正直、デットファイナンスって何?メリット・デメリットもわからないので学んでおきたい。
会社を経営して10年以上だけど、今まで借り入れ中心でしか資金調達をしてこなかった。でも、他にも資金調達方法があると聞いたので、借入(融資)との違いも知った上で今後の資金調達に活かしたい。
デットファイナンスと、エクイティファイナンスって、何が違うんだ…?
会社の資金繰りを気にする経営者であれば、こんな悩みや不安をお持ちではないでしょうか?
会社の堅実な資金計画を確保するため、また、資金不足による経営難や倒産を避けるために資金調達を検討すると、必ずこの「デットファイナンス」という言葉を聞くことになります。
中小やベンチャー企業の経営者にとってデットファイナンスとは、「1番身近」で「使いこなせるべき」資金調達方法です。
私は「中小企業の融資代行プロ」という資金調達サービスで経営者をご支援してきましたが、デットファイナンスが上手な経営者はほぼ全員、経営を安定かつ、堅実な経営を実現している傾向があります。
著者プロフィール
- 資金調達コンサル会社「(株)融資代行プロ」創業者
- 財務・資金繰りコンサルティング「御社の社外CFO」創業者
- 経営コンサル会社「(株)Pro-D-use」創業者
- 中小企業の融資・補助金など資金調達支援の実績多数
これまでの支援実績
個人事業主 / 創業後スグの1人法人 / 売上300億の法人 等
資金調達額「100万円」〜「5億円」
あらゆる業界の資金調達 / 財務・資金繰りコンサル実績
本記事では、デットファイナンスを検討している経営者に向けて下記4点について解説・アドバイスします。
- デットファイナンスの「意味」や「種類」について
- 「デットファイナンス」と「エクイティファイナンス」の違いについて
- デットファイナンスをすべきケースや向いている人の特徴について
- デットファイナンスのメリット・デメリットについて
この記事を読めば、あなたのデットファイナンスの知識やうまさは他の経営者と比べても格段に上がります。
デットファイナンスを理解するメリット
● 「自分はデットファイナンスに向いているのか?」がわかる
● 日々の資金繰りの悩みや不安から解放される
● 銀行口座の残高を気にせず、資金を使いたいときに投資に回せる
● あなたの会社が安定するので、精神状態も安定する
「日本政策金融公庫」や「銀行」、「信用金庫」、「商工中金」からの資金調達は、知識・経験なく「何となく」で進めると必ず失敗します。資金調達の成功には、金融機関の幅広い知見と一定のノウハウが欠かせません。
中小企業の融資代行プロは「成果報酬型1%~」で資金調達をコンサル・代行するサービスです。これまで1,800件以上の資金調達の相談を受け、「200万円〜5億円」「多様な資金調達」で、多くの実績を挙げてきました。
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デットファイナンスとは、企業が融資・借入する手法のこと
デットファイナンスとは企業の資金調達手法1つで、外部から資金借り入れ(融資)する方法のことを指します。
デットファイナンスのデットは英語の「Debt」で、負債や借金を意味します。財務諸表の貸借対照表バランスシートでも、デットファイナンスは右側の負債の部に計上します。
デットファイナンスは借金・借入ということになるため負のイメージが強いものですが、企業が成長するのに資金調達することは必須といえます。デットファイナンスをうまく活用できれば、企業を大きく成長させることができます。
デットファイナンスは、中小企業の資金調達手法というイメージがありましたが、最近はベンチャー企業においてもデットファイナンスの活用が活況になってきました(ベンチャーデットと言います)。ベンチャーデットについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご参考ください。
デットファイナンスは、5種類ある(メインは融資)
デットファイナンスとは簡単にいえば借入のことですが、申し込みの方法はいくつもあります。金融機関に申し込む方法のほかに、社債を発行したり投資家を募ったりする方法もあるため、状況に応じて最適なデットファイナンスの手法を選択したいものです。
まずは、デットファイナンスそれぞれの方法の特徴や違いを知り、最適な方法を見極めましょう。
1. 金融機関からの融資・借入
1番主要なデットファイナンスは、「銀行・金融機関からの融資」です。
一般消費者であれば、住宅ローンやカーローン、教育ローンなどの融資商品があります。これと同じように、法人向けには、事業者融資・ローンなどの銀行・金融機関からの融資・借入が存在しています。
なお銀行・金融機関の融資には、下記3つの種類があります。
「信用保証協会付き融資」を受けるには、保証協会へ保証料の支払いが必要となりますが、「プロパー融資」では必要ありません。ただし、プロパー融資には厳しい審査があり、その審査も一定の時間がかかります。
審査条件が緩い融資・借入の手法には、「ビジネスローン」が挙げられます。ビジネスローンは審査も即日で早いのですが、若干金利が高くなる傾向があります。
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2. シンジケートローン(協調融資)
シンジケートローンとは、複数の金融機関が連合を組んで融資を行う方法のことで、協調融資とも呼ばれます。1つの金融機関が融資を行うのではなく、複数の金融機関がシンジゲート団を組み、1つの融資契約に基づいて同一の条件で融資をします。
融資自体は複数の金融機関によって分担されますが、ある金融機関がアレンジャーまたは主幹事となって利率や期間を調整します。この方法であれば一度に多額の資金を調達できます。
また、金融機関側にとってもリスクの分散ができ、貸し倒れなどの問題が起こりにくいという良さがあります。
3. 社債発行
資金調達のために社債を発行するという方法もあります。
国は国債を発行して資金を集めることがありますが、企業の場合にも社債を投資家に買い取ってもらうことで資金調達が可能となります。社債を発行するときにはあらかじめ発行額と期日、利息などを決める必要があります。民間の企業は普通社債と呼ばれる社債を発行することがほとんどです。
普通社債以外に、元利金の返済順位が最後になることを条件に発行される劣後債や、償還期限の定めがない永久社債などの種類があります。
社債の発行は新株発行に似ていますが、株式のように経営権を握られたり経営に口出しをされたりする心配がありません。また、社債で得た資金の使途が自由であるという点も大きなメリットです。
4. 私募債発行
私募債とは社債の形態の1つで、募集人数を50名未満に絞る方法をいいます。
スタートアップを行うベンチャー企業や名前が知れていない中小企業が社債を発行しても、投資家はなかなか集まらないのが現実です。
この問題の解決策として、特定の人や会社に声をかけて社債を引き受けてもらう私募債の発行が考えられます。私募債は発行が比較的簡単で毎月返済の義務がなく、格付け評価が高まりやすいのが魅力です。
5. その他のデットファイナンス方法
近年では、ソーシャルレンディングやクラウドファンディングなどの方法で投資を募る企業も増加してきました。また、コマーシャルペーパーを用意して資金調達を行うケースもあります。
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「デットファイナンス」と「エクイティファイナンス」の比較
企業のファイナンス手法にはデットファイナンスのほかにも、エクイティファイナンスという方法があります。
エクイティとは株式または株主資本のことをいいます。株式や新株予約権などを発行することで資金繰りを行うことをエクイティファイナンスと呼びます。
ここからは、デットファイナンスとエクイティファイナンスの違いについて比較していきましょう。
デットファイナンス (融資) | エクイティファイナンス (出資) | |
---|---|---|
調達方法 | 金融機関や投資家から資金を借りる | 株式発行で資金調達 |
調達形態 | 証書貸付 手形割引 手形貸付 当座貸越 社債 など | 株式発行 優先株発行 など |
経営関与 (口出しされるか) | なし (口出しされない) | あり (口出しされる) |
調達の難易度 (負担) | 一般的に低い | 一般的に高い |
BS上の扱い | 負債に計上 | 資本に計上 |
資金提供者から 求められること | 返済 | 株価上昇 |
資金提供者の 判断軸 | 返済可能性があるか | 事業の成長性・将来性 |
資金提供者の 利益 | 金利収入 (年1~2%前後) | 配当 値上がり益 (株価10倍~100倍) |
1. デットファイナンスの特徴とは
デットファイナンスは借入資金で、他人資本となります。そのため、財務諸表の貸借対照表上では負債として扱われることになります。
また、デットファイナンスには返済義務があるため、借入金額が多いときには金銭的な損失が増えていくこともあります。ただし、デットファイナンスは資金調達が株式に関係しないため、多額の借り入れを行っても株主に経営を握られる心配がありません。
2. エクイティファイナンスの特徴とは
エクイティファイナンスでは、調達した資金は企業の資本となるため、自己資本として扱われるのが一般的です。貸借対照表上でも資本として記載されるなど、プラスのお金として扱われます。
また、エクイティファイナンスには基本的に返済義務がありません。ただしエクイティファイナンスででは株式を購入してもらい資金調達を行うため、多く発行すればするほど経営の舵取りがしにくくなっていきます。
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デットファイナンスをすべきケースや向いている人の特徴
デットファイナンスが向いているか否かは、企業の状況によって異なります。デットファイナンスが向いていないにもかかわらず無理に借り入れを行ったときには、大きなリスクを背負い込む可能性もあるため、気をつけましょう。
ここからは、デットファイナンスが向いているケースについて紹介します。
1. 返済の目処が立っている
デットファイナンスには返済義務が生じるものです。
借入金を返済できる見通しがないままに多額の資金を得ると、あとあと資金繰りがうまくいかなくなってしまいます。
しかし、売り上げがアップする見通しが立っていたり多くの売掛金があったりするのであれば、将来的に返済するのはそれほど難しくないでしょう。返済の目処が立っているのであれば、デットファイナンスを利用するのが最適です。
2. 担保がある
デットファイナンスでは現金での返済のほかに、担保を用意するという方法も選べます。
借入先は、もし現金による返済が行われなかったときには担保を処分することで債権回収をします。担保があればデットファイナンスを低金利で行える可能性が高まります。
また、借入金額も担保がなしのときに比べて高額になる傾向にあります。
3. 経営権を保持したいと考えている
エクイティファイナンスは、株式を株主に譲渡する方法で資金調達を行います。エクイティファイナンスには返済義務がない代わりに、株式の保有状況によっては株主に経営権や発言権を握られてしまうリスクがあります。
経営に第三者が介入するのを避けたいと考えているのであれば、デットファイナンスを選んだほうが安心といえるでしょう。
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デットファイナンスの資金調達のメリット4つ
メリット | デメリット |
---|---|
・種類が豊富 ・経営に口出しされない ・節税対策になる ・返済実績を作れる | ・負債を抱える ・利息がある ・景気の影響を受ける |
デットファイナンスには多くのメリットがあります。以下のメリットに魅力を感じるのであれば、エクイティファイナンスではなくデットファイナンスを選んだほうがよいでしょう。
1. 種類が豊富
デットファイナンスには金融機関からの借入のほか、社債発行など複数の種類があります。
企業の周辺には複数の「銀行」や「信用金庫」、「日本政策金融公庫」などがあるため、金融機関から借入を行うときには最適な融資元を選ぶことができます。
1つの金融機関で融資が受けられなかったときにも、別の金融機関から無事融資が受けられるというケースは少なくありません。資金を調達する選択肢が多いのが、デットファイナンスを選ぶ大きなメリットといえるでしょう。
2. 経営に口出しをされる心配がない
エクイティファイナンスでは新株発行などの方法で資金調達を行うため、経営権に影響が及ぶことがあるというデメリットがあります。
デットファイナンスは株式とは無関係の方法で資金調達を行います。そのため、いくら借入を行っても経営に口出しされる心配はありません。
3. 節税対策になる
デットファイナンスでは元金に利息をつけて返済するため、金銭的には損をしてしまうと感じる方いるでしょう。
しかし利息を支払った場合には税務上、利息分が損金として扱われます。これによって所得から支払った利息分を差し引けることになるため、節税効果が期待できます。
また、エクイティファイナンスを行うときには資本金の増加に応じて税金の影響を受けることがほとんどですが、デットファイナンスであればこういった心配もありません。
4. 返済実績を作れる
デットファイナンスで滞りなく計画通りに返済を行えば、返済実績があると評価されます。
返済実績を作っておくことには、今後の借入がしやすくなるというメリットがあります。状況によっては、今後よりよい借入条件でのデットファイナンスが受けられるかもしれません。
ただし、返済が一度でも滞ると信用が失われてしまうため、十分に気をつけましょう。
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デットファイナンスの資金調達のデメリット3つ
デットファイナンスを検討するときにはデメリットについても把握しておきましょう。
以下で紹介するデメリットが企業にとって致命的な影響を及ぼすと考えられるときには、デットファイナンスを選ぶのは避けたほうがいいかもしれません。
1. 負債を抱えることになる
デットファイナンスによって調達した資金は借入金という扱いになります。借入金があるうちは、企業はデットファイナンスを負債として計上しなければなりません。
また、借入には一定の返済期限が設けられています。一時的な借入であったとしても、貸借対照表を見たときに借入金が多ければ負債が多く経営がうまくいっていない企業と判断されてしまうことがあります。
資力がないと判断されると融資が受けにくくなるほか、補助金や助成金の申請にも制限が出ることがあるため、気をつけたいものです。
2. 返済に利息がかかる
デットファイナンスを行うときには、費用を毎月一定額ずつ返済していく必要があります。
返済額には元金に応じた利息が発生するため、月々の返済が大きな負担になってしまうかもしれません。返済が滞ったときには企業の評価が失墜することになるため、注意しましょう。
また、返済できなかったときには融資元から訴訟を起こされるリスクもあります。
3. 景気の影響を受けやすい
景気や社会情勢が悪い時期のデットファイナンスには注意が必要です。情勢によっては金融機関からの貸付が停止する可能性もあり、大きなリスクを被る可能性があります。(ただし、最近はこういう事案も極小になってきました)
長期的にデットファイナンスを行うのであれば、情勢を見極める視点も必要となるのです。
デットファイナンスでよくある質問(Q&A)
デットファイナンスを行うときにはメリットやデメリットを比較検討しましょう
とはいえ、デットファイナンスを正しい方法で行えば大きな問題は発生しません。キャッシュフローの悪化を防いで堅実に返済を行えば、企業の評価がアップする可能性も十分に考えられます。
資金調達を行うときには、それぞれの方法のメリットやデメリットを比較し、最適な方法を選ぶことが肝心です。
もしデットファイナンスも含め、たくさんある資金調達方法から「自社に適切な資金調達方法を模索したい方」は、資金調達代行サービスの「中小企業の融資代行プロ」にご相談(無料)ください。
「中小企業の融資代行プロ」のサービスを活用すると、資金調達のプロ人材が、あなたに代わってあなたの会社に有利(ピッタリ)な資金調達方法を模索し、資金調達を代行してくれるので、「あなたは資金調達業務から解放」されますよ。
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