消に向けた具体策を盛り込むことが大切です。

広告代理店の営業利益率(額)

営業利益率(額)は、本業の収益力(経営能率の高さ)を示す重要な指標です。原材料費や売上原価の割合が低い広告代理店においては、営業利益の創出力が事業安定性に直結するため、金融機関は優先的に確認します。

属人性リスクを低減する具体策

広告代理店は「人に売上がついてくる」傾向が極めて強く、従業員の出入りが業績に直結しやすい業種です。そのため、金融機関は「人材の内訳(正社員・パートの別、勤続年数)」を確認し、エース社員の有無や、退職・入社による売上変動リスクを評価しています。

この点を踏まえ、事業計画書には属人性リスクを低減する具体策を記載し、高い定着率で売上を維持できる体制が整っていることをアピールしましょう。

広告代理店のビジネスモデルを詳しく説明し、「どのように利益を生み出しているか」を明確に伝えると、肯定的な評価を受けやすくなります。

「属人化のリスクを理解した上で組織的な対策を講じている」という姿勢もアピールすれば、安定した経営が見込める企業として、さらに信頼性を高められるでしょう。

コツ4. 融資のプロに相談して準備をサポートしてもらう

広告代理店の開業資金を確実に調達するためには、融資のプロに相談して審査に向けた準備をサポートしてもらうのもおすすめです。

金融機関に融資を申し込む際は、事業計画書の作成や資金繰りの整理、必要書類の準備など多岐にわたる作業が求められます。特に初めて融資に臨む事業者にとって、これらの準備を全て完璧にこなすのは簡単ではありません。

そこで融資のプロにサポートを依頼すれば、自分では気づきにくい「書類の不備」や「手続き上のミス」を補えるため、審査を有利に進めやすくなります。

融資のプロに相談する具体的なメリットは、以下のとおりです。

▼融資のプロに相談するメリット
  • 専門知識を活かした事業計画書を作成できる
  • 書類作成にかかる手間を削減できる
  • 最適な資金調達方法を提案してもらえる
  • 金融機関との交渉を有利に進められる

融資のプロは金融機関が重視するポイントを熟知しているため、審査で特に重要な「事業計画書」をブラッシュアップできるのは大きな安心材料となるでしょう。

「自社にあった融資で資金調達したい」方は、成果報酬型の融資コンサルサービスの「融資代行プロ」にお気軽にご相談(無料)ください。融資代行プロ」は、「銀行」「公庫」「商工中金」といった金融機関に10〜30年も在籍した、豊富な知識・経験を持つプロのコンサルタントが、広告代理店の開業に向けた融資を徹底的にサポートします。

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広告代理店の開業を成功させる3つのポイント

広告代理店の開業を成功させるポイントは、以下の3つです。

◆広告代理店の開業を成功させる3つのポイント
  • ポイント1. スモールスタートで事業を始める
  • ポイント2. インターネット広告を中心に事業を展開させる
  • ポイント3. 広告業界に関する法律やノウハウを常にアップデートする

無理のない範囲や規模から事業を始めることで、段階的に売上を拡大し、持続的な成長につなげられます。

ポイント1. スモールスタートで事業を始める

広告代理店の開業を成功させるためには、スモールスタートで事業を始めるのがポイントです。

いきなり大きなオフィスを構えたり、多くの従業員を採用したりすると、初期費用や運転資金が膨らみ、資金繰りが安定しにくくなります。そのため、経営を安定させるには小さく事業を開始し、状況に合わせて段階的に規模を拡大していくことが重要です。

広告代理店をスモールスタートで立ち上げる際は、以下の方法を取り入れましょう。

▼広告代理店をスモールスタートで立ち上げる方法
  • 自宅をオフィスとして活用して固定費を抑える
  • 低予算でも成果が見えやすい小規模案件を受注する
  • 取引先を地元の中小企業や特定の業種に絞る など

スモールスタートで事業を始めると開業資金が少なくて済むほか、失敗時のリスクが少なくなるため、トラブルに直面しても柔軟に対応しながら改善を図れます。ただし、スモールスタートにこだわりすぎると規模の拡大が遅れ、事業成長のチャンスを逃す可能性がある点に注意が必要です。

安定的な成長を目指すには、「いつまでに、どれくらいの売上を達成するか」という目標を設定し、段階的に事業を広げていく計画を立てることが不可欠です。

ポイント2. インターネット広告を中心に事業を展開させる

広告代理店の開業後も安定した経営を続けるには、インターネット広告を中心に事業を展開させましょう。

従来の紙媒体やテレビ・ラジオ広告は、掲載コストや制作費が高額になりやすく、開業初期の広告代理店にとって大きな負担となります。一方、インターネット広告は、通信環境さえ整っていれば少額から運用を始められるため、限られた資金でも効果検証を重ねながら高い成果を得られるのが大きな強みです。

総務省の「情報通信白書」でも、国内のインターネット広告費の急速拡大が示されていることから、需要が高く案件を獲得しやすい状況だといえます。

広告代理店が受注できるインターネット広告の種類は、以下のとおりです。

広告代理店が受注できるインターネット広告の種類

  • SNS広告
  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • 動画広告
  • アフィリエイト広告 など

インターネット広告は、閲覧履歴やクリック率などのデータをリアルタイムで把握できるため、より効果的なマーケティング戦略を立てられます。実績データを成果の裏付けとして顧客にアプローチすれば、信頼を得やすくなり、継続的な契約や新規案件の獲得にもつなげられるでしょう。

インターネット広告の制作・運用代行は競合が多いため、専門分野に特化したり付加価値を加えたりするなど、独自の強みを活かしたサービスで差別化を図るのが効果的です。

ポイント3. 広告業界に関する法律やノウハウを常にアップデートする

広告代理店で安定的に質の高いサービスを提供するためには、広告業界に関する法律やノウハウを常にアップデートすることも欠かせません。広告業界は技術革新のスピードが非常に早く、最新のノウハウを身につけていなければ十分な成果を得られなくなり、顧客離れの原因となってしまいます。

また、景品表示法などの法律を知らないまま誤った広告を出稿すると、法律違反で罰則が課されるだけでなく、広告代理店としての信用を大きく失うリスクもあるでしょう。そのため、広告代理店を開業する際は常に最新情報を収集し、効果的な広告運用や法律に則った業務を心がけることが大切です。

広告代理店を開業する上で押さえておくべき法律やノウハウには、以下のようなものがあります。

▼広告代理店を開業する上で押さえておくべき「法律」「ノウハウ」

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法律・景品表示法
・消費者保護法
・屋外広告物法 など
ノウハウ・GoogleやYahoo!などの検索広告の最新アルゴリズム変更
・SNS広告(Instagram、TikTok、Xなど)の運用ルールや仕様更新
・広告効果を最大化するためのデータ分析の手法
・広告クリエイティブ(広告素材)における最新トレンド など

情報収集の際は、「専門書籍の購読」「セミナーや研修への参加」「専門家との連携」などの方法を活用するのがおすすめです。

これらの知識を常にアップデートし続けると、最新情報に基づく広告運用の提案ができるため、高い信頼を得て安定的な売上拡大につなげられます。

広告代理店とは?ビジネスモデルや種類を紹介

広告代理店は、広告主である企業のプロモーション活動を代わりに行うことで、販促活動やブランド価値向上に貢献する企業です。企業の代わりに広告戦略の企画立案や媒体の選定、広告枠の買い付け、制作・運用、効果検証などを一貫してサポートします。

広告代理店の収入源は、大きく分けて「媒体収入」と「制作収入」の2つです。

▼広告代理店の収入源

媒体収入自社メディアを運用している「テレビ局」「雑誌社」「Webメディア」などから広告枠を仕入れ、広告主に販売することで得られる収入
制作収入CM映像、雑誌広告、Webバナー、ランディングページなどの企画・制作によって得られる収入

上記から、広告代理店は広告主とメディアの仲介役として間に立ち、双方に対してメリットが生まれるように働きかけることで利益を上げていることがわかります。

また、広告代理店の種類は主に以下の3つです。

▼広告代理店の種類

総合広告代理店幅広い媒体を取り扱い、広告戦略の立案から制作、効果測定までをワンストップで提供する代理店
専門広告代理店Web広告専門、交通広告専門、医療・不動産の特化型など、特定の分野に特化したサービスを提供する代理店
ハウスエージェンシー特定企業の内部に設置され、自社グループの商品やサービスの広告を主に担当する代理店

広告代理店を開業する際は、これらの基本的なビジネスモデルを理解した上でターゲットとなる顧客層を明確にし、案件獲得に向けた運営体制を築きましょう。

「広告代理店の融資」についてよくある質問

広告代理店の融資について、頻繁に寄せられる質問を下記にまとめました。開業前後に起こりがちなトラブルを回避するためにも、ぜひ参考にしてください。

未経験からでも広告代理店は開業できますか?

業界未経験の方でも、広告代理店は開業できます。しかし、事業を成功させるためには広告業界の基本的な知識や営業力、企画・制作スキルなどが欠かせません。

未経験者が広告代理店を開業する際は、専門書籍やセミナー、講座などを活用して必要なスキルを身につけましょう。開業までに時間がある場合は、フリーランスとして小規模案件を請け負うなど、実務経験を積むのも一つの手です。

これらの方法で広告業界に必要な知識・スキルを習得しておけば、顧客に対して適切なサポートを提供でき、案件の継続的に獲得しやすくなります。

広告代理店を開業するにはどのような資格が必要ですか?

広告代理店を開業するために、特別な資格は必要ありません。ただし「広告運用スキル」「マーケティングスキル」などは、安定した事業を続ける上で重要です。

そのため、広告代理店を開業する際は、業界未経験の方と同様に、専門書籍やセミナーなどで最低限の知識・スキルを身につけておきましょう。

広告代理店の参入障壁は高いですか?

広告代理店の参入障壁が高いかどうかは、事業規模やサービスの専門性によって異なります。

「総合広告代理店」のように幅広いサービスを展開している代理店は、多岐にわたる運用ノウハウや組織力が求められるため、参入障壁も高い傾向です。

一方、小規模なWeb広告代理店や特定分野に特化した代理店であれば、初期投資を比較的抑えられることから、参入障壁は低いといえます。

上記を踏まえ、広告代理店を開業する際は、自社の資金力や人材確保の状況に合った事業形態を選びましょう。

広告代理店はなぜ資金繰りが厳しくなりやすいのですか?

広告代理店の資金繰りが厳しくなりやすい理由としては、「売上入金よりも前に広告媒体費の立替払いが必要になる」という業界特有の課題が挙げられます。

クライアントからの入金は数ヶ月後になる一方で、広告媒体費は即時の支払いを求められるケースが多いため、特に創業初期は資金ショートに陥りやすいのが懸念点です。また、案件規模が大きくなるほど広告媒体費の支出も膨らみやすく、帳簿上では黒字でも手元資金が枯渇し、「黒字倒産」に陥るリスクもあります。

そのため、広告代理店を開業する際は、十分な運転資金を確保しておくのはもちろん、支払いと入金のタイミングを調整して資金繰りの悪化を防ぐことが大切です。

融資の資金使途を「広告宣伝費」に絞っても、満額で借りられますか?

広告宣伝費は、必ずしも開業に必須の費用とは言い切れないため、融資審査において減額の対象となりやすい傾向があります。

ただし、説得力のある事業計画書を作成し、以下の点を明確にすることで、満額での融資実行が期待できるでしょう。

▼事業計画書で明確にすべきポイント
  • 広告宣伝費を活用して収益を伸ばした実績を持っていること
  • 広告宣伝費が経験に基づいて算出された根拠のある金額であること
  • 収益につながらなかった場合の代替策があり、返済能力に問題が生じる可能性が低いこと

広告投資で収益を上げた実績や、想定されるリスクへの対応策を具体的に示せば、広告宣伝費の調達を目的とした融資でも、希望額に近い金額を借りやすくなります。

赤字決算や債務超過でも融資を受けられる可能性はありますか?

赤字決算や債務超過の場合、一般的には融資を受けにくくなりますが、全ての融資が不可能になるわけではありません。

赤字決算や債務超過のある企業が融資を申込む場合、金融機関は「どのような理由で赤字になっているのか」を踏まえて融資の可否を判断します。

融資の判断材料となる「赤字の種類」は、以下の2つです。

▼融資の判断材料となる「赤字の種類」

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良い赤字・開業時の初期費用や設備投資に伴う「創業赤字」
・減価償却による資金流出を伴わない赤字
・新規事業や研究開発による一時的な赤字 など
悪い赤字・2期以上連続している赤字
・長期に及ぶ多額の繰越損失や債務超過 など

そのため、赤字はあくまで一時的であり、黒字化の見込みがあることを証明できれば、赤字決算や債務超過でも融資を受けられる可能性が高まるでしょう。

融資審査を受ける際、決算書の内容をどこまで把握していれば良いですか?

融資審査を受ける際に経営者が把握しておくべき決算書の内容は、以下のとおりです。

融資審査で把握しておくべき決算書の内容

貸借対照表(B/S)

現預金(月商の2〜3ヶ月分が理想)、売掛金(回収に問題がないか)、純資産(実質的な債務超過に陥っていないか)を把握しましょう。2年以上の長期にわたって回収できていない売掛金があると、融資を受けられない可能性が高いです。

損益計算書(P/L)

過去3期分の売上推移(減収の場合は一時的である根拠を示す)、経費(不適切な経費がないか)、利益(営業利益・経常利益が黒字であることが前提)を把握します。売上総利益が赤字の場合、融資は難しいでしょう。

勘定科目内訳書

記載内容の確認を怠らないようにするのがポイントです。特に50万円を超える売掛金については、売掛先ごとに詳細を記載しましょう。勘定科目内訳書の内容が不正確だと、財務状況の分析が難しくなり、審査で不利になるため注意が必要です。

これらの項目は、金融機関が融資審査で特に重要視しているため、確実に把握しておくことで高い評価を得やすくなります。

決算書がまだない開業予定の方も、将来的に作成する際は、税理士などの専門家に任せきりにせず、必ず自分の目で内容を確認しましょう。自社の財務状況を把握しておけば、追加融資が必要になった際も金融機関に対して自信を持って説明でき、審査をスムーズに進められます。

なお、「銀行が決算書で具体的に見ているポイント」を詳しく知りたい方は、以下記事も合わせてチェックしてみてください。

広告代理店の開業前・開業後でも、自社にあった融資制度を見極めて着実に融資を受けよう!

広告代理店業にピッタリの融資制度を活用すれば、適切なサービス提供に必要な運営体制を構築でき、スムーズな経営を実現できます。

広告代理店が活用できる融資制度・資金調達方法は、以下のとおりです。

広告代理店が活用できる4つの融資制度

  • 制度1. 日本政策金融公庫|新規開業・スタートアップ支援資金
  • 制度2. 地方自治体|制度融資
  • 制度3. 民間金融機関|信用保証協会付融資
  • 制度4. 民間金融機関|不動産担保融資

広告代理店が活用できる6つの資金調達方法

  • 方法1. 請求書カード払い
  • 方法2. 補助金・助成金
  • 方法3. ベンチャーキャピタル(VC)による出資
  • 方法4. エンジェル投資
  • 方法5. ビジネスローン
  • 方法6. ファクタリング

融資を受ける際は、事業計画書に「広告代理店ならではのビジネスモデル」や「根拠のある数字」を積極的に盛り込み、事業の安定性や収益性をアピールしましょう。開業に必要な資金を整理し、具体的な使い道を示すことで、説得力が高まり審査を有利に進めやすくなります。

本記事はここまでになりますが、融資の現場で培ったリアルで濃い内容なので、ブックマークして、あとから何度も読み返すことをオススメします


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本記事で紹介した内容をもとに、融資制度を活用して効率的に資金を確保し、広告代理店の開業準備にお役立ていただければ幸いです。

広告代理店向け 「おすすめ融資」「事業計画書の書き方」

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