資金繰りが悪化する原因とは?改善方法と安定させるポイントを解説

銀行など金融機関からの資金調達は、知識や経験なく「なんとなく」で進めると必ず失敗します。資金調達には金融機関に対しての幅広い知識やスキルが必要で、成功には一定のノウハウが欠かせません。

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経営には資金繰り管理が必須とはいうけれど、そもそもなぜ資金繰りは悪化してしまうのだろう?

実際に資金繰りが悪化したら、どのように対処すればよいのだろう。未然に防ぐ方法はないのだろうか?

給与や税金の支払いから設備投資まで、事業を行う上で資金(キャッシュ)は欠かせません。資金繰りの管理をしていないと、帳簿上は売上があっても手元キャッシュがないため、必要なときに支払いができないという事態に陥ってしまいます。

事業を円滑に進めるためにも資金繰りを適切に管理し、悪化していれば改善させる必要があります。

今回は、資金繰りが悪化する原因と改善方法、安定させるコツを解説します。

この記事を読めば、こんなことが実現できます

● 資金繰りが悪化する原因が分かるため、予防策を講じて未然にキャッシュの不足を防ぐことができます。
● 資金繰りが悪化してしまった際の対処法が理解できます。

資金繰りが悪化する原因を理解し、適切な方法で対処しましょう。

目次

資金繰りが悪化する11の原因

資金繰りが悪化する原因はキャッシュイン(入金)の減少かキャッシュアウト(出金)の増加のどちらかに分けられます。

また、キャッシュの状態を正しく把握しないことも、資金繰りの悪化を招いてしまいます。

1. 赤字の継続

売上の減少や、経費増加が継続すれば固定費の支払いも困難となり、いずれ資金繰りは悪化します。また、前受金などで一時的に資金繰りを改善しても、赤字受注であれば続けるほど資金繰りの悪化を招きます。

2.  売掛金の回収遅れ

売上を上げても回収できなければ現金は増えません。

回収までに時間がかかれば資金繰りを悪化させるだけでなく、得意先の倒産による「売上金の未回収」などのリスクも高まります。

3. 売上金回収サイトと経費支払いサイトのズレ

買掛金(経費)の支払いサイトよりも、売掛金(売上金)の入金サイトが長ければ、費用の支払いまでに現金の用意が間に合わない恐れがあります。

4. 在庫の管理不足

適正在庫を把握せず在庫が過剰になれば、値下げ販売や破棄により収益の悪化を招きます。在庫は資金を商品に変えたもののため、価値が下がればキャッシュフローも悪化します。

5. 借入金返済額が大きい

借入金の無理な返済計画も資金繰りを悪化させます。また、元本だけでなく、利息が高額であれば、利息の支払いも資金を圧迫します。

6. 売上の急増

売上が急増すると、先立つ支払い経費である「仕入代金」や「人件費」なども増加するため、通常の支払額以上の現金を用意しなければいけません。

そのため、一時的に資金繰りの悪化を招きやすくなります。

7. 投資の失敗

設備投資を借入金で行った場合、減価償却費よりも借入金の支払額が大きければ資金繰りの悪化につながります。また、設備投資に見合った売上を回収できないときも同様です。

8. 取引先の倒産や事業停止

取引先が倒産すれば売掛金の回収が困難になります。また、大口の取引先との取引の停止、または事業の停止によって継続的に売上が減少します。

9. 納税や過剰な節税

納税額を正しく把握していないと、支払い時に現金が不足する恐れがあります。また、節税目当てで利益が出てもその大半を費用として使ってしまうと、手元にキャッシュが残らないため、資金繰りは厳しくなります。

10. 資金繰り表の未作成

資金繰り表とは、実績を元に将来の収入と支出の流れを記録し、いつ・いくら必要になるか確認できる資料です。

資金繰り表を作成していないと、将来的な収支の状況を把握できないため、帳簿上は売上があるのに現金が足りないという事態に陥りやすくなります。

11. 社会情勢や自然災害

日頃から備えていても、自然災害などに巻き込まれれば資金繰りが悪化する可能性は十分にあります。特に、自社が被災しなくとも、取引先で災害があれば売掛金の回収が困難になるケースもあります。

悪化した資金繰りの改善方法

資金繰りが悪化したときは経費削減に取り組み、それでも対処できないときは銀行のリスケジュールなども検討しましょう。

経費削減

経費の中でも削減効果の大きいものが、

  1. 人件費
  2. 地代家賃
  3. リース料
  4. 広告宣伝費

などの固定費です。

固定費は売上の増減にかかわらず発生するため、低く抑えることが資金繰り対策では重要です。固定電話からIP電話への変更、商談をWeb会議ツールで行うなど、比較的容易に削減できるものもあります。

また、役員報酬は業績悪化など減額せざるを得ない理由があれば削減できるため要件を確認してみましょう。

従業員へのボーナスも就業規則に「業績連動により減額や削減の可能性がある」旨を明記していれば削減やカットを行うことは問題ではありません。

なお、固定費の削減で特に効果が大きいのが人件費ですが、会社の経営を支える部分でもあるため、むやみに削減しないよう注意が必要です。

人件費は大きく分けると、直接売り上げに関係があるもの(直接人件費)とないもの(間接人件費)があり、業界平均と比べて間接人件費が過剰であれば見直しを検討します。

事務処理などは、IT化やアウトソーシングの活用で削減が可能です。

売掛債権の回収

未回収の売掛金は早急に回収しましょう。特に貸し倒れがあれば損失分は全て利益で補わないといけないため、大きな痛手となります。

そうならないためにも、回収漏れのないよう売掛金台帳を作成し、得意先別に金額と支払い期限、入金状況を確認できるようにしましょう。

なお、遅延の多い得意先は現金取引に変更する、取引停止を検討するなどの対処も必要です。また、支払い期限に遅れても催促などをしていないと、遅延が常態化する恐れもあります。

事務処理では入金確認と消込作業を行い、遅延時の対応などを明確にしておきましょう。支払いサイトが3カ月など長期化している得意先へは、短縮を要請します。

流動資産の売却

流動資産とは現金化が容易な資産のことです。

在庫を抱える企業では棚卸資産を見直し、不要在庫は売却するようにしましょう。なお、定価販売ができないものは、「在庫処分セール」などを実施して売り切ります。

販売できないまま保持すれば破棄コストがかかるため、注意は必要です。また、売却目的有価証券やその他有価証券を保有しているときは売却して現金化しましょう。

固定資産の売却

土地、建物、機械設備など、短期間で現金化できない資産が固定資産です。

固定資産の中でも事業に利用されていないものを遊休資産といいます。あれば早期に売却しましょう。

特に、土地・建物などは、売却により固定資産税の節約にもつながります。

また、複数の店舗のある事業では、売上が低迷している店舗を移転・縮小する、ネット販売へ変更するなども資金繰りの改善に役立ちます。

他にも、車両運搬具など常用していない固定資産があれば売却し、リース契約に変更してもよいでしょう。

固定資産の中には事業の継続に不可欠なものもあるため、よく確認した上で検討する必要があります。

リスケジュール

リスケジュールとは借入れ先の金融機関と交渉し、返済期間の延長や減額を行うことです。リスケとも呼ばれています。

人件費の削減など手段を尽くしても資金繰りが改善せず、借入金の返済が困難なときはリスケを行い、その間に事業の立て直しを図りましょう。

方法は、経営改善計画書や返済計画表、資金繰り表などを作成し、取引先金融機関にリスケを申し込み、担当者と交渉し実行します。

参考記事>>>リスケ時の経営改善計画書(事業計画書)作成ポイントと盛り込むべき項目

なお、リスケの期間は6カ月から1年程度であり、実行中は新規融資を受けづらくなるなどのデメリットもあるため事前に確認しましょう。

また、戦略や金融機関への配慮もなしリスケをしてしまうと、今後の金融機関との付き合いやビジネス展開において、将来的に致命的なダメージを負い兼ねませんので、自身でリスケに取り組む前に、まずはプロに相談することをおすすめします。

参考サービス>>>銀行・金融機関のリスケジュールの代行サービス

資金調達

金融機関から追加融資を受けるなら、まずは公的機関に条件とあう融資制度がないか確認しましょう。

売上の減少や取引先の倒産、災害などにより、一時的に資金繰りが悪化しているなら、日本政策金融公庫の国民生活事業で融資を受けられるケースがあります。

また、国や地方自治体でも独自の融資制度を行っていることもあります。

これらの融資では、申請条件が限定されていることが多いため、事前に確認した上で事業計画書などを準備します。

なお、政府系金融機関や自治体の融資では、無担保・無保証人で低金利、長期融資を受けられるなど、貸付条件が優遇されていることが多いため積極的に活用しましょう。

資金繰りを安定させる7つのポイント

資金繰りを安定させるためには赤字事業は見直し、在庫や与信など数値化できるものは数値化して、客観的に管理するのがポイントです。

1. 赤字事業の見直し

赤字事業は原因を見極め、対処が難しい場合は撤退などの判断も必要です。

また、主力事業自体の売上が低迷し、解決方法が分からないならコンサルタントなど、専門家に相談するのも有効な方法です。

2. 支払いサイトの見直し

売掛金の入金の後に、買掛金の支払い期日が来るように、支払いサイトを見直しましょう。

また、当座貸越契約を結んでいるなら、手形や小切手を振り出して支払う方法もあります。

3. 在庫管理の徹底

在庫商品は売れ筋のもののみに絞り、適正在庫にとどまるように管理しましょう。

また、月1回など定期的な棚卸を実施し、商品の過剰や損傷がないか確認します。

4. 資金繰り表の作成

資金繰り表には確定分や過去の実績から、将来の収支予測を記載します。

これにより、将来必要となる金額を把握することができます。

作成方法に決まりはないものの、月ごとに現金売上/支払、売掛金回収額、買掛金支払額などを記載し、3〜6カ月先の予想まで記載すると予測が立てやすいでしょう。

5. 与信管理

掛け売りの場合、得意先ごとに与信限度額を設定し、それ以上の取引は行わないように管理します。

また、支払い遅延や条件悪化などがあった場合は、限度額を引き下げ不測の事態に備えましょう。

6. 設備投資は営業キャッシュフロー内で行う

設備投資をする際は、本業で獲得した現金の範囲内で行うようにしましょう。

もし、借入金が必要な場合は、投資が軌道に乗ってから支払いできるように、長期借入れを選択しましょう。

7. 3カ月分の運転資金をキャッシュで保持する

現預金は運転資金の3カ月分を目安に保持しておきましょう。

資金繰りが悪化して銀行に融資を申し込んでも、1〜2カ月程度審査に時間がかかります。

その間をしのげる程度の現金を確保しておくと安心でしょう。

資金繰りが悪化してしまった事例を解説

資金調達で借入を一本化

最後に、中小企業の資金繰りが悪化しやすい事例と、改善方法を解説します。

資金調達を怠り余裕資金が底を尽きた

売上が順調に伸びている企業では、銀行からの融資を断り、余裕資金がほとんどない状態で営業を続けてしまうことがあります。

しかし、これでは売上が減少すると、一気に資金繰りが悪化してしまいます。

中小企業は信用力も弱いため、資金繰りが悪化したときに銀行の融資を依頼しても審査に通らないケースが多々あります。

売り上げが伸びても銀行との関係は維持し、ある程度の借入金を現金として手元に残しておくことが大切です。

費用の使いすぎでキャッシュが手元に残らない

節税のためとはいえ、売上の大半を費用として使ってしまうと手元にキャッシュは残りません。

これでは決算書上も印象が悪くなり、銀行融資も通りづらくなります。

結果として、事業の発展も難しくなります。

会社の利益は不必要な費用として使うよりも、納税額を正しく計算し、キャッシュを残した方が資金繰りは安定します。

現金の出入りを管理していない

帳簿上の売上と、実際の現金の出入りは一致しません。

また、売上が高くても、利益率が低ければ手元に入る現金はわずかです。

売上はあるものの、キャッシュフローを管理していなかったために資金繰りが悪化するケースは多くあります。

キャッシュフロー計算書と資金繰り表を作成し、実際の現金の流れを把握しましょう。

資金繰りの悪化は原因に応じた対処が必要

資金繰りが悪化する原因は大きく分けると、入ってくるキャッシュが減っているか、出ていくキャッシュが増えているかのどちらかです。

それぞれ、売上を伸ばす、経費を削減するなど、原因に応じた対処が必要となります。

また、得意先の倒産など、突発的な出来事でキャッシュが不足するケースもあるため、資金繰り表を作成し事前に資金繰りの悪化を予測できるように備えましょう。

資金繰りが苦しいときの対処法は、こちらの記事も参考にしてください。

参考記事>>>資金繰りが苦しい時の「資金調達方法」「リスケジュールの調整方法」を解説

また、もしもあなたが、

資金繰りが厳しくなる予定だが、どうやって対処していけばいいのかわからない

という中小企業の経営者であれば、、リスケ代行サービスの「リスケ対応丸ごと相談・代行サービス」にご相談(無料)ください。

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<参考記事URL>
中小企業庁:支払条件の改善に向けた取組及び課題について
第二東京弁護士会倒産法研究会:リスケジュールの方法((2) リスケ有効期間)
税理士法人新潟会計アシスト:財務無策が招いた資金繰り悪化事例

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この記事を書いた人

「元・都市銀行 / 地方銀行 / 信用金庫の銀行員」や、「元・日本政策金融公庫の方々」とともに、中小企業の資金調達プロ.comという、中小企業の経営者向けの銀行融資の代行支援のサービスを運営中。

今まで、中小企業・ベンチャー企業の融資やエクイティの資金調達に数多く携わった経験・実績があります。

新卒でリクルートに入社後、継続的なTOP営業に。営業責任者や企画職の責任者を歴任した後、ベンチャー2社でも営業責任者や新規事業責任者を経験した後に、独立・創業。

また、中小企業やベンチャー企業向け経営コンサルティング会社「株式会社Pro-d-use(https://pro-d-use.jp/)」の経営者の顔ももっています。

株式会社Pro-d-useでは、新規事業や事業再生を多く担当しており、資金調達を含めた財務やマーケティング、営業を中心にハンズオン型で支援しています。

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