「銀行からの融資」は資金調達方法として有名ですが、その他にも創業、もしくは新規事業で利用可能な資金調達の方法は数多く存在します。資金調達を円滑に行うためには、どのルートから資金を調達するかのアイデア選びも大切です。
筆者の本業は「中小企業の融資代行プロ」という、経営者向けの成果報酬型の資金調達コンサルティングサービスの運営です。
著者プロフィール
- 資金調達コンサル会社「(株)融資代行プロ」創業者
- 財務・資金繰りコンサルティング「御社の社外CFO」創業者
- 経営コンサル会社「(株)Pro-D-use」創業者
- 中小企業の融資・補助金など資金調達支援の実績多数
これまでの支援実績
個人事業主 / 創業後スグの1人法人 / 売上300億の法人 等
資金調達額「100万円」〜「5億円」
あらゆる業界の資金調達 / 財務・資金繰りコンサル実績
日々、経営者の方から創業前後、もしくは新規事業の資金調達の相談をたくさん受けておりますが、たくさんある資金調達手法をご存知ない方も多いと感じております。
そこで本記事では、創業時、または新規事業で使える下記15個の資金調達アイデアについて、筆者が詳しく解説していきます。
◆ 創業時・新規事業で使える主な15個の資金調達アイデア
- 知人や家族からの借入で資金調達
- 信用金庫からの融資
- ビジネスローン融資
- 日本政策金融公庫の「新規開業資金」の融資
- 信用保証協会を利用した融資
- マル経融資
- 補助金や助成金で資金調達
- 再就職手当を活用した資金調達
- ファクタリングを利用した資金調達
- エンジェル投資家から投資を受ける
- ベンチャーキャピタルから投資を受ける
- M&Aを利用した資金調達
- 少人数私募債を利用した資金調達
- 流動資産担保融資(ABL)を利用した資金調達
- クラウドファンディングを利用した資金調達
上記の資金調達方法はどれも、特徴が大きく異なりますので、自社にあった適正な資金調達手法を選んで事業経営を進めましょう。
「日本政策金融公庫」や「銀行」、「信用金庫」、「商工中金」からの資金調達は、知識・経験なく「何となく」で進めると必ず失敗します。資金調達の成功には、金融機関の幅広い知見と一定のノウハウが欠かせません。
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創業時の資金調達アイデア15個
何かと事業に関する資金が必要な創業時には、銀行融資だけでなく、さまざまな資金調達の方法を検討する必要があります。
本章では、下記15個の創業時・新規事業で利用できる資金調達のアイデアについて紹介します。
◆ 創業時・新規事業で使える15個の資金調達アイデア
- 知人や家族からの借入で資金調達
- 信用金庫からの融資
- ビジネスローン融資
- 日本政策金融公庫の「新規開業資金」の融資
- 信用保証協会を利用した融資
- マル経融資
- 補助金や助成金で資金調達
- 再就職手当を活用した資金調達
- ファクタリングを利用した資金調達
- エンジェル投資家から投資を受ける
- ベンチャーキャピタルから投資を受ける
- M&Aを利用した資金調達
- 少人数私募債を利用した資金調達
- 流動資産担保融資(ABL)を利用した資金調達
- クラウドファンディングを利用した資金調達
それでは、それぞれ詳しく解説をしていきます。
アイデア1. 知人や家族からの借入で資金調達
新規事業を始めるにあたって、知人や家族から借入を行うという方法です。金利や条件などで融通がききやすく、自由な条件でお金を借りられるのがメリットです。
ただし、万が一返済が滞った際は、トラブルに発展することも多く、場合によっては裁判沙汰になってしまうこともあります。場合によっては今後の事業に影響することもあり得ると考えておきましょう。余計なトラブルを避けるためにも、知人や家族からの借入であっても、あらかじめ借用書の準備をしておくのがおすすめです。
なお、家族・親族・友人から事業資金を借入する方法や、借用書の書き方を詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になるのでぜひご覧ください。
アイデア2. 信用金庫からの融資
創業期の企業に対しては銀行の融資審査は厳しいため、実際に銀行からの資金調達を受けるのは難しい傾向があります。
しかし、中小企業が主な取引先でもある信用金庫であれば、大手の銀行に比べ審査がゆるやかなため、資金調達を受けることも可能です。
信用金庫のなかには創業支援に力をいれているところもあるので、できるだけそのような信用金庫を利用してみるのもおすすめでしょう。
また、信用金庫は地域に根ざしているため、顧客やビジネスパートナーの紹介を希望する経営者の方にもぴったりといえます。
なお、信用金庫融資の「融資審査の基準」や「通るコツ」、信用金庫との付き合い方について詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になりましのでぜひご覧ください。
アイデア3. ビジネスローン融資
個人事業主や中小企業など、すでに事業を行っている人向けの融資を扱うビジネスローンは、銀行ローンと比較して審査基準がゆるく、即日での資金調達も可能です。
ただし、創業時には利用できないビジネスローンも多いため、利用を検討する際は、事前に融資条件などを確認しておく必要があります。
尚、年商規模に対して多すぎるビジネスローン返済額が残っている場合、通常の銀行融資が受けづらくなりますので注意が必要です。
なお、すぐに資金調達できる即日ビジネスローンを比較したい方は、下記の記事が参考になりますのでご参考ください。
アイデア4. 日本政策金融公庫の「新規開業資金」の融資
「新規開業資金」とは、日本政策金融公庫(100%国が出資)が実施している融資制度です。これから創業する、または、創業後間もない事業主の方に対して無担保・無保証人で融資を行っています。
事業に必要な設備資金または運転資金の融資を行っており、最大で7,200万円(うち運転資金は4,800万円まで)の融資を受けられます。
「新規開業資金」による資金調達を受ける際には、創業計画書書の作り込みがとても重要となります。
なお、日本政策金融公庫の「新規開業資金」の必要書類や審査、申込の流れや金利について詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になりましのでぜひご覧ください。
アイデア5. 信用保証協会を利用した融資
中小企業が銀行から融資を受ける際に、保証人としての役割を果たしてくれる信用保証協会では、創業を支援する制度融資を実施しています。
信用保証協会は都道府県または市区町村に設置されており、制度融資による融資の限度額は、それぞれの信用保証協会により異なります(上限は8,000万円)。
金利は低めな傾向ですが、銀行と信用保証協会による二重の審査を実施しなければならないため、審査には1~2ヶ月程度と時間を要します。
なお、信用保証協会の融資審査に通るコツや落ちる理由について詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になりますのでご参考ください。
アイデア6. マル経融資
商工会議所の推薦により受けられる「マル経融資」は、低金利かつ無担保・無保証人で融資を受けられる融資制度です。
原則、創業1年以上の事業実績が必要とされているため、条件に該当しない場合は融資を受けられませんので、注意しましょう。
なお、融資の上限金額については、各商工会議所により異なりますので、事前にチェックしておくことをおすすめします。
アイデア7. 補助金や助成金で資金調達
国や自治体等で事業の支援のために支給されている補助金や助成金は、いずれも返済不要な支援金です。
補助金は決められた期間内に応募し、なおかつ必要書類や要件を満たしていなければなりません。その後、審査を経た上で支給の可否が決定する形となります。
一方、助成金は条件さえ満たしていれば支給を受けることができるものです。また、複数の助成金支給を同時に受けることも可能です。
なお、補助金・助成金で資金調達する方法や申請方法について詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になりますのでご参考ください。
アイデア8. 再就職手当を活用した資金調達
雇用保険の受給資格者が再就職に支給を受けることができる再就職手当を、創業時の資金として活かせます。
再就職手当の受給を受けたい場合は、都道府県労働局やハローワーク(公共職業安定所)に問い合わせをしてみるとよいでしょう。
前職の退職日から原則として1年以内に起業する人であれば、原則いつでも申請可能な手当となっているため、要件に該当すれば支給を受けられます。
ただし自己都合で退職した場合は、待機期間満了後1ヵ月を経過してからの起業でなければ支給を受けられないため、注意が必要です。
アイデア9. ファクタリングを利用した資金調達
売掛金を債権譲渡という方法で第三者(ファクタリング会社)に買い取ってもらうファクタリングは、創業時の資金調達手段としても十分に利用できる方法です。
創業一年に満たない会社の場合、信用面からいっても銀行やビジネスローンの利用は難しい傾向がありますが、ファクタリングの場合は、売掛先の信用判断も行うため、資金調達へのハードルが下がります。
なおファクタリングでの資金調達を成功させるためには、資金繰り表の内容が重要となります。
なお、即日で資金調達できるファクタリング業社を比較したい方は、下記の記事が参考になりますのでご参考ください。
アイデア10. エンジェル投資家から投資を受ける
エンジェル投資家とは、創業間もないベンチャー企業を対象に資金援助を行う個人投資家のことを指します。
エンジェル投資家による資金援助は融資ではなく投資となりますので、返済の義務はありません。
代わりにエンジェル投資家は、資金援助を行った企業の株式を取得しますので、将来企業が成長した際には、大きな利益を得られるのです。
エンジェル投資家からの資金援助を受けることで、通常の融資では受けられない潤沢な資金の獲得ができるほか、豊富な経験から得られるアドバイス、また、エンジェル投資家のもつ人脈から受けられるサポートなど多くのメリットを得られます。
なお、「エンジェル投資家」からの資金調達の特徴や注意点について詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になりますのでご参考ください。
アイデア11. ベンチャーキャピタルから投資を受ける
エンジェル投資家と比較されることの多いベンチャーキャピタルは、成長性を見込んだベンチャー企業に対して出資を行う企業のことを指します。
ベンチャーキャピタルから資金提供を受ける際には審査がありますので、エンジェル投資家からの資金援助と比較すると難しいでしょう。
なお、ベンチャーキャピタル(VC)から資金調達する方法や注意点について詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になりますのでご参考ください。
アイデア12. M&Aを利用した資金調達
M&Aとは「事業譲渡」のことを指しますが、このM&Aはまとまった資金調達の手段として利用できます。
例えば、すでにある事業のうち、利益が十分に出ている事業だけを切り離して部分的に売却することにより、新規事業を起こすための資金を捻出できます。
なお、M&Aには、この他にも株式譲渡や一部のだけの事業譲渡、業務提携などさまざまな形式が存在します。
なお、M&Aにおける銀行融資やそのほかの資金調達方法について詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になりますのでご参考ください。
アイデア13. 少人数私募債を利用した資金調達
会社が発行する債権である社債の一種、「少人数私募債」を発行し、投資を受けることで事業に必要な資金を調達する方法です。
「少人数私募債」は、投資家の人数も49人以下と限定されているため、創業したてのベンチャー企業でも利用しやすい資金調達方法といえるでしょう。
なお、社債・少人数私募債の発行方法や資金調達の流れについて詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になりますのでご参考ください。
アイデア14. 流動資産担保融資(ABL)を利用した資金調達
新規事業を立ち上げるにあたって、すでにある事業での在庫や原材料、機械設備といった動産担保を担保として資金調達する流動資産担保融資(ABL)を利用し、融資を受けられます。
かつては担保と扱えなかった流動資産を担保として資金調達ができるため、不動産担保を持っていない会社でも動産を担保にしてお金を借りることが可能となります。
なお、流動資産担保融資(ABL)を資金調達で活用する方法について詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になりますのでご参考ください。
アイデア15. クラウドファンディングを利用した資金調達
クラウドファンディングとは、インターネットを利用して不特定多数の方から資金調達を行う方法です。
クラウドファンディングには新商品やサービス作る際の資金を募り、目標金額に到達したところで、支援者に対し、リターンを提供する「商品購入型・寄付型」といったクラウドファンディングのほか、支援者に金銭的なリターンが発生する「投資型」のクラウドファンディングといったものがあります。
かつては、不確実性の高さから資金調達が難しかった市場開拓や新規事業といった場合でも、趣旨への賛同者から資金を集めることにより、新規ビジネスへの参入へのハードルが低くなりました。
なお、クラウドファンディングで資金調達するメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になりますのでご参考ください。
クラウドファウンディング利用なら事業そのもののアイデアも重要
クラウドファンディングを利用しての資金調達を成功させるためには、事業そのものに対するアイデアも重要となります。
とくに多くの個人投資家(支援者)からより多くの資金を集められる方法として、投資家側からみた際に具体的なイメージが描きやすいアイデアであるという点は重要です。
なお、過去の成功事例については、各クラウドファンディングサイトにて確認できます。クラウドファンディングを利用した資金調達を検討している場合は、一度このようなクラウドファンディングサイトをのぞいて、どのようなプロジェクトが資金調達に成功しているのか、確認しておくことをおすすめします。
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創業時の資金調達でよくある質問(Q&A)
資金調達をコンサルしてもらう・代行してもらうのもアイデアの1つとして検討すべき
ここまで、創業期におすすめできるさまざまな資金調達法についてご紹介してきましたが、創業したての経営者の方が抱える課題は資金調達以外に多くあります。
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創業期の資金調達には、銀行融資以外の方法も検討してみよう!
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